Rock To The Future/元ネタ考察

Last-modified: 2021-10-30 (土) 12:46:43

「Rock To The Future(以下、本作品と表記)」が制作された時代背景などを分析してみた。
あくまでも、裏付けが取れない、ただの思い込みとこじつけに基づく文章に過ぎませんのでご了承ください。

目次

実際にパンフレット(制作者のコメント)で挙げられていたキーワード

(1996年ごろの)J-POP

初演のパンフレットから。
ちなみに本作品についての新聞記事*1でも、制作者のコメントとして「デジタルサウンドの隆盛*2」という言葉が出てきた。
この時代にデジタルサウンドといえば、いわゆる小室ブームだろうか?
これは、1994年から1997年の3年弱、小室哲哉のプロデュース楽曲がオリコンチャートの上位を埋め尽くしていた現象とされる。
これらの楽曲は、打ち込み*3やダンスミュージックの要素を取り入れているところなどが特徴。

小室ブームについて説明するときに挙げられる歌のうち、1996年7月までに発売されたもの

  • 篠原涼子 with t.komuro「恋しさと せつなさと 心強さと」
    iTunes
     
  • globe「DEPARTURES(RADIO EDIT)」

400万枚売れたアルバム

こちらも初演のパンフレットから。
資料によっては、globeの1996年のアルバム「globe」が400万枚以上売れたと書かれているものがある。

1997年4月当時の記事の例
「globeアルバム「およげ!たいやきくん」抜く!」のインターネットアーカイブ
https://web.archive.org/web/19970714073616/http://www.zakzak.co.jp/geino/n-April97/nws782.html

globeのアルバム「globe」
iTunes

 

関連する公式動画

デジタルサウンドとアナログな肉声との融合

再演のパンフレットでは、未来(この作品では2016年という設定)の音楽のイメージとして、デジタルサウンド(コンピューターへの打ちこみ)の伴奏とアナログな肉声との融合を挙げています。

現実の2016年の音楽で「電子音の伴奏」と「あまり加工していない感じの歌声」との組み合わせがみられる歌は何だろう?
ということで独断と偏見で挙げてみた。
(発表された日付順)

  • LEO今井「Bird of Paradise」
     
  • METAFIVE(高橋幸宏 × 小山田圭吾 × 砂原良徳 × TOWA TEI × ゴンドウトモヒコ × LEO今井)「Musical Chairs」

宣伝番組で存在を確認できたネタ

番組名は「ねないで××× すべて見せます 話題の“D・LIVE Rock To The Future”」。
1997年1月10日深夜にTBSで放送されたらしい。

西城のセリフ「ヒデキ、還暦」

過去に西城が出演していた、ハウスバーモントカレーのCMのキャッチフレーズ「ヒデキ、感激」のパロディだろうか。

参考URL
バーモントカレー | ブランドサイト | ハウス食品

余談だが、現実世界の2015年では、西城の還暦記念イベントで非売品のバーモントカレーが配布されたらしい。
このパッケージには「ヒデキ、カンレキ」と印刷されている。この裏面が年表で、1996年の項目は「Rock To The Future 60歳の役で出演」となっている。

セリフ「ゆううつなど吹き飛ばして君も元気出せよ」のあとに、YMCAと言いながら腕を振り上げる

西城の1979年の楽曲「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」とその振り付け?

『70'sシングルA面コレクション』から「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」
iTunes

 

2018年3月12日の記事
「1979年の本日、西城秀樹「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」がオリコンチャートの1位を獲得 – ニッポン放送 NEWS ONLINE」
https://news.1242.com/article/139094

1985年のライブを収録したBlu-rayディスクの宣伝動画

 

西城秀樹 「若き獅子たち/YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」比較映像('85 HIDEKI SPECIAL IN BUDOHKAN -For 50 Songs-より)
(この楽曲は動画の再生開始から1分55秒の部分から)

1996年のセルフカバーアルバム『LIFE WORK』から
「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」
https://youtu.be/y2Qj9mFlurw

「一人旅をしている」というセリフに「みちのく」と茶々を入れる

「みちのくひとり旅」という歌が存在する。
「時の流れに 逆らいながら」という歌詞からの連想だろうか?

