Rozen Maiden(バーズ版)

Last-modified: 2009-02-27 (金) 23:25:58

Rozen Maiden/PEACH-PIT

291 名前:RozenMaiden 投稿日:04/09/30 23:32:51 ID:???
引きこもりの中学生・ジュン君が趣味の通信販売で偶然生きたアンティークゴスロリ人形・真紅を
手に入れてしまい、下僕にされちゃう漫画です。
その腹いせにジュン君がボケまくりおねーちゃんに八つ当たりする漫画です。
なんかアリスがどうとか鏡の国がどうとか一応シリアスなストーリーもあるみたいです。
あとやっぱり主人公のジュン君がヘタレです。



564 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/12/25(日) 23:52:58 ID:???
>なんで主人公は引きこもりになったのか?
幼い頃から手先が器用で姉の人形の服をつくるのが好きなジュン。
しかし中学に入ってしばらくしてからDQNっぽい人たちに
「お前って女の服つくるのが趣味ってマジ?」
とからかうように言われ、ジュンは否定する。
ある日、学校演劇の主役にクラスの可愛い子が選ばれた。
その子の着る衣装のデザインを募集中だという。
ジュンはその子に似合うような服を思うままノートにスケッチする。
後日、何故かそのスケッチが掲示板に張り出されていた。
「これ誰が書いたんかな?」「丈が短くてちょっとエッチじゃね?」
「書いたのが男だったらキモイな」と言われつつも生徒たちからの評判は良かった。
しかしこれが自分のだと知られたら…一体誰が張り出した?焦るジュン。
スケッチしたノートを誤って先生に提出していた事を思い出す。
全校集会。
「掲示板に張り出したスケッチはもうみんな見てくれたかな?
 先生はあれを見た時感動しました。あれを書いてくれたのは桜田ジュンくんです」
全校生徒の前で担任にそう言われ、ジュンは嘔吐し、それ以来学校に行かなくなった。


>なんで真紅はほかの人形と戦ってるのか?
ドールたちに宿るローザ・ミスティカ(命のみなもとみたいなもん)を奪いあうため。
ドールを作った人形師のローゼンは完璧な乙女をつくりたくてローゼンメイデンシリーズをつくったが、
理想のドールはできなかった。しかし、七体のローザ・ミスティカが融合すると
完璧な乙女・アリスができるらしい。
アリスになってローゼンに認められるために、また命を失わないために戦っている。





309 名前:Rozen Maiden[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 17:33:52 ID:???
補完リストにあった「Rozen Maiden」書いてみます。一応完結?したので


登場人物


桜田ジュン
主人公。ある事件がきっかけで不登校の引きこもりになった中学生。
真紅達のマスターとなる。技は裁縫、服飾デザイン


柏葉巴
ジュンの幼馴染の同級生。成績優秀で控えめな性格。
元雛苺のマスター


柿崎めぐ
心臓病を患っている女性。長く入院して生きる希望を失っている時に水銀燈に出会い、
水銀燈のマスターとなる


桜田のり
ジュンの姉である高校生。天然ボケだが面倒見はよく優しい。
両親不在の桜田家の家事をこなし、ジュンや桜田家に同居する真紅達の世話をしている


草笛みつ
人形マニアのOL。金糸雀のマスターであり、後にジュン達とも親交を持つ
ジュンの裁縫や服飾デザインの才能に興味を持っている



310 名前:Rozen Maiden[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 17:52:57 ID:???
登場人物その2


真紅
第二主人公。ローゼンメイデン第五ドール。プライドが高く礼節にうるさい皆のまとめ役
マスターはジュン


水銀燈
真紅のライバル。ローゼンメイデン第一ドール。冷酷非情で執着心が強い敵役
戦闘力も高い。マスターはめぐ


翠星石
ローゼンメイデン第三ドール。性格はいわゆるツンデレ。口調は丁寧であるが発言の内容は毒々しい
マスターはジュン。蒼星石とは双子の関係


蒼星石
ローゼンメイデン第四ドール。性格は双子の翠星石とは逆で礼儀正しい頭脳派
マスターは結菱一葉という老人


雛苺
ローゼンメイデン第六ドール。甘えん坊で子供っぽい性格。
マスターは巴。後にジュン


金糸雀
ローゼンメイデン第二ドール。名前の読み方は「カナリア」。
策士を気取っているが、立てた作戦は必ず失敗する。マスターはみつ


雪華綺晶
ローゼンメイデン第七ドール。名前の読み方は「きらきしょう」。本作品でのラスボス的存在
マスターは存在しない


311 名前:Rozen Maiden[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 18:04:21 ID:???
基本補足


・ローゼンメイデンとは
ローゼンという人形師が作成した7体の人形の事。7体全員が意思を持ち、自由に行動する。
ただし、2つの条件を満たさなければ完全な活動は不可能となる
・ゼンマイを巻いてもらい、その後一人の人間と契約を交わし、その契約者の力を吸収する
・「ローザミスティカ」という人間でいう心臓、魂の様な物を各自所持しており、それを失うと
完全に行動は停止する



312 名前:Rozen Maiden[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 19:00:31 ID:???
不登校で引きこもりの中学生、桜田ジュンはある日「まきますか、まきませんか」とだけ書かれた
DMを受け取り、「まきますか」に丸をつける
数日後、ジュンの家に黒いカバンが届く。中を開けてみると1体のアンティークドールが入っていた。
ジュンは興味本位でドールのゼンマイを巻く。するとドールは独りでに動き出し、
ジュンに話しかけてきたのである。
驚愕するジュンを尻目にドールは「私の名は真紅。ローゼンメイデンの第5ドール。
そしてジュン、お前はこれより真紅の下僕となる」と語る。
突然の事で反発するジュンであったが、次の瞬間ジュンの部屋に包丁を持った
くまのプーさんぬいぐるみが侵入してくる。
真紅は自分と契約しないとこのまま殺される、それが嫌なら自分と契約して
私のローザミスティカを守れと迫る。
危機に瀕したジュンは契約を承知。左手に付けた指輪にキス(契約の条件)をし、
真紅との契約を完了させた。
契約を完了させた真紅は周囲に置いてあったぬいぐるみを操り、あっさりとくまのプーさんを捕獲する。
こうしてジュンは真紅のマスターとなり、ローゼンメイデンとの関わりを持つ事になっていく…


真紅との契約から数日。真紅はジュンの家に住み始め、ジュンをこき使っていた。
ある時真紅は海外赴任しているジュンの両親の部屋を見つけ、中を見せるように言う。
部屋の中は両親が海外で買ってきた年代物の珍品の物置と化していたが、
真紅はその中で一つの鏡に注目する。
真紅はこの鏡が“nのフィールド”の入り口だと語る。
ジュンは何の事だが分からないといった感じであったが、
突然鏡の中から「水銀燈」と呼ばれるローゼンメイデンが現れる。
水銀燈は真紅のローザミスティカを奪いに来たと
話し、ジュンの部屋に侵入したくまのプーさんも水銀燈の差し金と判明する。
元々険悪状態であったらしい真紅と水銀燈はすぐに戦闘を始め、
ジュンも巻き添えを喰らうことになったがすぐに水銀燈が戦闘を止め、また鏡の中へ帰っていった。



