大きく振りかぶって

Last-modified: 2014-05-11 (日) 21:57:46

おおきく振りかぶって/樋口 アサ

799 :おお振り1:2008/01/18(金) 22:01:05 ID:???
おお振り


 三橋廉は、中学時代、祖父の経営する群馬県の三星学園中学で
野球部に入りピッチャーをやっていた。
 しかし、そこで部員(特にキャッチャー畠)から「理事長の孫が実力もないのにひいきで
ピッチャーをやっている」と言われ、また、いくら部員から無視されてもマウンドを
捨てなかったため、いじめられていた。
高校進学を機に、下宿先の群馬を捨て実家のある埼玉に戻ってきた廉は、公立の西浦高校に入る。
 唯一中学野球部でのいじめに加担しなかった、三星の控えピッチャーで幼馴染の叶の
「野球をやめないで」という別れ際の言葉ゆえか、 「自分にはピッチャーをやる資格も能力もない」
と思いながらもつい野球部の方に足が向いてしまった廉。

 
 西浦高校には今年から公式野球部が発足していた。
 そこには10人の新入部員と女性監督百枝まりあというメンバーが集まった。
 その中には、百枝に見学に来ていたところを強引に引きずり込まれた廉もいた。
 発足メンバーの一人でキャッチャーの阿部は、廉が球速はないものの、抜群の制球力と、
ジャイロに似た変化をする「まっすぐ」という決め球を持っていることを知り、
彼を持ち上げてエースに推す。
 しかし、阿部が三橋を気に入った本当の理由は、彼がおとなしく自分の言うことを聞くことだった。
 かつて傲慢なピッチャーに振り回されたことのある彼は、反動から自分に従うピッチャーを
捜し求めるようになっていたのだった。
 
 廉はかつてシニアで四番を打っていたという部員の一人・花井を、阿部の知的なリードの下で
三打席勝負で押さえたことから、自信を持ち始める。
 しかし、百枝はそんな彼の中学時代のトラウマをさらに克服させるべく、
群馬での合宿と三星との練習試合を計画した。



800 :マロン名無しさん:2008/01/18(金) 22:13:38 ID:???
 合宿では、食事を通じて集中力を高める訓練等、科学的なトレーニングが行われる。
 しかし、メンバーに溶け込めずおどおどしている廉に、強気の阿部は苛立つ。
 練習試合の日、三橋はグラウンドで三星学園高校野球部の投手となった叶を見かけ、
逃げだしてしまう。
その姿をみた畠は、廉を追って「お前がひいきでマウンドに居座ったことを誰も許していない」と脅す。
 畠は叶を高く評価し、廉を見下していた。
 そんな廉を助けた阿部は、廉の手のひらに投球ダコがあるのを
見つけた。廉の制球力は、不断の努力により得られたものだったのだ。
 畠らが廉の努力を見ずに、彼をバカにし続けたことを知った阿部は「投手としてでなくとも、
俺は努力家のお前が好きだ」と語りかけ、彼の信頼を得た。


 阿部は部員たちに廉の過去を話し、彼を元気付けるためにも試合に勝とうと煽った。
 花井らもそれに納得し、チームは廉のために団結したのだった。
 一方叶は、廉のマウンドに縋り付く執念と安定した制球力にコンプレックスを抱いていた。
 また畠は落差のある叶のフォークを捕れず、三星側には不協和音が見られた。



804 :おお振り:2008/01/19(土) 22:53:11 ID:???
 西浦の四番に抜擢された田島は、叶のフォークの変化にあわせて
ステップするという天才的な発想で、叶のフォークを捕らえ、先取点を入れた。
 廉も阿部のリードに従って三星の打者を次々と抑えていく。
 廉をバカにしていた三星陣は、廉へのいじめという過去や、
廉に勝ちたいとあせる叶の苛立ちから仲間割れを起こすが、四番の織田の機転で結束する。
 一方、阿部はかつての仲間への未練を残す廉に苛立ち、三星への対抗意識から勝ちをあせっていた。
 阿部のリードミス、レフト水谷の落球、更には三星の畠と織田が、廉の変化球に対応する
小技を使ったこともあり、西浦は逆転されてしまった。
 阿部は廉に謝罪するが、廉はまたも自信喪失、しゃがみこんでしまった。
しかし、廉を助けるために打者陣は連携して走者を出し、叶の疲労によるミスも手伝って逆転した。
 田島は「廉が全力を出していることはバックに伝わっている」
と廉を励まし、ベンチに連れ帰った。

 
 廉は阿部に、織田が廉の変化球の残像により視覚が狂うのを防ぐため、
小手先の業を使っていたことを教え、阿部もリードミスのショックから立ち直った。
 最終回、廉は着実に打者を抑えていき、西浦は勝利を収めた。
 畠は廉に謝罪し、三星に戻ってくるよう廉に言うが、西浦で仲間を得た廉は断る。
 昔の友情を取り戻した叶と廉は、また試合をしようと約束した。
 合宿所で、安堵から居眠りを始めた廉を見た百枝は、阿部は廉に安心を与えたのだという。
 阿部は、廉と三年間バッテリーを組み続けることを心に誓った。



