登場人物それぞれの秘密について

Last-modified: 2021-12-22 (水) 22:12:38

凋叶棕による東方アレンジ作品「密」に登場した人物それぞれの秘密についての考察等を纏めます。
纏めるにあたって考察・小ネタwikiやファンサイトを参考にさせてもらいましたが、筆者個人の考察も時々入っているので「考察・解釈は人それぞれ」ということを頭に入れてお読み下さい。
記述するべき内容がやや多いため随時更新という形になります。完成をお待ち下さい。

はじめに

ボーカル曲は歌詞やブックレットがあるので考察がしやすいのですが、インスト曲になると得られる情報が少なくなってくるので考察が困難になります。
「密」と似た作品の「騙」とは違い何らかの形で内容などが察せる材料も少ないので、考察ができないインスト曲も出てきます。ご了承下さい。

1「ジ・アフターマス」

インスト曲。「Ms. lonely hedgehog」に至るまでの物語。
主人公は宇佐見菫子。
秘密は「ここで事件を起こしていること」と思われる。
学校で爆発事故を起こしたのは菫子であることが「Ms. lonely hedgehog」の内容から察することができる。
この曲で起こした事件の後日談、もしくは事件直後の菫子については「Ms. lonely hedgehog」で語られる。

2「Ms. lonely hedgehog」

ボーカル曲。「ジ・アフターマス」の後日談、もしくは事件直後。
主人公は宇佐見菫子。
秘密は「事件を起こしたこととその内容、そして菫子の秘封倶楽部に寄せられた誹謗中傷」と思われる。多分他にも数個ある。
「辺り一面 散らばっている≪名前も知らないクラスメート(だれか)≫の破片」という歌詞や真特設サイトのalt文にもある通り人が死ぬレベルの事故だった。
血に濡れた入部届に書かれている菫子及び菫子の秘封倶楽部への誹謗中傷は
「名前ださい」
「イタすぎwww」
「ぼっちが部活作って楽しいですかー??」
「は?????」
といった内容のもの。心が痛む。この事件の後菫子は失踪したようだ。

この先他作品との重要な繋がりについての話。
翌年の新譜「夢」でも主人公として菫子が登場したが、「夢」の菫子はこの曲で起きた事件について「自分が学校の皆を殺したこと」「自分が学校を崩壊させたこと」を病室への落書きという形で思い出している。
つまり「夢」の菫子は「密」の世界線の菫子と同一人物であり、「密」の菫子の行く先が「夢」の菫子だと考えることができる。
「夢」の菫子は、表題曲的楽曲「無終祭」にて病院で心停止し死亡する。この辺りは描写が結構生々しく、「夢の中で」幻想郷での宴を楽しんでいる菫子が「現実の世界で」亡くなったことを表す心電図の音は恐怖。
纏めると「密」で菫子が事件を起こし数人を殺してしまった、だがその菫子も「夢」で死んでしまったということである。
救いがなさ過ぎる。ひどい。

余談にて「菫子に救いがないこと」について色々個人の意見を語る予定です。

3「アイ・リトル・ヒーロー」

ボーカル曲。「サナエさん」の前日譚。
主人公は東風谷早苗orサナエさん。
「サナエさん」は「東風谷早苗」ではないとする説もあるが、RD氏によれば「サナエさん」は元々「早苗の幻想入り後に囁かれた早苗の噂「サナエさん」を否定するために後輩が動く」という曲になる筈だったということなので同一人物ということもあり得る。実際サナエさんも早苗と似た能力を持っているようなので。
秘密は「自分の正体、そしてヒーローとして人助けを行っていること」と思われる。
正体を隠していることについては「何処の誰かは知らないけれど」という歌詞、
人助けを行っていることを隠していることについては「(・・・だけどクラスの皆には絶対に秘密なんだからね!)」という歌詞から読み取れる。
いつか見たヒーローにときめき憧れ、その輝きを忘れられず自分もヒーローとして活動を始めたらしい。
こうやって人助けをして良い生き方をしていたのに、幻想入り後は「サナエさん」として恐ろしい噂を囁かれるようになってしまったのは本当に切ない。