314 名前:Rozen Maiden[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 20:06:55 ID:???
水銀燈との戦闘後、ジュンは真紅が全く動かなくなった事に気づく。
最初は楽観していたジュンであったが、何時間も動かない為に慌てだす。
真紅の無礼な態度をジュンは気に入っていなかったが、
そんな事はお構いなしに真紅の直し方をネットで必死に調べ始める。
しかし直し方は見つからず、ジュンは姉の桜田のりに相談する。
のりは「ゼンマイを巻けば良いのでは」という推測をし、ジュンは再び真紅のゼンマイを巻いた。
結果、真紅は意識を取り戻し、再び動き出す事に成功した。
だが、この時に自我を持った勝手に動き出す不思議な人形
「ローゼンメイデン」の真紅の存在がのりにバレてしまう事となる。
[序章終]


意外にものりはローゼンメイデンの存在をあっさりと受け入れ、
引きこもりで心配しているジュンについて真紅に相談する程の順応性を見せた。
真紅はローゼンメイデンが持つ「人工精霊」ホーリエを使って水銀燈の行方を追っていたが、
ホーリエが帰って来ない為、真紅とジュンは再び鏡のあった両親の部屋へ行き、
鏡の中の“nのフィールド”に入る。
“nのフィールド”はフィールドに入った人間やローゼンメイデンの精神世界を形成した空間であり、
今回はジュンの精神世界に入ってしまった。
そこでジュンと真紅はジュンが不登校になるきっかけとなった事件の直前を再現した世界に
入ってしまい、ジュンは混乱してしまう。
そこにタキシードを着て人語を話すウサギ「ラプラスの魔」が現れ、
「アリスはもうじき生まれる」と語る。そして真紅にホーリエを返し、
“nのフィールド”から2人を退出させた。
(補足:アリスとはローゼンメイデンを作ったローゼンが理想とする人形の事。
真紅達ローゼンメイデンはアリスになる為に他のローゼンメイデンと戦い、
ローザミスティカという魂を奪い合うアリスゲームに勝利する事を一応の目的としている)
現実世界に戻った真紅はラプラスの魔の発言が気にかかり、再び“nのフィールド”入り口の鏡へ向かう。
すると鏡から「雛苺」と呼ばれるローゼンメイデンが現れ、
7体のローゼンメイデンが目覚めた事を真紅に伝え、アリスゲームの開戦を宣言する。



315 名前:Rozen Maiden[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 20:25:36 ID:???
数日後、ジュンの家にジュンの幼馴染でクラスメイトの柏葉巴が学校のプリントを届けに訪れた。
この時真紅は巴の左手に指輪をしているのを発見し、
巴がローゼンメイデンのマスターとなった事を覚った。
更に巴が体調不良を訴えていることから、巴のローゼンメイデンが必要以上に
巴の力を吸収している事を予期し、真紅は再び“nのフィールド”に向かう。
一方、“nのフィールド”の雛苺の精神世界では雛苺とそのマスターである巴が一緒にいた。
一人でいる寂しさに耐え切れない雛苺は巴を永久に“nのフィールド”へ閉じ込め、
一緒にいる事を願うが、そこに真紅が現れ、雛苺とのアリスゲームを要求する。
マスター不在の真紅とマスターが傍にいる雛苺の戦闘は雛苺有利の状況となったが、
雛苺が巴の力を吸収しすぎた為に巴が倒れてしまう。マスターが力を使い果たした場合、
マスターはローゼンメイデンと一体となり消滅してしまうと聞いた
雛苺は巴との契約を解除し、結果的に真紅との勝負に敗れてしまう。
アリスゲームの勝負に敗れたローゼンメイデンは自身の魂であるローザミスティカを勝者に渡し、
二度と自分では動けないただの人形となる事を雛苺は覚悟して受け入れたが、
真紅は自分の下僕となってジュンの力を使ってこれからも生きる方法を提案。
雛苺は承諾し、真紅、巴と共に現実世界へ帰還。こうしてジュンの家に雛苺が加わる事となった。
[雛苺編終]



15 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:24:44 ID:???
>>13です。それでは続きから。
内容は、Phase24以前は幻冬舎版を、Phase24以降43まではヤングジャンプの新装版に準拠してる……違いはよく分からないけど。
設定資料集やアニメ版など、その他メディアミックス展開された部分についてはまったく考慮してない
(全然見てないので)あれこれ考えながら書いたので、信じられないぐらい長くなってしまった。
原作ではたったの8巻(新装版では7巻)なのに。

題材・ローゼンメイデン(RozenMaiden) 作者・PEACH-PIT バーズコミックス
バーズという幻冬舎発行の雑誌で連載されていたが、いろいろあって現在ではヤングジャンプで連載している。
お求めの際は、集英社が発行している新装版の方が便利。

※“二重引用符”でくくってある部分は、原作からの台詞を引用したもの。
 「鍵括弧」でくくってある単語は、特別な意味で使われていると思われる単語。



16 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:25:44 ID:???
用語説明。
「nのフィールド」
物質の存在する世界とは異なる世界。
いくつもの世界が混在する場所であり、それぞれの世界へ通じる扉を開くことで世界を行き来できる。
原作ではここから、それぞれの人間が見ている夢の世界や、「無意識の海」などを行き来した。
ローゼンメイデンは特定の場所から、「nのフィールド」への入り口を開くことができる。

「無意識の海」
様々な人間の記憶が混在する世界。この中にいると、自分や他人の記憶を覗き見することもある。

「9秒前の白」
「無意識の海」の底にある飛沫。曖昧になってしまった記憶や魂が迷い込むことがある。

「人工精霊」
ローゼンメイデンが従えている浮遊発光体。ローゼンメイデンとは会話ができるようだ。
偵察や連絡係として、普通の世界や「nのフィールド」を飛び回ることが多い。
それぞれ従えている人工精霊の組み合わせは、以下のようになっている。

水銀燈→メイメイ、レンピカ(蒼星石のローザミスティカを奪ったとき、一緒に奪った)
金糸雀→ピチカート
翠星石→スィドリーム
蒼星石→レンピカ
真紅→ホーリエ、ベリーベル(雛苺からローザミスティカと共に受け継いだ)
雛苺→ベリーベル
雪華綺晶→(不明)



17 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:26:31 ID:???
<PHASE7>
桜田家に居候することになった雛苺だが、何故か朝から何も食べようとしない。
※ローゼンメイデンは人形でありながら、人間と同じように食事する。

