祝福のメシアとアイの塔

Last-modified: 2022-05-10 (火) 17:29:56
「共に分け合っていこう」

人智を越えた力を求め神を愚弄した文明が、神の怒りを買った。
神が、世界を形作る9つの要素を1つの塔の中に封じ込めると、世界は緩やかに終焉に向かい始めた。
そんな中、神の許しを乞おうと1人のメシアとその仲間たちが塔を登った。
メシアは神の許しを得て、9つの要素から祝福の灯をもらい、祭壇に世界の寿命を灯す。
それから――世界の寿命は、15年ごとに生まれるメシアの灯で繋がれていった。

祝福のメシアとアイの塔とは、2016年7月20日に投稿された、
ひとしずくP氏とやま△氏による楽曲である。

概要

制作陣
作詞ひとしずくP・やま△
作曲ひとしずくP・やま△
編曲ひとしずくP・やま△
イラスト鈴ノ助
動画制作TSO(とさお)・VAVA(ヴァヴァ)
初音ミクKAITOMEIKOIAMAYU
神威がくぽGUMI巡音ルカ鏡音リン鏡音レン

歌唱しているのはVOCALOIDの初音ミクKAITOMEIKOIAMAYU神威がくぽGUMI巡音ルカ鏡音リン鏡音レンの10人。また、この10人による楽曲は「怪盗Fの台本~消えたダイヤの謎~」以来である。
イラストを鈴ノ助氏が、動画をTSO(とさお)氏とVAVA(ヴァヴァ)氏が手がけている。
アルバム「EXIT TUNES PRESENTS Vocalocreation feat. 初音ミク」への書き下ろし楽曲である。
そして、2020年9月11日にニコニコ動画にて自身7曲目となるミリオン再生(100万再生)達成した。
ちなみに、メシア(メサイア)というのは「救済者」という意味である。

動画

歌詞

(初音ミクwikiより転載)

