戦場のメリークリスマス

Last-modified: 2021-01-20 (水) 20:30:43

戦場のメリークリスマスとは、1983年に日本で公開された映画である。

概要

原作は、ローレンス・ヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』 に収録された2作品、「影さす牢格子」と「種子と蒔く者」に基づいている。 この作者自身のインドネシアのジャワ島での、日本軍俘虜収容所体験を描いたものである。

第36回カンヌ国際映画祭に出品され、グランプリ最有力と言われたが受賞は逃した。

あらすじ

1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダの男性兵デ・ヨンを犯す。日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と奇妙な友情で結ばれていく。

一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)は、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)を預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく。

同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー(ジャック・トンプソン)と衝突する。東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待っていた。

キャスト

  • ジャック・セリアズ英軍少佐 - デヴィッド・ボウイ(青年期)/クリス・ブラウン(少年期)
  • ヨノイ大尉(レバクセンバタ俘虜収容所所長) - 坂本龍一
  • ハラ・ゲンゴ軍曹 - ビートたけし
  • ジョン・ロレンス英軍中佐 - トム・コンティ(吹き替え:池田勝)
  • ヒックスリー俘虜長 - ジャック・トンプソン
  • 拘禁所長 - 内田裕也
  • イトウ憲兵中尉 - 三上寛
  • カネモト(朝鮮人軍属) - ジョニー大倉
  • デ・ヨン(オランダ軍兵士) - アリステア・ブラウニング
  • ウエキ伍長 - 飯島大介
  • ヤジマ一等兵 - 本間優二
  • ゴンドウ大尉 - 室田日出男
  • 軍律会議通訳 - 戸浦六宏
  • フジムラ中佐(軍律会議審判長) - 金田龍之介
  • イワタ法務中尉(軍律会議審判官) - 内藤剛志
  • 軍律会議検察官 - 石倉民雄
  • 日本兵(俘虜収容所勤務) - 三上博史,車邦秀
  • セリアズの弟 - ジェイムズ・マルコム

作品解説

第二次世界大戦をテーマにした戦争映画でありながら、戦闘シーンは一切登場しない。また、出演者はすべて男性という異色の映画でもある。撮影はクック諸島のラロトンガ島で行われた。
ハラ軍曹らに見られる当時の日本軍による捕虜に対する扱いや、イギリスなどにおける障害者への蔑視行為やパブリックスクール(寄宿制名門校)におけるしごきなど、歴史の闇の部分も容赦なく描いている。

配役

大島が「『連合艦隊』と『大日本帝国』に出た役者だけは使いたくなかった」と話した。当初、ハラ軍曹役には緒形拳や勝新太郎がキャスティングされていたが、緒形はスケジュールの都合、勝とは脚本の変更を要求したため折り合いがつかず、ビートたけしに変更となった。ヨノイ大尉役も三浦友和、沖雅也、滝田栄、沢田研二、友川カズキらが予定されていたが、各々スケジュールなどが合わず、坂本がキャスティングされた。また、セリアズ役にもロバート・レッドフォードや、映画監督フランシス・フォード・コッポラの甥で当時高校生だったニコラス・ケイジ等にオファーをしていたが、両者とも断ったため、セリアズ役はデヴィッド・ボウイが演じる事となった。デヴィッド・ボウイはオファーを了承した後、2年間、体を空けて待っていたという。

演技

台本をまったく覚えずに現場入りした坂本は当然上手くセリフが言えず、絶対に監督から怒られるシチュエーションを自ら作ってしまったが、監督はなぜか相手役に「お前がちゃんとしないから坂本君がセリフ話せないんだろう!」と怒ったという。この監督の一種の配慮により、たけしと坂本は無事クランクアップを迎えることができた。

 

演技についてたけしは、「NGは監督からほとんど出されなかったけど、代わりにアフレコはさんざんやらされた」と語っている。これは、監督からオファーを受けた際「自分は漫才師であり、俳優でありませんから、きちんとした演技はできません」と前もって伝えていたことから、監督なりの配慮がされた結果と言える。加えてたけしがNGを出すと、代わりに脇にいた助監督が叱られたというエピソードが残っている。

 

当時、たけしと坂本は、2人で試写のフィルムを見て、たけしが「オレの演技もひどいけど、坂本の演技もひどいよなぁ」と語りあい、ついには2人でこっそりフィルムを盗んで焼こうという冗談を言い合ったという。また監督の大島渚はできない俳優を激しく叱責することで有名だったため、たけしと坂本は「もし怒られたら一緒にやめよう」と約束をしていた。

演出

作品の終盤、反抗的な俘虜長を処刑しようと日本刀を抜いたヨノイ大尉(坂本龍一)に、セリアズ英軍少佐(デヴィッド・ボウイ)が近づき頬にキスをするシーンで、画面が微妙に揺れ動いているが、これは意図して行った演出ではなく撮影機材の故障により偶然生じたものであった。その後に撮り直したものと比較して、画面が微妙に動く前者の方が心理描写を的確に表現できているとしてこれを採用した。後に大島渚監督は「奇跡だよ」と周囲に語ったという。

 

たけしがドアを開けるシーンで散々リハーサルするもタイミングが上手く行かず、ついに監督が怒り出し、「このタイミング!このタイミングがこの映画で一番大事なんだ!」と怒鳴るものの、本番直前にドアは壊れてしまう。仕方なくドアなしで撮ったが、直後にドアが壊れた件について監督が「え?何?ドア?あんなのどうでもいいんだ!」と答えて、たけしは呆然となったという。

