盗まれた情報

Last-modified: 2021-08-22 (日) 22:35:00


盗まれた情報


異常値

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:692-FALLEN-DUS
エージェント:RAN-187
件名:反体制関連の最新情報

1. フォールンの武装勢力は地球各地で前線からの撤退を続けている。ヨーロッパ・デッドゾーンでは、ハウス・オブ・ダスクのファクションが依然活発な状態だ。カバル大戦終結以降、その他のエリアでの難民の攻撃は70%以上の割合で減少している。とはいえ、種族間の関係に大きな変化があったわけではなく、その主要な原因は単にフォールンと人間の数が減ったからだろう。

2. 確固たるリーダーシップがないままに、ハウス・オブ・ダスクは分裂と過激化を進めている。

このところ話題になっている「犯罪シンジケート」とやらの出現(レポート#004-FALLEN-SIV参照)は、フォールンの社会構造が崩壊した証といえるだろう。幾世代にもおよび人類の領域を植民化してきた影響として、これらのシンジケートはフォールン古来の文化と繋がりを持たないため、若いフォールンが文化的遺産の欠如を補うように人間文化の伝承を自分たちのものとして模倣しているのだと、本エージェントは考えている。

ケル/アルコンの神学が崩壊したのと同様に、侵略者たるフォールンをこの星系から根絶したいと願う者にとっては朗報といえる。

3. とはいえ、再統一の動きについては今後も監視が必要だろう。将来的にリーダーとなり得る者は複数現れている。まず考えられるのは、統一派の者たちだ:

VIP #1121は内部星系のガーディアンの間ではバリクス、あるいは「忠臣バリクス」として知られている。#1121は殺人者ユルドレン・ソヴのエルダーズ・プリズン脱獄に関して、その責任を負うべき立場にあったが、リーフにおいてアウォークンの追求を逃れると「ケルのなかのケル」を自称しはじめ、現在もハウス・オブ・ジャッジメントの代表役を務めている。プラクシック・オーダーはバンガードに対し、#1121の拘留を嘆願した。アウォークンの君主は「女王の怒り」を介して#1121に対する裁判権を獲得し、さらに彼ら抜きで起訴が行われた場合は、それを戦争行為とみなすと宣言した。この件に関して、バンガードは未だ立場の表明を行っていない。

アウォークンの元共謀者であるVIP #3987は、比較的知名度が低く、ミスラックスという名で知られている。様々な現場報告から推察するに、#3987は#1121同様、「ハウス・オブ・ライト」のケルを自称しているようだ。#3987自身が築いたらしいこのハウスについて詳しいことは分かっていない。伝え聞くところによれば、ミスラックスは現場のガーディアンと共同作戦を行ったこともあるらしい。だがそうした報告については、それを裏付ける確たる証拠が見つかっていない。本エージェントは確証のない報告については鵜呑みにしない賢明さを持ち合わせている。旧ロシアのフォールンの同調者やカバル大戦のガーディアンらによるプロパガンダの可能性もある。。我々はこの件のさらなる検証に役立ちそうなアウォークンの情報記録を要請した。

また、情報記録に含まれる発見がどんなものであれ、強調しておかなければならないことがある。同情的な例外が1人、2人いたところで、それで過去の過ちを消し去ることはできない。そして先祖の罪を正そうとする彼らの誠実な努力は、十分な償いの象徴として見做すべきではない。

続いて考えられるのは分離派だ:

ここ最近注目を集めているVIP #4503は、フィクルル、あるいはファナティックの名で知られる。殺人者ユルドレン・ソヴに近しい共謀者である#4503には、死から蘇る能力があるらしく、これはゴーストによる蘇生技術に似たものと考えられる。入り組んだ岸辺に対する支配力は限られているが、監視に値する確かな技術、悪評、そして動機を併せ持っている。#4503の蘇生能力を考慮すれば、#4503が夢見る都市の墓から殺人者ユルドレン・ソヴの体を奪う危険性があることは言うまでもない。バンガードは#4503を押さえ込もうとファイアチームを展開し続けている。こちらのエージェントは、彼を完全に葬り去るべく、クリプトアーキおよびジェンシム書記官に助言を求めた。