終焉の大地の果て 残された子らは
頼りなく小さな手を重ねて
健やかなる時も 病める時も ただ信じて……
「共に分け合っていこう」

人の智を超えて 思い上がった愚かな羊に
神の裁きが下った
滅びゆく世界を守り続ける「アイの塔」には
世界の寿命が灯る

若者の村に 王国の使者がもたらした
予言の報
針子の少女に 誉れ高き【次のメシア】へと
神託が降りた

塔の中に守られし【祝福】は
9つの メシアだけが賜う【栄光】
君と共に 僕らも塔へ連れ立とう
滅びゆく楽園の命、繋ぐため

祝福をこの手に 心、打ち鳴らし
栄光を掴み取れ 懸命に……
信じ合う仲間とともに 助け合えば
恐れるものは、なにもない

最初の祝福を
命が渦巻く【華やぐ波】の扉へ 手を伸ばす
ふと、大きな手を重ねて 青年が言った
「共に分け合っていこう」

メシアを押しのけ 横取られた最初の祝福
仲間たちは いがみ合い
2つ目の扉 赤き目を血走らせ
剣士は【炎の宴】に興じる

【恵みの陽光】を勝ち取って
悦に入る姉の手を振り払い
悔しげな顔で 妹は【安息の闇】へ
息巻いて進む

「選ばれたのは、私なのに……」
「「独リ占メハ許サナイ……」」
「欲」は人を変えてしまうのか?
僧は祝詞を【揺蕩う大地】に捧げて
詩人は【雷鳴の囃子】口遊ぶ

祝福をこの手に…… 心、研ぎ澄まし
栄光を奪い取れ 我先に……
信じ合う仲間は、何処へ…… 誰もが、敵?
断ち切りなさい 過ぎた愛を

【旋風のロンド】に 踊り子が舞う
双生の姉は 片割れを押しのけ
【白銀の園】へ
歓喜の雫は流れる間もなく 凍てた

9つ目の祝福は 眠れる【マグマの胎動】
双生の弟は メシアを欺いて
誇らしげに笑った

信じた仲間に裏切られ
【祝福】はすべて 横取られた
灯らぬトーチ 掲げながら
祈りの祭壇へ……

塔の中に封じられし【祝福】
……という名のメシアに課せられた【贖罪】
【贄】と共に 乗り越えたメシアよ
今こそ 新しき楽園の命、繋ぎ足せ

荒波に溺れ沈み 業火の海を舞い
無慈悲な干天に頽れて
永遠に明けぬ闇に狂い 大地に呑まれても
君独りで、いかせはしない

裁きの雷に打たれ 風刃に裂かれて
心ごと凍らされても 灼熱を這う
健やかなる時も 病める時も ただ信じて……
「共に分け合っていこう」

導きの灯を繋げ 尊き贄の果て
愚かなる連鎖は 永遠に繰り返す……
信じ合った仲間たちに 助けられて
勝ち取った灯を 高く掲げて

暁の鐘が鳴く 栄光の調べ
神の威を授けられたメシアは
独り静かに笑いながら……
9つの【哀】を生みて
祭壇に手を伸ばした

色分け無しver

終焉の大地の果て 残された子らは
頼りなく小さな手を重ねて
健やかなる時も 病める時も ただ信じて……
「共に分け合っていこう」

人の智を超えて 思い上がった愚かな羊に
神の裁きが下った
滅びゆく世界を守り続ける「アイの塔」には
世界の寿命が灯る

若者の村に 王国の使者がもたらした
予言の報
針子の少女に 誉れ高き【次のメシア】へと
神託が降りた

塔の中に守られし【祝福】は
9つの メシアだけが賜う【栄光】
君と共に 僕らも塔へ連れ立とう
滅びゆく楽園の命、繋ぐため

祝福をこの手に 心、打ち鳴らし
栄光を掴み取れ 懸命に……
信じ合う仲間とともに 助け合えば
恐れるものは、なにもない

最初の祝福を
命が渦巻く【華やぐ波】の扉へ 手を伸ばす
ふと、大きな手を重ねて 青年が言った
「共に分け合っていこう」

メシアを押しのけ 横取られた最初の祝福
仲間たちは いがみ合い
2つ目の扉 赤き目を血走らせ
剣士は【炎の宴】に興じる

【恵みの陽光】を勝ち取って
悦に入る姉の手を振り払い
悔しげな顔で 妹は【安息の闇】へ
息巻いて進む

「選ばれたのは、私なのに……」
「「独リ占メハ許サナイ……」」
「欲」は人を変えてしまうのか?
僧は祝詞を【揺蕩う大地】に捧げて
詩人は【雷鳴の囃子】口遊ぶ

祝福をこの手に…… 心、研ぎ澄まし
栄光を奪い取れ 我先に……
信じ合う仲間は、何処へ…… 誰もが、敵?
断ち切りなさい 過ぎた愛を

【旋風のロンド】に 踊り子が舞う
双生の姉は 片割れを押しのけ
【白銀の園】へ
歓喜の雫は流れる間もなく 凍てた

9つ目の祝福は 眠れる【マグマの胎動】
双生の弟は メシアを欺いて
誇らしげに笑った

信じた仲間に裏切られ
【祝福】はすべて 横取られた
灯らぬトーチ 掲げながら
祈りの祭壇へ……

塔の中に封じられし【祝福】
……という名のメシアに課せられた【贖罪】
【贄】と共に 乗り越えたメシアよ
今こそ 新しき楽園の命、繋ぎ足せ

荒波に溺れ沈み 業火の海を舞い
無慈悲な干天に頽れて
永遠に明けぬ闇に狂い 大地に呑まれても
君独りで、いかせはしない

裁きの雷に打たれ 風刃に裂かれて
心ごと凍らされても 灼熱を這う
健やかなる時も 病める時も ただ信じて……
「共に分け合っていこう」

導きの灯を繋げ 尊き贄の果て
愚かなる連鎖は 永遠に繰り返す……
信じ合った仲間たちに 助けられて
勝ち取った灯を 高く掲げて

暁の鐘が鳴く 栄光の調べ
神の威を授けられたメシアは
独り静かに笑いながら……
9つの【哀】を生みて
祭壇に手を伸ばした

CD収録

本楽曲は、

  • EXIT TUNES PRESENTS Vocalocreation feat. 初音ミク*1
  • VersuS

の2つのCDに収録されている。

詳細

キャスト

針子(メシア)初音ミク
村長(青年)KAITO
女剣士MEIKO
パン職人の姉IA
パン職人の妹MAYU
僧侶神威がくぽ
詩人GUMI
踊り子巡音ルカ
双子の羊飼いの姉鏡音リン
双子の羊飼いの弟鏡音レン


