SDガンダム外伝 騎士ガンダム物語 エルガの妖怪

Last-modified: 2008-11-21 (金) 10:07:47

SDガンダム外伝 騎士ガンダム物語 エルガの妖怪/ほしの 竜一

188 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2005/04/10(日) 11:35:54 ID:???
ある満月の夜、満月に髑髏の面が浮かび上がった。
その際月光を浴びた人間達は魔物と代わり、MS族と生き残った人間達を襲い始めた。
ラクロアの騎士ガンダムは、事態の解決を求めて旅立った。

闘士ネモ、テレパスに通じた超能力者ボールを連れたガンダムはガンタンクの助言に従い聖魔導師ダンバの
元へ向かった。ダンバのいる絶壁断崖は垂直の切り立った難所。決死のクライミングを続ける騎士ガンダム達は、
その途上でダンバの使いを名乗るサーベルタイガーに襲われる。サーベルタイガーが変身したマンモスの落盤で
ネモは墜落、騎士ガンダムはスピアーを伸ばして救助に向かう。
「手がふさがっては戦えまい」
「俺は決して友は見捨てない」
「いけないある、騎士ガンダム。おらを見捨てて戦うんだ。」
ネモは髪を切り離して自ら死ぬことを選んだ。友を思いやる心に胸をうたれたダンバは無重力魔法を使いガンダム
達を助ける。マンモスはダンバが変身した姿だったのだ。密かに背後をつけていたエルガの手下を切り払うガンダム
だったが、そこで魔法が切れて地面に落下。少し痛い思いをする。

「すまんすまん。重力魔法は制御が難しくてな。一番得意なのは変身魔法でな」
「特に女の子に変身するなんて大得意なのよね」
 そう言うと、ダンバは脈絡もなく少女に変身した。

「ところで、いつまで少女の姿でいるつもりあるか?」
「それが元に戻る魔法を忘れちゃったのよ~」



599 名前:騎士ガンダム物語 エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 13:42:26 ID:???
俺、昔に水の精霊編まで書いたと思ったけど気のせいだったのかな。

・土の精霊
 森羅万象の全てを魔物としてしまうエルガに対抗するべく、地水火風の精霊の力を宿す霊器を
捜す旅に出た騎士頑駄無。聖魔導師ダンバの助言に従い、土の精霊の眠るビヒダスに向かう。
しかし、ダンバの向かった土の精霊の霊器はビヒダスの洞窟に存在しなかった。
一方、ビヒダスの村で休息をとっていた騎士ガンダムは、ダンバと瓜二つの容姿をした少女エリカを、
エルガの手先スゴッグホーンにさらわれてしまう。
こめかみに穴をあけられ、逆さ吊りにされ鞭の嵐を見舞われるエリカ。ジャイアントウォーム(巨大みみず)の
群を突破した騎士ガンダムは気息奄々のエリカを助け出すも、ダンバの偽物を掴まされたと
怒り狂うズゴッグホーンの召喚する吸血ウォームに襲われる。
電磁スピアは巨大蚯蚓の群から脱出するために使用してこの場にはない。
剣を噛み砕かれた騎士ガンダムは絶体絶命の危機に陥る。

「俺はどうなろうと、彼女だけでも救ってみせる。」
「エルガ様の力で村は愚か世界が滅ぶのだ。小娘一人助けたところでどうにもならんぜ」
「そうあきらめたものでもないわよ。」

勝ち誇るズゴッグホーンの背後に転移魔法で出現したダンバが金縛りの魔法で相手を拘束する。
同時に、エリカが丹精込めて育てている小さな木の芽までもこの場に転移して登場する。

「大地の……芽。わ、わたし、この芽を育てなくては。ビヒダスは、この芽とともに蘇るんだから」

 力無く伸ばした彼女の指先が芽に触れたとき、芽は輝き、根元から見事な装飾の施された手甲が現れる。
アースガントレット。地の精霊は人のぬくもりを求めてエリカの芽に宿っていたのだ。
騎士ガンダムの腕におさまったガントレットの放つ光に触れたズゴックホーンは土塊となって崩れ、
根城の周囲を取り巻く巨大蚯蚓の群は、大地から出現した土の巨人の咆哮を受けて巨大なモンスターの姿から
解放された。だが、ビヒダスの大地はエルガの放つ霧に覆われたまま太陽の光を閉ざされている。
必ず妖魔帝エルガを倒すとエリカに誓い、騎士ガンダムは旅立った。