4「それは時代と共に」

インスト曲。
主人公は八雲紫。
情報が極端に少ないため考察は残念ながら難しく、ここでも考察はできないが、この曲は秘封倶楽部関連で収録されていることだけは分かる。

5「『我が愛しき密室少女に寄せて』」

ボーカル曲。「密」の中では数少ない光の曲である。
主人公は小悪魔。
秘密は「主であるパチュリーでカップリング妄想をしていること」と思われる。
どのCPでもパチュリーを受け側にしているところに笑いがこぼれてしまう。
明るくかわいい一曲だが、「二次で殆どの設定が作られていった小悪魔を主人公にしていること」「語られるカップルの物語は全て小悪魔の妄想、例えるなら二次創作」というところから、東方の二次創作についての想いが込められた一曲にも見える。
実際RD氏も「二次創作は呪い」と語るくらいには二次に強い想いがあるようなので…。

6「アリス・ザ・エニグマティクドール」

ボーカル曲。アリスノルマ達成。
語り中心の曲を除けば凋叶棕楽曲の中で再生時間が最長の超大作である。
主人公は二人、アリスと秘密を暴こうとする少年。描かれる秘密はアリスの秘密。
秘密は「人形劇の人形の仕組み」と思われる。
簡単に言えば、不思議な人形劇をするアリスの人形の秘密を暴こうとする少年とアリスの物語である。
少年はなんとかしてアリスの秘密を暴こうとして、気を引いたりするのだが。逆にそれがアリスを怒らせる原因となってしまい、少年は結局「九人目の人形」として人形劇の仲間たちに加えられる…という考察が有名である。筆者も歌詞からそのままに解釈するとそういう考えが出てくる。

そして、他の曲との繋がりについて。
この曲は他曲との繋がりが多い上「蓬莱人形」初版の物語も関係してくるため、考察がとてつもなく複雑になる。その考察を分かりやすい文章にして誰かに伝えることにも苦労するが、限界まで頑張って纏めてみる。
まず、アリスの人形劇を見ていた子供達。「蓬莱人形」を原作とする人形劇を見ており、その内容が「随」収録の「『仲良し村の八人の仲間たち』」で判明した。そして「アリス・ザ・エニグマティクドール」と「『仲良し村の八人の仲間たち』」のブックレットを見ると、人形劇を見ていた子供達の姿が「童遊」に登場した子供達に似ているため、人形劇を見た後の子供達を描いたのが「望」収録「童遊」と思われる。
次に、アリスと人形劇の秘密を暴こうとした少年。この少年の姿も「『仲良し村の八人の仲間たち』」のブックレットに描かれているため、どう解釈しても「『仲良し村の八人の仲間たち』」の物語が「アリス・ザ・エニグマティクドール」の直前の出来事であることは確実である。
「『仲良し村の八人の仲間たち』」の最後にアリスが「この人形がどうして動いているのかは秘密」と語っていたので、この時点で彼女の秘密が丸わかりである。筆者も「ああ、やっぱりそういうことだったのか!!!」となった。
ちなみに頒布順では「望」→「密」→「随」の順。
「アリス・ザ・エニグマティクドール」の直前の出来事が「『仲良し村の八人の仲間たち』」で描かれたように、こうやって後から物語のヒントを投下してくるのも凋叶棕の個性であり凄いところである。
ちなみに歌詞カード裏、つまり秘密面では「屠」ジャケット及び「屠」収録「墓標」「葬迎」に登場した正直者たちと「蓬莱人形」ジャケットに描かれた少女が描かれている。正直者八人は最後に残った正直者だけが死んだ7人の正直者と色が違うというこだわりっぷり…もしかしたらこの色が違う1人は、最後に人形にされた「秘密を暴こうとした少年」なのかもしれないが。このことから「屠」と「蓬莱人形」そのものを巻き込んだ解釈も可能であり、何らかの形で繋がりがあることも確実となる。