IA,MAYU,KAITO,ルカ,ミク,レン,リン,MEIKO,GUMI,がくぽ

「若者の村」の住人達。
王国の使者がもたらした予言により、ミクが「メシア」に選ばれる。
不安に思った村人達はミクとともに「アイの塔」へ向かう。

塔の中の9つの【祝福】

【華やぐ波】
【炎の宴】
【恵みの陽光】
【安息の闇】
【揺蕩う大地】
【雷鳴の囃子】
【旋風のロンド】
【白銀の園】
【マグマの胎動】

この9つの【祝福】が塔の中に守られている。
ミクたちは仲間で助け合い、「アイの塔」まで辿り着く。

真相(ネタバレ・考察を含むため折りたたみ)(+で開く)

【祝福】の真相

...しかし実際には、これらは【祝福】ではなく、【祝福】という名の【贖罪】である。
人間が神の怒りを買い、神の裁きが落ちた。
その許しを乞うために、15年毎に生贄が必要だったのだ。
裏切りのように思えた9人の行動は演技で、実はミク以外の9人が生贄となっており、ミクが助けられていた。
その証拠に、祝福を受け取ったVOCALOIDから歌わなくなって
おり、最後の方はミクだけのコーラスになっている。
ミク以外の9人は、自分たちは生贄で、最初から死ぬと分かっていたと思われる。
もしミクが祝福を受け取っても苦痛のみで死ぬことはできないとしたら、仲間たちは、ミクに9つの祝福を与えたくなかった(辛い思いをさせたくなかった)ため、ミクにバレないように裏切った振りをした。
また、もしミクが祝福を受け取って死んでしまうとしたら(もともと9人の生贄の付き添いが必要だった場合)、神の祭壇に祝福を灯せるのはメシアただ一人なので、ミクが生贄になることは止める必要があり、ミクにバレないように裏切った振りをした。
もし、ミクも知っていたら、仲間達に辛い思いをさせたくなかったので、一人で行っていたと思われる。
9人が【祝福】を横取った時は悪人を演じているため、最初に聞いた時には「裏切りの曲だ...」と思った方も多いのではないだろうか。
しかしこれは、「裏切り」ではなく「愛情」の歌なのだ。

死に方

生贄の死に方はどれも残酷なものである。
動画の 4:09~ シルエットだが死に際の様子が確認できる。

【祝福】生贄歌詞死に方(あくまで推測である)
【華やぐ波】KAITO荒波に溺れ沈み海で溺れて死ぬ
【炎の宴】MEIKO業火の海を舞い炎に焼かれて死ぬ
【恵みの陽光】IA無慈悲な干天に頽れて乾燥し、ミイラ化して干からびて死ぬ
【安息の闇】MAYU永遠に明けぬ闇に狂い闇の中で放置され精神的に死ぬ*2
【揺蕩う大地】がくぽ大地に呑まれても大地に生き埋めされて死ぬ
もしくは岩などに潰されて死ぬ
【雷鳴の囃子】GUMI裁きの雷に打たれ雷に打たれて死ぬ
【旋風のロンド】ルカ風刃に裂かれて風に切り裂かれて死ぬ
【白銀の園】リン心ごと凍らされても心身を凍らされて死ぬ
【マグマの胎動】レン灼熱を這うマグマに溶かされて死ぬ

去り際の表情から読み取れること

  • KAITOは、ミクを突き飛ばしたのではなくて閉まりかけるドアから逃がすため。
  • 最初の祝福を奪われた後に、仲間たちはいがみ合ってるのではない。皆、この先の結末を思い、緊張や覚悟を決め険しい顔になった。
  • MEIKOは、KAITOが先に死んでしまったことと、仲間たちと別れてしまうということに涙して目が赤らんだが、剣士は強くあらねばいけないと思い、少し強ばった表情になってしまった。
    ミクはそれを【祝福】を渡さまいと「赤き目を血走らせ」ていると解釈した。
  • IAは、仲間と可愛い妹(MAYU)との別れを潔く受け入れて穏やかな表情で旅立とうとする。
    ミクはそれを【祝福】を勝ち取って「悦に入る」と解釈した。
  • MAYUは、まだ心が幼く、姉(IA)ほどすんなりは受け入れられず、ただ姉が死んでゆくのを見送るだけで何もできない自分の弱さに悔しさを感じ泣き出す前に何も見えない闇へと消えた。
    ミクはそれを姉に【祝福】を横取られて悔しがっていると解釈。
  • がくぽは、【揺蕩う大地】に祝詞を捧げているのではなく、込み上げそうな表情で祝辞を「仲間に」捧げている。
  • GUMIは、【雷鳴の囃子】を口遊んでいるのではなく、仲間とのお別れの意味を込めて「思い出の」囃子を口遊んでいる。
  • ルカは、喜びで舞っているのではなく吹き荒れる風と渦で服と身体が巻き込まれる中、力を振り絞って皆の方を振り向いた。
  • リンは、歓喜して涙を流していたのではなく、別れと恐怖で逆に笑えてきてしまった。もしくは、レンとミクに思いやりを込めた笑みを遺した。
  • レンは、ミクを欺いたのではなく、欺いていたのは強いて言うなら怖いと思う自分の心であり。最期は凛々しくいようと決め、ミクを守れる事、先に逝った仲間達を思い「誇らしげに笑った」。

