So What?

Last-modified: 2008-09-23 (火) 12:57:08

So What?/わかつきめぐみ

555 名前:わかつきめぐみ「So What?」 1/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 00:12:18 ID:???

白泉社文庫より全4巻で発売中。


【登場人物】

○秋津島家同居組
暮里 阿梨(くれさと・あり):女。主人公。家事能力皆無だが頭はいい。どこでも寝る。
ライム:女。事故で異世界から強制連行された。耳が長い。家事は完璧。勝気。
秋津島教授(あきつしまきょうじゅ):阿梨の祖父。故人で現幽霊。
   マッドサイエンティスト。タイムマシンを製作している。
海堂(かいどう):男。秋津島教授の元教え子。真面目人間。
桃太郎:阿梨が中学生の時の勉強のライバル。7人兄弟の次男。かなりイイ性格。


○某スパイ組織へっぽこ支所
松23号:所長。野菜作りが趣味。過去は優秀な人物だったらしい。現在は立派な昼行灯。
竹3号:副所長。唯一仕事に真面目に取り組むものの、いつもすべっている。純情青年。
梅1号、2号、3号:平所員。何も考えてないっぽい。簡単な顔。1人見かけたら30人。


556 名前:わかつきめぐみ「So What?」 2/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 00:13:15 ID:???

【あらすじ】

実家を離れ遠くの高校に通っていた阿梨は、ある日「祖父危篤」の電報で呼び戻される。しかし実家で待っていたのは、すでに死亡し幽霊になった秋津島教授とライムという
異世界の少女だった。
ライムは研究中のタイムマシンが暴走した為に異世界から連れてこられ、帰れなくなったらしい。
ライムの世話のために今の学校を辞めて実家に戻って欲しいといわれ、反発する阿梨。
しかし、事情を知って住み込みたいと申し出た海堂や、7人兄弟で勉強部屋がないから
下宿させてくれという桃太郎の存在に考えを変え、結局総勢4人+幽霊での同居生活が始まる。


しかし秋津島家は教授の実験失敗の為、「ふぉっふぉっふぉ」と声を出して笑うきのこや
突然現れて暴走していく恐竜などが時を選ばず出現しては消えていったり、時間や空間が
ドア一枚でめちゃめちゃに繋がったりする危険地帯に。それに散々振り回されながらも、
阿梨とライムはやがて親友といえる関係を結んでいく。


一方スパイ末端組織。
部下の1人が活動中に行方不明になったこともあり、竹3号だけが真面目に仕事をして
いたが、残りは畑仕事に精を出していた。が、川に落ちた阿梨を助けたことで顔見知りに。
以降、両者に奇妙な友好関係が成立。


557 名前:わかつきめぐみ「So What?」 3/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 00:14:50 ID:???

ところがある嵐の夜、秋津島家とスパイ支部の建物が繋がってしまう。
その場に居合わせたのは海堂と松23号。どうしようかと迷うが、結局お互いの情報を
ある程度オープンにし、阿梨と研究を他組織から守る、という形で決着。
以前から彼らの正体を知っていた桃太郎や竹3号も含め、こっそりと協力関係が成立する。


そこへ大事件発生。ライムが阿梨の目の前で消えた。落ち込む阿梨。
実は、ライムは異世界間転送業者の所にいた。その世界では、異世界間で人や物を
やりとりする技術がすでに実用化しているという。
そして、阿梨たちの世界にいるライムの存在が転送業に悪影響を及ぼしているから
元の世界に戻してあげると提案される。
迷った末、ライムはそれを断る。「私は教授に戻してもらうんだ」


阿梨たちの世界に戻ってくるライム。
一見元の日常が戻ってきたような和やかさを取り戻すが、この一件が関係者全員に、
やがて全員バラバラになるだろうことを自覚させる。
そんな中、松23号たちが教授の研究を探りに来たスパイであることが阿梨にばれる。
傷つく阿梨。阿梨が傷つけられたことに怒るライム。


558 名前:わかつきめぐみ「So What?」 4/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 00:26:21 ID:???

そこへライムが世話になった異世界間転送業者が登場。やはりライムが阿梨の世界にいると
仕事にならないので「タイムマシンの完成を手伝いに来た」という。反発するライムを
よそに、助っ人を受け入れる教授と海堂。タイムマシン製作は急ピッチで進みだす。
また、松23号達も今のままではいられなかった。組織上部から帰還命令がきたのだ。
進退を問われ、悩んだ末、全員辞職という結論を出す。
そして桃太郎も県外の大学に合格。秋津島家を出て行った。


ところで教授と海堂は、ライムが帰れない理由について一つの仮説をたてていた。
通常、異世界から来た生物は短期間で元の世界に戻る。しかしライムだけがずっと
この世界にいるのは、代わりに誰かがライムの世界に行っているのではないかと。
その言に従い運送屋の片割れが目星をつけた場所に行ってみると、そこには梅4号がいた。
梅4号はスパイの仕事が嫌になり、「ここでないどこかへいけるなら」とタイムマシンの
スイッチを入れてしまったという。それがそもそもの原因だったのだ。
しかしライムのこともあり、元の世界に戻ることを承諾。
タイムマシンも無事完成し、ライムは梅4号と入れ替わりに元の世界に帰還した。


何年か後。
差出人不明の手紙を受け取った阿梨は、町に住むかつての関係者達にそれを見せて回った。
手紙は退職後行方不明になった松23号が、組織の後輩で同じく行方不明になった女性との
写真だった。
梅1~3号は和菓子職人見習いとして働いていた。和菓子屋の3姉妹目当てである。
竹3号は保育園でバイトをしていたが、そこの保育士と結婚することになった。
桃太郎は相変わらず大学で勉強している。
海堂は阿梨と共に住み、図書館で働いていた。
そして阿梨はその図書館便りに物語を寄稿していた。かつてライムに、祖父の秋津島教授は
物語を書くのに孫のあんたは書かないのか、と問われたことがきっかけだった。
物語は意外に好評で、続きを待ち望む声もある。
穏やかに日々を送りながらも、阿梨はその胸の中で、今でもライムの声を聞く。