VIP #2029はかつてエラミス、あるいは「船泥棒のエラミス」の名で知られていた。狼戦争中に投獄されたハウス・オブ・デビルズのバロネス、#2029は、#1121が企てたエルダーズ・プリズンの大量脱獄に際して逃亡に成功した。#2029は昔気質のフォールンだ。あくどく、容赦がなく、飛び抜けた狡猾さを備えている。現場報告によれば、彼女は暴力的な反乱分子を集めてハウス・オブ・デビルズを一から立て直そうとしているらしい。本エージェントの考えでは、彼女はフォールンの再統一を成し得る最有力の候補であり、バンガードやその他の関連する指導者には、なによりも彼女の排除を優先すべきだと主張する。ここにきて手加減をすることはできない。

メッセージ終了

不安定

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:1021-CITY-VAN
エージェント:IKO-006
件名:不安定なリーダーシップ

1. カバル大戦が勃発し、ハンターバンガードを失った今、大部分において平等主義的、かつ自治能力を持ったガーディアンで構成されるバンガードは、確固たるリーダーシップを発揮できずその機能と役割を定義できていない状態だ。アウォークンの女王が広く受け入れられている現状と同様、彼の死を悼む私たちは、自らの完全性や資質、そして団結力に対する疑問に適切に応えられなかった。

バンガードは権威主義による統制を意図せず、そうした機能を担ってもいない。それでも、この混乱の時にあっては、力のある人物による導きと助けが求められるのは当然だ。タイタンバンガードも私も、政治家を志したことはない。なによりもまず、私たちは戦士であり、それと同時に、これ以上その役目を果たす自信を失ってしまったのだ。

正当な疑いに対し自身を省みる精神を捨てず、私たちは自ら退き、新たな指導者を迎える可能性についての議論を始めた。バンガードを完全に解体するメリットについても同様に——こうしたアイデンティティに対する疑念は、この役目を務める上で、誰しもを悩ませる問題だからだ。望ましいタイミングでないことは皆承知している。「総意」およびガーディアン、そして関心を持つその他全ての者を交え、適切な議論ができるよう努めていく。また、私が関与しない形で監視役をつけるために潜みし者を招く。私たちの行動が良い結果よりも害をもたらすと思える時には、ためらうことなく必要と思われる行動を起こしてほしい。

2. ハンターバンガードの空席およびケイドの挑戦については、前例のない事態と言える。責任をその根源までたどり追求するならば、私たちはハイヴの神を議会に選出しなければならないだろう。

現段階での私たちの意向としては、ハンターらと討議を行い、興味と資格を備えた全てのハンターを後任候補とみなすことの利点を検討していきたい。もちろん、そうした議論はバンガードの存続を前提とした話だ。できるだけ早急にハンターを招集できるよう努力はするが、彼らには念を押しておく必要がある。最も信頼のおける候補者らは、そうした議論が行われることを予期し、既にタワーから姿を消している。メッセージ終了

アクセス: 機密

解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:002-A899OF-COC
エージェント:TRU-135
件名:傍受された通信

取扱注意! – 以下リーフ暗号データ通信の傍受内容 – 取扱注意!