泣き叫ぶ雛苺を真紅は放置し、騒がしさに辟易するジュン。
どうやら“にゅーって黒くて赤くて”“ふわふわで白くて甘いの”でなければ、雛苺は食べたくないらしい。
ジュンはそれが苺大福であると考え、ひきこもりであるにもかかわらず、苺大福を探して店をはしごする。
何とか苺大福を買って帰宅したジュンだが、家には雛苺の癇癪を予想していた巴が、既に苺大福を持って雛苺に会いにきていた。
巴に先を越される形になったが、結局雛苺は“ジュンもトモエもだーいすきー”と無邪気に喜んだ。

<PHASE8>
ジュンが操作しているパソコンのモニタから、いきなり黒い羽が大量に飛び出し、水銀燈が現れる。
雛苺に勝利したにもかかわらず、雛苺のローザミスティカを奪わない真紅を、水銀燈は“どうかしている”と吐き捨てた。
水銀燈はローザミスティカに強い執着を見せるが、すぐに撤退する。
真紅と雛苺が協力して戦ったため、ジュンはそれまで以上に消耗していた。

※ローゼンメイデンは、指輪を媒介にしておのおののマスターの力をもらい、力を行使する。
雛苺は真紅から力を分けてもらって活動するため、真紅の力の供給源であるジュンには、二人分の負担がかかることになる。
(ちなみに真紅はこの場面で、真紅と雛苺を指す指示代名詞として「二人」を使っている)



18 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:27:06 ID:???
<PHASE9>
のりが体調不良で倒れてしまった。
そのとき桜田家を訪ねてきた巴が、のりの代わりに夕食の支度をすることを申し出る。
ジュンと巴はかつて親しい友人であったが、今の二人はなかなか会話が続かない。
支度が一段落すると、巴は抱いていた危惧をぶつけてきた。
のりの体調不良は、かつての巴と同じように、雛苺が人間の体力を吸い過ぎてしまったのではないか、と巴は思ったのだった。
巴の危惧を真紅は否定し、さらにローゼンメイデンが全部で七人いることをジュンと巴に明かす。

元々ひとつであったローザミスティカが七つに割られ、その欠片を一人ひとつずつ割り当てられてローゼンメイデンは創られた。
そしてアリスゲームでローザミスティカを奪い合うのは、七つのローザミスティカの欠片をひとつに戻すためだ、と真紅は語った。

<PHASE10~11>
再び窓ガラスを叩き割って、ジュンの部屋に闖入者がやってくる
(最初の闖入者は、序章でジュンを襲撃したくまのブーさん人形)
部屋に飛び込んできた鞄から出てきたのは、ローゼンメイデン第三ドール・翠星石であった。
翠星石は双子の妹のローゼンメイデン第四ドール・蒼星石といつも一緒に行動していたが、
双子のゼンマイを巻いた人間が、ローゼンメイデンの力を悪用しようとしているのを知り、契約を拒否して逃亡した。
しかしその時には、既に蒼星石はその人間と契約を完了してしまっており、双子は離れ離れになってしまった。

逃亡の経緯で人間不信になった翠星石は、真紅に助けを求めるため、桜田家に侵入したのだった。
真紅は双子のドールが持つ能力が対になっていることから、蒼星石のマスターはいずれ翠星石の力も欲すると予測した。
そして真紅の提案で、翠星石はジュンに自身の能力を見せることになる。
翠星石の力で意識を失ったジュンは、何故か大樹の上で目覚めていた。



19 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:28:03 ID:???
<PHASE12>
翠星石は、現実の世界と夢の世界を繋ぐ扉を開けることができる。
翠星石はジュンを眠らせて、ジュンの夢の世界へと入っていった。ジュンが目覚めた大樹は、夢の世界のものだった。
大樹の上から降りたジュンと翠星石は、ツタや草の絡まった小さな木を見た。

夢の世界では、誰でも一本の木を持って育てている。
そして夢の世界で木が育つことによって、その夢を見ている人間の心が創られていく、と翠星石は言った。
ジュンの夢の世界にあった小さな木は、ジュンの持っている木であり、ジュン自身を現すものであった。
そして翠星石は能力を発揮する。その能力とは、「庭師の如雨露」を用いて木に水を与え、元気にすることだった。
一方蒼星石の能力は、「庭師の鋏」で、木の成長の邪魔をする草を刈り取ることだった。

真紅は翠星石に、ジュンと契約することを持ちかける。
翠星石は誰とも契約していないためマスターがおらず、満足に力を使えない状況だった。
しかし翠星石は、真紅の提案をにべもなく拒否する。



20 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:30:56 ID:???
<PHASE13>
真紅はジュンに、自身の服のボタンを繕って欲しいと頼んだ。
ジュンは何でもないことのようにボタンを繕うが、真紅は裁縫をするジュンの指を“魔法の指”と呼んだ。
※ジュンはPHASE3で、水銀燈に破壊されたくまのブーさん人形を、裁縫道具で修復したことがあった。
 その際、一度破壊されたら戻ってはこないはずの人形の魂を、ジュンは呼び戻している。

真紅の球体関節を目の当たりにして、ジュンはローゼンメイデンが人形であることを再認識する。
真紅は、ゼンマイの切れたローゼンメイデンについてジュンに語った。
ゼンマイが切れると、ローゼンメイデンは深い眠りに落ちる。誰かが再びゼンマイを巻くまで、目覚めることは無い。
そして誰かがゼンマイを巻いて、ローゼンメイデンが目覚めたときが、アリスゲームの合図であった。

真紅たちの製作者である「お父様」は、自分の中だけにいる至高の美しさを持つ少女「アリス」を形にするべく、ローゼンメイデンを作り出した。
しかし誰もアリスには届かず、七体(※原文ママ)作ったところで「お父様」は悲嘆に暮れて姿を消した。

真紅は“闘うことって生きるってことでしょう?”とジュンに語った。
アリスゲームという闘いが、ローゼンメイデンにとっての生きることだった。

<PHASE14>
翠星石の悪戯で、雛苺が拗ねてしまった。
二人の騒動はジュンや真紅を巻き込んでしまうが、のりがなんとか収めた。



21 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 03:36:03 ID:???
<PHASE15>
翠星石は、蒼星石がどこかで夢の扉を開いているのを感じ取る(※夢の扉を開けることは、双子共通の能力)
どうにかして蒼星石とコンタクトをとるため、翠星石はジュンを騙して夢の扉を開き、世界樹を経由して蒼星石を探しに行く。
※ジュンがPHASE11で目覚めた大樹は「世界樹」といって、全ての夢の世界を枝と枝で繋ぐものだった。
 また、夢の世界から「nのフィールド」に行けることも、ここで明らかにされる。

「nのフィールド」の中のある場所で、蒼星石は水銀燈と接触する。
開けっ放しになっていた夢の扉から、水銀燈は夢の世界に入り、蒼星石の後をつけていたのだった。
蒼星石は水銀燈を突き放すが、水銀燈は蒼星石に取引を持ちかけた。

