RAIDEN-18

Last-modified: 2011-01-23 (日) 16:45:32

RAIDEN-18/荒川 弘

354 :RAIDEN-18 エピソード1:2010/12/28(火) 01:31:56 ID:???
雷鳴と共に体に電流を流され、一人の男が目覚める。
彼、「ライデン18号」は、タチバナ博士が
超一流の死体パーツをつなぎ合わせて作り上げた
最強の「創られしもの(クリーチャー)」だった。

そこは死体を改造し、新たな生命を作り上げることが普通に行われている世界。

早速タチバナ博士と雷電18号は全国津々浦々の死体改造愛好家が集まる
「クリーチャー選手権」へ出場する。
年に一度、とある墓地で開催されるそれは
マニアたちが自慢のクリーチャーを戦わせ全国一位を決める大会。
優勝者には墓地直送、とれとれの死体1年分がプレゼントされるのだ。
クリーチャーたちにはスポンサーもついている。
「こんな非常識な大会なんぞ出てられっか」
とその場を去ろうとする雷電18号だが
タチバナ博士に自爆スイッチを握られているため、仕方なく戦いに参加することに。
「闇相撲横綱」の腕を持つ雷電18号は圧倒的な強さで
襲いかかってくる他のクリーチャーたちを無意識のうちに倒してしまう。


355 :RAIDEN-18 エピソード1:2010/12/28(火) 01:48:38 ID:???
無敵かと思われた雷電18号の前に立ちはだかったのは
ナース姿のクリーチャー、ジュテーム2号。
彼女の作り手である検死官ヤブコウジは「死体に尊厳を」と主張する。
それに共感した雷電18号は「俺はおのれの尊厳と自由のために戦う」と宣言し、
タチバナ博士から「この戦いに勝利すれば自由にどこへでも行っていい」という約束を取り付ける。

しかしジュテーム2号はヤブコウジが助手、ツバキを同意のうえで殺し、
その死体を使い作り上げたクリーチャーだった。
「自らの手で殺した死体を使う者」は「そこに在る死体を使う」ことを基本とする
死体改造マニア達からは外道とみなされるため、ヤブコウジは場内一斉のブーイングを受ける。

ジュテーム2号は骨を加工した電撃メスを振るい、目に見えぬ速度で雷電18号を追いつめる。
奮闘する雷電18号だったがバッテリー切れを起こし、地面に倒れ込む。
ジュテーム2号のメスが彼の首を落とそうと迫る。
しかし雷電18号は「全日本強い歯コンテスト」10年連続優勝者の歯で
ジュテーム2号のメスを受け止め、彼女の動力を吸収し充電。
得意技の上手投げでジュテーム2号を仕留めたのだった。

タチバナ博士から「約束だから。自由に生きていきなさい」と送り出され、
「生んでくれてありがとう」と告げて立ち去る雷電18号。
しかし、「帰巣本能」により結局彼はタチバナ博士の下に戻ってきてしまったのだった。



359 :RAIDEN-18 エピソード2:2010/12/29(水) 01:38:28 ID:???
死体をつなぎ合わせた怪物(クリーチャー)は
フランケンシュタインと呼ばれることが多いが、
「フランケンシュタイン」とは元々メアリー・シェリー(1797-1851)女史が
出版した小説に出てくる科学者の名である。

「クリーチャー選手権」で見事優勝し、
「産地直送、とれとれの死体1年分」をゲットしてご満悦のタチバナ博士。
容赦なく突っ込みを入れる雷電18号。
タチバナ博士は友人と食事するために外出し、
留守番と部屋の掃除を命じられた雷電18号は隠されていた地下室を発見する。
そこには彼より前に創られた人造人間達が眠っていた。
その中の一体、「タチバナ壱号=タチバナ秋男」を起こした雷電18号は
彼からタチバナ博士の正体を聞き出すことに成功する。

タチバナ博士の下の名は常葉。
明治35年生まれ、「タチバナ壱号」の孫。
幕末よりクリーチャーを作り始めたタチバナ一族の最後の一人であり、
自前のクリーチャー技術を駆使しまくって恐ろしく長く生き続けているのだ。

雷電18号が、今と変わらぬ姿のタチバナ博士が歴史的人物と映っている
たくさんの証拠写真を見ているところに彼女が帰宅し、
祖父であるはずのタチバナ壱号を顔色一つ変えずフルボッコにする。

「いやほんと、年サバ読むのはなかなか大変でねぇ。
ライデン君は賢い子だから黙っててくれるわよねぇ?」



360 :RAIDEN-18 エピソード2:2010/12/29(水) 01:46:59 ID:???
実は、雷電18号が見た
タチバナ博士が100年以上生きているという証拠写真は
総て彼女の「友人」の手による精巧な合成写真だった。

庭掃除に励む雷電18号に「終わったら台所ね」と声をかける彼女の元に
ボケたタチバナ壱号が車椅子でやってくる。
「何度言ったらわかるの? 私、あなたの娘の常葉じゃないのよ」と言いながら
壱号を修理して、ふとタチバナ博士は机の上の写真立てを手に取る。

「これは隠しておかなきゃね。」

その写真は、彼女が敬愛する
「フランケンシュタイン」の小説の作者、メアリー・シェリー女史と
一緒に映っている本物の一枚。裏に記された撮影年月は1851年1月。



361 :マロン名無しさん:2010/12/29(水) 01:48:24 ID:???
以上。
エピソード1に比べてわかりにくい文章で申し訳ない。

エピソード3は未見なのでご存じの方がおいででしたらお願いします。
読めたら自分で書くかもですが。