エイリアン通り

Last-modified: 2010-08-29 (日) 10:54:36

エイリアン通り/成田 美名子

110 :エイリアン通り(ストリート):2010/08/19(木) 15:06:34 ID:???
エイリアン通り 成田美名子

1980年代前半に連載された、当時のアメリカが舞台の話です。
少女漫画には珍しく主人公が中東出身。
シャールが徐々に心を開いていく心理描写がメインの作品なんですがストーリー中心に紹介。
その後の少女漫画に地味ながら大きな影響を与えたと思われます



111 :エイリアン通り(ストリート) 1:2010/08/19(木) 15:09:45 ID:???
登場人物紹介
シャール…父親はアラブ人、母親はイギリス人。女優だった母親似で、見た目は白人、美形。
11歳で母をなくし、人間不信に陥っていた。1話では15歳。

ジェル…フランス人留学生。シャールの家に運転手として同居することに。
真面目でジャーナリスト志望。シャールの親友になる。

翼…日本人少女。15歳。シャールの家で住み込みのハウスキーパーをしている。
事情があって家出、街をさまよっていたところをシャールに拾われた。

バトラー…シャールの執事。イギリス人。かつてはシャールの母の執事だったが、
シャールの母の死後はシャールの執事として仕えている。

セレム…砂漠の遊牧民出身。子供の頃、シャールの家庭教師となるべく街へ送られる。
シャールにコンプレックスを持っていた

ナザレとジョン…シャールと同じ大学の学生。不良だったがシャールの説得で改心。



112 :エイリアン通り(ストリート) 2:2010/08/19(木) 15:13:36 ID:???
1st.真夜中のカーボーイ

フランス人留学生ジェルは正義感の強い新聞部員。
大学の学長の息子(通称・ナザレ)と友人ジョンの不正を暴こうとするが、
逆に脅されナイフで利き手を切られてしまう。
そこにシャールが通りがかり、ナザレとジョンを蹴り飛ばしてジェルを助ける。
シャールは怪我の手当てをするためにジェルを自宅へ連れ帰る。
シャールの自宅はビバリーヒルズの豪邸で、執事バトラーとハウスキーパーの翼と3人暮らし。
金髪で見た目は白人のシャールだが、実はアラブの産油国ジャザイリー(注:架空の国)出身。
アラブの石油王の息子で大金持ち、15歳だが飛び級で大学4年、スポーツ万能と完全無欠、
学内でも知り合いが多い有名人だった。
しかしシャールは醒めていてどこか人をバカにしているところがあった。
ジェルはシャールに手当てしてもらうが、からかわれたのに怒って帰ってしまう。

ジェルは手を怪我したせいでバイトはクビ、家賃も払えず下宿を追い出される。
シャールはまだ15歳で無免、執事も運転できないからといってジェルに「住み込み運転手をしないか」と持ちかける。
ジェルは悩んだ末に承諾した。

しばらくして、ジェルはシャールが学長にかけあいナザレに説教して改心させたことを知る。
ジェルは自分の無力さを痛感し、ついシャールに八つ当たり。
しかし、憧れのジャーナリストが集まるパーティの招待状をシャールから貰い大喜びする単純なジェルだった。



113 :エイリアン通り(ストリート) 3:2010/08/19(木) 15:15:41 ID:???
ジェルとシャールは元女優のマダム・バイオレットが主催するパーティにやってきた。
シャールはカバンの中から小さなビンを取り出した。
その時一緒に持ってきた実験用の新品のスプーンが腐食して折れてしまう。
ビンの中身はワライダケのエキスで、シャールはそれをこっそり飲み物に混ぜ、出席者たちに飲ませる。
笑いが止まらなくなった出席者たちを見てシャールは「普段上辺だけで笑ってる連中が腹の底から笑ってるんだ」と醒めた目で哂う。
ジェルは怒って「いい加減にしろ」と一喝、シャールを平手打ち。
帰りの車の中で黙り込んでしまったシャールは、今まで見せたことのない15歳らしい表情をしていた。