蒼星石のマスターは、ある人物に復讐することを望んでいた。
復讐の方法は、「庭師の鋏」を蒼星石に使わせて、ターゲットの心の木を傷つけることだった。
水銀燈は提案した。ターゲットの心の木の場所を教える代わりに、「庭師の鋏」の力を貸す……
目的を問う蒼星石に、水銀燈は言った。“殺してしまいたい人間がいるの……”



22 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:22:49 ID:???
<PHASE16~18>
翠星石は真紅、雛苺、ジュンを伴って、「nのフィールド」で蒼星石を探し回る。ほどなく一行は蒼星石を発見する。
しかし蒼星石は“僕らはもはやマスターを違えた、ローザミスティカを奪い合う敵同士だ”と告げて、「庭師の鋏」で一行に斬りかかる。
一方、蒼星石と同行していた水銀燈も、真紅にジャンク呼ばわりされたことで激怒し、闘いがはじまった。

闘いは、水銀燈が真紅の右腕をもぎ取るなどして圧倒的な力を見せる。
真紅を追い詰めたところで水銀燈は、四姉妹を一網打尽に仕留めるべく、蒼星石やジュンにも攻撃を仕掛ける。
焦るジュンに、翠星石が左手を伸ばす。その手には薔薇の指輪があった。

水銀燈の攻撃を凌いで、なんとか契約を果たしたジュンと翠星石。
翠星石は早速力を発揮して水銀燈の攻撃を跳ね返し、形勢が逆転する。
しかしその直後、戦場であった夢の世界が崩れだした。
このとき真紅の右腕を回収しようとしたジュンは、見知らぬ誰かの記憶の中に落ちてしまう。
落ちたジュンをなんとか雛苺が救い上げるが、真紅の右腕はどこかにいってしまった。

戦闘が終わり、一行は現実世界の桜田家に帰り着くが、右腕を失った真紅は、ひどく落ち込んでしまう。
ジュンは真紅を励まそうしたが果たせず、翠星石の力を借りて、真紅の右腕を探しに「nのフィールド」へ行く。
ラプラスの魔がジュンと翠星石を導き、二人は再びジュンが落ちた誰かの記憶の中に入り込んだ。
そこでジュンと翠星石は、その記憶の持ち主が蒼星石のマスターであることを知る。

記憶が途切れ、ついに真紅の右腕を見つけ出したジュンと翠星石。
籠に入れられた真紅の右腕を持ち帰ろうとするジュンだが、その途中でジュンは自身の持つトラウマの記憶に入り込んでしまう。
心の傷をダイレクトに突かれてもがき苦しむジュンを、翠星石は叱咤する。
“……しっかりするです!! そんなのは幻です…!
全部過ぎ去ったことですよ! にんげ…ジュンには、もっと大切な今があるですよ…!”
ジュンはどうにか真紅の右腕を持ち帰るが、籠が開けられないため真紅の修復はできなかった。
しかし真紅は、欠損して不完全になった自分を受け入れ、ジュンに感謝するのであった。



23 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:24:38 ID:???
<PHASE19>
籠を開ける方法を探るため、ジュンは記憶を手がかりに蒼星石のマスターを特定しようとする。
翠星石はジュンを励まそうとしたが、ジュンの様子を見て取りやめる。
その代わりに翠星石は、籠の存在はジュンの心と関係していることをジュンに話す。

ジュンと翠星石は、蒼星石のマスターが結菱(ゆいびし)一葉であると断定する。
結菱家は有名な財閥であったが、現在は没落していた。
一葉は戦後間もない時期に、外国の女性と駆け落ちし、海外に渡る途中で事故死したことになっていた。
しかしジュンは記憶を覗いているため、実際に駆け落ちして死亡したのは、一葉の双子の弟である結菱二葉であることを看破する。

さらに情報を集め確信を深めるジュンの前に、蒼星石が現れる。
ついに蒼星石のマスター(=結菱一葉)は翠星石の力に気づき、その力を欲したのだった。
一葉は復讐のターゲットの心を壊すつもりだったが、そのためには「庭師の鋏」「庭師の如雨露」の両方が必要だった。
そしてターゲットとは、一葉の弟の駆け落ち相手だった。
しかし蒼星石は一葉の気持ちを“半身という影に縛られる”などと謎めいた言葉で語りつつ、翠星石に迫る。
ここに到って翠星石は、蒼星石と闘う覚悟を決める。
不利を悟った蒼星石は“薔薇屋敷で待っている、闘おう”との言葉を残し、去っていった。



24 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:25:55 ID:???
<PHASE20>
ひきこもりの身体をおして、ジュンは真紅、雛苺、翠星石と、一葉の邸宅である薔薇屋敷へ向かう。
薔薇屋敷で一葉と面会したジュンは、蒼星石によって真紅達ごと一葉の夢の世界に引きずり込まれる。

夢の中で一葉は、復讐の動機を語り始める。
自分の半身とも思っていた二葉を失った一葉は、その事実を認められず、事故死したのは二葉ではなく一葉である、と偽ってしまった。
しかし二葉が帰ってくるはずも無い。また一葉が事故死したことになったため、一葉は死んだ弟の名前である二葉を名乗るしかなかった。
結果的に一葉は、弟と自分自身を同時に失ってしまうこととなった。
最近になって一葉は、行方不明だった二葉の駆け落ち相手が生きていることを知る。
まるで二葉とのことなど無かったかのように、今や別の男と幸せに暮らしている駆け落ち相手のことを、一葉は許せなかったのだ。

一葉の復讐を成し遂げようとする蒼星石と、それを阻止しようとする翠星石。二人の闘いが始まった。
一葉は、二葉の死から数十年がたっても、双子の弟である二葉から精神的に独立できていなかった。
蒼星石は、一葉に自分の姿を重ねていた。
蒼星石もまた、双子の姉である翠星石から、精神的に独立できていなかったのだ。
一葉は、二葉の愛した女性を殺すことで、二葉から決別しようとしていた。
蒼星石は、翠星石に逆らって一葉の復讐を果たすことで、翠星石から決別しようとしていた。

闘いは蒼星石が翠星石を退けた。しかし蒼星石は闘いを止めた。
翠星石の「庭師の如雨露」が、二葉の駆け落ち相手の木を育てた結果、駆け落ち相手の記憶が一葉に流れ込んだのだった。
その結果、一葉は彼女の悲しみを理解し、そして思い出す。一葉もまた、二葉の駆け落ち相手を愛していたのだった。
二葉と同じように、彼女に愛されたかった。その気持ちが一葉に、弟である二葉の名を名乗らせた。
そのときから、一葉が持っていた彼女への気持ちは、二葉の形をとって現れるようになった。
本当に一葉が消し去りたかったのは、二葉の名を騙って現れる自分自身の気持ちであったのだ。



