笑えない理由

Last-modified: 2008-09-21 (日) 20:50:36

笑えない理由/望月 花梨

522 :マロン名無しさん:2008/09/20(土) 22:23:05 ID:???
「笑えない理由」 望月花梨 全4巻


中学1年生の内気な女の子・伏屋かな子はある事がきっかけで、
もう2年以上まともに笑っていない。
仲良くしていた同級生・秋庭瑛士に「ぶす」だと言われたからだ。
本当はかな子の笑顔はとても可愛いのだが、その一件以来眼鏡をかけて
更に目立たないよう振舞っていた。
そんな中、かな子と瑛士は再会。
過去のトラウマから思わず瑛士の顔を見るなり逃げ出してしまうかな子。
ビクビクした彼女の様子から改めて自分の言った言葉の重さに後悔してしまう瑛士。
実は瑛士はかな子にずっと片思いしているのだが、性格がツンデレなので
つい彼女を前にすると子供っぽくなってしまうのだ。
何とか誤解を解こうとする内に瑛士は、かな子の姉・あや子の友人の麗子と知り合う。
瑛士と接触するうち、彼を意識し始める麗子だった。
そして努力が実り、ついにかな子の誤解を解くことに成功する瑛士。
「やっと笑ってくれた」と初めて柔らかい表情を見せた瑛士に、かな子も
瑛士のためにもっといっぱい笑えるようになりたいと思うのだった。


それ以来かな子は眼鏡をやめてコンタクトにしてみたり、あや子と笑顔の練習に励む。
まだ完全に笑えるようにはならないけど、気が緩むと笑顔が出せるようになってきた。
そんな様子を見て誤解が解けた事に気付いた麗子は、複雑な気持ちを抱えていた。



523 :マロン名無しさん:2008/09/20(土) 22:24:55 ID:???
ある日かな子は校内でコンタクトを落としてしまうが、そこを麗子・あや子の
同級生である松島が助けてくれる。年上に弱いかな子はつい笑顔を見せる。
運悪くそれを物陰から目撃してしまった瑛士は、嫉妬心から
「他の奴の前で笑うくらいなら笑えなくしてやりたい」と思ってしまう。
そしてそんな事を考える自分に嫌悪し、あえてかな子と距離を置く。
避けられる理由がわからず戸惑うかな子。
チャンスと思いつつも落ち込む瑛士を放っておけず励ましてしまう麗子。
秋になり、このままでは嫌だとかな子は瑛士に謝ろうとするがふとした事から
「嫌われているから避けられている」と勘違いした上にまた笑えなくなる。
ついにクリスマスになったが二人の関係は相変わらず。
謝りたくてもこれ以上嫌われたくて身動きが取れないと悩むかな子に、松島が
(委員会を通して親しくなった)気持ちを伝えろとアドバイスをくれた。
松島の言葉をきっかけに、かな子は瑛士が好きだと気付く。
そこに麗子の計らいで瑛士がやってくる。
「私の事嫌いでも避けないで欲しい。瑛士くんに嫌われたら笑えない」
かな子の言葉に真っ赤になりながら応えようとする瑛士だったが、お約束的に
クラスメイトの邪魔が入る。
再びかな子は笑えるようになり、笑うことを気持ちいいと感じるのでした。
ここまで2巻。次の3巻はまるまる麗子サイドのお話。



524 :マロン名無しさん:2008/09/20(土) 22:26:53 ID:???
かな子と瑛士がうまくいったと知ってから勉強に身が入らなくなってしまった麗子。
中学受験で失敗した志望校の受験ももう間近に迫っている。
自分の気持ちを押し込めていても仕方ないと、入試前日のバレンタインデーに告白する事を決心する。
そしてバレンタインデー当日。
瑛士の家を訪れるが、冷たく追い返されてしまう。
風邪を引いていて麗子にうつす訳にはいないとおもったが故の行動だったが見事に逆効果だった。
受験に失敗する夢まで見る程動揺してしまう麗子だったが、
本番直前瑛士の励ましを受け無事志望校合格。
しかし卒業が近付くにつれ、瑛士と離れたくないという気持ちが強くなってゆく。
志望校を辞めて今の学校に近い公立高校を受験すれば、友達としてでも側にいられる…。
けれど本当に自分は間違ったことをしていないだろうか。
不安感と片思いの辛さで揺れ動く麗子だったが、弟や瑛士の言葉で
やっと自分の気持ちに踏ん切りが付く。
公立入試当日に瑛士に思いを伝え、保留していた合格祝いとして
「思いっきり容赦なく自分を振って欲しい」と告げる。
初めて瑛士にあった春の日を思い出しながら、
麗子は心の中でありがとうとつぶやくのだった。


4巻はちょっと手元にないのでかなりうろ覚え。
確か教育ママなかな子の母親が現れ、二人の仲を(大げさに言えば)引き裂こうとするのだが、
それでも二人は確かな絆で繋がっているのでした的な終わり方だったと思います。