1. コキトスの封じ込め体勢は維持していく。星系にただちに危険が及ぶ可能性は低く、仮に現場の弾頭が上手く作動しなかったとしても、我々にはステーションとその設備を遠隔破壊できるだけの火力を有している。ステーションはケレス破壊後の周回軌道を安定的に維持している。

2. これらの仮説についての検証は求めない。というよりも、対処しないでほしい。現場の記録を確認してみたが、コキトスに移動した後にソフィアのクルーに起きたことに関しては、ハイヴの狂気じみた臭いがしてならない。あの時、コキトスの開口部はクロタと結びついたハイヴの多様体に繋がっていたのだろう。目的が何だったにせよ、クロタがこの星系に現れた時、それらは地獄へと繋がるルートになったのだ… ソフィアのクルーの悲惨な最期がそれを証明している。ソフィアを追い込んだ何者かはその後、オリジナルの黄金時代の施設周辺にコキトスの機器を設置してクロタの多様体を研究したのだ。

3. クロタは死んだ。ゲートに対する奴の支配は消え去った。そして今、別の何かが我々の世界にやって来ようとしている… だがあまりに異質で、戸惑いを覚えるほど不可解なものが送られ続けている。もはや恐ろしい結末しか思い浮かばない。

4. 最初の「来訪者」は、3つ目のゲートをくぐり、時刻00:00:00にやって来た、ごくごく単純な水素原子であった。それから72時間をかけ、放射物は二原子水素から窒素、炭素、酸素、水、そして簡素な有機分子へと発達していった。80時間が経過すると、はじめて肉眼で確認可能な来訪者が現れた。分厚く、黒い、炭化水素タールの塊だ。時刻82:34:15まで、ゲートは複合モノマーおよびポリマーを含むタールを吐き出し続けた。

5. 来訪者はその後、幾何学的形態を取り始める。雨のように押し寄せる立方体や六角形は、どれも同一態の分子結晶から構成されていた。内部亀裂の下にフラクタル形状がちりばめられていた。複雑化する構造を持った被膜、あるいは膜組織に、水や油が含まれている。これらは細胞前駆体なのかもしれない。

6. 時刻524:03:11に有機体が出現。すぐに死亡を確認。遠隔解剖によると、球状の体の半径は約1メートル。厚い炭化水素タール内に表出していた。中芯腔の奥には均等に配置された「喉」が集中しており、肺と胃の役割を果たしているものと推察。体には原始植物のような細胞から成る未分化組織が見られ、これが痙攣することで空気や流体を喉に出し入れできるようになっている。代謝を促す酵素がないため、あるいは老廃物の処理を行う内部構造がないため、この有機体は生存することができなかった。細胞死は全体的かつ瞬間的に発生した。自己修復や繁殖の手段は存在していない。

7. 時刻690:29:54、ゲートがチューブ状の有機体を放出。有機体は収縮と拡張により、90秒間に渡ってゲートチャンバーを移動した後に息絶えた。遠隔解剖の結果によると、2メートルの体には豊富なエネルギーを含む炭水化物流体で満たされた脊椎腔が存在した。有機体の収縮運動によりこの流体が毛細血管網へと流れ、単純細胞が炭水化物をエネルギーに異化し、さらなる収縮のためのエネルギーを生み出している。熱と老廃物の蓄積によって代謝に必要な酵素が急速に変性し、有機体は死んだ。自己修復や繁殖の手段は存在していない。

8. それ以降ゲートは沈静化しているが、実験的に生成されたタンパク質と思われる小規模な分子放出は確認されている。月のヘルマウスで、遠隔ドローンがこれに類似した環境分子を検出しているが、その発生源については突き止められていない。別段の指示があるまでは、このまま隔離を継続する。

驚くべきはその学習能力と、驚異的な速度で複雑化していく合成能力および物質構成だ。これらの構造体に用いられている原子は純粋な同位体であり、劣化することはない。だがそれでも、これらが生まれたばかりのものだと思うと良い気分はしない。

9. 探査機およびその他の機器を3つ目のゲートに送り込んだが、それらが戻ることはなかった。機器は即座に破壊されたようだ。武器や何かしらの対抗策を講じられたわけではなく、ゲートの向こうでは存在する能力そのものに支障が出たと思われる。だが向こう側にも何かしらの存在があるのは確かだ。そしてそれらは、こちら側の物理法則を第一原則から学ぼうとしている。願わくば、これ以上は何も生み出さないでほしい。

取扱注意! – 以上リーフデータ通信の傍受内容 – 取扱注意!