25 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:27:27 ID:???
<PHASE21>
一葉の望みを叶えた蒼星石は、アリスゲームの続行が不可能になった。
蒼星石のローザミスティカが身体から飛び出した。それは翠星石の目の前で、突然現れた水銀燈に奪われた。
水銀燈は敗者のローザミスティカを回収するため、ずっと双子の闘いを見ていたのだった。
※水銀燈は、二葉の駆け落ち相手が持つ心の木を知っていたことから、闘いの結末を予測していたフシがある。

ローザミスティカの欠片が二つに増え、水銀燈の力はさらに強大になる。
手負いの真紅は再び水銀燈に追い詰められるも、怒ったジュンが水銀燈に立ちはだかる。
その瞬間、真紅の右腕が収められていた籠が砕け散り、ジュンの指輪から蔓が延びて、真紅の右腕を本体に組み直した。
ローゼンメイデンのパーツを組み直すことは、不可能に近いことであった。
目の前で起こされたそれに動揺する水銀燈。
そのとき雛苺が水銀燈を捕らえ、真紅は戻ってきた右腕の拳で水銀燈を殴りつけた。
“私達ローゼンメイデンの体は…ひとつひとつが生命の糸で繋がっている…誰かはそれを絆とも呼ぶのよッ”

雛苺の拘束を振り払った水銀燈は、捨て台詞を残して去っていった。
“キズナなんて、なんて陳腐で美しくない言葉…”
“いいこと…? 姉妹の絆もマスターの絆も、最後にはぜんぶぜんぶ引き千切られてしまう……
 私たちは絶望するために生まれてきたの、それがアリスゲームだもの――…”

蒼星石はローザミスティカを失い、その身体は普通の人形と同じになってしまった。
翠星石は、蒼星石の形見のローザミスティカを、水銀燈から取り戻す決意を固めた。



26 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:30:36 ID:???
<EXTRAPHASE>
雛苺は日本の文字の勉強をして、ジュンにお礼の手紙を書いた。
※雛苺は日本語の読み書きが苦手であるらしい。また雛苺は、かつてフランス人の少女をマスターとしていたせいか、
“Tu viens jouer avec moi!(=これからヒナと一緒に遊ぼ)”や“Je suis heureux!(=嬉しい!)”など、
 たまにフランス語を使うが、こちらがどの程度読み書きできるかは不明だったりする。

手紙を出そうとする雛苺だが、翠星石の嘘を真に受けて、ポストを怪物だと勘違いする。
※何故直接ジュンに渡さないかは不明である。
雛苺は真紅についてきてもらおうとするが、真紅は桜田家の近所に棲む野良猫を恐れ、外出しようとしない。
意を決した雛苺はひとりで手紙を出しに行き、途中野良猫の助力を得てなんとかポストに手紙を投函する。
その様子を見た巴は、甘えん坊だった雛苺の成長を感じるのだった。

<PHASE22>
外から桜田家を窺うひとりのローゼンメイデンがいた。ローゼンメイデンの第二ドール・金糸雀(かなりあ)である。
ローゼンメイデン一の頭脳派を自称する金糸雀は、こっそりと桜田家に侵入しようとするが、まったくうまくいかない。
一方、ジュンは巴と学校のことについて会話できるぐらいに立ち直っていた。



27 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:34:15 ID:???
<PHASE23>
水銀燈は、真紅たちとの戦いで負った傷が癒えていなかった。それどころか、自身の持つ翼の制御もままならない状態であった。
水銀燈が取り込んだ蒼星石のローザミスティカが、水銀燈の中で拒絶反応を起こしていたのだった。

水銀燈は、自分のネジ(※原文ママ)を巻いた少女・柿崎めぐのことを思い浮かべていた。
普通ローゼンメイデンは、契約を交わして人間のマスターを得ることで、マスターから力を供給してもらう。
しかし水銀燈は契約を交わすこと無しに、人間から力を奪うことができた。
今にも力を奪い取ろうとする水銀燈に、めぐは“貴女は天使よ”と呼びかけた。めぐは自分の生に倦んでいたのだった。

めぐは病に冒されていた。病室から出ることもできなかった。
“私ね、5歳までに死ぬって言われてたの。その次は7歳までに死ぬ、10歳までに死ぬ、親達もいー加減悲しむのに疲れちゃったのね”
今まで接したことの無いタイプの人間に、水銀燈は契約をためらい、そのままめぐのペースに巻き込まれていった。

真紅とジュンは、ローゼンメイデンとそのマスターの心について話し合った。
「nのフィールド」の中にある「無意識の海」の中に、人間はそれぞれ心の領海を持っている。
ローゼンメイデンがマスターから力を分けてもらうときは、マスターの心の領海から力を汲み上げている。
そのためローゼンメイデンとそのマスターの心は非常に近いものとなっている。
※蒼星石がアリスゲームを続けられなくなったのは、蒼星石のマスターである一葉の心の一部を、
「庭師の鋏」を使って刈り取ったせいだと、ここで説明されている。

ジュンとの会話で、水銀燈をジャンク呼ばわりしてしまった(PHASE16)ことを思い出した真紅は、
「nのフィールド」を介して水銀燈に詫びに行くが、またしても絆のことで口論になってしまう。

<PHASE24>
日曜日。のりがラクロス部の試合で家を空けるため、桜田家の家事担当が不在となる。
ジュンに最近構ってもらっていない翠星石は、ジュンの気を引くために、雛苺を巻き込んで家事をやろうとする。
しかし翠星石と雛苺の行動はことごとく失敗する。また偶然これらの失敗が、金糸雀の桜田家への潜入を妨害した。



28 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:36:27 ID:???
<PHASE25~26>
翠星石は夢と夢の間を行き来するうちに、蒼星石が居た頃の自分の記憶に入り込んでしまう。
記憶の中の蒼星石の姿に、翠星石は涙する。
表向きは立ち直ったように見せていたが、内心では淋しさと悲しさを抱いたままだった。
翠星石を見つけた真紅は、「迷子」になってしまった魂が帰ってくることもある、と慰めた。
※人形に死は無い。人形の魂の器である身体が壊れるなどして、人形の魂が居場所を失ってしまった場合、
 人形の魂はそこに存在することを止めて遠くへ行ってしまう。原作ではこのことを「迷子」になると現している。
“魂が帰ってくる”とは、PHASE3でジュンが、くまのブーさん人形の魂を呼び戻したことを指すと思われる。

夢の中で、目覚めることの無い蒼星石と茶を飲んでいる一葉を見た翠星石は、
窓ガラスをぶち破って一葉の住む薔薇屋敷に侵入する。翠星石は、一葉の淋しさを理解したのだった。

<PHASE27>
ジュンはひきこもりをやめ、再び学校へ行こうと準備をする。そこに、ジュンのクラスの担任である梅岡が桜田家を訪れた。
しかし、梅岡は不用意にもジュンのトラウマに触れてしまい、ジュンはたまらず嘔吐し寝込んでしまう。

ジュンは幼い頃から裁縫が得意だった。姉であるのりに付き合い、よく人形の服を作っていた。
指を動かすばかりでなく、人形の服のデザインを考えることも得意だった。
しかし時が経ち成長したジュンは、気恥ずかしさからその特技を隠すようになる。

