うどんげっしょーの扱いについて

Last-modified: 2023-09-09 (土) 16:41:45

うどんげっしょーのみ原案:ZUNとされてあり、また、ギャグ漫画的な表現も多用されるので、
「うどんげっしょーを公式作品として見ていいのか?」「どこまで考察に反映していいのか?」
という疑問が呈されることがあります。
ここではそんなうどんげっしょーの立ち位置などをまとめます。~ 

どこまで公式として考えていいのか

インタビューにある通り、4コマの連載は出版社からの意向によるものであり、
ZUNブログでの情報によれば、内容は作家のあらたとしひら氏に一任しているようである。

萎えラジによれば「どのキャラを出そうとかの、大まかな指示はしてる」らしい。
なので大まかな永遠亭組の行動範囲や交友関係は信用できるのかも。
そして綿月姉妹が永遠亭に来れるという可能性があるのかもしれない。
実際、月の重要人物であるサグメは永遠亭に来たし(東方文果真報)。

 さて、まさかの月の都の再登場、但し儚キャラ1mmも出演せずな昨今であるが、
仮にレイセン(2世)が再登場したとしてうどんげと初めて出会ったら、
もしくは会った事が無かったら。
うどんげっしょーと正史が別のストーリーであることが簡潔明瞭に示される。
逆に儚本編の後にレイセンが地上に下りてうどんげと会った事が示唆されたなら
うどんげっしょーが正史に組み込まれている蓋然性が高くなる。
 このようなポイントは一つや二つではない。綿月姉妹が永琳と再会したことが無かったら、
うどんげと再会したことが無かったら、依姫が地上に下りたことが無かったら、
姉妹やレイセンが永遠亭に来て皆と会った事が無かったら、
第二回月都万象展が無かったら、大無礼講など無かったら。
うどんげっしょーはZUN原作とクレジットされた諸作とは別のストーリーであると
何の疑問も無く思えるだろう。
逆にそれらのことがあったと示唆されたなら、うどんげっしょーもまたZUN原作に
基本的に沿ったストーリーと受け取れるだろう。
…よもやこのことが綿月姉妹やレイセンの再登場を困難にしているのではあるまいな。

 公式か否かを曖昧にしたままレイセンや綿月姉妹を再登場させる方法としては新うどんげっしょー
を出して出演させる方法が考えられる。しかし情報量が増えると齟齬が発生する可能性が高い。
 あるいはうどんげっしょーのある描写はZUN原作と明確に一致し、別の描写は明確に異なるといった具合にするのが簡単かもしれない。
例えばレイセンはうどんげは会ったことがあるが、綿月姉妹が永遠亭に来たことは無い、といった具合に。
その場合、うどんげっしょーに描写があるから公式であるとも公式でないとも言えなくなる。
そうなれば如何なる方向性でも公式考察に使えなくなるが、それが平和かもしれない。
ZUN原作自体、相互にちゃんと一致してるのか? というのはさておくとして。
何れにせよ綿月姉妹やレイセンが再登場して永遠亭と絡むなんてのは現状妄想でしかなく、
うどんげっしょーが公式か否かも曖昧なままである。

本編とのリンク

1話で永琳を監視しているカラスが出てきたり紅魔館のパーティーのシーンがあるが
本編と直接関係のあるシーンはそれくらいしかない。
いかに永遠亭組が蚊帳の外だったか、という証拠にもなっています…


雑誌掲載時のあきえだっしょーで描かれていた内容とある程度リンクするような話作りもされていたが、
当時はともかく、単行本化した後では言われないと気付かないようなレベルのものも多い。
(参考:東方Wiki - ゲーム以外/東方儚月抄/月のイナバと地上の因幡


ちなみに非想天則での魔理沙と鈴仙の会話で永琳の薬の影響で高速で生える筍のネタが使われていたりする。

高速で生える筍を見たぜ
走ってたらアレにぶつかりそうになった
あんな罠があるなんて
猫を踏むより危険だぜ

タッケノコーン.jpg
高速で生える筍(24話、下巻71Pより)

綿月姉妹について

綿月姉妹が永琳やうどんげ達と直接対面するのはうどんげっしょーのみである。
はじめて地上に来た際の理由は「急に八意様に会いたくなったので」(QYA)。

「穢れているはずの地上にホイホイやってくる」
「漫画版で無双した依姫がてゐの落とし穴にあっさり嵌る」
「立場上捕らえなければいけないはずの永琳と仲良く談笑して放置」
などの点は、考察において目の上のタンコブとなるようである。

なお、永琳以上に複雑な感情を抱いていると推測される輝夜とは一言も会話しない。
ここまでやるのならもう普通に会話させても良かったのでは?