個人的に気になる点は、この曲のアリスがこの後どうなったのか。
「アリス・ザ・エニグマティクドール」終盤の歌詞から、少年がアリスの正体を「人形劇の人形と同じもの」つまり「人形」であると主張したらしいことが分かる。少年はここでアリスの逆鱗に触れたのか、結局人形にされてしまった。
「お前も同じ人形なんだろう」この主張から思い出される曲がある。
「夢」収録「少女人形」である。
「少女人形」はアリスが見た悪夢を歌った曲で、その内容は「操る側と操られる側(アリスと人形)が逆転し、アリスが人形側になってしまう」というもの。
この夢の内容は「アリス・ザ・エニグマティクドール」の少年が主張した「アリスは人形」ということに酷似しているため、「少女人形」は「アリス・ザ・エニグマティクドール」のアリスが少年の言葉に影響されて見た夢だという考察があるのだ。
「Ms. lonely hedgehog」の項目でも説明した通り「夢」は「密」の続編である可能性が高いため、この考察も納得いくものだが…

いくらなんでも他曲・他アルバムとの繋がりが多すぎる。
もう何がなんだかこんがらがって文章を打ち込んでいるこっちも頭がおかしくなりそうである。もうここでは語りきれないし考察の限界が来ている。申し訳ないが、ここの考察はここで終わらせてもらう。
あとはファンサイト等で詳しすぎる考察を書き綴ってる方が居ますのでその方々の考察も参考にしてみてほしいです。他力本願ですみません。

7「マエリベリー・ハーンの憂鬱」

インスト曲。
主人公はマエリベリー・ハーン。
考察は難しいが秘封枠であることは分かる。
憂鬱、とあるがメリーには何があったのだろうか。「憂鬱」とは気分が晴れ晴れとしていないことである。
まああの隠しトラックですからね。隠しトラックを聴いてみると、メリーの憂鬱とは「一緒に居ること」で、秘密は「一緒にいることで感じている憂鬱」だったのかもしれない…と思い、ハッとする。

8「いつか沈み行く暗闇の中に」

ボーカル曲。恒例レイマリ曲。
主人公は博麗霊夢。
この辺りの考察はボーカル曲ながらかなり難しいが、秘密は「隣で眠る魔理沙」と思われる。
秘密面の歌詞カード裏にも「電気を消して魔理沙の寝顔を見つめる」霊夢だけが描かれており、歌詞にも「ズバリこれだ!」という文も特にはないため謎が多い。まず秘密がどういったものなのか、その考察から難しい。
二人共暗闇に怯え、不安を抱えているようだ。
秘密面ではない表側の歌詞に、霊夢の発言と思われるものとして「灯りはけして消してしまわないで」とあるので、こんなことを言っていたのに魔理沙が寝てから霊夢が電気を消したことも秘密と考えられるのだろうか。流石に簡単すぎて無理か。
原曲の「少女綺想曲」が旧作の「少女綺想曲」であるところも気になるが、筆者は頭が悪いためこの辺りはあまり深く考察できない。申し訳ないです。

9(三部構成)「竹藪の中」

ボーカル曲。
主人公は上白沢慧音、ときどき藤原妹紅。
元ネタは芥川龍之介の「藪の中」と思われる。
「藪の中」ではとある殺人事件の当事者がそれぞれ同じ事件について違う内容の話をしていたことで真実が判らなくなっていく。この曲「竹藪の中」もそれと同じ構造である。
しかし、歌詞で語られる情報が複雑だったり歌詞カードから得られる情報に謎が多かったりで考察が難しい。凋叶棕ファン曰く「歴代楽曲屈指の難しさ」とのこと。確かにめちゃくちゃ難しい。

基本は「里で暮らす子供が一人、獣に襲われて亡くなった」という事件を中心に物語が進んでいく。
「竹藪の中」では「花屋」「白兎」からの証言、それから「白澤」の独白が語られる。
そして最後は秘密面、「  人」の慟哭。

