運命の弾丸編

Last-modified: 2008-09-22 (月) 23:41:33

ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編

324 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編 投稿日:05/01/07 00:10:29 ID:???
黒須市――かつて隠れキリシタンの拠点であったこの市で一人の女が世界征服に向けて動き出していた。
女はかつてれい子との戦いで死んだはずのリルカで、かつての部下Dr.零の子、白栄と志呂子の
二人を部下に兵隊を増やしていた。
白栄は死にかけていたリルカを治療し、素質がある者を撃たれた瞬間に見ていた人間に絶対服従する
怪物に変える 「運命の弾丸」を作り、志呂子と共に次々に黒須市の人々を撃っては怪物を生み出していた。


一方、れい子もリルカが生きていることを双子の繋がりによって感じ取り、
黒須市にある聖黒須学園に転校する。
クラスメートになった岩田豪人は前回のリルカとの戦いで死んだ流動と雄貴の知り合いで、
ゾンビ召喚の使い手であった。
(ちなみに前回の戦いの時はケンカで少年院に入れられていたので行けなかったらしい)
二人の仇を討とうとリルカの居場所を探っていた豪人だが、彼が雇った探偵はリルカが
とあるレストランに入ったのを 追って行ったきり消息を絶つ。豪人はれい子と共に仇を討つことに。


黒須市に一人の男がやってきた。
彼はスター・コレクター(以下S・C)と言い、他人のゾンビ召喚の星をそこから召喚されるゾンビごと奪い、自分の物に する能力を持っていた。これまで数多くのゾンビ召喚の使い手から星を奪い、
彼等を殺してきたS・Cは、星の持ち主が大勢いる黒須市に狙いを定めたのだ。
S・Cは早速出会った星の持ち主で、これまたれい子のクラスメートのラファエル・シムシュタインと、
豪人の幼なじみで 彼に思いを寄せる雨月竹露(うげつちくろ)の二人から星を奪おうとする。
竹露はまだ能力が開花しておらず、召喚は出来ない。
ラファエルはゾンビ「キルド・メイデン」を召喚し、なんとか逃げることが出来た。



325 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編 投稿日:05/01/07 00:15:48 ID:???
リルカは白栄に連れられ兵隊達を見るが、撃ったのがリルカでないため、誰もリルカに従わない。
リルカは自分の兵隊を増やすために弾丸を作らせたのに、
何故お前を通すような回りくどいマネをするのかと白栄に詰め寄る。
白栄はかつての部下が全員死亡しているからだと言い、もう少し慎重であれば死ななかったものもいるはず、
だからリルカが慎重にならざるを得ないよう、兵隊を動かすには自分か志呂子が必要になるようにしたと話す。
リルカは「志呂子には生きててもらいましょう。おまえはもういい」と白栄の首を斬る。
帰ってきた志呂子が見たのは兄の首を踏みつけている血まみれのリルカだった。
「志呂子…おまえは私と同じ種類の人間だ。誰の死に対してもスリルと興奮を覚える。
もっとそれを味わいたいのならおいで…。イヤなら普通の生活に戻るがいい」


探偵が消息を絶ったレストラン「ギャザリング」を貸切にしてリルカは志呂子や兵隊達とパーティーを開いていた。
そこにれい子と豪人がやってくる。
リルカは兵隊達を差し向けるが、サキのほうが圧倒的に強く次々と倒されていく。
女王の私をがっかりさせたから死んでわびろと志呂子に言うリルカ。
するといきなり豪人がリルカに頭から酒をぶっかける。
「なァ~にが「女王」だアホボケカス。そんなメルヘンチックな貴族制度は日本にゃねえんだよ」
さらにマヨネーズまで頭にかけられ、リルカは激怒。翼竜のゾンビを襲いかからせるが、
豪人は鉄パイプであっさり撃退し、 リルカはもちろん、れい子も唖然とさせる。
最後の兵隊もサキに倒され、残るはリルカと志呂子のみ。そこに三人の星を奪うべく、S・Cが現れた。
彼が召喚したゾンビの流した毒ガスで動きを封じられたれい子とリルカは、あっという間にS・Cに星を奪われてしまう。
S・Cはさっそくサキを使いれい子を殺そうとするが、志呂子が銃でゾンビがガスを流していた香炉を壊し、
破片が右目に刺さったS・Cは精神集中が途切れてゾンビをコントロールできなくなる。
豪人は今は勝ち目が薄いと、こいつのせいでゾンビ屋廃業なのよと倒れたS・Cを蹴っているれい子を引っ張って逃げる。
リルカ達も退散し、一人残されたS・Cは怒りに震える。



