【恐竜】トリケラトプス

エシェンディア。

太古の動植物の支配を色濃く受け、

歴史も実態も全てが謎に包まれた大陸。

これまで数え切れないほどの探検家が

エシェンディアの奥地を目指し、

厳しい自然と未知の前に破れていった。

その一方で、生還した僅かな探検家が持ち帰る

遺物や希少資源にはいずれも法外な値がつけられ、

野望を胸に大陸を目指す者は後を絶たなかった。

だが、命知らずとも言うべき探険家たちにも

ある禁忌が存在する。

エシェンディアについて記したどの地図でも

黒塗りにされているいくつかの土地。

どれほどの腕を持つ探険家であっても、その地に

足を踏み入れることは死と同義とされていた。

そのひとつに、

『流転の原生林』と呼ばれる場所がある。

エシェンディアに上陸した探検家たちが

知らずに迷い込み、二度と出ることのできない密林。

樹々の異常な成長速度のため、流転するように

一瞬一瞬形を変えるその密林は、迷い込んだ者の

感覚を、常識を、記憶すらも狂わせ、衰弱させる。

しかし、人々が最も恐れているのは

その魔境ではない。蠢くような樹々の狭間で

かすかに揺れる、巨大な何者かの影である。