G-335 アンセリス・オーバードライブ
黄金時代の失われたアーティファクト。
初めてスパローを作った時、私は13歳だった。何故作りたかったのかは分からない。ただ、作り終わるまでその手を止めることができなかった。複雑なシステムの中で個々の部品がそれぞれの機能を全うすることで、様々な反応が誘発される。まるで、美しいシンフォニーに息が吹き込まれたかのようだった。
機械の部品のように、私達自身もこれから起こる災難の中でそれぞれの役割を全うする。道を失ったり、孤独に嘆いたり、希望を失うことがあったら、自分が何か大きいものの一部であることを思い出して。
私は常に科学を使って芸術を生み出してきた。アナは芸術を科学に適用してきた。妹の助けなしにあのスパローを完成させることはできなかった。オリジナルのプロトタイプはもうないけど、最終モデルの1つは取っておくことにした。私がこれから行く場所では使えないから、あなたにあげる。
アザーサイド
夜の側には必ず誰かが潜んでいるものだ。姿を隠して完璧で、辛抱強い。
カナタ・テクトノ
反対側の敵が何を意味するか知ってるか? それはずっと昔、黄金時代よりも前に人々が語っていた考えだ。その考えって言うのは、誰でも反対側に完璧な敵を立たせるというもの。力も頭脳も経験も五分五分の選手だ。そして、その完璧な敵は私達を待っている。辛抱強く。何故なら、決闘の日はいつかやって来るからだ。反対側の敵は急ぐ必要がない。時間と偶然が私達を引き合わせてくれるのだから。
それを考えてみろ。今この瞬間もどこかで誰かがお前を待ってる。そして、お前のことを自分のことのように知り尽くしているから、事実上お前自身だと言ってもいいくらいだ。それが反対側にいる敵だ。
アズール・アザジール
黄金時代、主に火星の極冠で使われていた。
船をその名のごとく扱った。太古のガーディアンの1人として。だが、スパローにも個性が、魂があるものだぞ。首を傾げるかもしれないが、私はそう信じている。AAの名前は冷たく、そのスパローも冷たかった。温められなかった。だが、よく飛んだぞ。
イオンドライブ
黄金時代の失われたアーティファクト。
この場所の風景をすっかり忘れてしまってた。つい昨日までバッジとデスクがあったような気になる。ほとんど誰も生き残らなかったけど、でもこの古い施設はまだ建ってる。あなたもここまで来たんだったら、私と考えることが似てるね。何かを最後まで見届けたいって思ってるんだよね?
私は感傷的なタイプじゃないけど、でも私は自分が誰なのか全く分からなくなった。今のところは、ここに戻って来て正解だったって思える。あなたがこれを読んでるってことは、入れ違いになったんだと思う。シミュレーションをしたけど、私はここにはいられない。まだね。
この船をよろしくお願いね。
戦友
誰も1人では成し得ない。それを望んではいけない。
彼の頭の中では、熱狂的な解説が繰り広げられていた。
「レンが燃えている戦車の横を滑って、後壁を突き抜ける!」
競争者はメーターの限界速度を超えて、マシーンは抗議の声を上げた。
「カバルはシティを瀬戸際に追い込んでいるが、彼は競争のトップを走っている!そして、最高速度でペレグリン地区に向かっていく。彼は到達できるのか?」
もちろん、彼はやってのけるに決まっている。あと3つほど街区を抜ければ——
爆発音は空を劈き、ハンターは遠くの方でディディがバイクが崩壊していると大声で警告しているのを聞いた。瓦礫の山が彼の目の前に立ちはだかった。
彼が次に覚えているのは、くぼんだカバルのマスクと、センチュリオンが叫びながら、首のあたりを持っている記憶。彼の視界は狭まっていた。全てが痛みに変わった。彼の足は折れていた。「レーサーにしてはいい走りだったな、だがどうやら...」
その時ショルダーチャージがその化け物の足をよろめかせた。マーカスは地面に落ちた。彼はその後の肉弾戦を見る以上に聞いた。
その後、敵が両膝をついた時、影がマーカスの前方に向かってきた。
言葉はない。ただ肩に手がのせられたの感じだ。そして薄暗い光、その後ハンターはあの親しみのあるタイタンの腕に抱えられているのを感じた。
エノック・バストは世界の終わりの中をおおまたで歩く、彼のパートナーを安全地域まで運ぶために。
灰色蜂
このスパローは劈く音と共に飛び込み、突き刺すためにやってくる。
「あれって飛ぶの?」
「何でそんなこと聞くんだ?」
「重そうだっていってるの」
「馬鹿なことを。あれは重くない。シールドを三重にしているから、そう見えるかもしれない。だが、それは幌の下の動力源のためさ。エンジンの動力が強ければ巨礫だって飛ばせる。あれは巨礫ではないけどな。ハイスピードで敵の周りを走り回ったら、奴らだってお前が本当にいるのかすらも分からないさ。試してみろよ。きっと気に入るから。」
ブラックライトレーザー
焼け付くような攻撃を仕掛けるために2つの調整を加えたパルスエンジンを搭載している。
おい、おい、おい——
元気に過ごしていることを祈ってるぜ、相棒!このツインカッターはお前が言った通り、お互いが引っ張り合ってスパローを断続的に突き動かしている。パチンコ玉のようなもんだな。振動は断続的に続くが、しばらくしたら慣れた。
つい2つか程前に最高の体験をした。それは崖を出発して、1万1千フィートもの高さから飛び込まなきゃいけなかったんだ。それはまさに雲を切りさく体験だった。進むにつれて霧の渦巻が俺の周りを駆け巡る、そりゃもう綺麗だった。
店の奴らに俺は幸せにやってる、息子をよろしく頼むって伝えてくれ。息子がお前へように他の話をしてくれるだろう。
それじゃ元気でやれ
ラファエル・リズ