土地家屋調査士

Last-modified: 2020-07-12 (日) 12:31:05

土地家屋調査士とは、不動産の表示に関する登記の専門家のこと。他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う。

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土地家屋調査士のバッジ

概要

家を建てたときに、その現状をまず法務局に登記するのが土地家屋調査士の主な仕事。部屋の広さや階数、屋根や建物の構造を登記し、これを法律上表題登記といい、土地家屋調査士の独占業務である。家の状況を調べてその価値を計算するのが土地家屋調査士の仕事のように勘違いされるが、それは不動産鑑定士の仕事であり、土地家屋調査士はあくまでも登記が仕事である。
例えば家を例にあげると、家の構造、所有者、抵当権者などが登記される。家を建築したときはまず最初に家の構造を登記するが、それを表題登記といい土地家屋調査士の業務になる。それ以外の権利の登記と呼ばれる箇所は司法書士の業務である。他の業務として土地の境界線の調査、建物の滅失登記なども行う。土地の境界線を明確にし、境界標という杭を埋めるのもその仕事の一つである。

必要性

土地の境界紛争や建物の相続が今後多く予想される中、司法書士に並ぶ不動産登記のスペシャリストとして土地家屋調査士は狙い目の国家資格である。あまり知名度もなく、受験生も年間1万人をきっているようなマイナーな資格ではあるが、家を建てたときの登記は土地家屋調査士の独占業務でもあり、土地の利用状況を登記する公共の仕事も多く存在する。開業者の平均年収も高く、仕事は安定している。最近では、土地の境界をめぐるトラブルの解決に土地家屋調査士が係ることも多く、今後も需要が見込める国家資格だと思われる。

初期投資

土地家屋調査士の仕事には土地の測量も多くともなうため、測量の道具が必要となる。初期投資が必要となり、器材を揃えるのに新品で200万程度は必要な模様。図面を書くのにパソコンが必要となるため、情報機器も使いこなせる必要がある。ただ、いきなり新品を購入するのではなく、中古品やリースにすれば月々の支払いを抑えることも可能で、自宅を事務所にすればその分経費もかからない。初期投資が必要だということは、設備を持っていないと誰にでも簡単に参入できないのと同時に、設備を持っていれば仕事ができるという特権でもある。

需要

上述したように、あまり世間的に馴染みのない資格なので受験生も多くない。しかし開業者の平均年収は1000万円を超えているとも言われており、狙い目の国家資格である。宅地建物取引士、行政書士などの不動産に関連する資格をあわせて取得すれば、かなり有望な資格となる。

試験

合格率は7%と難関。
試験には午前の部と午後の部がある。午前の試験は測量士補、測量士、1級建築士、2級建築士の有資格者は免除される。午前の試験は一般的にかなり難しく、測量士補は比較的取得しやすい資格なのでほとんどの受験生は測量士補を取得して午前の試験の免除を受ける傾向にある。例年2月初旬が測量士補の願書受付で、試験日は5月下旬、合格発表は7月初旬。土地家屋調査士の願書提出後に測量士補の合格発表があるが、測量士補の合格通知を提出すれば午前の試験が免除となる。
さらに午後の部は多肢択一式(マークシート:民法3問、不動産登記法16問、土地家屋調査士調査士法1問)と記述式問題(土地と建物の申請書の作成と作図)がある。この試験の特徴として、本試験に作図の出題が挙げられる。作図といっても本格的な建築図面ではなく、あくまでも見取り図程度の作図であるが、その作図にはsin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)の数学の知識が必要である。作図の方法は決して難しいものではなく、一度お手本を見せてもらえば誰にでも可能。練習を繰り返せばそんなに難しくはないが、作図の教材が市販されていないため、通信講座のDVDで学習するか、予備校の作図講座を受講するか、作図について書かれた書籍で学習する必要がある。
一般の電卓とは違う写真のような関数電卓も使いこなせなければならない。一見すると高度な知識が必要なように思われるが、座標の入力が中心なのでそんなに難しものでもない。仮に中学の頃の数学が苦手であったとしても、練習すれば問題のない内容で、高度な数学の知識までは要求されない。