ぴたテン

Last-modified: 2008-11-01 (土) 11:32:34

ぴたテン/コゲどんぼ

620 名前:ぴたテン1/6[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 16:48:14 ID:???
未解決リストから、「ぴたテン」(コゲどんぼ)

樋口湖太郎は、中学受験を控えた小学6年生。父親と2人暮しで、母親は事故で他界。
多忙な父親に代わり家事を担当したり、塾や宿題と忙しく気の重い日々を送っている。

ある朝玄関を出ると、奇妙な黒い服を着た少女が立っていて、突然交際を申し込まれる。
少女は「美紗」といい、隣家に一人引越して来て、湖太郎の学校の中等部に編入する。
そして、何かと騒々しく湖太郎につきまとい、料理をしたりと世話を焼きたがる。
その割には不器用で、何をやっても失敗したり空回ったりで、日常はめちゃくちゃに。
しかし、美紗の一見ふざけているようなデタラメさも、気持ちは一生懸命なので、
湖太郎は余裕がなくてぶっきらぼうに応対したりするが、拒否はしきれない。
美紗は、服装に加えて、突拍子がなく一般常識を知らない言動も多く、
背中に羽根を付けて(実際は生やして、なのだが)自らを「天使」と言ったりする。
更に湖太郎は少しづつ、美紗絡みで非現実的な体験をするようになる。

またある時、湖太郎の近辺に、紫亜という不思議な雰囲気の少女が現れる。
白い服を着て、大きな玉の付いた杖を持ち、黒い猫を連れている。
湖太郎には以前から、霊感のようなものがあり、変な気配を感じたりした。
何故か紫亜の近くに行くと、それに似た頭痛を感じることがあった。
紫亜は、何か探しものがあり、湖太郎に手掛かりを感じてここへ来たらしい。
黒猫は紫亜とだけ会話が出来る様子で、やはり彼女も猫も普通ではない気配。
しかし、紫亜は体が弱り、更に記憶をなくしているようで、探しものははかどらない。

湖太郎は突然紫亜からキスされる。そしてそのまま倒れてしまう。
それは普通のキスでなく、体力の弱った紫亜は、湖太郎から「命」を吸い取ったのだ。
倒れている湖太郎を見つけた美紗が、不思議な力を発揮し、湖太郎は助かる。
美紗は、行くあてのない紫亜を自分の家に同居させることに。

紫亜は、美紗とは正反対の性格でおっとりとしていて、家事が上手く家庭的。
しかし性格は常識的なのだが、現代社会の常識には疎いようで、変に古風なことを言ったり。
湖太郎は、紫亜に亡き母親を重ねる部分もあり、恋にも似た微妙な感情を持つ。



621 名前:ぴたテン2/6[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 16:51:00 ID:???
湖太郎は、美紗との出会いから、「ちょっと変わった人」と印象付けてしまったことや、
不思議な力のせいでトラウマが多いため、おかしなことは避けたいと考えてたこともあり、
「天使」の意味をつかみかね、また深く踏み込まないようにしていた。
美紗は半人前の天使で、一人前になる為の試験を控えていた。
勉強をしながら、「湖太郎は自分が幸せにする」「湖太郎のために頑張る」と言う。
「人に幸せにしてもらう」「人のために頑張る」という部分に違和感を感じ、
湖太郎は美紗に反発するが、自分の目的を振り返ってみて、
受験や勉強や将来について思うと、自分もすぐに答えなど出ないと反省する。
美紗の天使試験とその失敗、背中の羽が本物であることを目撃等を重ね、
次第に自分の身近で起こっていることが、ただ事でないと気付き始める。

そして、本物の天使、美紗の姉の早紗が現れた。
どうやらその姿が見えているのは、普通の人間では湖太郎だけらしい。
早紗は美紗の試験を見守りに来たようで、湖太郎を邪魔者扱いする。
一方、紫亜の体力は刻々消耗しており、ついに発作のようなものが来るように。
倒れた紫亜は、気遣って近づいた湖太郎を捕まえ、人前であることも構わず命を吸い取る。
そして、紫亜はそのまま失踪。湖太郎は気を失って倒れる。
早紗と美紗の尽力で目を覚ました湖太郎の元に、曽祖父(母の母の父)が危篤だという連絡が入る。
早紗は、紫亜の正体は「悪魔」であり、死の危険に晒されたからと注意を促す。
紫亜と黒猫もまた、湖太郎から取った力を手掛かりに、湖太郎の曽祖父宅へ向かっていた。

