要目 | |
---|---|
名称 | F/A-20 |
よみかた | えふえぇ にじゅう |
二つ名 | 「キマイラ」「ケルベロス」「ライトニング・ボルトII」 |
機種 | マルチロール戦闘機 戦闘機/攻撃機/迎撃機/近接航空支援機/爆撃機/艦上戦闘機/艦上攻撃機/対潜哨戒機/早期警戒機 |
設計者 | 暁重工・フライゼンメーカー ハウンド・マルシン社 |
製造者 | 暁重工 ハウンド・マルシン社 |
運用国 | ![]() ![]() ![]() |
機体概要 | |
仕様 | 複座式STOL戦闘攻撃機 |
乗員 | 2名 |
全長 | 19.72m |
全幅 | 17.42m |
全高 | 5.27m |
翼面積 | 88.72m2 |
空虚重量 | 10,273kg |
運用重量 | 26,950kg |
エンジン | B&M TF-135-600×2 |
エンジン出力 | 502.54kN |
最高速度*1 | マッハ2.6 |
航続距離 | 6,380km |
武装 | |
固定武装 | WAU-8 30mmガトリング砲? (弾薬1,174発)×1 |
爆装 | 自由落下爆弾 Mk82/Mk83/Mk84 通常爆弾 B61 Mod 12 核爆弾 Mk77 ナパーム弾 CBU-97/CBU-99 クラスター爆弾 スマート爆弾 JAGM JDAM GBU-39/GBU-53/B 水雷 RUR-5 ASROC Mk.44/Mk.46 短魚雷 通常爆雷 W44 核爆雷 機雷 航空ロケット CRV7 ハイドラ70 SNEB ヴォートHVM |
ミサイル装備 | 空対空ミサイル IRIS-T AIM-132 ASRAAM/AIM-120 AMRAAM ミーティア AIM-7 スパロー/AIM-9X サイドワインダー パイソン6/パイソン4 空対地ミサイル AGM-88E AARGM AGM-65 マーベリック AGM-88 HARM/AGM-154 JSOW MBDA ブリムストーン/SPEAR 3 ポップアイII AGM-158B JASSM 空対艦ミサイル JSM LRASM AGM-84 ハープーン AGM-119 ペンギン 巡航ミサイル SCALP-EG ストーム・シャドウ SOM-J AGM-158 JASSM |
その他 | |
装甲厚 | バイタル38mm~翼部13mm |
装甲材 | 機体・「バスタブ」 チタン合金(Ti-8Al-1Mo-1V) 炭素繊維 部分的炭素繊維・金属結晶強化プラスチック(CFMCRP) レドーム・MADブーム周辺 磁気・放射線遮断Be/炭化ホウ素強化ブラスチック CFRP |
概要
F/A-20「キマイラ」とは、イヌ合衆国およびシルヴァナハト帝国の第5世代マルチロール戦闘機である。
名称である「ライトニング・ボルトII」はイヌ合衆国にかつて就役していた艦上偵察機「P-203 ライトニング・ボルト」から引き継いだものである。あらゆる機種を一本に統合し、単一機種を集中生産することでコストカットを目論むいわば「空のイージス艦」である。
従来機になかったほどの高度なステルス性能・速力を備え、最大16tと戦略爆撃機に匹敵するペイロード、AWACS・電子戦機に匹敵する電子戦能力、対潜哨戒機並みの対戦能力、そしてなんと言っても威力と発射音がアイコニックな30mmガトリング砲をそなえて登場する。
コックピットは保護用の金属板のため視認性が悪いであろうと誤解されることが多いが、360度展開可能なカメラ網および対応する特殊ヘッドセットの存在により、旧来の機体と比較するとむしろ視認性には大きなアドバンテージがある。*2
機体制御や攻撃に際してAIによる高度な補助が提供される点でも画期的な航空機であり、実はほぼUAV的に自立飛行・作戦遂行が可能である。
また、STOLケイパビリティも有しており、迅速な作戦展開が可能である。
ただし、超重量のため若干加速に難があるほか、ペイロードが多くなれば多くなるほどに垂直離陸が困難になるため、通常の離着陸はもちろん正規空母運用を想定してのCATOBAR互換性も有している。また、搭載武装量の都合上、燃料搭載量が少なく、爆撃機としてみると航続距離が短いのも難点である。