製作費

約600万ドル(当時約15億円)とも、650万ドルとも、とも16億円ともいわれる[。企画を始めた1978年は、松竹が全額出資すると言っていたが、資金集めは難航し、日本国内だけでの資金調達は不可能で、松竹は大島に「途中から外国で半分持ってくれる所を探して来い」と言った。日本人でプロデューサーを買って出る人がおらず、製作に漕ぎ着けるまでに時間を要した。『戦場のメリークリスマス』の製作とシネマスクエアとうきゅうのオープニング上映作品を探していたヘラルド・エースの原正人が、ニコラス・ローグ監督の『ジェラシー』買い付けで知り合った同作の映画プロデューサー・ジェレミー・トーマスに『戦場のメリークリスマス』のプロデュースを打診し、ジェレミー・トーマスが『戦場のメリークリスマス』のプロデューサーになった。ようやく資金の目途がついたら松竹は「もう製作には参加しない、配給だけやる」と言い出した。大島がそこで諦めていたら全て終わりだったが、大島は全財産をはたき、個人的借金をして、日本側が大島渚プロとテレビ朝日が住友銀行から、ジェレミー・トーマスが外国側の製作費を全額ニュージーランドの銀行から引き出した。撮影地をニュージーランドの国内、またはニュージーランド領で行うということは、ニュージーランド側からの条件の一つだった。日本、英国、ニュージーランド三ヶ国の合作映画だが、ニュージーランドは金を出しただけで、基本的には日英合作である。大ヒットした後、松竹は「製作もすればよかった」と言ったという。

反響や評価

試写会で自分の演技を見たたけしは、「自分の演技がひどすぎる」と滅入ってしまったが、共演の内田裕也やジョニー大倉は「たけしに全部持ってかれた」とたけしの存在感に悔しがったという。一方で、大島は周辺に「たけしがいいでしょう」と漏らし、同席した作家・小林信彦に、滅入っているたけしを褒めるよう要請している。後にたけしは「すぐれた映画監督というのは、その俳優が一番見せたくない顔を切り取って見せる人を言うんじゃないかな?」と、自分の演技を引き合いに大島監督の力量を絶賛した。

 

後日、ビートたけしは「坂本もオイラもこの映画に客観的に参加していた、映画がこけちゃえばいいとさえ思っていた。ほかの役者のように大島監督からエネルギーを吸い取られるようなことはなかった」と語った。

 

テレビ放送では1984年12月23日に23.6%、1985年12月22日に15.1%の視聴率(ビデオリサーチ調べ)を記録した。

考察

日本人がメガホンを取った戦争映画ながら、表面的なメッセージ性は薄い。しかし、日本軍の捕虜への待遇と、その根底にある日本独特の「武士道」、「神道・仏教観」や「皇道派、二・二六事件」、明治以降の日本人が抱いた強い欧米への劣等感と憧憬、そして、英国人・欧米人にある「エリート意識・階級意識」、「信仰心」、「誇り」、「死と隣り合わせのノスタルジア」(弟の歌う 「Ride Ride Ride」の曲にのって描かれる、故国の田園の居宅の「バラ園」)などがより尊く描かれ、また、それを超えた友情の存在とそれへの相克がクライマックスにまで盛り上げられていく。

 

また、後期の大島作品に底流する「異常状況のなかで形作られる高雅な性愛」というテーマも、登場人物らの同性愛的な感情として(婉曲的ながら)描写されている。

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……と、ここまでは映画の評価であるが、この記事の名前、見覚えないだろうか?特に音楽の教科書……。そして坂本龍一さん……。

 

そう!実はこの映画、音楽としてもかなり評価が高いものなのだ!

認知度

認知度って言ったらそりゃもうアレだよ!
国内外でも様々なアレンジがかけられたり、坂本龍一さんのライブとかでも何度か編成とかアレンジかけて演奏してるし、しかもその楽譜が必ずっていいほど市販されてんだぜ?ピアノ奏者大喜びじゃねーか!
あとちょくちょくクリスマスシーズンになると流れるのもいいよな~。
音MADにもされてるくらいだぜ?すげーだろ。

曲想

んーとね、ペンタトニック(移動ドで言う「ド・レ・ミ・ソ・ラ」)中心の“オリエンタルなメロディー”+“近代西洋音楽の和声”=“東洋と西洋の高次な結晶”というような評価が世界中でされたんだーけーどー、坂本さん自身は「西洋でも東洋でもない、他のなんでもない、わけのわからないもの」として“東洋+西洋”という単純な考え方を否定してんのねー。まあそれでもどこでもないどこか”、そして“いつでもない時間”をコンセプトに作られたんだけどね。

周りのアレンジ

サラ・ブライトマンさんだったり、宇多田ヒカルさんなどに様々なアレンジがされてるくらい有名だよん。気になったらつべで見れば?

関連動画

↑これが原曲。不思議な気分になる旋律の音がいい感じ。

↑これがアルバム「/04」のやつ。イントロの終わり方が微妙に違うのも注目。

↑これがピアノ弾く時のいつもの。

↑これが宇多田ヒカルさんの。吐息混じりの歌声がふつくしい……

↑これがsasakure.UKさん、ボカロ好きにはささくれPで通じるかな?原型ないけどこれはこれで好き。

 

みんなもこれ見て好きになれよ

コメント

  • wikiのパクリかと思ったら曲の所で安心した -- 2019-04-14 (日) 22:23:02

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