THEチェリー・プロジェクト

Last-modified: 2008-09-23 (火) 12:29:29

THEチェリー・プロジェクト/武内直子

211 名前:THEチェリー・プロジェクト[sage] 投稿日:2006/04/08(土) 02:03:48 ID:???

「THEチェリー・プロジェクト」 武内直子 全4巻


チェリーこと飛鳥ちえりは中学二年生。
父親が元スケート全日本チャンピオンでオリンピック選手、亡き母親も
元フィギュアの選手というサラブレッドだが、ちえり自身はスケートは
あくまで趣味程度にしか考えていなかった。
(母親が腰を痛めて亡くなったせいもあるが)
そのため休日リンクでいつも滑ってはいるものの、どこのクラブにも
所属しておらず、大会にも出ていない。
しかし彼女の唯一の憧れの選手、元全日本ジュニアチャンピオンの
続正紀と運命的に出遭ったことでちえりもフィギュアの世界へのめり
こんでいく・・・というお話。


中学生にしてジュニアの男子シングルの頂点を極めていた続は、
大会社の社長である父に高校に上がるのを機にスケートを辞めるよう
言われていた。そこで続が希望を見出したのがペアで頂点に立つ、
ということだった。続とその仲間達は最も相応しいペアを見つけるため
動き出す。ちえりに才能の高さを見た彼らはちえりの中学校に転入し
「チェリー・プロジェクト」を立ち上げる。
当初、チェリー・プロジェクトはちえりに学園祭でスケートをさせるという
だけのものだったが、続達にはちえりを続のペアとして踊れるまでに
優秀な選手に成長させようという目論見があった。
その目論見どおり、ちえりは続のペアになりたがっている優秀なスケート選手
「プリンセス」と呼ばれるキャンティ秋山と不利な勝負をしながら、
続のサポートもあって信じられないような成長を見せる。


212 名前:THEチェリー・プロジェクト[sage] 投稿日:2006/04/08(土) 02:22:13 ID:???

しかしちえりには致命的な弱点があった。
ちえりは素晴らしいジャンプをし、一度見たフリを覚えてすぐにやって見せる
ことができる。しかしそれはまさに完全なる「コピー」であって、ちえりの表現力は
皆無であった。
ちえりは表現力の乏しさ、個性のなさという自分の内に苦しみ、プリンセスの元へ
去ってしまった続への想いに苦しむ。リンクに立つことさえ出来なくなったちえりだが
続にチケットを渡された「白鳥の湖」のバレエを見、転機が訪れる。


物語の最後の全日本ジュニア選手権で、ちえりは続への想いいっぱいの演技を
観衆の前で披露する。