参照: レポート#3209-3211-LUNA-HEL

メッセージ終了

偽装

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:014-CRYPT-540
エージェント:CHA-319
件名:シミズの最新論文

1. 大人気の陰謀論者がまた論文を発表するようだ。彼の最新論文から一部を抜粋する。不完全なもので申し訳ないが、嵐のなかで500メートルの距離から高解像度のOCR処理を施すのがどれだけ大変か、実際に経験してみてほしい。

2. …シティのISR(情報・監視・偵察)ネットワークがレッドリージョン艦隊の接近を察知できなかった件については、未だに大きな疑問として残っている。

レッドリージョンの軍事力が我々のそれを大きく凌駕していたことは、今や広く認識されている。ガウルの作戦はトラベラーの隔離およびオールマイティの砲撃位置への移動後に続く抵抗に十分な策を講じていなかったが、あの先手の打ち方は過去の将軍たちも妬むほどの見事な奇襲だった。サイオン電子戦ユニットによってシティのセンサーは無力化され、衛星による早期警報システムも押さえ込まれていた(最後の最後までフェイルセーフ信号を維持する徹底ぶりだ)。エルダーズ・プリズンでの見事な偽装プログラムと、近光速投射物による重要センサーへの攻撃が合わさり、リーフは同時攻撃を感知できなかった。

だがレッドリージョンは散らばっているデッドオービット艦隊の目をどうやって逃れたのだろうか?アラーハが戦いで貴重な船を失うことを恐れ情報を隠匿した、と考えるのは政治的に賢明とは言えない。なにより、彼らの艦隊は以降の反撃とシティの再興において計り知れないほどの貢献を果たしている。ましてや、フューチャーウォー・カルトがシティの一時的な占領を政治的に利用できると考えた(表現を少し和らげるなら、望ましい未来に進むために必要なステップと見た)、などと言う考えは尚のこと扇動的といえる。

だがこの疑問を無視することはできない。預言(および敵から入手した情報)によってオリックスのことを予見していたガーディアンが、なぜレッドリージョンの攻撃を予期し対策をうてなかったのか?カバルの本質にはより現実的な、故に予測できない何かがあるのだろうか?彼らはハイヴよりも優れた情報セキュリティを有しているのか? しかし宿られし軍との戦い後に傍受したカバルの救難信号を考慮すると、とてもそうとは思えない。

未だその存在を知られていない何者かが、ガウルの接近を我々から隠していたのだろうか?何者かがガウルと共通の目的を持っていたとしたら——それはガーディアンの打倒かもしれないし、トラベラーの奪取かもしれない。あるいは我々が「光」と呼ぶ能力を力尽くで奪うことだろうか?

仮にそのような存在がいるとして、それほどの能力を有しているのだとしたら、どうやってこれまでその存在を我々から隠してきたというのか。

3. リークがあったなどとは言わない。ハサンは本物以上に本物らしかった。彼が死んだ時には、我々の仲間として生き返ることを願う。

4. いつも通り後悔の念はあるが、彼から提出のあったものについては、正式な公表を拒否し続けるようクリプトアーキに推奨しておく。反対意見のある者は、声をあげてくれ。

メッセージ終了

偽造

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:198-VESTA-DC
エージェント:FEN-092
件名:Re: 偽造の可能性

1. 周知のように、不明の送信者がVIP #2014宛てに6通のメッセージを送信した。公文書はグリマーを通して送信され、55-30ユニットフレームでさえも容易く解読できるような単純な暗号方式を使用していた。#2014のゴーストは直ちにこれらのメッセージに気付き、密かにIKO-006に転送された後、我々にも共有された。参照: 完全な記録についてはレポート#167-173-VESTA-DCを確認