600 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 14:09:52 ID:???
・水の精霊
精霊の力を宿す霊器を求め、ダンバの魔法で海底王国フォームに到達した騎士頑駄無。
フォームは、「空気の樹」と呼ばれる霊樹の力で海底に人を住まわせる魔法の王国である。
樹から弾ける実が、新鮮な空気を出し続け、神殿を海の浸食から守っているのだ。
水の精霊を崇めるフォームの王国の住人に、精霊は海中で自在に動ける体と、水圧に耐えられる体を
与えたという。
訪れた宮殿内で女王自らの出迎えを受けて喜ぶネモだったが、騎士頑駄無は王国の住人の姿が一人も訝しがる。
その疑問の答えは精霊が待つと言われる場所で明かされる。
エルガ復活の日に女王はエルガの手先となることを選んでいたのだ。彼女の選択に異議を唱えて
霊器を隠した国民たちは、全てエルガの魔力で魚・イソギンチャク・ヒトデといった物言わぬ海の生物に変えられてしまっていた。
海中で自在に動きまわる女王と、エルガの手先シーグレル(蛸の魔物)に苦戦を強いられる騎士ガンダムたち。
イルカに変えられた王子アビスが差し出す木の実の力で海中でも呼吸することが出来るようになるが、
あらゆるエネルギーを吸収するシーグレルの前にダンバの魔法もガンダムの電磁スピアも無力化されてしまう。
触手を剣で切り落としたところでたちまち再生してしまう。またしても絶体絶命の危機に陥る騎士ガンダムを前に、
イルカ(アビス王子)が動く。騎士ガンダムの剣の前に
自らの体を捧げる王子。王子の狂態に驚く騎士ガンダム。しかし、王子の行動には意味があった。
失われた水の精霊の霊器は、王子が体内に隠し持っていたのだ。傷口から大量の血とともに流れ落ちる
貝殻の角笛。霊器をくわえた騎士ガンダムが吹き鳴らす音色にこたえて、海砂のなかから巨大マンタが
出現する。水精霊の尾は騎士ガンダムの持つ電磁スピアに巻き付くと、ガンダムを触手で拘束するシーグレルに
攻撃をくわえた。肉体の水分を水蒸気に変えられたシーグレルは蒸気流爆圧を起こして四散。
精霊は、重傷を負ったアビス王子と海中生物に変えられた国民を癒して姿を消した。後に、海ユリの姿に
封印した女王を残して。

騎士ガンダムの戦いは続く。



601 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 14:27:58 ID:???
・風の精霊

水の精霊の背に乗り、風の精霊の眠る地オニコーン国へ向かう騎士ガンダム一行。
しかし、突然月が欠けたことにより起こる潮流の変化に巻き込まれ、精霊の背から振り落とされて全員遭難。
騎士ガンダムは精霊の力でなんとかオニコーン国の海岸に漂着するも、全員離散。ネモとダンバとボールの
行方はようとしれない。

オニコーン国の住人は、頭頂部に角を持つ人間たちである。彼らは平和を愛するあまり、妖魔帝エルガの
言いなりとなっていた。住人の一人ダイに案内され、エルガの雷で崩壊したオニコーン族の神殿跡に
向かった騎士ガンダムは、あの晩月が欠けた真相を知る。
オニコーン族の神殿に使われている魔法石で建造された塔は、月を自在に動かすことが出来るという。
エルガはその力で次の新月の闇夜をつくり、全面戦争をはやめようとしているのだ。
建築現場で過酷な労働にさらされるオニコーン族を見て怒りを募らせる騎士ガンダムだが、ダイの父親ゴースは
「俺達の国のことは俺達がやる」ととりつくしまもない。

「モンスターザク(ゴブリンザク)さま! じっちゃんはもう年で動けねぇ。俺がじっちゃんのかわりに働く。お願いだからぶたねぇで
くれ~、おねげぇだ~」
「あひゃ、あひゃひゃひゃ、そうだった! オニコーン族は世界一平和を愛する腰抜け野郎の一族だったよな。
よおし、お前が働け。エルガ様をお迎えする前に、魔法塔を完成させるんだ!」

ジムヘンソンさんですら、ここまでゴブリンザクに媚びないというに、なんという屈辱。



602 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 14:36:51 ID:???
「争っても死人が出るだけだ。ここはエルガの命令に従った方が一族のためだ。」