低速域での対地攻撃を想定しており、熾烈な対空砲火や迎撃機の脅威から身を守る観点から、機体(特にバイタルパート)にはチタン装甲が敷設されており、航空機としては異様なまでにダメージに対して強い。
第五世代マルチロール機としての性能は制空・対空・対地・対艦どれをとっても著しく高い傑作機である。
歴史
F/A-20は列強基準において旧式化しつつある犬帝の主力戦闘機・攻撃機および中型爆撃機をまるごと置換するものとして設計された機体である。これは冷戦敗北にともなう合衆国経済不況と軍需減少に応対するものでもあった。
設計当時、合衆国内の経済状況は悪化しており、現実問題犬帝軍はそれまで通りの大規模編隊を維持できなくなりつつあった。ここで問題とされたのが、各種艦上戦闘機と陸上戦闘機の統合の問題、およびCASに特化した攻撃機の運用の是非の問題である。
複数の航空機を運用するのは単一種類の航空機を多少多目に配備するよりもはるかにコストリーであり、ただでさえ機種機体数共に多いイヌ合衆国にとってその削減は死活問題であった。
ここで画策されたのが合衆国空軍近年No.1のコペルニクス的転換ともいわれる「統合戦闘攻撃機プロトコル IJFA-III」計画である。
IJFA-IIIは多種類な戦術航空機を同じ原型の機体により代替する新型機の開発を目的とし、戦闘機・攻撃機・爆撃機のすべてのロールを取れる汎用性に加え、海軍機として運用するためのV/STOLまたはCTOL性能の保持、近接航空支援に資するための低速性能と戦闘機としての高速性能を兼ね備える機体の開発が目指された。
以下はその「無謀」とも取れる性能要求の一覧である。
- 主目標:運用コスト低減のため、各機種の統合
- 戦闘機・攻撃機・迎撃機・近接航空支援機・爆撃機・艦上戦闘機・艦上攻撃機・対潜哨戒機・早期警戒機の(部分的)統合
- 他国*3戦闘機並みの高速性能
- スーパークルーズ性能
- AB使用時はマッハ2.5を越えることを想定。
- マッハ0.9-1.1、高度30,000フィートにおける高G機動で異常振動を生じない
- 搭載兵器は全任務に対して一人で操作可能
- 現実的な空対空戦闘を想定して5,000飛行時間の疲労寿命の安全係数を5として試験で証明する
- 機体寿命は20,000時間を確保
- 対空迎撃のため、AIによる軽度の射撃コントロールが可能な機関砲とすること
- 空力性能及び防御力に問題がないことを確認しておくこと。
- 最新の技術を利用した操縦席艤装を行い、特に近接格闘戦ではヘッドアップディスプレイを利用する
- AIによる部分的操縦制御の導入
- 完全なグラスコックピットの実装による人員削減
- スーパークルーズ性能
- 攻撃機並みの対地性能
- 高速域からレシプロ機並み(600km/h前後)の低速域において効率的な稼働へと転換可能な可変翼
- 展開可能なウイング・チップを装備すること。
- 対空砲火から身を守るため、バイタルパートに23mm砲完全防御・37mm砲部分防御、翼部分にリップしない程度の防御
- 破片対策及び徹甲弾対策のため、装甲はレイヤード装甲とすること。トリガープレートの設置。
- 重量および強度に配慮してチタン合金および強化炭素繊維を主軸とする。
- 燃料タンクは泡消火器付き自動防漏式燃料タンクとし、焼夷榴弾からの防御を確立すること
- 装甲目標に対する高度な攻撃力
- 近年の航空機に対して従来の20mm/25mm機関砲は無力であるため、GAU-8 30mmガトリング砲の搭載を要求。
- APDS弾の高速射撃を期待する。弾数は対地支援に資する1000発以上。
- 高い余力を持ったエンジンの搭載
- 重量がかさむことから、双発式が望ましい。
- 高速域からレシプロ機並み(600km/h前後)の低速域において効率的な稼働へと転換可能な可変翼
- 爆撃機並みのペイロード及び運行能力
- 増槽のみまたは単体で大陸間の長距離回送飛行が可能
- 搭載兵器は全任務に対して一人で操作可能
- 翼下パイロン及び兵器倉あわせて15tを越えるペイロード(一部の戦略爆撃機を越える。)*4