翌日、シャールとジェルはシャールの部屋に盗聴器が仕掛けられているのを発見。
更にシャールが銃を持った男に拉致されそうになったり、シャールの部屋が滅茶苦茶に荒らされたりする出来事が起こる。
シャールは「翼とバトラーに心配させたくないから何も言うな」とジェルに口止めする。

しかしある日、ジェルはシャールの部屋でシャールが隠し部屋から出てくるところを目撃。
どういうことかと問い詰めるジェルに、シャールはようやく話しはじめた。
シャールの隠し部屋にはシャールの秘密のカビ・キノコ実験室があり、
シャールはそこで偶然金属を腐食させる新種のカビを発見してしまったのだという。
犯人達は兵器にも転用できるそのカビを狙っているらしい。
シャールには犯人の目星はついているようだが、ジェルにも口を割ろうとしない。
力になろうとするジェルに、シャールは「人のことはほっとけよ」と言い放つ。
ジェルは怒り、自分で調べると言って家を飛び出した。



114 :エイリアン通り(ストリート) 4:2010/08/19(木) 15:16:51 ID:???
ジェルは色々調べるうち、犯人はマダム・バイオレットではないかと睨む。
カビが家から出たのはあのパーティの日だけ、そして彼女の夫は製薬会社を所有しており、
政府委託の生物兵器を開発しているというのだ。
おそらく、マダム・バイオレットはカビで腐食したスプーンを見ていたのだとジェルは推測する。
ジェルが家に帰ると、入れ替わりにシャールが「白昼堂々とカビが盗まれた」と言って1人で車で出かけてしまう。

シャールがカビに仕込んでおいだ発信機の後を追っていくと、そこはマダム・バイオレットの屋敷だった。
ジェル、バトラー、翼、更にナザレとジョンがシャールを車で追いかけてきた。
簡単なことじゃないんだ、帰れ、と言うシャールに皆は「簡単じゃないからこそ協力したい」と答える。
仕方なくシャールはナザレとジョンに「30分経ったら車で屋敷に突っ込め」と指示。
翼とバトラーには「家でパーティの準備をしておいて」と頼み、バトラーに運転させて家に帰す。
ジェルはバトラーが運転できることに驚き、何故嘘をついたとシャールに怒る。
シャールは「そうしないとおまえが路頭に迷ってただろうが」と言い返す。

ジェルとシャールは正面玄関から堂々と屋敷に入っていく。
マダム・バイオレットの部屋では彼女が銃を構えて待っていた。
研究室のものは全て処分したので最後の一片を消しに来た、とシャールは笑顔で宣言、
マダム・バイオレットに向かって謎の液体を噴霧する。シャールいわく、それは「肺ペスト菌」。
普通の抗生物質が効かない耐性菌で、この腐食カビしか効かないのだという。
切羽詰ったマダム・バイオレットはカビたチーズを丸呑み。カビは見事に消滅した。
30分が経過して屋敷に突っ込んできたナザレたちの車でシャールたちは撤収。無事帰途に着くのだった。



115 :マロン名無しさん:2010/08/19(木) 15:24:33 ID:???
2話以降はまたこんどに。宜しくお願いします



116 :マロン名無しさん:2010/08/20(金) 00:57:47 ID:???
乙です
アメリカが舞台なのにアメリカ人じゃないのばっかりだからエイリアン(異邦人)通り?



117 :マロン名無しさん:2010/08/20(金) 14:12:22 ID:???
エイリアン通りの人、乙
懐かしかった

>>116
それもあるだろうね
あとはシャールの思考回路がちょっと特殊っつーかあまり普通じゃないっぽいところとか
>>114の「謎の液体を噴霧」した容器が、エイリアン(ギーガーのやつ)の模型を改造した
ものだったのもインパクトが強かったなw