 労働現場から帰ってきたゴースは騎士ガンダムをゴブリンザクに売った。
ダイとゴースのためを思い、騎士ガンダムは素直にゴブリンザク共に連行された。
魔法塔の麓で、ガンダムは同じく連行されたネモとボールに再会する。

「この国の人達、ひどいアルよ~。誰もエルガと戦おうとしないアル~っ。」
泣き出すネモに脱力する騎士ガンダムとゴブリンザク。
「誰だって、争いが好きなわけじゃない。だが、オニコーン族は騙されている。
エルガの言いなりになっても、殺されるだけだ。」

 かくして、騎士ガンダムの予想はただしく、現れたエルガの黒雲は、魔法塔完成の祝いに、オニコーン族の
生け贄を用意していた。磔にされた生け贄は三人。一人は、騎士ガンダムが知らない若者と、
ゴースが現場でかばった老人、そして、騎士ガンダムをエルガの手先に売ったゴース。

「なぜじゃ! 魔法塔が完成すればオニコーン族に危害は加えないと約束したはずじゃ!」
「魔法塔を完成させるまで……と言ったのよ」
「なんじゃと~っ!」

エルガの下す雷で、若者は敢えなく命を取られ、老人も無惨に焼け死んだ。

「……騎士ガンダム、この生け贄が済めば、次はお前の番だ………」



603 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 14:52:12 ID:???
このままではまたしても死を待つだけという騎士ガンダムだが、救いの手は背後からやってきた。
騒動に紛れて忍び込んだダイ少年が、ガンダムの剣で戒めをたちきり電磁スピアを手渡す。

「おいらも戦う。エルガなんかにおとうを殺されてたまるか!」

剣を手にした騎士頑駄無は一騎当千。ゴースを解放するや、手当たり次第にモンスターを斬って捨てる。
エルガの魔力で集合合体(キングスライムみたいなやつね)したモンスタージャイアントゴブリンザクすら
圧倒する。力押しでは騎士ガンダムに勝てないと判断したエルガは、ザクに助言をする。

「魔法塔だ。魔法塔で月を消して闇夜をつくれ。闇の力を吸収すれば、魔物は百倍の能力を持つことができる。」

電磁スピアの放電をうけつつも、ゆっくりと手を伸ばすザク。その前にゴースが立ちはだかる。

「ダイ、みてろ! おとうもエルガと戦う!」

ゴースは渾身の力で魔法塔の礎石を引き抜き塔を崩壊させた。塔の崩壊に巻き込まれたザクは魔力の
暴走に巻き込まれて爆死した。こうして戦闘は膠着状態。風の精霊を連れて乱入したダンバの前に
形勢不利を悟ったエルガは退き、オニコーン国はエルガの魔の手から解放された。

■ おまけ
ほしの先生はオチをつけるのが大好きなようで、一巻では各話の終わりでオチつけてます。
女の子に変身したら元のダンバインの姿に戻れなくなったダンバ→小さくなった蚯蚓をみせて「可愛いでしょ~」と
ネモと騎士ガンダムを追い回すダンバ→酸素が切れそうなネモの目の前で釣り竿にひっかけた空気の樹の実で
ネモを釣ろうとするダンバ→騎士頑駄無一行に合流しようと、俊足を飛ばして一行を追い抜くダイ。



604 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 16:00:07 ID:???
ダンバってダンバインだったのか……。



605 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 16:14:51 ID:???
ダンバはダンバインでエルガはエルガイムだべ



3 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/12(土) 20:29:16 ID:???
あれ、落ちてたの? とりあえず、覚えている範囲で書き書き。うろ覚えなので不完全。

(火の精霊)
 火の精霊の霊器を持つもう一人の聖魔導師アインの元へ向かう騎士ガンダム一行。
しかし、アインはエルガの魔力で魔物と化せられており、騎士ガンダムたちに襲いかかる。
苦戦する騎士ガンダムだが、ダンバの必死の叫びにアインの中の人の心が反応し、彼の瞳に一筋の涙が……。
涙から召喚された水の精霊の力と、騎士ガンダムの剣の前にアインは倒れた。
アインの名を叫びながら彼の杖を手にしたダンバはエルガを魔法で攻撃する。

