測量士

Last-modified: 2020-07-13 (月) 19:05:45

測量士とは、あらゆる建造物を造る際に必要な土地の位置・高さ・長さ・面積を測り、図面を作成する仕事のこと。測量法に基づき国土交通省(国土地理院)が所管している国家資格で、測量業者に配置が義務づけられている(営業所ごとに一名以上の有資格者(測量士ないし測量士補)を設置する)。なお、測量士の下位資格である測量士補は、測量業者の作製した計画に従って測量に従事するのみとなっており、その権限や立場に差がつけられている。

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仕事内容

測量士における主な仕事は、建設現場などにおいて工事が安全かつ円滑に進むように測量計画を策定し実際の計測作業を行う「土木測量」が中心。この測量業務は、測量士だけに行うことが許可された「独占業務」である。また、土木測量以外にも、地図を作成するための「地図測量」や、個人・法人の所有する土地の面積などを測定し測量図を作成する「地積測量」という業務も測量士の仕事に含む。近年は、取り扱う測量機器や測量方法が専門化、複雑化する傾向にあり、最先端技術を使いこなす技術が求められる。
測量という業務自体が非常に専門的であることから、測量士の多くは、測量事業のみを専門に取り扱う測量会社に就職することが多い。また、建設コンサルタント会社という、主に公共事業などの大規模工事における計画立案や調査を支援する企業に勤める場合もある。その他、地図を作成する会社に勤めて地図測量に特化した業務を行ったり、経験を積んだ後に独立して事務所を開いたりするケースも存する。
測量士は、「外業」と呼ばれる屋外での測量作業と、「内業」と呼ばれるデータ解析や測量図作成などのデスクワークをの両方をこなしていくことが必要である。測量作業は、繊細な操作が要求されるため、日が明るく作業しやすい時間のうちに外業をすませ、夕方以降に事務所での内業を行うケースが一般的。

測量士になるには

測量士になるためには国家資格と免許登録が必要だが、その資格には「測量士」と「測量士補」の2種類がある。測量士補は、現場での測量業務自体は行えるが、その作業手順は測量士の作成した「測量計画」に従わねばならず、また自分自身で測量計画を作成することもできない。測量士補のほうが資格取得の難易度は低いが、多くの人は行える業務に制限のない測量士資格の取得を目指し、実際の現場でも測量士のほうが多い。

また、測量士になるためには国家試験に合格する方法と、試験を受けず資格を取得する方法の2通りがある。国家試験に受験資格はなく、誰でも受験は可能。試験を受けないルートは学歴などによって条件が異なる。

  • 大学で測量に関する科目を納めて卒業し、実務経験を1年以上有する
  • 短大や高専で測量に関する科目を納めて卒業し、実務経験を2年以上有する
  • 専門の養成施設で測量士補となるのに必要な知識と技能を1年以上学び、実務経験を2年以上有する
  • 既に測量士補の資格を有し、専門の養成施設で高度な専門知識と技能を修得する

これらのいずれかを満たして国土地理院に登録すれば測量士になれるが、どちらの方法を選択するかは各自の判断に委ねられる。なお、測量士試験の合格率は年によって多少ばらつくが、概ね10%前後で推移しており、受験者の多くが実務経験者である点も考慮すると、難関といえる。

測量士の給料・年収

測量士の平均年収は450万円ほどとなっており、平均的なサラリーマンとほぼ変わらないか、少し高いくらいの水準である。勤務先の業種によって給与に多少の差があり、建設コンサルタント会社の年収が相対的に高い一方、地方の工務店など小規模の会社は年収300万円~400万円となるケースもある。

測量士の雇用形態・働き方

測量士の多くは測量会社に正社員として勤務するが、中には独立して測量事務所を開業する人もいる。測量士の行う3つの業務、「土木測量」「地図測量」「地積測量」のうち、前者2種類は、建設会社の子会社や地図作成専門会社が行うことが大半で、独立しても仕事が得られる見込はほぼない。しかし地積測量業務は、全国どこでも需要がある上、土地家屋調査士行政書士?などの資格と併せれば十分な仕事量を得られる可能性がある。よって、独立するならば、他の資格取得を目指し、地積測量を専門にするのがよいと思われる。
測量士は測量業務と測量図作成の両方を行わねばならないが、測量業務を日中に済ませる必要があるため、デスクワークができるのは基本的に夕方以降になる。そこから膨大なデータを処理し、さまざまな計算を駆使して図面を作成しなければならない関係上、残業時間はどうしても多くなる傾向にある。また、公共事業関係の仕事は、官公庁の予算の都合から年度末に集中するために、1月~3月は特に忙しくなるようで、場合によっては休日返上で働かないといけないときもある模様。
測量業務は全国に需要があるため、測量士の求人もエリアを問わず多数存在する。求人情報の中からは、まだ測量士の資格を取得していなくても就職できる企業もあり、測量補助など助手としての仕事から初めて、実務経験を積むかたわら資格取得を目指すことが一般的。ただ、その専門的な業務内容から、実務に習熟するには一定期間を要するので、測量業務の経験がある人や、測量士の有資格者はどの企業でも優遇される。
高齢化の進展に伴う社会保障費の増大を受け、政府はインフラ整備などの公共事業を抑制し続けており、測量士の業務量が今後大きく増えていくことは想定し難い状況。それでも、公共工事、民間工事を問わず、土地開発事業は今後もある程度実施され、測量士の需要は相応にあり続けると思われる。また、測量士有資格者の年齢構成はかなり高齢に寄っており、今後引退する測量士が増えて競争が緩和してくることも、これから測量士を目指す人にとっては追い風と考えられる。