ジュンが中学一年の文化祭のときに、演劇でお姫様役が着る衣装を募集することになった。
お姫様役に選ばれたのがクラスの可愛い子だったため、ジュンは軽い気持ちで、その子に似合うようなドレスのデザインをノートにスケッチした。
後日、ジュンがスケッチの存在を忘れかけていたときに、何故かそのスケッチが掲示板に張り出される。
スカートがエロい、絶対女のセンスだ、描いたのが男だったらキモい、などと言われていたが、おおむねデザインの評判は良かった。
もしスケッチの作者が自分だと知られたら……焦るジュンは、スケッチをしたノートをそのまま先生に提出してしまったことを思い出す。
スケッチが衆目に触れた直後に、全校集会があった。その場で梅岡がスケッチの作者を暴露してしまう。
恐れが現実となってしまったジュンは嘔吐して意識を失い、それ以来ひきこもりとなった。

同じ頃、金糸雀は桜田家への潜入を試みていたが、庭で雛苺に見つかってしまう。



29 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:38:17 ID:???
<PHASE28~29>
めぐの入院している病院の、古い礼拝堂が取り壊された。水銀燈が住んでいた場所だった。
水銀燈はまだ翼を制御できないままだったため、鞄で休むこともできない。あてもなく彷徨った末に、水銀燈は倒れてしまう。
一方マスターの元に帰宅した金糸雀は、ジュンと三体のローゼンメイデンについてマスターに話す。
金糸雀のマスターであるOLの草笛みつ(みっちゃん)は、その話に興味を持つ。

ジュンは「9秒前の白」を彷徨っていた。
「9秒前の白」は、現実世界からはみ出した存在が集まってくる吹き溜まりであった。
そこには、ローザミスティカを失った蒼星石の魂もいた。しかし二人とも意識が無く、自分のことも分からない。
しかし蒼星石は“君には帰るべき場所がある”とジュンに告げ、「無意識の海」でジュンの記憶を探し始める。
蒼星石が探し当てた記憶は、ジュンが幼い頃に見た不思議な人形使いの演じる人形劇だった。

蒼星石が探し当てた記憶によって、ジュンは自分が何者かを思い出した。
しかし直後にラプラスの魔によって、ジュンは自らのトラウマの記憶の中に押し戻された。
苦しみのあまり、再び「9秒前の白」に転落するジュン。そこで聞こえてきたのは、水銀燈の声だった。
ジュンのことを「お父様」だと思った水銀燈は、覚束無い身体をおしてジュンに縋り付く。
水銀燈の腕がジュンに触れると、ジュンの中に水銀燈の記憶が流れ込んできた。アリスゲーム、めぐ、蒼星石……
そして水銀燈がローザミスティカに執着する理由が明らかになりかけたとき、二人は「無意識の海」に放り出され、離れ離れになる。

ジュンが「無意識の海」にいることを感じ取った真紅は、ジュンの傍まで来て呼びかける。
初めて「9秒前の白」に、共に足を踏み入れたときのように。
梅岡の訪問以来眠り続けていたジュンは、呼びかけに応えて目覚めた。そこで真紅は、一瞬だけ謎の白い少女人形の姿を見る。

同じ頃、目覚めた水銀燈の目に入ったのは、水銀燈を探して病室を抜け出してきためぐの姿だった。



30 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:43:00 ID:???
<PHASE30>
金糸雀はまた桜田家への潜入を試みていたが、今度はのりに見つかってしまう。
以前庭で遭遇したときに、金糸雀の泣き落としに押されたため、雛苺は金糸雀がローゼンメイデンであることを言わなかった。
しかし流石ののりも金糸雀がローゼンメイデンであることを見抜き、敢えて真紅たちに知らせずに桜田家の中に連れ込む。
が、金糸雀はのりの作った夕食を雛苺と奪い合い、その騒ぎで真紅たちにまで潜入がばれてしまう。

<PHASE31>
めぐは、水銀燈を自分の病室に隠した。礼拝堂が取り壊されて居場所の無い水銀燈は、不満げながらめぐに従った。
夜、未だ苦しむ水銀燈にめぐは“私の命を使ってよ”と言った。
水銀燈は何も応えなかった。めぐはいつものように、水銀燈に歌を唄って聞かせた。
水銀燈は、めぐの歌声に包まれて眠りについた。

真紅は、ジュンの心の領海に紛れ込んでいた白い少女人形について、翠星石に語った。

<PHASE32>
真紅と翠星石は、白い少女が七番目のローゼンメイデンであると推測する。
真紅は自身の人工精霊であるホーリエに命じて、白い少女人形の行方を探させた。
金糸雀は、マスターのみつが出勤している間、桜田家に来るようになった。

めぐの力を使うことで、水銀燈は回復しつつあった。しかし水銀燈が回復した分、めぐは目に見えて消耗した。
水銀燈は、以前真紅に聞かされた絆の力を実感するが、めぐの身体を危惧する水銀燈は、契約に踏み切れなかった。

真紅は夢の中でラプラスの魔と出会い、七番目のローゼンメイデンの目覚めを確信した。



31 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:44:37 ID:???
<PHASE33>
桜田家に謎の女性が尋ねてくる。彼女はオディール・フォッセーと名乗り、ローゼンメイデンとの契約の証である指輪をしていた。
オディールは、雛苺のかつてのマスター・コリンヌの孫娘であった。
不本意な形で雛苺を手放すことになってしまったコリンヌは、死ぬまでそのことを悔やみ、
孫のオディールに雛苺を取り戻して欲しい、とオディールに遺言したのだった。
そしてオディールは、夢の中で白薔薇と水晶に導かれ、桜田家を探し当てたのだった。

オディールの話を聞いて、巴は白い少女人形を連想する。巴の呟きを聞いた真紅は、さらに白い少女人形について考え込む。
雛苺の処遇も問題となった。手に入れた経緯が曖昧とはいえ、雛苺の指輪を持つオディールは、雛苺のマスターたる条件を満たしている。
しかし雛苺は、突然現れたマスター候補に混乱するばかりだった。

<PHASE34>
眠りについた雛苺が目覚めてみると、そこは桜田家ではなかった。
そこには、雛苺がかつてコリンヌと共に過ごした屋敷の風景が広がっていた。
誰もいない屋敷を歩き回る雛苺。そして雛苺がひとつの扉を開けると、コリンヌとの別れの場面が蘇ってきた。
さらに続けざまに巴やジュン、真紅から別れを告げられる幻影を見せられ、雛苺は再びひとりぼっちになってしまう。
打ちのめされる雛苺の前に、白い少女人形が現れる。