山本譲二「みちのくひとり旅」
レコチョク

実際に宣伝番組で放送された場面一覧表

長いので折りたたみ

場面挿入歌・BGM
冒頭のナレーション。2096年の世界は、電子音楽「TUNE」によって人間の感情が抑制された管理社会となっている。しかし、反乱軍は歌「Endless world」を武器にしているという説明。BGM「Rock & Lock OVERTURE」
一方の2016年。非合法ライブハウス「EDEN」でのライブ。間奏に入る前に警察のガサ入れ?西城秀樹「round'n'round 2016」
2096年。主人公、反乱軍の重要人物であるヒロインを殺すことを指示される
放送されなかった場面挿入歌「Missunderstanding 」
挿入歌「愛と勇気とJESRAC」
ヒデキ家では、ヒロインの弟の誕生日会が行われているが、気まずい空気になるBGM「Happy Happy Birthday」
ヒロインが挿入歌「Endless World」を口ずさんでいたらしい。CDに書かれているあらすじによると、ヒロインの弟の発明品「音声タイムマシン」によって、この歌が2096年に音漏れしていた。
2016年の殺し屋と警察のやり取り。殺し屋が曲を流したところ、警察官が自分の意思に反して踊りだす。*4BGM「皆殺しのメロディ」
主人公が2016年にタイムトラベルしてくる
主人公がヒデキ家に侵入したところ、頭を強打して気絶BGM「ターミネーターズのテーマ」
主人公とヒデキ家の人々との掛け合い
ヒデキ家の家政婦のセリフで、この街は、電子機器やロボットが大量に捨てられている場所という説明芳本美代子「Kiss! Suger Days」
放送されなかった場面ミレニアムイブ「ALL ABOUT EVE」
非合法なライブハウス「EDEN」での場面。主人公、他の客から服装をからかわれる。その後、主人公、ヒロインに絡んできた客と喧嘩になるダイアモンド☆ユカイ「反逆のメッセージ」
西城秀樹「CHINA ROSE」
主人公たち、「EDEN」を追い出される
ヒロインの弟が不良にカツアゲされる
黒田勇樹「Parallel Mind」
(主人公たち、帰宅する)ヒデキ、主人公に何か夢は無いのかと尋ねる。ヒデキの夢は、家族みんなで歌うことらしい。
ヒロイン、今は亡き母についての思い出話をする。 家族で海を見に行ったときの話。母が歌っていた子守唄「Endless World」についての説明美香、西城秀樹、岩崎宏美*5「Endless World」
放送されなかった場面BGM「It's party」
BGM「Rain Melody」
挿入歌「ターミネーターズソング」
西城秀樹「SOUL SONG」
BGM「Endless World ピアノバージョン」
西城秀樹、橋本さとし、ミレニアムイブ「round'n'round」
(前の場面でTUNEによる心の支配から脱した)主人公、自分が元々いた団体(=敵キャラクター)は執拗にヒロインを追ってくるから、ヒロインを連れてこの街から逃げろ、とヒデキに警告する
主人公と敵キャラクターとの戦闘
放送されなかった場面
ロックバンド「Millennium Eve」とヒロインが、行方がわからないヒデキを探しに行く
発見されたヒデキ、心ここにあらずという感じの虚ろな表情。家族にも反応しない。BGM「TUNE」
次の瞬間、銃声が聞こえたと同時に、ヒデキは意識を取り戻し、家族をかばって射殺される
放送されなかった場面BGM「ROCK & LOCK」
ヒロイン、敵と戦うことを決意するPARADISE LOST「Q」(「超者ライディーン」のエンディングとして使用された曲とは歌詞が異なる)
放送されなかった場面美香、西城秀樹「Endless World アカペラ」
橋本さとし「SOUL SONG アカペラ」
橋本さとし「I'll Never Back To…」
「WAR OF LOVE ~The Last Theme of Rock To The Future~」

ありそうな場面を予想

舞台の宣伝番組では放送されなかったが実際のこの舞台で存在したと思われる場面を予想してみます。
ただし、この舞台「Rock To The Future」はVHSおよびDVDが存在しないので、現時点では、この予想がどこまで実際の作品と合っているのか確認できないとわかっています。いつ答え合わせができるのかは未定。

  • 劇中のニュースで、「鼻歌を歌っただけでも著作権使用料を取る制度」についての説明をする
  • ヒロインの弟が、敵キャラクターに誘惑される
  • 音楽を知らない主人公が、ヒデキからロックを教えてもらう*6
  • 主人公、ヒロインと、ロックバンドの人々とが打ち解ける

この作品に関係する元ネタ予想

西城秀樹のシングル「round'n'round」のCDジャケットのデザイン


中国拳法の抱拳礼(ほうけんれい)?