ちなみに2017年3月30日に発売(作中日時もさほど違いは無いと思われる)された東方文果真報P84-87にて月の民(しかも重要人物)であるサグメが永遠亭を訪れて永琳と会談する様子が写真付きで掲載された。文果真報は発行直前でボツにした雑誌という体裁なので周知されなかったかもしれないが、文が目撃認識した事実である。
"月の重要人物が永遠亭にて永琳らと直接対面"という状況は今や作中事実そのもの。さて綿月姉妹の永遠亭来訪の可能性はこれで上がったのやら下がったのやら?

レイセンについて

レイセンがうどんげと直接対面したり永遠亭に来たりするのはうどんげっしょーのみである。
漫画版・小説版においては最初の単独での来訪で会ったのは霊夢と永琳のみ、二度目の豊姫に付き添っての来訪で会ったのは紫と藍(豊姫の指示で二人をフェムトファイバーで縛った)、および竹林で餅を搗いてた6羽ほどの一般妖怪兎とてゐ(永琳への手紙を渡した)である。
よってレイセンとうどんげが会ったり知り合いであったりする二次はうどんげっしょー準拠か独自展開ということになる。

うどんげっしょーにおいては漫画版・小説版の最終回の後に綿月姉妹の命により永遠亭の様子を伺うべく単独で降り立ったがその時点でうどんげらと接触、任務は即刻バレたが勿論想定内であり綿月姉妹は永遠亭で待っていたのである。そして依姫に稽古でしごかれたり置き去りにされかけたり。その後の二度の来訪は綿月姉妹と一緒である。

さてこれらの事が正史か否かは不明である。紺珠伝において玉兎である鈴瑚が博麗神社に来訪した際に妖怪と共存していることで有名だと語っている。それは過去に来たこともある兎に聞いたとのこと。過去に来たこともあるとなるとレイセンかとも思われるが、漫画版・小説版を見る限りレイセンは神社では霊夢としか会っておらず、妖怪と人の共同行動を見たのは月においてである。
であればうどんげっしょーのように後の来訪で妖怪の居る神社を見たのかもしれない。もっともうどんげのかつての同僚の中にも地上へ行ったと言ってる者はいる。またかつての無知なレイセン(当時はそのような名では無かったが)でも地上の兎の服(てゐや妖怪兎の服)は知っており、玉兎社会でも幻想郷情報は以前からあるところにはあったようである。

月都万象展について

準備に何話も使われた月都万象展はまともに内容が描かれる事が無く終わってしまった。
このことは物語の完成度をいたずらに落としたとしてうどんげっしょうの数少ない欠点とされる。
内容が描かれない展開にした理由として考えられるのは

 

・ただ単に酒を飲まされて何も覚えていないというネタが描きたかった。
・内容は想像にお任せしますという読者に丸投げが描きたかった。

 

等がある。
また、儚い希望として

 

・描かれなかったイベントとして妖精大戦争の前例があるように
何年か後にゲーム化される

 

という予想がある。

設定議論やキャラクター形成に関係ありそうな点

  • 上記の綿月姉妹の件
  • 永遠亭の妖怪兎が謎生物
  • 永遠亭、人里と交流しようとするも若干浮き気味
  • 蓬莱人でも風邪を引く、太る
  • 妹紅と輝夜はトムとジェリー的な関係
    など

界隈での実際の扱い

結局、原作の一部分ではなく原作者のほとんど関与しないスピンオフ作品として扱われており、
設定議論ではよほどのことがない限り考慮されない。


漫画としての評価は決して悪くない。
漫画版、小説版でないがしろにされていた永遠亭をメインに据えたものであるため、当然そのファンからの評価は高い。


一方で、個人ブログ等の購入報告や感想を見ても
フィギュアがちまい!」とネタにされる程度であったりと、東方書籍らしく影が薄い。
儚月抄攻略において
非常に難解で頭を使う儚月抄本編の合間にうどんげっしょーによる癒しを挟む事は必要不可欠である
と推奨されているが、儚スレでもほとんど話題に上らない。
話題に上がる時は概ね好意的な評価だが、
「儚月抄本編が酷過ぎたから評価されてるだけで、単なる萌え4コマとして見ると別に面白いって訳でもない」
と言う辛辣な意見が出る事もある。


また、うどんげっしょーに登場する以前から
綿月姉妹を幻想郷に来させる理由としてQYA*1が用いらることもあった。

てゐは依姫を落とし穴に落としたが強さ議論スレなどにはあまり影響がなかった。


*1 きゅうにやごころさまにあいたくなったので