強殖装甲ガイバー

Last-modified: 2012-10-28 (日) 15:54:20

強殖装甲ガイバー/高屋 良樹

304 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/01 22:36 ID:???
「ご存知ですか?ガイバーとは降臨者の言葉で

     ” ━━ 規格外品 ━━ ” 

といった意味だそうですよ・・・」

秘密結社クロノスより、実験体が脱走した。”ユニット”を三個持ち出して。
「いかなる手段に訴えても─」という命を受け、人気のない場所で実験体を追い詰めた。
対峙した二人が戦闘形態へと変わる。二人とも“獣化兵-ゾアノイド-“なのだ。
実験体は簡単にねじ伏せられるも、隠していた爆弾を使い自爆。
三個あったユニットのうち二個が爆風で吹き飛ばされた。

主人公、深町晶は偶然ユニットを手に入れる。
ふとしたはずみで開放してしまい、「殖装体-ガイバーⅠ-」となったのだ。
数千万年前に地球に降り立った”降臨者”と呼ばれる外宇宙の知性体の残した超生体兵器「ガイバー」
捕殖した知性体と有機的に結合しその生体機能を強化・増幅する未知の”超”生命体
これに増殖と暴走を抑える制御装置-コントロールメタル-が組み込まれ、殖装・分離の自在な
”強殖装甲システム”を形成する──

これがユニット・ガイバーなのだ

晶と友人瀬川哲郎はユニット奪還を目論むクロノスに命を狙われることとなる。
次々と送り込まれるクロノスのゾアノイドもガイバーの圧倒的な戦闘能力の前に
敗れ去っていく。しかし、そんな晶のまえに現れたクロノス本部の監察官リスカー。
彼は第二のユニットの殖装者=ガイバーⅡだった。
ユニットの能力は一緒でも本格的に戦闘訓練を受けたリスカーの力に押される晶。
突然ガイバーⅡの制御装置に異変が起きる。先の爆弾騒ぎで破損していたのだ。
ガイバーⅡの制御装置を破壊する晶。制御を失った強殖生物は暴走し、リスカーを喰い始めたのだ。

━制御装置を失った殖装者は強殖生物に喰われてしまう・・・!?━



305 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/01 22:39 ID:???
新たに日本支部の指揮はクロノス本部よりリヒャルト・ギュオー総司令にまかされた。
従来の獣化兵をしのぐ超獣化兵-ハイパーゾアノイド-が晶の前に立ちはだかる。
戦いの最中偶然通りかかった幼馴染の瀬川瑞紀が獣化兵に連れ去られる。
その瑞紀を助け出したのは第三の殖装者=ガイバーⅢだった。
ユニットは三つとも開放されてしまったのだ。

ギュオーは新たに獣化兵をつくる。度重なる失敗の責任を負わされた前支部長巻島玄蔵を
「調製」し、対ガイバー分解酵素実験用獣化兵「エンザイム」が完成した。
その横には玄蔵の養子である巻島顎人がいる。クロノス次期幹部候補生であり晶達が通う
高校の生徒会長をつとめる顎人を使い、エンザイムをガイバーにぶつける。

エンザイムとの戦いはあいうちとなり、制御装置をえぐりだされる晶。
強殖生物となって暴走するも爆発したエンザイムの血液によって溶解してしまった・・・

制御装置と共にギュオーの前に運ばれる哲郎。哲郎に向かってギュオーは語り始める。

調製した獣化兵を世界各国におくりこみ、地球をクロノスの支配下に置く。
獣化兵こそ人類のあるべき姿なのだ。人類はもともと”降臨者”の手によって作り出された兵器としての生命体、
獣化兵の素体として作られたのだから・・・今遺跡からえたノウハウを元に
人類はようやくあるべき姿にかんせいするのだ。われわれクロノスの手によって・・・

その時ガイバーⅠの制御装置が動き出す。付着していた一片の強殖細胞から増殖し全身を復元するのだ。
復活した晶は無意識ながらも脱出、哲郎を救出する。
ガイバーⅢの暗躍もあり日本支部は壊滅、自身で体験したこととはいえ強殖細胞の復元能力に不安と恐怖を感じる晶であった。



306 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/02 00:04 ID:???
壊滅した日本支部よりギュオーはひそかに脱出、新たに晶達に襲い掛かる。
戦いの中ついに瑞紀に殖装をとくところを見られ、哲郎は事情を説明する。
晶としては好意を抱く瑞紀には知られたくなかったのだが、自らが巻き込んでしまったのだ。
晶は新たにクロノスと戦う決意を固める。

ギュオーは新たに増援を頼んだ。「損種実験体部隊-ロストナンバー・コマンド-」である。
調製過程で生殖機能を損なった一代限りの変異体、しかし彼らの中には正式採用獣化兵にはない
特異な能力を備えているのだ。

日本支部を壊滅させ、ガイバーに関するデータと関係者を一掃するつもりだった顎人は
ギュオーを始末するため殖装する。
再びギュオーの前に現れたガイバーⅢ、しかしギュオーは人間の姿でありながら
ガイバーに匹敵する腕力をもっていた。劣勢と見て退散するガイバーⅢ。
度重なる襲撃にギュオーは組織内の人間と気付く。

損種実験体との戦いのさなか、晶はルポライターと名乗る謎の男・村上征樹と知り合う。
彼の口から巻島顎人がクロノスの次期幹部候補生であることを知らされ、驚愕する晶。
そんななか、ギュオーの陰謀により晶の父、哲郎・瑞紀の三人が魅奈神山にある
遺跡基地(レリックス・ポイント)に連れ去られてしまう。そして顎人もギュオーの召集を受け遺跡基地へ。



