敷金診断士

Last-modified: 2020-07-12 (日) 22:00:42
wikipedia_nega.jpg

この記事は日本語版Wikipediaに無い記事である。やったね!

敷金診断士とは不動産賃貸における敷金・保証金を巡るトラブルの解決策を図る専門家として、日本住宅性能検査協会が認定する民間資格。

概要

アパートやマンションなどの賃貸物件を借りている人にとって、退去時の原状回復費用や敷金・礼金の返還については気になる面がある。何事もなく部屋を引き渡して、預けた敷金が全部戻ってくれば問題ないが、過大な修繕費用を差し引かれ、手元に戻ってくるお金がほんのわずかであればトラブルにつながる。現に年間15000件もの相談が国民生活センターに寄せられていることを鑑みると、円満に全額返金とはほど遠いようである。
敷金診断士とは、退去時の敷金や保証金の返還をめぐるトラブルの解決を間接的にサポートする専門家のこと。「士」となっているので、国家資格と誤解する人も多いようだが、日本住宅性能検査協会が認定する民間の検定試験である。敷金診断士は、第三者としての立場から賃貸物件の適正な原状回復費の査定をおこない、入居者に敷金が法令に基づいて正しく返還されるようお手伝いする役割を担う。

ADR調停人の基礎資格について

敷金診断士の主催者である日本住宅性能検査協会のホームページを見ると分かるが、しきりに「調停人基礎資格」として、法務大臣認証ADR調停人の基礎資格の認定を受けたことをPRしている。これがどういう制度なのかを簡単に説明すると「争い事が生じた場合、法律知識を備えた一定の専門家が間に入って(調停)、裁判などをせずに話し合いで手っ取り早く解決しましょう!」という制度のこと。
これだけで判断すると、敷金診断士は弁護士のような業務もできるのかと早とちりしてしまいそうだが、敷金診断士は弁護士のようにお金をもらって代理人として交渉はできず、あくまでも中立的な立場での「交渉の提案」に当たるだけである。退去時の立会いをしたとしても、適正な原状回復費の査定をするまでしかできない。
仮に、大家が敷金診断士の提案を断ったらそこまでで、敷金診断士はそれ以上何もできない。話しが揉めて、敷金診断士が代理で交渉しようものなら非弁行為となって弁護士法違反になる。お金をもらって法律相談に応じることもできない。敷金返還のトラブルは、話が揉めると裁判になるケースもある。裁判は大げさと思われるかもしれませんが、少額訴訟であれば1人でも簡単に低料金でできるので決して珍しいケースではない。その際、敷金診断士は、法律に関わる業務で報酬を得ることは非弁行為となるので裁判に直接的に関われないのである。
よって、敷金診断士は民間の検定試験だけあり、できる業務の内容は非常に限定的。

必要性

敷金診断士は、法律の裏付けのない民間の資格なので法的な拘束力などはない。就職や転職にはほとんど役に立たないが、不動産の仲介業へ就職するのであれば、多少役立つ機会はあると思われる。
ちなみに敷金診断士とは民間の検定試験だと前述したが、正確に言うと、名前が商標登録として国に認められているだけなので、国家資格でも公的な資格でも何でもなく誰もが勝手に敷金診断士の名称を利用できないだけである(つまり資格名称の使用権利の販売事業のようなイメージ)。
収入面に関しても、敷金診断士の資格を取得して独立すればどれくらいの収入を得られるのか?という以前の問題で、法律で定められた独占業務も存在しないので、この資格だけで仕事して収入を得られるとは考えない方が無難。

試験

敷金診断士の難易度だが、同じ不動産系の宅地建物取引士管理業務主任者マンション管理士に比べたらかなり簡単。合格率は60~70%ほどで、民法や不動産の基礎知識があれば合格できる。
そもそも宅地建物取引士が、不動産の取引に重点を置いている資格であるのに対し、敷金診断士は建物自体の評価に重点を置いているため、宅建の試験範囲に含まれない賃貸物件の標準賃貸借契約書に関する知識、国土交通省のガイドライン等などについて学習しなければならない。敷金診断士と宅地建物取引士とでは、学習する内容が異なるが、宅地建物取引士の方が断然難しい。
なお、試験は、全国約200ヵ所のCBT試験会場にて実施する。CBT試験とは、パソコンの画面に問題が出題される方式のこと。

敷金診断士と敷金鑑定士の違い

敷金鑑定士と敷金診断士の違いについてだが、どちらも民間の試験であって大した違いはない。法律による裏付けのない商標登録された名称にすぎないので、業務としてできる内容に限界があり、ともにアドバイスや査定といった程度しかできない。