326 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編 投稿日:05/01/07 00:17:41 ID:???
志呂子は星を奪われたリルカに世界征服をあきらめるよう進言する。
リルカは私は無力な存在だと言いたいのかと怒りだすが、志呂子は彼女にQUEENのMDを見せる。
「これ…なんて読むかわかりますか?」「…えーと…キュ…「キュエーン」…?」
「ぜんぜんダメじゃないですか~~~~ッ!! 無力な存在どころか…
今のリルカ様は学校もろくに通ってない、ただの17歳じゃないですか~~!」
それどころか運命の弾丸を唯一作れる兄さんも殺したじゃないですかと言う志呂子に、
リルカは大笑いしだし志呂子を武器庫に引っ張っていく。
殺されるのかとびくつく志呂子だが、そこにいたのはリルカにゾンビ化され、
運命の弾丸の研究・改良をさせられていた白栄。
志呂子は大笑いする。
そしてついに被弾した人間を100%怪物化させる運命の弾丸・究極バージョンが完成した。


ホテルに戻ったS・Cは新しく仲間に加わったサキや他のゾンビたちも交えてリルカとれい子を殺す作戦会議を始める。
そこへ情報収集に行っていたゾンビ、スパイダーが戻って来るが、スパイダーはすでにリルカに
運命の弾丸を撃ち込まれ、化け物と化していた。
リルカの命令に従い、S・Cを殺すべくスパイダーは仲間のゾンビを倒していく。
S・Cは召喚解除をしようとするが、すでにゾンビとは別物になってしまったスパイダーには効かない。
サキも両腕を切り落とされ、S・Cは彼女に助けられ逃げのびるが、リルカの恐ろしさにただ震えるしかなかった。


リルカの屋敷で、銃に弾込めをする志呂子。「私ね…どうしても一人だけ撃ってみたい奴がいるんですよ」
そういう志呂子に化粧をしながら撃ってやればいいじゃないと言うリルカ。
「で? 誰を撃ちたいの? クラスメート? 学校の先生?」
その質問に志呂子は「おまえだよ。「女王(キュエーン)」…」リルカは志呂子に額を撃ち抜かれた。



366 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編[sage] 投稿日:05/01/11 00:10:47 ID:???
怪物化したリルカは何故か志呂子に従わず彼女に襲い掛かる。
リルカは撃たれた瞬間、志呂子ではなく手鏡に映った自分を見ていたので従わなかったのだ。
そこへマシンガンが乱射され志呂子は死亡。リルカは弾を受けたが無傷だった。
撃った女は雪女(ゆきな)と名乗る、政府直属の生物兵器研究班に属する軍人で、前々から運命の弾丸に
目をつけており、それを奪いに来たのだ。
雪女はリルカをサンプルとして連れ帰ろうとしてリルカに襲われるが、冷凍弾を撃ち込みリルカを凍らせる。
「「FREEZE」という言葉を知っているか?「動くな」って意味と…「凍らせる」って意味さ…」
だが搬送中のヘリが聖黒須学園上空に来たところで、リルカは自ら熱を発して冷凍状態を解き暴れだす。
やむなく雪女はリルカを外に蹴落とし、リルカは学園のプールに落ちる。
雪女は応援部隊を呼び、学校を封鎖してリルカを回収、目撃者が出たら軍事機密を見たとして殺すことにする。


その頃学校には、豪人に護身術を教えてもらっていたれい子と、竹露、ラファエルの他に何人かの教師が残っていた。
一人トイレに行っていたラファエルの前にS・Cが現れ、れい子に星を返したいから仲介役をしてほしいと頼む。
リルカの恐ろしさにびびったS・Cは、れい子と手を組むことにしたのだが、先に
事情を知らないれい子に会ってしまいボコボコにされる。そこへリルカが上空から落ちてくる。
が、冷凍を解くのに体力を使ったリルカはまったく動かない。
何も知らない竹露は「あの人手当てしたほうがいいんじゃない?」と言い出し、豪人とれい子にきつく叱られる。
関係ない竹露を巻き込まないための気遣いだったが、怒った竹露は竹刀で豪人をひっぱたき帰る。
再びプールに目をやると、リルカがいない。S・Cはれい子に星を返すことも忘れ逃げ出し、
豪人とれい子は後を追う。
一人残されたラファエルの背後から、ナイフを構えた雪女が近づいていた。