題名とロゴマーク

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」?
ちなみに、この映画の「パート2」で近未来として設定されていた年は2015年。

あらすじ

映画「ターミネーター2」?
1997年当時のこの舞台の劇評で、ストーリーはターミネーターのパクりだろうという指摘があった。

当時の劇評のインターネットアーカイブ
(本作品について書かれているのは一番下の項目)
https://web.archive.org/web/20030508114429/http://www.stageweb.com/review/wopened97.html

世界観設定の一部

映画「ブレードランナー」?
上記の劇評では、本作品のセットはこの映画を意識している可能性があると指摘している。

登場人物のネーミング

  • ローラ
    西城秀樹の楽曲「傷だらけのローラ」?
  • テツヤ
    彼がコンピューターをよく使用している設定と、この作品が制作された1996年という時代背景から推測すると、小室哲哉?
  • 母・エリー
    この作品が企画されたきっかけから推測すると、サザンオールスターズの楽曲「いとしのエリー」?
  • アニタ
    西城秀樹のファンだったという逸話から、アニタ・ムイ?
  • ターミネーターズ ダリル、ターミネーターズハンナ
    「ブレードランナー」にも出演した俳優、ダリル・ハンナ?
  • ギターを背負った殺し屋
    1950年代の映画「ギターを持った渡り鳥」?

本作品に関係するかもしれない話題

西城秀樹に関係する話題

ロック (洋楽のカバー)

西城秀樹と洋楽との関係という話題だけで、記事がひとつ書けそうなほど情報量がある。
ただし、彼の洋楽のカバー曲は、配信されている楽曲を除いて*7、現時点で未CD化のアナログレコードやメーカー在庫なしのCDが大変多いので入手困難。
それでも、近年のラジオや有料チャンネルなどで放送されて好評だった曲がいくつも存在する。

命がけなイメージ

特に、1974年のシングル「傷だらけのローラ」は、本作品のヒロインの名前および、終盤のとある場面*8の元ネタかもしれない。

『70'sシングルA面コレクション』から
「傷だらけのローラ」iTunes

 

1996年のセルフカバーアルバム『LIFE WORK』から「傷だらけのローラ」

ヒット曲としてのこのイメージの初出は、1973年のシングル「情熱の嵐」?

『70'sシングルA面コレクション』から
「情熱の嵐」iTunes

キリスト教的な世界観の楽曲

この舞台では、ライブハウスの名前が「EDEN」であったり、挿入歌の歌詞に神やバイブル、十字架などと入っている。

70年代~80年代の西城の楽曲を調べたところ、こちらにもキリスト教的な世界観の歌がいくつか存在する。
そのなかでも、2000年代のライブDVD『バイラモス2000』や晩年のセルフカバーアルバム『心響』にも収録されているのは「サンタマリアの祈り」。

『80sシングルA面コレクション』から
「サンタマリアの祈り」
iTunes

DVD「バイラモス2000」
https://www.universal-music.co.jp/saijo-hideki/products/upbh-1012/

また、ライブで何回もカバーしたことで知られる、ロッド・スチュワートの「セイリング」。
この歌の訳詞で「あなたのもとへ」としている最後の部分が、原曲では「主よ あなたへ近づくために」と日本語訳されることがある。

ロッド・スチュワートについて書かれた記事

 

セイリング~酒を飲まずに歌った唯一の歌 - TAP the POP
http://www.tapthepop.net/roots/8831

電子音楽

電子音楽からロボットを連想する

テクノポップと分類される楽曲の一部だろうか。
有名どころでは、クラフトワークの楽曲「The Robots」(1978年発売)など?