曽祖父宅近くで湖太郎は、金髪に黒いコートの男(黒猫の正体)と出会う。
周囲には、命を落とした小動物の死骸が散乱し、傍らには紫亜が。
金髪の男は、湖太郎の命に興味を示し、湖太郎が普通の人間ではないと取れる言葉を吐く。
「湖太郎」の命を得ることで、紫亜が存えるかもしれないと。
紫亜は助けたいが、早紗の忠告を思い出して、恐怖を感じる湖太郎。
湖太郎を心配し、勉強をサボって追ってきた美紗が助けに現れ、その場は切り抜ける。

美紗の不思議な天使の力の影響で、湖太郎と美紗は異次元に迷い込む。
そこで湖太郎は、過去の日本らしき風景を見る。



622 名前:ぴたテン3/6[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 16:54:16 ID:???
(湖太郎の姿は誰にも見えてないようで、回想のように話が進んでいく)
少年「太郎」と少女「志摩」、2人は年月を経、様々な障害を乗り越え結ばれる。
2人の子供も授かり幸せに暮らしていたが、太郎には、違和感があった。
不審な死に方をする小動物の死骸を見掛けることがあった。
歳を取るのが遅く感じられる志摩、志摩の近くに何度も現れる金髪に黒いコートの男。
体調を崩して苦しむ志摩にの前に、男が現れ、
太郎には志摩が人間ではなく悪魔であること、志摩には「同族の命は効く」と告げる。

異次元の世界で美紗とはぐれて更に迷った湖太郎は、続けて、別の少年と会う。
太郎の息子らしき少年は「樋口小太郎」と言い、
それまで見るだけの映像だったものが、お互いに相手の存在を感じ、話も出来ていた。
小太郎は、湖太郎と同じような不思議な力を持っている様子だった。
そして湖太郎は、過去の美紗と小太郎の逢瀬を目撃する。

金髪の男の話、そして太郎のこと、2人の家の近くにあるリンゴの木から、
湖太郎は見ているものが、曽祖父の記憶からつながる過去の映像であり、
志摩が紫亜の過去の姿であり、自分の曾祖母で、自らが悪魔の血を引いていることを悟る。
現実世界に戻って程なく、曽祖父は亡くなった。
湖太郎は紫亜に会い、その事実と自分が見てきたものを伝える。
全ての記憶を取り戻し、「太郎の元に戻る約束」を果たせなかったことに泣き崩れる紫亜。
悪魔が人間界で生きていく為には、人間の食べ物でなく、何かの「命」が必要。
過去の紫亜は、力が弱り朦朧とし、悪魔の命を求め自分の子供を食らおうとしてしまう。
紫亜は人間として生きるのに限界を感じ、金髪の男についていく決意をした。
太郎はりんごの木の元で再会を約束するも、男は残酷にも、紫亜の記憶を消し去った。



623 名前:ぴたテン4/6[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 16:59:58 ID:???
湖太郎は、何かの気配を感じ、思い出のりんごの木の所へ行き、根元を掘り返す。
そこには、太郎の家族写真が、紫亜を待っていたように埋まっていた。
湖太郎を前にして、紫亜は家族として共に人間界で生きていく決意をする。
帰ってからのことや日々の暮らしのことを話し、帰り道の駅に着く2人。
切符を買いに行った湖太郎をベンチで座って待つ間、紫亜は力尽き、静かに息を引きとる。
紫亜の亡骸を迎えに来た金髪の男に、湖太郎は生き返る方法はないのかと食ってかかる。
男は、ダメな悪魔だと思っていたが、案外大した奴だったのかもしれない、
人の心に入り込んで人生まで狂わす。そして、それは「自分も」だと、静かにつぶやいて去った。