- ついては、20以上のパイロンを搭載可能であること。(なお、パイロン搭載時ステルス性が失われる問題は今後のステルスパイロン研究に依存する)
- 核兵器搭載への対応
- 被弾が破滅的となりうるため、ウェポンベイ及び機関砲弾倉の高度な防御
- ウェポンベイにおけるミサイル搭載能力
- リボルバー式ウェポンベイを要求
- AWACS/ASR能力の搭載
- ソノブイランチャーの搭載
- 磁気探知機ブームを搭載すること。ただし、ステルス性に配慮し機体埋め込み式とする。
- あたって、レーダーや機体による干渉を減らすベリリウム補強プラスチックを保護材に入れること。
- 十分な魚雷及び対潜ロケット、爆雷搭載能力の確保
- 対水上艦監視能力のあるレーダーの搭載
- 通常配置のレーダーに加え、広範囲のイルミネーション能力を持った旧型艦載AWACSに匹敵する対水上パッシブフェーズドアレイレーダー(AN/APS-96)を合わせて搭載する。
- メインレーダーは極超音速弾およびステルス弾への限定的配慮として二次レーダーをかねるアクティブフェーズドアレイ方式にする(AN/APR-9)。
- AN/APX-103敵味方識別装置を搭載するが、レーダーにもその機能を限定的に配備する。
- 強力なECM装置の導入
- データリンク強化によるモジュラー防空網の実現
- 新鋭機にふさわしいユーティリティー
- パイロン非装着時における高度なステルス性
- 高コストパフォーマンス
- 数値制御による自動パーツ製造実用化
- 悪路や軽空母、強襲揚陸艦においてもテイクオフ可能な柔軟性を有したSTOL性能
- ただし、カタパルト発進バー及びアレスティングフックは装備しておくこと。
- 丈夫なランディングギアを有する。
- 可変サスペンションをもつ。
当初、この要求実現は技術的に不可能であるとされ、空軍技術廠の嘲笑を受けたが、近しいものをハウンド・マルシン社が考案し簡易的な試作機を作成したことで、生産が一定の現実味を帯びるようになった。一方、これだけの大型機を「ステルス」で「安価に」運用することや、「安価なまま可変翼に重装甲を施す」、といった要求には若干無理があるとされ、一部要求性能の妥協が検討されたが、興味を持った暁重工が共同開発を持ち込んだことにより、流れは一変した。
基本的設計はイヌ合衆国であるものの、シルヴァナハト帝国の高度な技術力はまさしく革命的であった。要求の末端にあった多くの技術的課題は瞬く間に解決され、実用化は目前となった。イヌ合衆国のファンディングの上で完成したシルヴァナハト帝国産のAIも極めて高性能であり、試験での機体運用は完璧そのものといえた。
技術提供を受けたイヌ合衆国の工業力は機体生産に問題がないものであり、試験を突破した完成モデルの量産は瞬く間に開始された。
結果、要求通りイヌ合衆国空軍/海軍の旧型機の多くが退役することとなった。それだけこの機体は素晴らしい完成度だったのであり、それだけ汎用性が高かったのである。犬帝軍財政は大きく改善し、犬帝は冷戦終結後初めて軍のプロパーな再編が行われたという。
一方、シルヴァナハト帝国の方においても、暁重工の目の付け所は間違っていなかったといえる。旧式機であるにも関わらず、最新鋭機に準ずる性能とそれを越える汎用性を持つ機体であるF/A-20はシルヴァナハト空軍の強い関心を受け、安価さを活かして瞬く間にその主力マルチロール機へと変化を遂げた。最新鋭戦闘機と無人F/A-20の組み合わせが極めて効果的であるとわかったのである。
加えて、V/STOL機をまともに開発しなかった帝国海軍にとってもインパクトは大きく、優秀なVTOL性能に着目した海軍は主力戦艦の艦載機としてこれを運用している。艦載ヘリと比較すると圧倒的に性能が高いからである。
それほどまでに、F/A-20の完成度は高かったのである。
結果、暁重工の両国に対する発言力が一段と上がったのは言うまでもないが、軍へのメリットはそれを隠すのに十分と言えるほど大きかった。
性能の詳細
コメント
来訪者数
今日 | ? |
昨日 | ? |
合計 | ? |