異国迷路のクロワーゼ

Last-modified: 2010-06-17 (木) 12:54:01

異国迷路のクロワーゼ/武田 日向

105 :異国迷路のクロワーゼ:2008/03/24(月) 22:16:12 ID:???
時は19世紀後半。場所はフランスのパリ。
そこにある商業施設"ロアの歩廊"も、時代の動きが激しい近代過渡期において
あっという間にもてはやされ廃れていった。
その片隅にある鉄工芸店"ロアの看板店"。
主人公の青年、クロードはそこを一人で切り盛りしていた。


そんなある日、旅に出ていた祖父が久しぶりに店に帰ってくる。
極東の国、日本に旅行に行っていたという祖父は、
クロードにお土産だと言って一人の少女を紹介する。
名前は湯音。子供にしか見えない小さい背丈に、雅かな和服を着こなす少女。
彼女は長崎一の看板娘だそうで、奉公先を探していたところを祖父が気に入って
連れて帰ったのだと言う。
祖父は湯音を"ロアの看板店"で働かせてやってくれないかとクロードに頼む。
だが、クロードは言葉も分からない異国の少女なんかに
店を手伝わせることはできないと最初は拒絶する。
と言うのも、商業施設"ロアの歩廊"は経営難で、もってあと一年の寿命だった。
50年の歴史を誇る職人達が築き上げてきたものを守るためにも、
今は大事な時期だったのである。
しかし、身寄りもない異国の少女を放っておく訳にもいかず、
クロードはとりあえず湯音を店に置いて様子を見ることにする。


健気で一所懸命な湯音はクロードの役に立とうと張り切るも、
異国の地では勝手が違うため色々失敗してしまう。
その失敗を補うため、母の形見でもある自分の着物を売りに出す湯音。
それに気付いたクロードは、湯音の覚悟を知り、彼女に敬意を払って信頼することに。
自身の大事なものまで差し出してくれた湯音のため、いつか形見の着物を買い戻すことを約束する。


――こうして、家族の一員として迎え入れられた湯音は、クロードと共に寂れ行く
"ロアの歩廊"を救うため異国の地パリで働くことになった。


と言った感じの、ほのぼの異国間交流漫画。
とりあえず、武田氏の美麗な絵と相まって、異国の雰囲気はかなり出ている良作だと思うが
いかんせんまだ一巻しか出てないのでこんな感じで。