まず第一部「≪阿礼乙女に問われたる花屋の物語≫」。
この「阿礼乙女」は稗田阿求のことである。
タイトルから「≪阿礼乙女に問われたる花屋の物語≫」では「阿求が花屋に事件について聞いた」ということが分かる。
ここで花屋が語った事実から阿求が得た情報は、「二人の子供が赤銅の獣に襲われ、嫌われ者の子供が死んでもう片方の子供は生きて帰ってきた」ということ。

次に第二部「≪蓬莱人に問われたる白兎の証言/白澤の独白≫」。
「証言」側の「蓬莱人」は歌詞カードの絵から分かる通り藤原妹紅、「白兎」は同じく歌詞カードの絵から因幡てゐのこと。
そして、「独白」側の「白澤」はそのまま上白沢慧音のことである。
「証言」側は妹紅が因幡てゐに事件の話を聞いたという内容。てゐの話から妹紅が得た情報は「嫌われ者の子供は里の誰もが死を望む程暴虐だったこと、子供を襲ったのは銀毛の獣でありどこかで見たような姿だった」ということ。
阿求が得た情報とは違う箇所が出てきており、阿求の聞いた話では「赤銅の獣」だった部分が「銀毛の獣」になっている。てゐは「どこかで見たような姿」と言っているため大体誰が襲ってきたのか見当が付いているのかもしれない。
「銀毛の獣」となると当てはまる人物が多い。しかし歌詞カードでてゐの証言内に描かれた「銀毛の獣」の角には赤いリボンが付いていたため、ここで言われている「銀毛の獣」は白澤の姿をした慧音なのかもしれない。
「独白」側では、慧音が歴史を作り変えている…つまり、歴史を「食べている」もしくは「創っている」ことが分かる。
「誰も苦しめぬよう」歴史を作り変えているようだが…もし、てゐが語っていた「銀毛の獣」が慧音なら、慧音が一番傷ついているのではないか?
慧音は人間を大切に思っている。その大切な人々に悪い噂を囁かれるなんてこの上ない苦しみだろう。
それでも誰かの為に、ただ口を噤む。ただただ切ない。

最後に第三部・秘密面、「≪  人の慟哭≫」。
「≪阿礼乙女に問われたる花屋の物語≫」そして「≪蓬莱人に問われたる白兎の証言/白澤の独白≫」で語られた事件についての話、そして「≪  人の慟哭≫」の歌詞、歌詞カードの絵…それら全てから、この曲に隠された秘密がなんとなく読み取れる。
秘密は「妹紅が人殺しを犯したこと、そしてその記憶を関係者全員から抜き取ったこと」と思われる。この秘密は慧音のもの。
描かれているのは白澤の姿の慧音、膝をつき慧音を見つめる妹紅。妹紅は慧音の方を向いているため、表情は見えない。
妹紅の周りには煙のようなものがあり、妹紅から記憶が抜き取られているように見える。
抜き取られている歌詞から読み取れる内容は
「二人の子供が遊んでいた時に赤銅の獣が襲いかかってきて、二人は怯え泣いていた」
「駆けつけた銀の髪の少女(藤原妹紅)が、子供達を守るために炎の技を使った」
「しかし火の手が広がっていったとき、炎は獣ではなく子供を襲った」
ということ。
赤銅の獣がその後どうなったかはわからないが、子供が死んでしまったのは明らかである。
妹紅は殺すつもりなどなかったが人殺しを犯してしまったのだ。
「≪  人の慟哭≫」最後の歌詞「決して許してくれるな」は、白澤と蓬莱人両方の言葉だろう。

しかし最後にどうやっても残る謎が一つ。「  人」の空白の部分が、歌詞カードでは黒く塗りつぶされ読めなくなっている。
ここに入る言葉は、「大罪」なのか「獣」なのか「蓬莱」なのか。それともまた別の言葉なのか。
真実は最早竹藪の中である。