あまつき

Last-modified: 2011-08-20 (土) 22:26:05

あまつき/高山 しのぶ

660 :あまつき:2011/07/30(土) 22:59:29.89 ID:???
ややこしいんで先に用語解説

あまつき…人と妖の住まう幕末のような世界。少なくともタイムスリップではない
彼岸…作中での現代世界。脳科学やネットワーク技術の発達した近未来
天座…強い力を持つ妖の一団
陰陽寮…幕府直属の妖怪退治組織
ササガミ神社…森の妖が出てくるのを防ぐために作られた神社。現在は陰陽寮と組んでいる
夜行…あまつきの支配者である天帝の手先として動いている男


661 :あまつき:2011/07/31(日) 14:37:13.16 ID:???
あまつきサイドと彼岸サイドで交互になっててややこしいのである程度まとめて書きます

【あまつき】
歴史で赤点を取った鴇時(ときどき)は、授業の補習として最新バーチャル技術で江戸時代を再現した
「大江戸幕末巡回展」へ行くことに。
そこで突然夜行と妖の鵺(ぬえ)に襲われ、犬神付きの少女・朽葉に助けられる。
CG再現用のゴーグルをとっても江戸時代の風景は変わず、鴇は失血で気を失う。
朽葉に運び込まれた寺には、同日に「大江戸幕末巡回展」へ来ていたクラスメイトの篠ノ女がいた。
話によると、ここは人と妖怪の暮らす幕末のような世界で、篠ノ女は鴇より2年前にこちらに来たとのこと。

あまつきと呼ばれるこの世界は、支配者である帝天によって描かれた筋書き(天網)通りに動いているが、
部外者である鴇は支配も監視も受けず、さらに天網を書き換えたりイメージを実体化させる力を持つという。
そのような存在を「白紙の者」もしくは妖の名前にちなんで白沢と呼ぶ。
篠ノ女もかつては「白紙の者」であったが、なぜか突然天網に組み込まれてしまったらしい。
特殊な力を持つ鴇の前に、それぞれの思惑で天帝の支配を抜けようとする天座の主の梵天と
ササガミ神社の姫巫女(男)である銀朱が協力を要請してくるが、
鴇はどちらにつくかの答えを保留したまま朽葉と陰陽寮の面子と共に日本橋で起きた妖事件へ向かう。

そこでは宿主として慕っていた神木を切り倒され、主の恨みを晴らそうとする狐の妖・今様が
夜行の瘴気に当てられ暴走していた。
しかし、神木は正しく祓いの儀が執り行われて主の樹妖は天へ還っていた。
真実を告げても暴走により言葉が届かない状態の中、今様を回収するために夜行が現れる。
夜行は天網とは別の未来をみた存在を回収して何らかの実験台に使っているらしく、
鴇と関わったことで天網とは別の道を歩み始めた今様を回収しにきていた。
彼女を助けたい一心で無意識にイメージを実体化させる力を使った鴇は、暴走していた部分を切り離し
核となっていた部分に狐としての実態を与え、鴇の直接的な力の関与で今様に手が出せなくなった夜行は去ってゆく。
一方、鴇との対話で前に進むことを決意した銀朱は天帝に刃向うも失敗し、存在を抹消されてしまう。


662 :あまつき:2011/07/31(日) 14:37:54.64 ID:???
【彼岸】
あまつきサイドの半年前からスタート。
元刑事でいわゆる産業スパイの半(はした)は、依頼を受けて千歳(せんさい)コーポレーションの企画する「夢を実現させる」
というプログラムと、それを開発した千歳緑という人物について追っていき、
会社から不自然な資金の流れ方をしている病院の存在に行き着く。
そこで7年前に死亡したはずの知人である蘇枋のカルテを発見した半は、
よく蘇枋の元へ遊びに来ていた鴇と久々の接触を試みる。
特に目ぼしい情報は得られず過去話と蘇枋は死亡したという事実確認をしただけで終わるが、別れ際に鴇から
蘇枋について知りたいなら彼の元によく出入りしていた「ちとせさん」に聞けばいいと告げられる。


663 :あまつき:2011/07/31(日) 14:38:21.36 ID:???
【あまつき】
今様の一件以降天座と親交を深める鴇だが、妖とは相容れることはできないと考える朽葉は複雑な感情を抱く。
そんな中で天座と陰陽寮が交戦状態になるが、銀朱の反抗を修正するために天帝による
大規模な天網の書き換えが起こり戦いは一旦中断。
朽葉は陰陽寮に所属する昔の知り合いから仲間になるよう誘いをかけられる。
鴇は朽葉と共にあろうとするが、妖と親しくしている鴇の背中を遠くに感じてしまった朽葉は
その手を取ることをせず、陰陽寮の面子と共に鴇の前から姿を消してしまう。

天網が書き換えられたことを知った鴇は、その中心地であるササガミ神社に残った篠ノ女の身を案じて
梵天と天座の一員である露草と共に神社へ向かうが、記憶を書き換えられた篠ノ女は
完全にあまつきの住人になってしまっており、鴇や彼岸のことを覚えていなかった。
立て続けに友人を失ったことに鴇はショックを受けるが、もう一度0から友人関係を築き上げようとする。
そして天帝を明確な敵と見定めた鴇は神社内にいる陰陽寮の面子の元へ単身で向かい、
天座と協力するように説得する。
そこへ鴇の身を案じた露草と、鴇を回収対象としてターゲットにしてきた夜行が乱入してくる。
それぞれにとって近しい死人を道具として使って襲いかかってくる夜行をを前に
陰陽寮と露草は共通の敵を見出し、互いを取り持とうとする鴇の言葉もあって一時休戦して手を取り合う。
乱戦状態の中で鴇・篠ノ女・朽葉は偶然鉢合わせ状態となり、再び3人で行動を共にする。