2. メッセージ内で送信者はERI-223であると称し、自身が旧ロシアのサンクトペテルブルグ出身の人間の女性であると詳述してあった。ERI-223を実際に知る者にとってこれは納得できるものではなかった。これは単に、彼女に近しい者たちの中に、彼女がガーディアンになる前の出自を把握していることを知っていた、あるいはそう思っていた者がいなかったというだけでなく、彼女自身が未だに現場で活動しており、そのようなメッセージは送信していないと個人的に否定したためだ。それはそれとして、疑わしい引き合いに対する我々の厳格な姿勢に従い、本エージェントは確たる証拠の追跡を目的として派遣された。

3. 最後の都市にて発見された一般市民の家族アルバム、歴史的資料、および現存するゴーストの記録より回収された写真と映像の証拠を提出する。これがERI-223だ。最後の都市の一般市民であった両親のもとに生まれ、人間とガーディアンが共存する環境で育った。そして、これが幼い頃のVIP #1786だ。この微笑みを見ると、ERI-223以上に信じがたいな。写真の原本のデータファイルは存在しないが、炭素年代測定によると一番古い記録は300年以上前のものであることは分かっている。これは同時期に存在していた有志のゴーストより提供された記録日時と一致する。ERI-223と思われる子供が実際にERI-223であるかどうかについては、このレポートに添付されている2つめの圧縮フォルダの二重盲検法を参照すること。

4. 6通のメッセージに見られるその他特徴については、AI-COM/RSPNおよびAI-COM/XBLKとの協議の結果、両者ともメデューサと呼ばれる人工知能の形跡はないという結論に至った。そのような人工知能の存在を否定するまでには至らないが、誰かが我々のかつての仲間を装ったということは、同じように異なる人物が人工知能を発明したという可能性はある。引き続き相反する証拠がないか記録を調査する。

5. 多くの閲覧者と同じように、本エージェントは送信者の身元の特定について強く主張するが、それは本レポートで取り扱う事項の範囲外となる。参照: レポート#024-VESTA-DC、025-VESTA-DC、#026-VESTA-DC、#086-VESTA-DC、#001-034-HIVE-SAV、および#001-005-HIVE-DUL

6. #2014の我々の防衛への貢献の重要性と、ここ最近のアウォークンの王子の陥落を受け、本エージェントは悪意をもった何者かが、信頼できる仲間を利用して#2014を動揺させ混乱を招こうとしているのではないかと危惧している。#2014のゴーストがメッセージ内で幻覚について触れている箇所もわずかながらに存在する。その報告の裏付け、あるいは追加で協議を行うために、我々から手は差し伸べられたのだろうか?

メッセージ終了

無抵抗

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:059-CABAL-LEV
エージェント:TRU-135
件名:現場報告

1. リヴァイアサンの侵略場所にて引き続き実弾射撃訓練が実施されている。他のレイドクラス任務は、VIP #3801の手によるVIP #4044への不正介入以来、記録されていない。本エージェントは未だにバンガードに対して、ならず者たちが敵の重要標的を援助するのを防止するより強硬な対策を取るべきだと主張している。特に#3801は用心深く、一方で我々の戦士たちは考えなしに無償の贈り物に食いつく傾向にあるからだ。#4044は、#3801の破滅に利用された可能性もある。我々は介入するべきではなかったのだ。

2. 上記に関連するが、#3801の過激なプロパガンダ運動は成功しているようだ。#3801の最近の大人しさとは裏腹に、過去数ヶ月にわたりタワーで定期的に行われた調査によると、カバル対戦の兵士の大半は彼を潜在的な味方だと見做しているようだ。我々とカバルとの間にあった過去の出来事や、カバル対戦そのものを考えると、この事態は衝撃的であり、集団的なトラウマ性の依存とも言える。

