夢幻街

Last-modified: 2010-07-30 (金) 11:20:32

夢幻街/水沢勇介

567 名前:夢幻街[sage] 投稿日:2005/12/27(火) 00:33:34 ID:???

夢幻街 水沢勇介 エニックス 全七巻

退廃的な東京を舞台にした所謂「退魔」もの。あやかし奇譚。
郊外の住宅地に佇む日本人形店「夢幻」の店主、牧豹介。
彼には祖父から継承した人形師としての腕もさる事ながら、もう一つ受け継いだものがあった。
幼少期からの厳しい修行により修めた、人が天狗になるための術「狗法(くほう)」である。
豹介は天狗の血筋を引く子孫で、狗法を受け継いだ十七代目「夢幻」として、
憑き物祓いなどを行う「拝み屋」の仕事も請け負っていた。

一話完結形式で、メイン主人公・豹介。主人公その2白神、その3美夜というふうに
各話毎に主人公が異なる、または全員が集う場合もある。

ガンガン掲載(後半はGファンタジー掲載)とは思えないくらい青年漫画っぽい絵柄と内容。
地味で大人向けな良作という感じ。古文、伝承や民俗学の薀蓄あり。
後半はややパターン化して精彩を欠いて終わった感あり。

【主要登場人物】

牧豹介(まき ひょうすけ):
日本人形店「夢幻」の店主で人形師。副業として拝み屋も営む。
依頼主の奇病や、いわく付きの骨董品関連から、妖怪やそれを操る術者と対決する。
端正な顔立ちの眼鏡のお兄さんで、子供や女性に好かれやすい。
性格は温和で心優しいが、人に危害を加える妖の類や極悪人に対しては容赦無くとどめを差す。
狗法仙術の十数種のうち、彼が自在に使いこなせるのは「飛翔」「剛力」「風刃」のみ。
普段は昼過ぎまで寝ており、人形制作の傍ら、近所の子供たちの遊び相手をしている。
本人は人形師として生計を立てていきたいのだが、副業の拝み屋の方が名を馳せており、
そちらの仕事の報酬を合わせて食いつないでいる日々である。

牧源三(まき げんぞう):
豹介の祖父。会津の魔天狗と呼ばれた稀代の狗法使い。
ある事件で死に掛けて以来、自らの頭部を干し首にし、それに魂を移して生き永らえて(?)いる。
狗法仙術の1つ「透視」を用いて豹介のサポートを行う場合が多い。

白神仁(しらがみ じん):
豹介の友人で、用心棒から憑き物祓いまで請け負う「なんでも屋」。
「気」を込めることで様々な効果を発揮する紙の札を用いる符術師(ふじゅつし)。
鋭い眼差しとワイルドな風貌に違わず、少々乱暴な口調で物事をはっきり言う性格。
子供の頃から大の病院嫌い。過去に重い病気に罹った恋人を亡くしている。

斎木美夜(さいき みや):
豹介の幼馴染の私立探偵。姉御肌。
狗法仙術のほとんどを使いこなせる達人だが、慢心による油断から窮地に陥ることも。

千葉礼子(ちば れいこ):
日本人形店「夢幻」でアルバイトをしている女子高生。
豹介に思いを寄せているが、なかなか言い出せない。