307 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/02 00:05 ID:???
魅奈神山の地底には降臨者の物と思しき生体兵器研究施設の”遺跡”が眠っている。
現在までに世界各地で発見されたどの遺跡よりも完全な形である。
「レリックス・ポイント」とはその”遺跡”をあらゆる角度から分析・研究する目的で作られた
一大地下研究基地なのだ。日本支部における獣化兵調製のノウハウ・そして”ユニット・ガイバー”も
ここで発見されたのだ。

自らの野望のため晶やクロノスを利用していた顎人だったが
次期幹部に相応しい超獣化兵への調製を告げられ、哲郎たちに正体を明かす。
目的はクロノスの打倒であると。
殖装し、三人を連れ出そうとする顎人の前に五人の超獣化兵が立ちはだかる。
ギュオーは顎人の正体に気付き自分と同じ”十二神将”の一人で最高の科学者
ドクター・ハミルカル=バルカスを呼んでいたのだ。
バルカスが手がけた超獣化兵五人衆に苦戦する顎人。ガイバーⅠも駆けつけるが父親が再び捕らえられてしまう。

傷付いた晶たちは村上と共に顎人の別荘に身を隠す。そこで尾沼与平と孫の志津と合流する。
晶は父親を救出するべく顎人と二人遺跡へと戻る。あっさりと父親をとりもどせたことに疑問を抱きつつも
戻る途中、またもや五人衆が襲い掛かる。しかも二手に別れ別荘の方にも向かっているという。
ここは顎人に任せ、父親を背負ったまま別荘へと向かう晶。その父親が獣化兵へと獣変していった。
バルカスによって新たに改良されたエンザイムⅡへと。
父を呼ぶ晶の声もむなしくエンザイムⅡの爪はガイバーⅠの頭蓋を砕き脳を破壊した。

別荘に向かった五人衆のうちの二人は村上の思念に操られ、同士討ちをはじめる。
異変に気付いたバルカスが目を向けるとそこには獣神将-ゾアロード-となった村上のの姿が。
動揺し一時撤退する五人衆、さらにバルカスが意識を離した隙にガイバーⅠが再び動き始めのだ。



308 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/02 00:54 ID:???
殖装者の意識が失われ、一定の時間が経過しても回復しなかった場合
強殖装甲は殖装者の生命を維持するために過剰防衛行動にでる──
ガイバーⅠであっても今は深町晶ではない。ガイバーの真の戦闘能力が開放された。
駆けつけた哲郎の叫びも空しくガイバーの粒子砲(メガスマッシャー)が炸裂する。
強殖装甲の復元能力により晶は意識を取り戻したが、心ならずも実の父を手に掛けた
晶は心的外傷から記憶の欠落を招き殖装不能に陥った。
逃げる晶達に間髪をいれず晶の父親と共に調整されたエンザイムⅡが襲い掛かる。
窮地に立たされた晶達を救ったのは戦闘形体に変異した村上であった。
彼はクロノス最高幹部会、十二神将の一人、ギュオーのために試作調製された実験体だったのだ。

五年前クロノス内部で起こった山村教授の反乱。村上はその生き残りであった。
そして彼はギュオーのみが知り得た”強殖装甲”にまつわる恐るべき秘密をにぎっていた。
村上は静かに語り始めた・・・


309 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/02 00:54 ID:???
──はるかな昔、外宇宙からこの地球に飛来した異星人の一団があった。

それが”降臨者”だ

彼らはそれから二億五千万年に渡って地球の生態系を操作し、
彼らが求める生命体を造りだそうとしていた
高い知能を持ち強い繁殖力と環境への適応力を備え
そしてなによりも好戦的な兵器としての生命体を

そうして幾多の試行錯誤の末生体兵器の素体となる生物が誕生した

それが我々人類だ──

獣化兵は戦闘用に”調製”された人類だ
”調製”とは極めて短期間でその個体に遺伝子レベルでの変異を引き起こし
必要な形態や能力を付加することを言う
獣化兵に調製された者は人間としての属性はそのままに
驚くべき強靭な肉体と高い戦闘能力を持つ第二形態への”変身”が可能になる
目的や用途に応じて様々なタイプの獣化兵が開発された

そうして生み出された大勢の獣化兵たちを統率し指揮するいわば司令塔として
開発されたのが”獣神将”である。獣化兵を凌ぐ強靭な肉体とバリヤーなどの特殊能力を持っている
そして獣化兵は獣神将に、獣神将は降臨者に対する絶対の服従を遺伝子に刻み込まれているのだ

ところが人類はついに戦場へ駆り出されることはなかった
降臨者たちがこの惑星から撤退したのだ
彼らに何が起こったのか、今となってはその理由をうかがいしる術もない



310 名前:強殖装甲ガイバー[sage] 投稿日:04/06/02 00:59 ID:???
対して強殖装甲は降臨者たちが使っていたものである
標準装備として殖装していたのだ

あるとき降臨者の一人が人類にこの”ユニット”を殖装させることを思いついた
兵器として開発された種に対して強殖装甲がどう反応するか興味をもったのだ

結果は驚くべきものだった

強殖装甲は彼ら降臨者が殖装した場合の数十倍・数百倍の威力を発揮したのだ
そしてなによりも彼らを戦慄させたのは殖装した人類が彼らの精神支配から
解き放たれるということだった
獣化兵をはるかに凌ぐ戦闘力を持ちながら兵器としてはまったく制御不能な”人類の殖装体”
降臨者たちはこれを規格外品──

”ガイバー”と呼んだのだ

さらには獣神将に調製された人類がユニットを殖装した場合、降臨者の手にもあまるほど
絶大なパワーをもった”超存在”になるという

ユニットについてのくだりは山村教授が独自に調べたことであり十二神将ですら知られていない事実だ。
ただ一人リヒャルト=ギュオーをのぞいては。