過去のレポートでも何度も提言しているとおり、#3801がガーディアンをシティに呼び込み彼の側につく前に、バンガードに対して再教育プログラムを実施することを強く推奨する。

3. ネッススは引き続き安定した状態を維持している。おそらくベックスの機械化の影響と思われる。

4. アウォークンの艦隊は依然として威嚇行動を続けている。リヴァイアサンとは非敵対的な関係を維持している。

5. エージェントたちは継続してリヴァイアサンとの間のインバウンドおよびアウトバウンドトラフィックを注意深く監視している。非ガーディアンの輸送は未だに確認されていない。船は自己完結型の生態系で因果関係を超越した出口を持たない、あるいは、使用者が不可視の状態で出入り可能なスターゲートネットワークを内部に保有していることを示す付加証拠がさらに揃ったことになる。そのようなスターゲートはカバルの記録にはないため、前者のほうが説得力がある。

6. まとめると、特に新しい情報はない。しかし、本エージェントはこの不自然といえるほどの無抵抗に対して安心よりも不信感を覚え、バンガードの指揮官に対して今後は探索遠征を視野に入れるよう推奨する。

メッセージ終了

破片

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:12059-INCID-LUN
エージェント:FEN-092
件名:事件#12059に関する宣誓供述書

1. 先週、ヘルマウス外の隔離エリアの定常偵察のためIKO-006に派遣された。ハイヴの人口は月に定住した少数の手練のガーディアンらのおかげで依然として少なく、増加率も低い。

2. 昨夜19時頃、ひどい頭痛が生じたため、休むために偵察から中断した。少しだけ寝見るつもりで横になったが、そのまま深い眠りに落ちてしまい、11.5時間もの間、いくつもの鮮明な夢を見た。どの夢でも、人混みの中でエージェントERI-223に追いつこうとしていた。それぞれの夢の中での彼女との距離は20~200メートルと様々であったが、決まっていつも手の届かないところにいた。彼女と話さなければならない、そう直感した。

3. 目が覚めても頭痛は消えていなかった。アーマーを準備してビバークを出ると、静止した一体のスロールが近くにいるのに気付いた。近寄ると立ち上がったが、攻撃するような動きは見せなかった。1発撃つとすぐに死亡した。死体を調べるために近づいたところ、得体の知れない素材からできた黒い破片が胸の穴に埋め込まれているのに気がついた。破片はより大きな物体のかけらのようで、高利得光起電パネルと類似していた。

4. ゴーストを使って破片の素材分析を行ったが、性質や出所をはっきりと特定することはできなかった。分析結果は分析#1として本レポートに添付する。

5. ジャンプシップの検疫のため、破片の保存とトランスマットを行うようゴーストに要求した。だが、物体と光のリンクを確立することができなかった。ゴースト曰く、この破片は「掴みにくく」、持ち続けるのは「疲れる」らしい。

6. スナイパーライフルのバレルを利用して破片に干渉し、スロールの死体から抜き取ろうとした。ライフルをうまく動かし破片をひっくり返すと、色々な角度から観察した。もう一度精密スキャンをかけるようッゴーストに要求した。分析結果は分析#2として本レポートに添付する。

7. 素材は不活性で、複雑な装置や何らかのメカニズムの一部ではないと断定した。

8. この時点でプロトコルを破り、追加支援を要請しなかった。その代わりに、破片を手で拾ってしまったのだ。すると直ちに鮮明な幻覚が見えた。VIP #0704の肩越しに立ち、彼女がエージェントERI-223の太ももに7インチもの深手を負わせる光景を目にした。#0704およびERI-223のどちらもが戦闘用の装いに身を包んでいた。周囲の空中には謎の素材が何百も浮いており、付近にある出自やモデルが不明の船が破壊された残骸であることがわかった。ERI-223は私を直接見て「情けない」と言った。