湖太郎は、紫亜が亡くなった件で心を閉ざし、逃げるように暮らしていた。
そんな湖太郎の様子に、美紗はまたちょっとズレた感覚で、懸命に励ます。
いつもの美紗らしさに癒された湖太郎は、紫亜のことを告げ、自分を取り戻す。
2人とも、試験が目前に迫っていた。
早紗は、美紗に湖太郎が干渉することでなく、存在そのものが邪魔だと言う。
天使の力を使い、湖太郎は夢の中で「小太郎」の記憶とシンクロする。

太郎の息子の小太郎(つまり、湖太郎の曽祖父の息子で、湖太郎の祖母の兄)は、
その不思議な能力のせいで、村人から気味悪がられ、疎まれていた。
しかし、美紗の姿が見え、会話が出来るのもその能力のおかげ。
美紗と語り合い、癒される時間が、小太郎の心のささえだった。
しかし、美紗は天使として、小太郎が人間として幸せになることを望み、
励まされた小太郎は、自ら関わりを持っていこうと村人の前に出て行く。
しかし、事情は小太郎が思うより深刻で、陰で太郎や妹が防波堤になり守っていたのだった。
自分のせいで家族まで酷い仕打ちを受けていたと知り、絶望する小太郎。
折悪く、美紗が早紗に「人間と関わるな天界に戻れ」と叱られるのを目撃してしまう。
小太郎は自ら命を絶てば、美紗の居る天界に行けるのではと夢見て、湖に身を投げる。
深く人間に関わったせいで、その人間を死なせた罪により、投獄される美紗。
長い時が過ぎた後、ようやく地上に降りる許可が出て、
同時に小太郎の魂が転生したことが告げられる。それが「湖太郎」だった。



624 名前:ぴたテン5/6[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 17:03:22 ID:???
目を覚ました湖太郎は、見守る美紗の優しい目、「コタロー」と呼びかける声が、
自分宛てでなく、これまでもずっと自分の中の「小太郎の魂」に向いていたのだと知る。
湖太郎はいつの間にか、美紗のことを好きになっていたのだと気付き、同時に失恋する。
悩むうちに、自分からは何も告げてないことに気が付き、湖太郎は思い切って告白。
美紗も、湖太郎と過ごした日々を思い出し、小太郎と湖太郎は別の個人であると思う。
天使と人間の間柄が生んだ悲劇を見てなお、惹かれ合う2人に、早紗は怒りを露わに。
美紗の天使試験の課題は「人間・樋口湖太郎を幸せにすること」だった。
美紗がそばに居れば、今十分幸せだと湖太郎は思うが、それは人間同士ならばの話。
早紗は、美紗が合格したら、天使の仕事をすることになるともう一緒には居られないし、
また、美紗の試験はラストチャンスで、これがダメなら美紗は消えると告げる。
つまり、湖太郎からすると、美紗との別れはもう避けられないこと。
湖太郎は、美紗が居なくなるのは認めない、離れられないと、次第に美紗への依存を深める。
その様子に、かつての小太郎に感じたのと同じ危うさを覚え、美紗は不安になる。
天使の役目について、「天使は見返りを求めず人の幸せのために背中を押す」と湖太郎に伝える。
その言葉と、友達の受験に向かう姿や、失恋から立ち直る姿を見るうち、
湖太郎は「何かに頼らず自分の力で進んでいく」「自分のせいで美紗が消えるのは嫌だ」、
と考え、ある結論に達する。
湖太郎の受験の合格発表の日。見事合格したことを美紗に伝え、続けて幸せになる為の願い、
「自分の天使が見える力を消してほしい」と告げる。
お互い見えるから、期待し、頼ってしまう。
そうでなく、天使になった美紗に、天使として背中を押してほしい。
美紗もまた、湖太郎から見えることで、湖太郎に依存して求めてしまうから、
自分はダメ天使だったんだと微笑んで言う。
美紗はまっすぐな湖太郎の目を見て、願いを聞き入れる。
湖太郎は、力が薄れていく中でかすかに、白い天使になった美紗の姿を見た。