“第七ドールは幻の中にしか存在し得ない、何故なら私もまた幻……
 肉の器のしがらみを持たない、無機の器に宿された神秘の魂、それが薔薇乙女”
“しかしそれでも至高の少女になり得ない……まだ足りない”
“物質世界に存在を縛られる事自体がアリスへの枷へとなってしまう不要の形骸なのか”
“第六ドールの貴女を創り終えて、お父様はそう考えた…だから第七ドールは…実体を持たない…
 でもそれでも足りない、私でもまだアリスには到達できない…だから…”

第七ドールは身体を持たない存在だった。
身体を持たないからこそアリスになれるはずだったが、それでもアリスになることは叶わなかった。
そのため、目覚めた第七ドールは、アリスゲームから脱落した雛苺の身体を奪おうとしていたのだった。



32 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:45:56 ID:???
<PHASE35~36>
雛苺の危機を悟った真紅は「nのフィールド」へ急行するが、既に雛苺は身体を奪われていた。
かろうじて残されたローザミスティカと人工精霊だけが、真紅に第七ドールのことを伝えた。
真紅の慌てた様子を怪しんだ金糸雀が、真紅の後をつけていた。
雛苺のローザミスティカを手にする真紅に、金糸雀は言葉を投げた。“貴女があの子を倒したのかしら…”
真紅は金糸雀の問いに答えた。“それはイエスでもありノーでもあるわ”

真紅の答えを聞いて、金糸雀は本気で真紅と闘おうとする。
しかしローザミスティカの奪い合いになる寸前で、雛苺が最後の力を振り絞って、二人に言葉を渡した。

“ヒナは幸せだったの”
“毎日が楽しくて 楽しくて 楽しくて”
“もう鞄から目覚めるのは怖くない、ヒナはひとりじゃない”
“大切な毎日を大切な人達をずっと守りたい――でも、アリスゲームは止まらない――”
“真紅……ヒナはもうみんなが戦ったり傷ついたりするのはいや――だから”
“ヒナのローザミスティカを使って、みんなを、どうか護って――”

雛苺は、遠くへ去っていった。雛苺のローザミスティカは、真紅が受け継いだ。
真紅は、雛苺が身体を奪われたことを、ジュンやのりには隠すことにした。

一方、実体を手に入れた第七ドールは、水銀燈とめぐの前に現れる。白い少女人形――第七ドールは、雪華綺晶(きらきしょう)と名乗った。
雪華綺晶は、水銀燈とめぐの感情――届かない父親への、愛と憎しみ――を既に見切っていた。
めぐが近くにいるため、戦闘を仕掛けられない水銀燈に、雪華綺晶はある提案をした。
“可哀相なお姉さま”
“私は知ってる、貴女の本当の願いを、ローザミスティカを欲する本当の理由を”
“だから……そのかわり、私に…”



33 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:50:13 ID:???
<PHASE37>
水銀燈は、雪華綺晶の提案について考えていた。
その提案とは、ローザミスティカを必要としない雪華綺晶が、水銀燈にローザミスティカの欠片を渡し、
その代わりに水銀燈は、自分のマスターを雪華綺晶に明け渡すというものだった。

めぐの入院する病院に、オディールが搬送されてきた。
身体はどこにも異常が無かったが、オディールは幸せそうに微笑んだまま、ずっと眠っていた。
“10階に眠り姫がいるんですって、素敵よね、水銀燈”
既にオディールは雪華綺晶のものとなり、偽りの幸せな夢に抱かれて眠っているのだった。

“――めぐ、左手を出しなさい”
“契約!! 契約の指輪ね、そうでしょ!?”

“早く早くっ、指輪出して~、ねぇってばー”
“バカじゃない…? 怖くないの?”

“ぜんぜんっ。約束どおり死なせてくれるんでしょ?”
“――ええ、アリスゲームが終わったらね…”

“病める時も健やかなる時も…あ…私、病みっぱなしだけど”
“死が二人を別つまで…?”
“いいえ、死んでも一緒だわ”

“――めぐ、貴女は私の――”

ついに水銀燈は、めぐとローゼンメイデンの契約を果たした。

金糸雀は、マスターであるみつのマンションに帰宅した。
金糸雀の帰宅を迎えるみつの姿を見て、金糸雀は雛苺のことを思い返すのだった。
“ち…違うの…カナ幸せだなーって思ったら…”



34 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:52:03 ID:???
<PHASE38>
雛苺を失った桜田家の寂しさを感じ取った金糸雀は、なんとかしてそれを埋めようとする。
そのために金糸雀のとった行動とは、マスターであるみつと共に桜田家を訪れることだった。
ドール収集を趣味とし、長い間ローゼンメイデンを追い求めていたみつは、真紅と翠星石を目の前にはしゃぎ回る。
金糸雀の意図を悟った翠星石は、人目を避けて金糸雀にそのことを告げた。
“チビカナがいくら頑張っても、雛苺の代わりにはならないですよ”
“何も言わなくても、寂しいは寂しいに決まってます”
“言葉にできる寂しさは誰かが慰めてくれます。言葉にしない悲しみは自分で乗り越えていくしかないのです”

<PHASE39>
ジュンのデザインの才能に興味を持ったみつは、自身が作って販売しているドール服について、ジュンに助言を求めた。
みつの勢いに押され、ジュンはなし崩し的にみつに協力することに。
仕事はなかなかうまく行っていなかったが、それでも自分の店を持つ、という目標を生き生きと語るみつを、ジュンは黙って見つめていた。
結局ジュンは、再びドール用のドレスを作り始めることになった。

一方、真紅、翠星石、金糸雀らローゼンメイデンたちは、「nのフィールド」で雪華綺晶の行方を追っていた。
普通ローゼンメイデンは互いの気配をある程度感じられるのだが、真紅たちは雪華綺晶のそれを感じられなかったのだ。
真紅は、いずれジュンも雪華綺晶とのアリスゲームに巻き込まれると考えていたが、
それがジュンの社会復帰を邪魔することを真紅は嫌がり、雪華綺晶の捜索をもジュンやのりに対しては隠すことにした。

ジュンは、作っていたドール用のドレスの試作品をみつに見せた。
そんなもの誰も欲しがらない、とジュンはぼやくが、みつはそれを強引にネットオークションに出品してしまう。
ドレスはみつの予想どおり高騰し、ジュンは愕然としてそれを見るのだった。



35 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:52:36 ID:???
<PHASE40>
みつはジュンに、ディーラーとしてドール服を本格的に作ってみないかと持ちかけた。
ジュンはドレスの評価とモノ作りの楽しさは認めたが、ディーラーとしてのデビュー話は笑って断った。
ジュンは学校に復帰するべく、机に向かって勉強をし始めた。真紅や翠星石と話す時間が減っていった。

翠星石は、先日「nのフィールド」で発見した蒼星石の帽子を一葉に見せる。「nのフィールド」にあるはずの無いものだった。
蒼星石の身体は鞄ごと一葉が保管しており、翠星石も薔薇屋敷を訪ねるたびに確認していた。
慌てて蒼星石の鞄を開ける一葉。しかし蒼星石の身体は、鞄から消えていた。
一方、真紅も「nのフィールド」の中で、水晶に閉じ込められているオディールの姿を目撃する。