9. およそ7秒に渡って幻覚を見ていた。幻覚が収まると、不思議と頭痛はなくなっていた。私と私のゴーストは、30分ほど同じ体勢のまま固まり、その後にスロールの死体と破片を輸送するため回収した。自分自身と貨物を隔離エリアまで運び、拘留中は特にそれ以上の精神的混乱は経験しなかった。

メッセージ終了

リース

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:045-VIP-1315
エージェント:IKO-006
件名:別館内のリースされたスペース

1. 数ヶ月にわたる交渉の結果、バンガードはVIP #1315に対して新しいタワーの別館にある未使用の倉庫スペースを正式にリースする許可を与えることに同意した。これは彼からではなく、バンガードからの提案だった。#1315にさらにスペースを与えることによる潜在的な社会的リスクを危惧する懐疑主義者は多いが、私たちとしては、たとえそれでモラルやタワーの文化が乱されたとしても、短期的かつ最小限の影響に留まると見込んでいる。また、タワーやシティの住民に対して、現状では差し迫って危険を及ぼす存在ではないと感じる。#1315のギャンビットの長期的戦略価値の評価については、引き続きシャックス卿と協力して進める。
この判断は、#1315の過去と素行を個人的に調査している特定のエージェントからは反感を買うことになるのは承知している。

ただ、彼のタワー内での行動を監視するため、私個人も任務から離れ、彼が姿を現して以来、彼が以前に拠点としていた場所についても常に見張っていたということを理解してほしい。彼の存在は害よりも益を成すと信じている。それに加えタワーは、了見の狭さから生じる恐れや、反対意見を反射的に追放しようとする姿勢により長らく停滞している。私たちとは異なる哲学を持つものに対しては、鋭く見定める必要はあるが、それと同時にそれらの哲学に耳を傾ける努力も必要となる。

追記: プラクシックオーダーの構成員で憂慮している者がいる場合は、バンガードはあらゆる行動に対して管轄権を保持しており、考えの異なる哲学者を追放することはならず者のオペレーターを追放することとは似て非なるものであることを今一度思い起こしてほしい。

メッセージ終了

ポテンシャル

アクセス: 機密
解読キー: 73XK5V2PG1$AUN-326
レポート#:053-VIP-1315
エージェント:AUN-326
件名:心理的評価

1. 本データは1315-HOME2の監視機器から取得したものである。

2. 過去の報告では、#1315は何らかの因果関係を超越した事柄を引き起こし、敵であるVIP #2015の蘇生を促したのではないかと記述した。この考えは、宿られし軍との戦いでガーディアン勢力がひとまとめに破壊したという、悪名高い「オリックスの反響」に類似する生物を発見したという報告を基にしたものであった(参照: ゴーストによるストリーム映像記録「黄昏の大聖堂ドレッドノート」)。

だが、これは間違っていることが証明された。プライムとレコニングで内密に活動している複数のゴーストのスペクトラル解析によると、「保管庫」の心臓部という不可能世界は未知の空間に存在していることが判明した。(参照: レポート#001-012-PARAC-NINE)また、これらプライミーバルは、低SNC、高環境ΛCDMと、元素組成が異なる。#1315は自身の「貯蔵機」をポテンシャルの塊のような動力源として利用しているようだ。つまりは、最も古くから存在している宿られし兵であるプライミーバルの亜空間から奪う必要もなくなったということだ。彼は「保管庫」のエネルギーと意志の力だけで、プライミーバルに似たものを作り上げることができる。#2015の存在から分かるとおり、これは偽りのものに過ぎない。プラクシックオーダーの部下によれば、オリックスの形は彼が想像できる中でも、最も恐ろしいハイヴの姿をしていたそうだ。彼は粘り強いが、それと同時に小心者でもある。