367 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編[sage] 投稿日:05/01/11 00:13:49 ID:???
雪女たちに見つからないうちに逃げようとするリルカだが、まだ体力が回復しておらず倒れる。
通りかかった竹露は、れい子達の言いつけを破り保健室にリルカを運んでしまう。
その行為を「偽善」と言うリルカだが、竹露はまったく動じない。
竹露は子供の頃、捨てられていた犬猫を拾っていたことで同じように
「ギゼンシャ」といじめられていたことを話す。
ある日竹露は捨て犬を見つけるが、いじめられるのが嫌で無視して帰ってしまう。
翌日、子犬たちは人間に虐待された無残な姿で死んでいた。
「だからその時あたし決心したの。何もしない善人よりも、何かをするギゼンシャになろうってね」
「…………チッ」


ようやくS・Cに星を返してもらったれい子。
ふと男子トイレの窓に血がついているのを見つけた豪人は、調べに行って
中にラファエルと三人の教師達の惨殺死体を見つける。
殺した張本人である雪女と出くわし戦いになるが、豪人は撃たれて倒れる。
突然聞こえた銃声に驚くれい子だが、今度はS・Cが額を撃ち抜かれ死んでしまう。応援部隊が到着したのだ。
校内に戻ったれい子はすっかり回復したリルカに遭遇。リルカは現れた応援部隊から思いがけずれい子をかばう。
彼らを蹴散らしたリルカは、竹露を脱出させる自身がないから決着はおあずけだと宣言しれい子を驚かす。


豪人を殺した雪女だが、何故かまだ人の気配がするような気がしてしょうがない。
すると突如背後からもう一人豪人が。
雪女が倒したのは彼が召喚した変装を得意とするゾンビ「オルタナティブ」だった。
豪人は雪女達が全員を殺すつもりだと知り激怒。一度は形勢逆転されるがフェイント技で何とか雪女を倒す。



368 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編[sage] 投稿日:05/01/11 00:15:44 ID:???
雪女を拘束したれい子達は彼女から情報を聞き出そうとするが雪女は何も答えない。
ならば殺してゾンビ化してから聞き出すとサキを召喚。腕がないサキだが足でナイフをふるって雪女を脅す。
雪女は連絡が三十分途絶えたら部下が総攻撃をかける手はずになっていると笑い、外からプラスチック爆弾を
くくりつけられた犬が入ってくる。
だがそれは雪女の上官、銀(しろがね)少尉が彼女もろとも彼等を吹き飛ばそうと差し向けたものだった。
見限られたことを察し雪女は絶叫。
爆弾が爆発し、れい子達は逃げ出せたが豪人が竹露をかばって怪我をしてしまう。
リルカに豪人を任せ、竹露は手当てのための道具を探しに行く。
その時リルカの額から運命の弾丸が落ち、リルカは普通の人間に戻ってしまう。


銀は回収した運命の弾丸は全て制作途中のものだったと、部下にリルカの額に埋まっている弾丸を取りに行くよう命じる。
中に入ると廊下にはラファエルたち四人の死体が並べられていて、傍にれい子が立っていた。
れい子はゾンビ化の呪文を唱え四人を蘇らせると、彼等に兵士達を襲わせる。
その声は外にあるS・Cの死体にも届き、銀は彼に襲われる。部下は全員殺され、
奥の手の爆弾犬もやられてしまう。
助けたのはあの爆発を生き延びていた雪女だった。
だが自分が彼の策略で解任されたことを知った雪女は、怒りと憎悪かられい子達におまえ達はもちろん、
家族も全員皆殺しにすると宣言。見せしめとして銀を文字通りズタズタにする。
「オラァ歯向かってみせろよ少尉!!テメー軍人だろうがよ!!男なんだろうがよ!!
私はもう軍をやめた素人!!それも女だよ!!
そいつにおまえはズタズタにされてんだよバ~カ!!」
もはや鬼女と化した雪女にぞっとする一同。
サキや他のゾンビ達もダメージがひどく、頼みの綱のリルカももう怪物ではない。
れい子達は学校から脱出することにする。


瀕死の銀を引きずり、校内に入った雪女の前に彼女に殺された四人のゾンビが立ちはだかる。
「また私に殺されたいか?クズ肉どもが…」



369 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編[sage] 投稿日:05/01/11 00:19:05 ID:???
襲い掛かってくるゾンビを次々と倒す雪女。
ラファエルのゾンビがキルド・メイデンを召喚したが、雪女は銀の体を盾に使って攻撃を防ぐ。
「ああっ銀少尉!!私をかばって死んでしまった!!なんてこと!!」
「さらにその上…まだ立ち向かって行くとは!!」
雪女は銀の体ごと彼の手榴弾をラファエルに投げつけ、ゾンビは全員倒される。