36 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:54:01 ID:???
<PHASE41>
ジュンは巴と図書館に勉強しに出かけた。ひきこもりを脱しつつあるジュンを、真紅と翠星石は部屋から見つめていた。

“本当は相手してもらえなくて淋しいのではないですか? 真紅”
“……仕方ないわ、ジュンは自分から重い扉を開いたのだもの、私達はこちらから見守る側よ”

“そりゃ翠星石だってわかってるですよ、ジュンにとっては前の生活に戻る事が幸せだって……
 外に出て色んな人間と過ごして色んな事も見たり感じたり、それが人間にとっての成長だってわかってるですよ、
 でも私達は? もう開かない扉の前で、閉ざされた鞄の中で、ずぅっと置いてけぼりですか?
 時が流れ、一人また一人と消えてゆく背中を、ただ見守るしかできないですか…?”
“翠星石…人は成長するわ、子どもは在りし日の人形遊びを忘れていく、
 やがては老いて土に眠るけれど、人形は人形のまま…朽ちて塵へと還るの”

“私達は人形でジュンは人間よ、いくら深い想いで繋がったとしてもその事実は変わらない、
 あの子は年を重ね変わっていくでしょう、心も体も、見える世界も全て”
“……薔薇乙女は変わらない…? 世界に取り残されて塵になるまで…?
 いいえ真紅、違うんです、そんなことは綺麗ごとです、だって雛苺は食べられてしまった、
 蒼星石も消えてしまった…何も残っていない!!”

“ただの人形の方が…ずっと幸せです…!”

桜田家を飛び出した翠星石は、薔薇屋敷を訪れた。
そこで翠星石は、眠ったまま一行に目覚めない一葉の姿を認めた。



37 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 09:56:53 ID:???
<PHASE42>
翠星石は一葉の夢の扉を開けようとするが、何故か開けることができず、「nのフィールド」から一葉の夢に入ろうとする。
そこで翠星石は真紅と遭遇した。ここで二人は情報を交換し、オディールと一葉が昏睡状態になっていることを知る。
雛苺も蒼星石も、体を失くしてしまっている。しかしオディールと一葉の指には、ローゼンメイデンの契約の証、指輪があった。
真紅と翠星石はひとつの仮説に辿り着いた。即ち、雪華綺晶はオディールをマスターとしているのでは――

ここでラプラスの魔が、雪華綺晶の秘密を真紅と翠星石に語り始める。
“薔薇が美しく咲き誇るためには、豊かなる土壌が必要、養分を吸い上げる土壌が必要なのです”
“七番目の姉妹は土壌を増やし根を張り巡らせることで、さらに美しくなる…”
雪華綺晶は、マスターの心を糧とするローゼンメイデンだった。

※ここの記述と、水銀燈とめぐに関する記述を参考にする限り、
 あくまで雪華綺晶以外のローゼンメイデンは、マスターの心の領海から力を汲み上げるが、
 力を汲み上げられたときのマスターの消耗は肉体的なものである、ということになる。

真紅は焦っていた。予想よりも早く、ジュンが闘いに巻き込まれてしまいそうなのだ。
ジュンのもとに急ぐ真紅だったが、桜田家に辿り着く前に、雪華綺晶により囚われてしまう。
一方、雪華綺晶を探していた翠星石は、「無意識の海」の近くに落ち込んでしまい、そこで蒼星石の姿を見る。



38 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 10:01:22 ID:???
<PHASE43>
“これは約束の刻を知らせる鐘…お迎えに上がりました、黒薔薇さま”
“もうすぐ…もうすぐです、全てがここに集うのです”
“そして、終わりが始まるの”

雪華綺晶は、遂にマスターたちを自分の土壌にしようとする。
まず水銀燈のマスターであるめぐが引きずり込まれ、次にジュンをも引きずり込もうとする。
真紅は人工精霊のベリーベルで金糸雀に窮地を知らせ、ジュンをおびき寄せないために、ローゼンメイデンの契約、薔薇の誓いを解いた。
ジュンの左手薬指の指輪――ローゼンメイデンの契約の証が軋み、砕け散った。

ベリーベルによって真紅の窮地を知った金糸雀は、桜田家へと急行する。
金糸雀と共に桜田家に辿り着いたベリーベルは、ジュンとのりに雛苺の最期を見せた。
初めて目の当たりにするアリスゲームの光景に、泣き崩れるのり。しかし金糸雀はそれを止めた。
“のり…泣かなくていいかしら、私達、自分をかわいそうとは思わないわ”
“私達はジュンやのりのように、お母さんのお腹の中から生まれてはいない、お父様に体を作られ、ローザミスティカを入れられたお人形”
“でも生きているわ、闘っているから、それがローゼンメイデンの誇り”

ジュンは、今まで自分を見守っていた者達を、いつの間にか黙殺していた。
焦って前に進もうとするあまり、真紅や翠星石の言葉も耳に入れていなかった。ジュンはそれに気づいたのだった。

“nのフィールドへ、アイツらを迎えに――”
“心配しないで、必ずみんな一緒に戻ってくるから――だから、待ってて”

ラプラスの魔の導きに従い、ジュンは扉を開ける。
その先に広がる光景は、誰も知らない。



39 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 10:02:27 ID:???

※バーズに連載していた分は、ここで終了。

雰囲気が好きな漫画だから、あんまり言いたかないが……設定に関わる発言が煙に巻くようなものばかりで表現に困った。

なぜローザミスティカが七つに分かれてしまったか明らかにされていないし、
なぜローザミスティカをひとつに戻さなければならないかも明らかにされていないし、
(ローザミスティカがひとつになればアリスが誕生する、とは誰も明言していないはず……)
誰がアリスゲームを闘わせているかも明らかにされていないし、
(「お父様」が失踪した後にアリスゲームがはじまった、としか言われていないはず……)
「nのフィールド」についての説明もかなり不親切だし、
雪華綺晶がローザミスティカを必要としない理由も明らかにされていないし、
いつの間にか翠星石の契約が無かったことにされてるし、

このあらすじでも、どうやって解釈したらいいのか迷う部分が結構あった。

例えば<PHASE25~26>の「迷子」についての注釈は、原作での語義が曖昧なので、強引な解釈をしているかもしれない。
「意識」が、人形の魂が‘自分はここにいる’と認識している‘自己への認識’のことで、
「観念」が、人形以外の第三者が‘その人形がここにいる’と認識している‘(人形を主体とする場合の)他者からの認識’のことであって、
「魂」というのが本来の辞書的な意味での‘意識’を指している、とここの書き込みでは解釈している。
こうすれば、真紅の台詞の語義が通る……はず……たぶん……

他にも<PHASE41>の図書館での巴の台詞をどう扱ったらいいものかとか……巴はどこまで感付いているのやら。

とにかくバーズに連載していた分は書いたので、足りない点は諸兄の補足をお願いする。