3. 因果関係を超越した力、あるいは存在の影響を調べるため、#1315を査定することを強く推奨する。彼に対するバンガードおよびプラクシックの共同調査以来、対象は。急速に不安定な状態にあると言える。ガーディアンたちと共にギャンビットとレコニングのドリルを稼働する以外は別館に引きこもったままだ。存命の復活した者の典型的な特徴として、長期的な孤独によるストレスの兆候は常に示している。これは自分自身、または彼自身の未だに姿を見せないゴーストとの長時間のまとまりのない会話からも明らかだ。しかし、彼の黙想は時間が経過するごとに支離滅裂になっている。彼は夜遅く、ガーディアンの仲間から離れた場所で、我々の監視機器が今までに観察したことのないような大声で叫ぶ。ガーディアンの誰もが言及したことのないような、遥か宇宙の彼方を旅したことなどを、自分自身に向けて話している。そして繰り返しにはなるが、長いこと別館に閉じこもっている。プラクシックの権限を逸脱しているという者もいるだろうが、被験者はいつでも自由に逃亡できる状態であるのだということを考慮すべきだ。

4. 私の調査結果を受けて、対象はシャックス卿への定期報告を止めた。双方にとっても望ましいことだろう。#1315は期間中にバンガードの法令は破っておらず、彼がギャンビットやレコニングを運営して以来、ガーディアンはの消失も発生していない。殺人や盗難を人々の間で焚き付けてはいるが、こちらが望んでいるような追放に値する行いは見せていない。バンガードは明らかに彼を必要としている。

5. 以下は証拠として残した彼の深夜の会話記録の抜粋である:

種別: プラクシック監視報告
対象者: 一[1]名。ガーディアン一[1]名、クラス: なし[u.1]
所属:ギャンビット、放浪者、別館
[u.1:01]今度はなんだ? 俺に何を言おうとしているんだ?
[ジェネレーターの機械音]
[u.1:02]光のない宇宙を見せてくれたじゃないか。闇に支配されていて。何を言い争っているんだ?トラベラーのドグマの揺るぎなさか?ハハハ。お前らには鋭すぎるな。

[u.1:03]いやいや、俺はそう思わないな。だって、その後にどの角度からも純粋な光が存在する、影のない現実を見せてくれたじゃないか。隠れられる場所なんかどこにもない。皆死なせてくれと懇願していた。暗黒時代のように。光は何かを授けてくれるわけじゃない、だがそんなことはとうに知っている。他には?
[金属音が反響する]
[u.1:04]そうだ。コインは嘘をつかないってことぐらい知っている。この世界で唯一信頼できるものだ。でも、あれだぜ?俺がコインをコントロールしてるんだ。自分の運命は自分で決める。俺以外の誰でもない、分かったか?幽霊に憑りつかれたヘタレ野郎どもめ。人の持ち物くらい丁寧に扱え。
[2回目の金属音]
[u.1:05]俺は何代にもわたってトラベラーのドグマを拒否してきたんだ。お前のも変わりはない。
[光を核とする放射によりフィードが歪み雑音が入る]
[u.1:06]俺の脳みそを茹でようとしても無駄だ。努力は認めるが、俺はもうそこにいる。
[光を核とする放射によりフィードが歪み、パチパチと音が鳴る]
[u.1:07]しかもオリンの手綱を握ったつもりか?残念ながら、俺のほうが彼女を良く知ってる。少しでも油断してみろ。あの子に生きたまま食われるだろうよ。ナインのステーキなんてものがあれば美味そうだな、全部寄せ集めてな。こんがり焼けるような火を起こしてさ。きっと壮観な眺めだろうな。何が俺たちを動かしてるのか見たかったのか?放浪者はお前らを止められるものを見たがるだろうな。
[光を核とする放射によりフィードが歪み、鈍い唸りが響く]
[u.1:08]そうだ、それが脅威なんだ。
[u.1:09]おーい?
[u.1:10]違う、お前じゃない。まだお前が必要なんだ。今週だ。仕事に戻れ。
[u.1:11]え? なんでもないよ…
[u.1:12]まだ腹が減ってるんだがな…

メッセージ終了