805 :マロン名無しさん:2008/01/19(土) 23:04:45 ID:???
 廉は観戦しにいった武蔵野第一高校の試合で、阿部の因縁の投手で武蔵野の現エース、榛名の存在を知った。
 榛名は阿部とシニアで組んでいたが、過去の故障のトラウマから榛名は阿部にきつく当たり、
また肘の再故障への恐怖から試合でも80球以上は投げないと言い張り、阿部を困らせた。
 廉は阿部が榛名に、阿部とのバッテリー関係を大事にしてほしかったのだと気づき、
自分は阿部に榛名の分まで尽くそうと考えるのだった。
 夏の甲子園の抽選で、西浦は強豪・桐青と当たってしまう。
 西浦は、過去の試合データの多い桐青を攻略し、経験不足を補って勝とうとする。
 廉の幼馴染・浜田の応援団長就任、田島&三橋の赤点回避勉強会や三橋の誕生日パーティ等の
出来事がありながら、夏大が近づいてきた。



806 :マロン名無しさん:2008/01/19(土) 23:17:08 ID:???
廉と阿部のチームメイト
・花井 キャプテンで強打者だが、四番の座は田島に取られてしまう。
以後田島コンプレックスに悩まされる羽目に。真面目でしっかり者。
・田島 四番の天然天才バッターで下ネタ好き。同じ天然の廉には兄貴ぶって接する。
・栄口 バントが得意な副キャプテン。繊細で下痢持ちないい人。
・泉 田島や廉のお守り役。俊足を誇る野手。
・水谷 落球事件でクソレフトの呼び名が定着してしまった男。
etcetc・・・。これらの愉快な仲間たちの個性が作品の魅力だと思います。
 ところで、桐青戦のコミックを引越しで売ってしまったことに
気づきました。試合の流れ、見所等大まかになら書けると思いますが、
もし詳しく書ける方いらっしゃれば続きお願いしたいと思います。



807 :マロン名無しさん:2008/01/19(土) 23:40:54 ID:???
別にそんなに詳しくなくてもいいんじゃない?


つか、廉って天然キャラなのか
あらすじ読む限りじゃ分からんもんだね



808 :マロン名無しさん:2008/01/20(日) 00:34:24 ID:???
「天然」という言葉が持つ明るいイメージとは無縁だなあ。
ドモる、常にオドオドしてる、話が意味不明(田島以外ほぼ通じない)、
理解力低い、すぐ泣く、卑屈、目線が合わない…などなど。
天然キモキャラ?



809 :マロン名無しさん:2008/01/20(日) 00:55:38 ID:???
うん、天然ではない。
いじめと、中学三年間0勝投手というのがトラウマになった
卑屈で、どマイナス思考な少年



810 :マロン名無しさん:2008/01/20(日) 01:09:16 ID:pCD6apFZ
 桐青戦では、序盤、敵ピッチャー高瀬の不調による失投、廉の発熱によるハイテンション、
更に田島が高瀬のモーションを盗んだことからツキに見舞われ、西浦はリードを重ねる。
 しかし、高瀬が調子を取り戻し、また廉が熱と雨により次第に体力を消耗し始めた中盤からは、
桐青が廉を攻略し始め、更にエンドランやバスターといった際どい技を駆使して西浦を追い詰め、逆転してしまう。


 しかし、阿部と泉が出塁、田島がバットを振りながらグリップをずらすという打法を使ってみごとに点を入れ、
西浦がまた逆転する。
 廉は「まっすぐ」を攻略されはじめたことへの恐怖と疲れから調子を崩しながらも、
阿部に「投げられないなら交代させる」と脅され必死に投げ続ける。
 そんな廉に励まされた仲間たちは、最終回、廉に「後は任せて一番いい球を投げろ」と声をかけ励ます。
 最後の打席では、2アウトランナー3塁の状態で打たれてしまうものの、
泉と花井の奇跡のバックホームで押さえ、勝利を収める。



811 :マロン名無しさん:2008/01/20(日) 01:22:11 ID:???
 桐青のキャプテン・キャッチャーで三年生の河合には、これが最後の試合だった。
 潔く西浦を賞賛しながらも、影では高瀬と抱き合って泣いていた。
 試合の翌日、寝込んだ廉の元に見舞いにやってきた仲間と食事をした後、幸せをかみ締めた廉は、
群馬県予選第一戦の勝利投手となった叶に「野球をやっててよかった」とメールを送る。
 河合は美丞台狭山高のコーチで、桐青OBの中沢に、西浦の情報を教える。
西浦は二回戦・崎玉高校戦に臨もうとしていた。


 ここまでがコミック収録分で、連載は美丞台狭山戦をやっているみたいです。
 魅力は、一打席ごとの心理戦や策略、配球の緻密な描写だと思います。
更に、父母会や応援団といった周囲の人々の描写の細やかさも魅力です。
 あとはやっぱりキャラの魅力で、廉のキモキャラぶり、阿部の廉に対する過干渉ぶり
(体重や身長、アンダーの数まで心配する異常な過干渉振りはよくファンにネタにされます)、
田島の突如全裸になろうとするなどの奇行やそれに振り回される
花井の不幸っぷり等はかなり笑えます。



812 :マロン名無しさん:2008/01/20(日) 01:30:10 ID:???
美丞台狭山X 美丞大狭山O でした