正しき選択
「そして... ありがとうございます。私のガーディアンになってくれて」
光が消え去った。
何かの夢からから起きたり覚めたりを繰り返し...そして、コスモドロームの倉庫にある誘導線からぶら下がっている船を見た。異質な運河に囲まれた花畑が地平線まで伸びていた。
「私のガーディアンを...見つけないと」彼はそう自分が呟いていることに気づいた。
何時から私はこんなことを言っているのだろう?そして、自分自身に答えた。力強く、だが落ち着いて。「彼らがどんなってるかも分からない。外見は関係ないからいいのだ」
何とか橋の下までたどり着いた。カバルのサーチライトが水たまりを行ったり来たり照らしていた。その水面の下にあるものを見たくはなかった。
「その水の下。そこにあるものが何なのか知っている」彼は瞬きをして、泣けたらどれだけいいかを嘆いた。「一緒だったら、私達はもっと...何とかなったかもしれないのに」また雨が降り始めた。
放浪。黒き涙が頬を伝っているマスクを被った女性。
「私達が見たもの全て」
放浪。怒った漁り屋達の喉元に編み込まれた赤色のナノテクノロジー。
「私達がしたこと全て」
カバルはグリマーの採掘を続けている。地球で残された安全な場所はカバルの踵でできたヒビの隙間だけだった。
「間違ったことはしていない」
ゴーストはシェルを開き暗き日々を思い起こす。独りきりで。
雨は夜を越えて降り注ぐ。