しばらくは結界内に身を潜めていたが、血の匂いを感じて向かった先ではお忍びで陰陽寮に来ていた
第十四代将軍徳川家茂が鵺に襲われていた。
鴇はなぜか家茂にちとせの面影を感じつつも、陰陽寮の主の緋褪(ひさめ)と共に家茂の救出に成功するが、
瘴気渦巻く夜行の穴が開いてしまう。
そこから這い出してきた、かつて今様から切り離した負の部分が鴇を引きずり込もうとするが、
鴇を助けるために身代わりとなった朽葉が引きずり込まれてしまう。
朽葉を追おうとする鴇だったが、朽葉を守るために近寄る者全てに反射的に襲い掛かる犬神の攻撃を受け、失敗に終わる。


664 :あまつき:2011/07/31(日) 14:39:48.24 ID:???
【彼岸】
半たちは千歳が関与している「大江戸幕末巡回展」へバイトとして潜入する。依頼人の正体は実は篠ノ女。
バイトを終えて帰路につく半は、刑事時代からの因縁の相手である漆原の姿を見かける。
漆原はかつてカルト系サークルの中心人物で、当時赤子だった自分の娘を実験台にして逮捕されるも、
司法取引で出所していた。
その娘・璃々は海馬の異常発達によりプログラミング言語が読める代わりに成長しても情緒面が未発達
という状態にあり、現在は半が養子として引き取って育てていた。

半の上司である白藍は叔父が漆原を自身の企業に引き入れようとしていることを知り、
半と漆原の因縁について仲間内でしっかりと話合っておこうと考える。
その矢先に協力者のハッカーである若桜から「大江戸幕末巡回展」からの帰路についていた
弟と半のGPS情報が途絶えて消息不明との連絡が入り、白藍は若桜に璃々を連れて事務所から避難するよう指示する。
一人事務所に戻った白藍だが、直後に事務所の入っていたビルが爆発し、
こうして千歳について探っていたメンバー全員が消息不明となる。

翌日「怪我人は一人も出なかった」という爆発事故のニュースが流れる一方で、
鴇は赤点補習で「大江戸幕末巡回展」行きを言い渡され、
篠ノ女は依頼先の電話番号が現在使用されていない状態になっていることを知る。


665 :あまつき:2011/07/31(日) 14:52:25.78 ID:???
【あまつき】
犬神の攻撃と夜行の瘴気に当てられてしばらく寝込んでいた鴇は、天座と陰陽寮の双方に世話を焼かれて快方に向かう。
鴇の療養中に梵天は天帝によって与えられていた能力を剥奪されて普通の妖に戻ってしまい、
本体を失って梵天の力で存在を保っていた露草と、梵天が寄せ集めで一個体として作り上げた鳥の妖である
空五倍子(うつぶし)の存在が不安定になってしまったため、
実体を持たせることのできる力を持つ鴇に二人の面倒を頼み込む。
自分の持つ力を使いこなせるようにするため、鴇は緋褪の教えを受けつつ修練を重ねる。
一方梵天は、篠ノ女は鴇と違って最初から天網を自由に読み解き書き換える術を知っており、
わざと自身を「白紙の者」でなくしていたことに気づいて何者なのかと本人に問い正すが、
今の篠ノ女は完全にあまつきの住人となっているためその質問に答えることはできなかった。
そんな折、江戸城天守閣が正気に包まれ、城内にいた徳川家茂もそれに呑み込まれてしまう。
そこに夜行が必ずいると確信した鴇は朽葉たちを助けるため天座と陰陽寮と共に向かう。
存在が不安定になってるせいか空五倍子のかぶっている仮面のひび割れが進行し、
挙動と口調がいつもと違っている。
露草も姿を現さないが、鴇がいれば必ず来ると梵天に言われて城内への侵入を開始する。

まとまって侵入したものの、突如現れた点滴をした青年を追いかけて梵天がどこかへ行ってしまい、
鴇と篠ノ女の2人で梵天を追う。
そんな2人の前にこの世界にあるはずのない指紋認証システムが現れ、
なぜか篠ノ女の指紋と名前認識で御簾が開く。
その先は鏡の通路になっており、進んだ先には鏡合わせになって写る徳川家茂とちとせの姿がある。
それに驚いているうちに通路が割れ、妖の雲外鏡と対峙する梵天との合流を果たす。
雲外鏡は記憶の中の親しい相手を形どって襲い掛かってくるが、鏡から姿を現すというイメージを
得やすくなった鴇は鏡の中から武器を実体化させて取り出すことに成功し、雲外鏡を打ち砕く。
粉々の破片となってもなお鴇に襲い掛かってくる雲外鏡だが、突如現れた空五倍子が鴇を庇う。
いつもは鴇を白沢と呼ぶ空五倍子だが、この時は名前を呼び叫ぶ。
衝撃で仮面が完全に割れ、現れた知人の顔に困惑する鴇。空五倍子の仮面の下の素顔は半だった。


666 :マロン名無しさん:2011/07/31(日) 14:54:23.84 ID:???
とりあえず既刊分ここまでです