クラフトワーク「The Robots」

公式動画(ショートバージョン)
YELLOW MAGIC ORCHESTRA 『TECHNOPOLIS』

無機質、不気味なイメージの電子音楽

例えば、知名度の高いアルバムで古い物では、Yellow Magic Orchestra(YMO)の「Solid State Survivor」(1979年発売)など?
ちなみに、レコーディングとライブの両方でコンピューターが自動再生するパートが存在する。

アルバム「Solid State Survivor」
iTunes

1979年のライブの映像
楽曲「Solid State Survivor」

20世紀末に世界が終わるようなイメージ

挿入歌「ALL ABOUT EVE」「I'll Never Back To…」の歌詞に世紀末と入っている。

本作品に限らないが、この元ネタは、1973年発売の書籍、五島勉『ノストラダムスの大予言―迫りくる1999年7の月、人類滅亡の日』だろうか?

朝日新聞DIGITALの記事(途中までは無料)

 

ノストラダムスの大予言が残したもの 娯楽超え危うさも
https://www.asahi.com/articles/ASN8F5321N8CUCVL01W.html

電子書籍

 

五島勉『ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日 (ノン・ブック) 』
Amazon

コンピューター、人工知能に関係する話題

外から人の思考を読み取る技術

研究開発中だが、ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)という技術がある。
その一部に、頭の表面から脳波を読み取る技術もあるらしい。

書籍『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』

この本は、SF小説ではなく、人類学と科学についての実用書なのだが、
その内容の一部では、人工知能のようなテクノロジー(SNSやインターネットのおすすめを表示するアルゴリズムも含まれる)が「人間の自由意志、つまり個人の意思決定などをコントロールするために使用されてしまう可能性」についても書かれている。強引に本作品の内容にこじつけるなら、人間らしい感情といえるかもしれない。

「ホモ・デウス」が描く、私たちが想像もしなかった未来 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
https://www.google.com/amp/s/forbesjapan.com/amp/22855

この記事の出だしは、この本の内容が筆者になぜかSFを連想させるという内容。

 

『ホモ・デウス』は現代人に生の意味を与える「宗教書」かもしれない
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65329?page=1&imp=0

何かしら共通点のある世界観だと予想される他作品

「38世紀から来た兵士」

60年代のドラマ『アウターリミッツ』。この作品の「38世紀から来た兵士」という話が映画『ターミネーター』の元ネタと言われている。
この回では、未来で戦闘マシーンとして育てられた人物が現代にタイムスリップしたところ、現代人から平和や愛について知ることになる場面があるらしい。

『DNA-SHARAKU』

2016年当時の公式サイトのインターネットアーカイブ 
現実世界の2016年に公演が行われたミュージカル。
こちらの背景設定は、2116年の日本政府が"感情の高ぶりは争いをもたらす"という理由で、過去の時代の文化人や芸術家の「想像する心」を破壊しているというもの。
この物語では、2016年の現代人と2045年の人物、2116年の人物が江戸時代に送り込まれる。

Blu-rayディスク『DNA-SHARAKU』の宣伝動画

『慟哭のナイトメア』

pixiv百科事典 
説明文に「知的財産管理委員会は雑誌音楽の著作権を管理し、従わない者を反政府勢力として厳しく摘発した。だが、気骨のあるクリエイターは自由を求めレジスタンスとして地下ライブを開催する」とある。

関係しそうなWikipediaの項目

  • WikiPedia.ja:ミーム 
    誰かの心から他の人の心へ伝えることができる情報全般を指すが、おそらく歌うことも含まれるはず。

元ネタかもしれない歌や映画

1996年頃の時代背景

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Tag: 演劇 舞台 ロック ロックミュージカル 西城秀樹 アミューズ ディストピア タイムマシン


*1 読売新聞 東京夕刊 1996年6月21日掲載
*2 文章を補うと「デジタルサウンドの隆盛の中で、『自由や愛、怒り、寂しさといった感情のある音楽が片隅に追いやられつつある現状への異議申し立てでもある』~」など
*3 シーケンサーやコンピューターで演奏データを作ること
*4 「この時代にはヒトの動作をコントロールできる音楽?が存在する」と示されたのだろうか?
*5 声の出演
*6 あらすじにも書かれている場面
*7 西城の楽曲の大半はサブスクに対応していない
*8 1997年の西城秀樹ファンクラブ会報「DUET」でこの舞台の再演について紹介するページによると、西城が演じるキャラクター・ヒデキが敵に射殺された直後の場面がある