その後、進路も決まり、小学校の卒業式を迎える。
新しい道へ自ら踏み出す湖太郎は、何か不思議な力に背中を押されたように感じ、
美紗と共に歩いているのだと思う。



625 名前:ぴたテン6/6[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 17:07:03 ID:???
あらすじは、話の展開、美紗と紫亜との関わり中心に書き、
湖太郎の普通の生活、友達に関する部分を省略しましたので、補足します。

植松小星(うえまつ こぼし)
小学校の6年間、ずっと湖太郎に片思いをしている。
湖太郎が、家庭の事情や勉強で余裕がなさそうなことや、
あまり他人に愛想を振りまかず、交友範囲も広くない性格から恋愛気配がないことを、
告白する勇気の出ない言い訳にして、友達関係を続けていた。
ところが、湖太郎に馴れ馴れしく接する美紗の出現で、気の休まらない日々を送る事に。
女性視点から見た、湖太郎と美紗や紫亜の関係、男の子という存在、恋愛、
といった面でのスパイスになっているキャラ。
美紗が小太郎を想っていたと判明した時点で、落ち込む湖太郎に告白するのだが、
皮肉にも結果として湖太郎の美紗への告白を促すことになってしまう。
その後、失恋の痛手から自力で立ち直り、健気に湖太郎の受験を応援する。

綾小路天(あやのこうじ たかし)
容姿、成績、運動神経と、どこをとっても完璧な優等生。
湖太郎もクールな性格上それほど気にしてはいないが、親友ながら敵わないと思っている。
特に頭の良さはすさまじく、塾に通わなくとも全国模試で1位を取ったり。
それを鼻にかけたりしない、気さくな好人物だが、心無い妬みを避ける為のフリな部分も。
影では猛勉強をしていたりで、「頑張りが報われない、声に出せない」ジレンマを持つ。
特に、湖太郎にはコンプレックスを感じている。
父親が長期の入院療養中の為家計が苦しく、塾に通えないだけでなく私立校進学が厳しい状況。
実は天は小星に想いを寄せているのだが、その小星は湖太郎しか眼中にない。
なのに湖太郎は、黙々と自身の狭い範囲のことに向かうのみで、
多くを求めず、驕らないし、天のことも気にしない(ように見える)から。
そんな天の様子や気持に優しく理解を示す紫亜に、好意を感じたことも。



626 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 18:40:10 ID:???
ぴたテン すげー!
アニメと違う!!

お疲れ様でした。



627 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 19:07:41 ID:???
ぴたテン乙です。
なんだか丁寧なストーリーだし>>625で紹介されてるサブキャラクターの設定もなんかいい感じですね。
萌え漫画だと思ってたけど、なんというか、良い感じの少女漫画っぽい。



628 名前:ぴたテン(横から勝手に補足)[sage] 投稿日:2007/11/02(金) 23:11:05 ID:???
小説版ぴたテン第3巻「さよならの伝え方」(著者:落合ゆかり。電撃文庫)では、紫亜と一緒に
いた黒猫ニャー(の姿を借りた悪魔)の本名が「クラウス・ローゼンバーグ」となっている。

しかし原作者コゲどんぼ女史が小説版に寄稿したコメントによると
『コレの名前を付けて下さった事に感謝です.とても(汗)
 「ずっと”ニャー”か・・・」思ってたので・・・(汗)(笑)』
との事。



629 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/03(土) 15:08:16 ID:???
>>626
アニメは、原作連載途中に、別物として製作されました
(原作者のコゲどんぼさんも同意、というかむしろ当人の意向?)
なので、紫亜と湖太郎の血のつながりや過去話は全カット
少年の隣人が女の子が2人という、ドタバタコメディ的ノリに改変されてます
また、天使と悪魔という設定が強調され、ファンタジー色が強いのですが、
原作では美紗と紫亜は特殊な存在で、湖太郎以外に身バレすることはないまま終わります
あくまでも、「普通の人間、湖太郎の成長物語」みたいな感じです


>>628
補足ありがとうございます
その情報も知っていたのですが、原作では「ニャー」のままで、
その名前は一切出てこないので、迷ったけど使わないことにしました
…しかも、後半は人型の男性姿の状態で出てて、
そこの文章を「ニャー」で通すのが、どうにも違和感があったのでorz
勝手に「黒猫」「金髪の男」と表現することにしました