その後まもなく、乳房のない女が入ってきた
何かご用でしょうか?と指揮官は立ち上がりながら言った
女は何も言わず、単にサブマシンガンをさっと出して指揮官を撃った
指揮官は画像を逆回しして、静止させた
女の胸は、剝ぎとられて平たくかんなをかけられて布で包んだみたいに見えた
「この女、本当に乳房がなかったのか、それともあんたたち何か訳があってこいつの乳を削除したのか?」と指揮官は訊いた
-乳房がない
と彼女たちは言った
およそ二週間後、指揮官はふたたび殺された
同じ女だった
少なくとも女によく似た誰か、同じく乳房のない誰かだった
「これって前にも私を殺した女かね?」と指揮官はあとで、自分が死んでいく画像を見ながら訊いた
-確定不能
「手配写真はないのか? アイスキャンは?」
-顔写真が破壊されている、目は包まれている
「包まれてる?」
彼女らは答えなかった
どうやらそれは厳密には質問と言えないのか、あるいは彼女たちに答える気がない質問であるのか、そのどちらかのようだった
指揮官の最新の死からまもなく、すなわちおそらく1時間ほど前のこと、彼女たちに会い崩壊液とコアの交換をしていると、彼女たちが交渉をさえぎった
-グリフィンの指揮官
と彼女たちは言った
「何だ?」と指揮官は言った
-乳房のない女がこの建物に入ってくるようだ
「乳房のない女?」
-グリフィンの指揮官
と彼女たちは言った
-逃げることをすすめる
出典:ttp://egg.2ch.net/test/read.cgi/applism/1594912228/715