魑魅魍魎

Last-modified: 2021-12-05 (日) 17:57:07

魑魅魍魎(ちみもうりょう)とは、色々な怪物や化け物を意味する言葉。魑魅は山の怪、魍魎は川の怪であり、一般には山河すべての怪として魑魅魍魎の名で用いられることが多い。強いて英語に訳せばdemon や evil spiritとなる。なお、陰陽座の8枚目のオリジナルアルバムの名称でもある。


『百鬼夜講化物語』。赤線で囲った文字の向かって右が魑魅、左が魍魎。

解説

各々の文字

漢字読み方・意味
音読みは「チ」。訓読みは「すだま・もののけ」。意味=すだま・もののけ・山林の精から生じるといわれるばけもの
音読みは「ミ」。訓読みは「すだま・もののけ」。意味=すだま・もののけ・人の心を惑わし、ひきつける。
音読みは「モウ・ボウ」。訓読みは「すだま・もののけ」。意味=すだま・もののけ・山水や木石の精。
音読みは「リョウ」。訓読みは「すだま・もののけ」。意味=すだま・もののけ・山川や木石の精。

詳細な意味

  • 魑魅
    魑魅とは、山林の異気(瘴気)から生ずるという怪物のことと言われている。顔は人間、体は獣の姿をしていて、人を迷わせる。平安時代中期の辞書『和名類聚抄』ではスダマという和名の鬼の一種とされ、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』では山の神とされる。
  • 魍魎
    魍魎は川や木石の精霊とされる。山・水・木・石などあらゆる自然物の精気から生じ、人を化かす。また、死者を食べるとも言われ、姿かたちは幼児に似ていて、2本足で立ち、赤黒色の皮膚をして、目は赤く、耳は長く、美しい髪と人に似た声をしている。これらの外見は鬼を思わせる。『和漢三才図会』では水神、古代中国の書『春秋左氏伝』では水沢の神とされる。なお、「魍魎」は「罔両」とも書く。

語源

語源に関しては諸説あるが、古代中国の妖怪か精の一種とされる。『史記』(五帝本紀)によると、魑は虎の形をした山神、魅は猪頭人形の沢神とされ、ここから色々な獣の属性を併せ持った怪物のイメージが膨らんだ、と推測される。

通例

「魑魅魍魎が跋扈する政治の世界」などと、政治的パワーゲームが蠢く様を指したり、「中東の輻輳した魑魅魍魎の世界」など、イスラム原理主義やオイルマネーが渦巻く有象無象の状態を指したりする。

具体例に魑魅魍魎を用いた例文としては、「悪徳企業の魑魅魍魎どもが利権を貪り食っている」や「魑魅魍魎がはびこる世の中を未熟な若者が渡っていくのは大変だ」などが挙げられる。

小説などの用例

  • このおびただしい、異常児達を目前にすると、まるで、魑魅魍魎に包囲されてしまったような恐怖に襲われる。<檀一雄・火宅の人>
  • あたかも何よ、それ畜生道の地獄の絵を、月夜に映したような怪しの姿が板戸一重、魑魅魍魎というのであろうか、ざわざわと木の葉が戦(そよ)ぐ気色だった。〈泉鏡花・高野聖〉

類語

  • 百鬼夜行(ひゃっきやこう)
  • 妖怪変化
  • 異類異形
  • 伏魔殿

百鬼夜行は、人間離れした奇怪な姿の鬼たちが夜中にぞろぞろと群れをなして歩き回ることである。このことから、百鬼夜行は、多数の人々が恥ずかしげもなく堂々と悪行をはたらくことを意味することもある。異類異形は、この世の者とは思えない不気味な容姿の者を指す。魑魅魍魎も、百鬼夜行と同様に、化け物の意味から転じて、私利私欲のために悪巧みをする人間を指すことがある。魑魅魍魎がこの意味を表す使い方の場合、跳梁跋扈という言葉に似ているとも言える。跳梁跋扈は、悪人が我が物顔にのさばる様子を示す四字熟語である。
余談だが、対義語は存在しない。

コメント

  • 魑魅魍魎跋扈するこの地獄変…名護啓介はここにいる! -- 2021-11-11 (木) 00:27:15
  • 書けないけど読める文字 -- ペンペン 2021-11-11 (木) 05:46:43
  • 魑魅魍魎が跋扈するって。 -- るりふ? 2021-12-05 (日) 17:57:07

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