れい子達は外で兵士が乗ってきたジープを見つけ、竹露は豪人から護身用にと残っていた銃を渡される。
しかしいざ逃げようとしたその時雪女が襲い掛かってきた。
れい子はサキを召喚するが雪女に粉々に吹き飛ばされる。
雪女は最初にリルカを殺そうとする。竹露は絶対に助けると自分が持っていた銃をリルカに投げるが、
受け取ったのは 雪女。怒るリルカは雪女に撃たれた、と思った瞬間銃が暴発し雪女は重症を負う。
竹露が銃口に飴玉を詰めていたのだ。
「…また、おまえに助けられたわね」
「「絶対助ける」って言ったでしょ?あたし友達に嘘はつかないの」
リルカは初めて友達と呼ばれたことに動揺。今までそんな人間はリルカの近くにはいなかった。
れい子はリルカが変わって来ていることを感じ取る。
しかし雪女はしぶとく立ち上がり、隠し持っていた志呂子の銃を取り出す。
銃には自分の姿を見るための鏡がついていた。
雪女はそれで自分を撃つと怪物化。
逃げようとするれい子達だがリルカは雪女を挑発し、校内へとおびき寄せる。
目当ての物を探して理科準備室に来たリルカだが、雪女に捕まりボコボコに。
後から飛び込んできたれい子達に助けられリルカは中で液体窒素を探し出す。
れい子達は必死で戦うがやはり怪物化した雪女には敵わず全滅寸前。
リルカはアルコールランプを手に、雪女を実験室の中へと誘う。



370 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編[sage] 投稿日:05/01/11 00:22:05 ID:???
ランプを投げようとしてリルカは雪女に刀で腹を貫かれる。
ランプは床に落ち、その煙でスプリンクラーが作動し始めた。
「雪女。たった今おまえの死は決定された」
リルカの狙いは雪女を水で濡らし冷気を吸収しやすい状態にすること。
リルカが手にしている瓶が液体窒素だと気づき、雪女はリルカに襲い掛かるが凍らされてしまう。
「"FREEZE"と言う言葉を知っているか?「動くな」って意味と「凍らせる」って意味よ…!」
リルカは腹の刀を引き抜き雪女を砕く。雪女はついに死んだ。


ようやくダメージが回復してきたれい子達は実験室の中へ。
散らばった雪女の破片の中でリルカもまた、息絶えていた。
大泣きする竹露を見ながら、れい子は思う。
(これでよかったのかもしれない…竹露にとってはつらいだろうけど、リルカは竹露の友達として生きていくにはあまりにも罪を重ねすぎた…!!)


「三人とも何やってんの?私はこっちなんだけど」
霊になったリルカは自分が死んだと言う自覚がなく、倒れた自分の姿を見つけて混乱。
そこへ同じく霊となった志呂子が、リルカを地獄に迎えに来た。
背後の穴から見える地獄には、これまでリルカが殺した者やかつての部下達がいて
リルカを恨めしそうに見つめていた。リルカは自分が死ぬことを悟り、れい子達に声をかける。
「れい子……わたしは一足先に地獄行きみたいだわ。
おまえとの決着はいつかあっちでつけよう…だからなるべく早く死ね」
「豪人、おまえは絶対戦いの途中で死ぬと思ってたんだけど、予想が外れたわ」
「竹露…おまえはいまいち自覚してないようだが…おまえには「ゾンビ召喚」の素質がある。
れい子や豪人のような…自分の身を守ってくれるゾンビをおまえは呼び出せるのよ。
もし将来おまえが危険な目にあった時は…このリルカがいたことを思い出せ。
その時は、この私がおまえを守ってやる…!!」


こうしてリルカは地獄へ旅立ち、聖黒須学園の悪夢の一夜は終わりを告げた。



371 名前:ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編[sage] 投稿日:05/01/11 00:28:15 ID:???
事件は新聞やテレビで大きく取り上げられ、当然だが雪女たちが所属していた特殊部隊は違法組織だったため
国会やワイドショーで激しい論争が繰り広げられた。
殺された人たちは皆荼毘に付され、リルカの遺灰はれい子が引き取り海に散骨することに。
リルカが両親を殺した以上、同じ墓に入れるわけにはいかないという判断からだった。
ジャスミンも立ち会うが、リルカとの戦いに誘われなかったことで少々不機嫌。
駆けつけた竹露が灰を撒くと、風が吹きつけれい子に灰がかかってしまう。だが竹露はまったく気づかない。
「ずーっと忘れないよリルカ!!いつまでも!!永遠に!!」


その後。
妻が突然謎の自殺を遂げた資産家の下に、れい子がやってくる。
死者を蘇らせ、彼らしか知りえない情報を聞き出すことで報酬を得る「ゾンビ屋れい子」が。


運命の弾丸編 おわり


*なんとなく最終回っぽい感じですが、まだ続きます。