実は「欲は人を変えてしまうのか」と仲間達を疑っているミクが、仲間たちを信じることができておらずに「変わってしまった」という可能性もある。悪者を演じていたというのもあるが、ミクの歌唱部分には「赤き目を血走らせ」や「断ち切りなさい 過ぎた愛を」や「双生の弟は メシアを欺いて」などのミクによる解釈と思われる部分があり、「「「独リ占メハ許サナイ……」」」 の部分も幻聴という可能性もあるため、ミクが仲間を心から信じていないという説も有力である。

【祝福】の音

ちなみに、これらの【祝福】を受け取る時に後ろで効果音が鳴っていることがわかる。
わかりやすいのは「KAITO」や「IA」あたりで、逆に分かりにくいのは「MAYU」や「ルカ」あたりだと思われる。

【祝福】効果音
【華やぐ波】波が打つような音
【炎の宴】炎の燃えている音
【恵みの陽光】鈴が鳴っている音*3
【安息の闇】ゴゴゴゴという低い音*4
【揺蕩う大地】地面が唸っているような音
【雷鳴の囃子】太鼓の音*5
【旋風のロンド】風の音
【白銀の園】吹雪の音
【マグマの胎動】沸騰している音

「アイ」の塔

アイというのは「愛」や「哀」の両方に共通する読み方である。
9人は「痛み」「裏切り」という苦しみを、ミクは「絶望」「哀しみ」という苦しみを「共に分け合った」のだ。
そしてミクと9人のお互いの「愛」と「哀」しみが生まれたのだ。
つまり「アイの塔」とは、9人の「愛」と1人の「哀」でできた塔なのだ。

百合の花

ミクが髪に付けている花は百合の花であると思われている。
白い百合の花言葉は「純粋」と「無垢」。
何も知らずに純粋なままミクがアイの塔に向かっている時だ。
しかし、最後の場面でミクが笑いながら闇に飲まれているかのような描写がある。

この場合にもしこの百合が黒く染まったとしたら、花言葉は変わる。
黒くなった百合=クロユリの花言葉は「恋」と「呪い」
「呪い」こそ、まさにこの物語にふさわしいのではないだろうか。

若者の村

「若者の村」という表現がおかしいという意見もある。
そして、若者の村というのはもともと10人の生贄が用意されている村なのではないかとも言われている。
15年という短い期間に10人もの生贄を用意するのは困難なため、世界が10人の生贄をあらかじめ用意しておき、信頼を築き上げさせ、アイの塔へ向かわせているという説もある。それを「繰り返す」のだ。
この世界にハッピーエンドはないのだろうか…。

書籍化

動画を担当した鈴ノ助氏による同人誌が発売されている。
前日譚漫画リメイクしており、エピローグ描き下ろしである。
また、一部を鈴ノ助氏によるpixivで見ることができる。

コメント欄

  • リンが長く苦しむ氷側を選んでレンに一瞬で死ねる炎を選ばせたのいいよね… -- 宵崎ウエハース? 2021-12-28 (火) 21:10:40
  • RPGのステージ名の元ネタに使えそうだな。。。 -- ライブ 2021-12-29 (水) 10:30:18
  • 最近一番好きな曲になりました...聞くたびに鳥肌止まらないし、曲で泣いたの久しぶり... -- なりあさ 2021-12-30 (木) 18:19:51

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タグ

Tag: VOCALOID 初音ミク KAITO MEIKO IA MAYU 神威がくぽ GUMI 巡音ルカ 鏡音リン 鏡音レン ひとしずくP やま△


*1 このCDへの書き下ろし曲
*2 実際に人間は闇に放置されると死んでしまうという
*3 日照を表してると思われる
*4 闇を表してると思われる
*5 雷神の太鼓の音と思われる