機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート

Last-modified: 2011-08-13 (土) 10:01:27

機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート/原作:富野由悠季、矢立肇 漫画:長谷川裕一

168 名前:機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート[sage] 投稿日:2007/02/01(木) 21:40:31 ID:???
第一話「バカがボオルでやってくる!」
本編の迷脇役、自称ニュータイプの老兵ウモン・サモンの
「わしは一年戦争のとき、ボールでドムを六機撃墜した」という戦果の顛末。
ソロモン攻略戦で若き日のウモンが乗ったのは、ボールの前面に巨大なガンダムの顔を貼り付けた
「機動戦士Bガンダム(原注:万が一本当にBガンダムが登場した場合改名となります)」。
ハッタリをかまして地味に戦果を重ねていた彼の前に立ちはだかったのは
彼を本物のガンダムと勘違いしてやって来た、胸に髑髏のペイントを施したドムの遊撃部隊。
黒い三連星に匹敵するベテラン揃いで、それ故にBガンダムを悪ふざけと見て激怒した彼らを
しかしBガンダムは偶然の助けも得て、辛くも撃墜したのであった。
  冗談のようなBガンダムが、実は公式の戦史に影響を与えまくっていた…という小ネタも満載の異色作。

第二話「星の王女様」
本編の挿話となる話。木星から地球へ向かう途中、謎の小惑星に遭遇したクロスボーン・バンガード。
戦闘で小惑星に不時着したトビアが出会ったのは、少女トゥインク。
彼女は、木星軍の隠し鉱山であるこの小惑星で10年もの間、逃げることもできず働かされていた。
不毛の小惑星以外に、「星の王子様」と「ピーター・パン」の二冊の童話だけを己の世界として…
木星軍は、クロスボーンへの罠として小惑星を丸ごと爆破しようとするが
トビアとキンケドゥはこの計画を阻止。彼らは、今はここに留まるというトゥインクと
再会を約束して別れる。
  トゥインクは、後にクロスボーンに加わり第四話以降に登場。
  本編を含めたシリーズ全作が、彼女の纏めた記録であるという設定になっている。

第三話「海賊の宝」
本編の後日談となる話。木星軍残党が、連邦の汚職に関する証拠を積んだ貨物船を襲撃。
連邦軍のハリソン・マディン大尉は、証拠の揉み消しを最優先とした戦いを命じられ渋々出撃する。
そこへクロスボーン・ガンダムが現れ、木星軍を倒して貨物船の乗組員も救助。
ハリソン大尉は、彼らの突然の襲撃をいぶかしむが
クロスボーンの真の目的は、貨物船に詰まれた郵便…地球のキンケドゥとベラからの手紙だった。
  単行本では第三話になっているが、発表時期は全五話中最古。



169 名前:機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート[sage] 投稿日:2007/02/01(木) 21:42:08 ID:???
第四話:最終兵士
運送会社に偽装されたクロスボーン・バンガードの本拠に現れた謎の老人、グレイ・ストーク。
彼が依頼してきたのは「アムロ・レイの奪還」であった。
木星軍残党は、かつてドゥガチ総統のコピーに使われた生体コンピュータと
アムロの戦闘データを組み合わせ、最強のニュータイプを戦闘マシンとして再現する計画を立てていた。
トビア達は木星軍の秘密基地に攻め込むが、すでに秘密兵器「アマクサ」は完成していた。
アマクサは驚異的な機動力を持つが、起動時の設定ミスによって暴走。
木星軍をも敵と見なしたまま、全てを破壊すべく戦い続ける。
トビアとストークは、辛うじてアマクサに勝利したが、崩壊する敵基地の中に取り残されてしまった。
そのとき、何者かが心に働きかけ、二人を無事に外へ誘導する。
脱出した二人は、自分たちを誘導したのがアマクサの生体コンピュータであることに気付き
かつてアムロがア・バオア・クーで、仲間を心の声で誘導し助けたという逸話を思い出すのだった…。
  オフィシャルでは半ば意図的に避けられている、人工知能の可能性を扱った一作。
  グレイ・ストークは、長谷川氏の「Vガンダム外伝」が初出であり、同作及び「逆襲のギガンティス」を読むと
  ストークが非合法手段を取ってでもアムロ・コピー計画を潰そうとした理由が見えてくる。

第五話:猿の衛星
猿が乗った謎のモビルスーツが捕獲されたという怪事件が起き、ハリソン大尉が調査に向かうことに。
あまり軍を動かせないということで、クロスボーン・バンガードのダミー会社が輸送担当として雇われた。
(もちろん軍は彼らの正体を知らない)。
調査隊が発見したのは、かつてジオンが極秘に開発したクローン猿兵士が野生化した群れ。
しかも猿たちはニュータイプとして覚醒しており、ハリソン大尉もおおいに苦戦するが
見かねて援護に飛び出したトビアの奇策によって猿たちは気を取られ、大尉に敗れたのであった。
  長谷川ガンダムは、オフィシャルのニュータイプ論に対する挑戦的な作風でも知られているが
  この話はそれらの中でもキワモノの一作。
  猿専用のモビルスーツ「MS-06MS(モンキースペシャル)バルブス」のフォルムは必見。

170 名前:クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人[sage] 投稿日:2007/02/01(木) 21:44:38 ID:???
前作「クロスボーン・ガンダム」の木星戦役から三年後。クロスボーン・バンガードの元に
ドゥガチ前総統の後妻でベルナデットの義母にあたる女性エウロペが現れた。
彼女がもたらしたのは、“木星帝国”がドゥガチの死後も続けていたある計画の情報。
木星からコロニーレーザーで地球を直接攻撃する「神(ゼウス)の雷」計画である。
しかもその実行日時は、わずか2週間後に迫っていた。
計画阻止のために、彼らに与えられた課題は二つ。
一つは、今はなき母艦マザー・バンガードに匹敵する、超高速の移動手段の獲得。
そしてもう一つは、木星に送り込む少数精鋭部隊、7人の選抜。
だが、想定された対抗策は、木星から送り込まれた工作部隊によって次々と潰されていく。
連邦の支援も受けられず、独力で戦わねばならぬクロスボーン・バンガードに勝機はあるのか?

「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の続編であると同時に
時間軸上の後継作である「機動戦士Vガンダム」へのリンクも意識されており
「サイキッカー」などの固有名詞の登場や、Vガンダムの主人公ウッソの母親である
ミューラ・ミゲルと思しき人物がちょい役で登場するなどのくすぐりが用意されている。