 しかし、エルガの手にした杖に呼応して大地を突き破る巨大な溶岩の塊が……。

(続き)
 エルガの呼び出した炎の精霊に追い詰められる騎士ガンダムたち。
魔物の姿に封印されたアインの息子たちが隠し持っていた炎の霊器 炎の杖を手にする。
ここで騎士ガンダムは、物事に裏と表があるように、精霊たちにも光と影の精霊が存在することをしる。



4 名前:エルガの妖怪[sage] 投稿日:2007/05/12(土) 20:39:58 ID:???
(光と影の精霊)
それぞれ対応した霊器から呼び出される自然界の化身。光と影の炎の杖からは、溶岩竜と白炎竜。
影の水の精霊は、巨大ウナギ。影の土の精霊は、石の牙(形状はよく覚えていない)。影の風の精霊は、黒いカマイタチ(形状は覚えていない)。
光と影の精霊は合身することで、水の蛇、地の獅子、火の竜、風の翼と真のエレメンタルに覚醒する。

(Chapt.3 水と大地の戦い)
影の水の精霊を呼び出す水魔人オージムとの戦闘がメイン。召喚された巨大ウナギをその身に吸収した、
土の精霊の化身だったが、影の水の精霊は、彼の眼から流れる涙となって逃れようとする。精霊の思念を受け取った
騎士ガンダムは、真炎の杖の力で土の巨人ごと巨大ウナギを焼き払う。私が覚えているのはここまで。
針山で串刺しになったMS族の残骸から生まれるモンスターとか、結構容赦ないエルガの地下帝国の描写も
あったかな。

(Chapt.5 エレメンタル封魔陣)
地下帝国全てのモンスターを吸収して巨大化したエルガ。八個の霊器からなる霊器封魔陣でエルガを
拘束したダンバは、背にまとう風の翼とともに結界陣の中に突進する。

「後は騎士ガンダムだけが頼りよ!」

しかし、エルガは倒れなかった。勝ち誇るエルガは地下帝国を飛び出し、
ダンバと風の精霊を失った騎士ガンダムは地下帝国に取り残される。
「ダンバ、すまない。このままではお前の死を無駄にしてしまう……。
その時、封印の書が光を放ちはじめる。

(Final Chapter 滅びぬ魂)
 聖魔導師の命を取り込み光を放つ封印の書は、精霊の霊器を取り込み、一個の光の影を生む。
一方、地上では、エルガの出現に伴い魔物達が巨大化。世界各地で人間を襲い始めていた。
 鳴動する大地と火山を眺めながら勝利を確信するエルガ。封印の書から誕生した精霊獣キマイラを
駆り、それを追う騎士ガンダムたち。最後の死闘は空を舞台に始まった。
 肉体をキマイラに食いちぎられたエルガは黒い太陽と化して、騎士ガンダムの接近を拒む。
二重化した太陽の影響で乱れた重力で地表は剥がれ、次々と黒い炎で溶かされてゆく。何者もエルガに
接近できない。たった一点を除いて。最後の間際にダンバがエルガの体に突き立てたアインの杖。
 二人の聖魔導師の魂が、エルガの魔法を拒み、黒い太陽に穴を開けていたのだ。



5 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/05/12(土) 20:52:13 ID:???
(Final Chapter 滅びぬ魂の続き)

 樹に挟まれていた子鹿を助けるために、ネモ・ダイ・ボールの三名をキマイラから下ろす騎士ガンダム。
子鹿を挟む樹をネモたちが取り除く作業に従事していることを確認したガンダムは、キマイラとともに、
聖魔導師の杖めがけて突っ込んだ。黒い太陽のなかに消え去るかに見えた騎士ガンダムとキマイラ。

 今度こそ勝利を確信するエルガ。しかし、闇夜に突如姿をみせた満月の光が彼の体を取り巻く
魔法の力を泡のように消し去ってしまう。

 新月の闇夜に現れる有り得ない満月の光。オニコーン族が作り直した魔法塔が月を動かして、
エルガの不敗の条件を覆したのだ。肉体の内部からキマイラに崩されたエルガは、騎士ガンダムが手にした
アインの杖に中枢部付近を突き破られ、顔面に剣を受けて砕け散った。

 エルガ封印を見届けたキマイラは、聖魔導師の杖を口にくわえ、満月を背に飛び立った。
彼らもまた再び、光と影の四大の精霊に分けれ、封印の眠りに就くのだ。

(終わり)