【追伸・見解】デジピーター局とI-GATE局の運用について  2011.02.24 - APRS

Last-modified: 2011-02-24 (木) 23:07:08

【追伸・見解】デジピーター局とI-GATE局の運用について  (初版)2011.02.21~(更新)2011.02.24

JN4OQT@広島県です。

このページでは先日DCN-Wikiにも掲載致しました『デジピーター局とI-GATE局の運用について』を
APRS-Networkの一部として I-Gate局やデジピーター局を運用・管理する者が
どうして、この問題に取り組まなければならないのか十二分に理解頂く為に記載しています。


昨今の日本APRS運用状況は国密度では約50%以上に達したと見ております。
しかし、一部地域では運用状態(設定間違い)が悪影響となり電波状トラフィックは200%にもなります。
現時点の問題は運用方法を改善する行いで解決可能な事柄です。

I-Gate局及びデジピーター局を管理運用されている方は、現状を実調査の上十分理解し、
今一度設定の確認と近隣各局と協議・協力体制を良好に構築し、適当な運用が行うよう
努力頂きます事をお願い申し上げます。




1.The new WIDEn-N PARADIGMが不適切となってしまった日本 (デジピータの運用について)

デジピーター機能を使用している設備を管理する者は、何故「WIDE2-1に反応させるな」という
案が提出される状況にあるか理解しましょう。
残念な事ですが、現状の「置局場所」「設定内容」では The new WIDEn-N PARADIGM で運用を続行するに
不適切な環境になりつつある事が現状です。

多くの I-Gateやデジピーターを運用中の局は 2008年~2009年の大流行時に運用開始されたはずですが、
その頃と現在では状態が異なり、日本国土の割合から見て設備が増え過ぎかつ密集し過ぎな
状態である事が要因で実用に問題が発生する結果となっています。
しかしながら、日本は島国で山有り海有りという地形から置局計画はとても難しい課題と言えます。
ソフトウェア設定で改善できる場合も幾らかありますが、
「The new WIDEn-N PARADIGM」の本質からすれば現時点の密集度では輻輳状態を容易に招き
RFトラフィックが使い物にならなくなる事が明らかです。

タイトルがやや衝撃的ですが、つまりそういう事です。


このようにソフトウェア設定で改善可能な部分はまだまだありますので、
その部分をI-Gate局やデジピーター局運用管理者の方には迅速に対応頂きたいという願いの発信です。


「WIDE2-1」へ反応させる事で現状日本では約200km以上の伝搬を行ってしまう地域があります。
これはAPRSの基本運用概念には反した形となってしまいます。
従来のパケット通信と違い、『ゾーン間通信をデジピーターで…。』『エリア間通信はインターネットを利用し…。』
というスタイルがAPRSではとられています。
(ゾーンやエリアという考え方そのものが分からない方は D-STARのサイトが分かり易いと思いますので、そちらで習熟下さい。)


大ブレイクした時期は、JE6VDB 原氏が九州ネットワーク構築に尽力され、
とても素晴らしい環境が最小のI-Gate局及びデジピーター局で構成されました。
しかし昨今に至っては、メーカー製 APRS対応無線機が続々と発売される中、
多くの既にAPRSを始めている方から新たに始めようとされる方にテクニカルサポートが
行われる事が少なくなっていると思われます。

「設定方法の指導」「地域毎の運用体制」が伝わらない状態が酷い現状も
協調が取れず環境悪化に繋がった要因と考えられます。

APRSは、そのシステムの特性上 一定の地域毎にRFトラフィック管理・制御を行う
エリアネットワーク管理者を立てる事が重要で、その管理者レベル間で
システムがより効率的に稼動するよう協議を行う必要があると思われます。


また、設定指導を受けれない方々がインターネットの情報を頼り、「OKwave」や「Yahoo!知恵袋」等の
「概要は人の噂で何となく知っているが詳しい事は知らない」という人が多く集まる場所で質問を出し、
2005年~2008年頃の古いブログやWebの設定記事を紹介され、その内容を鵜呑みにし
今では古く適用するならば間違った電波送出してしまい、
クレームが出ていても同じAPRS関係での横繋がりが無い事から気付かない。という方が増える
という現状が事の更なる運用環境悪化を助長していると認識しております。


デジピーター運用設備管理者として
設定ミス局を黙認する事は、それら運用局の行為を幇助していると迷惑を受けている局は判断します。
「しないで下さい」と幾ら言ってもキリが無い位、次々現れる新規参入局を排除する動きは
好ましくありませんが、常置設備の管理者は新人局に教育を施す事も趣味とは言えアマチュアの義務と思います。
教育を行う事が追い付かないのであれば、
多くの局に迷惑をかける可能性が高くなった古い設定や置局環境は見直すべきであり、
執着する必要は無いと考えます。

「WIDE2-1」に反応して多くのエリアに迷惑をかけるという現状を打開する為に
デジピーター局側で反応するデジパスを変更する事は重要な対策です。


JJ4RJE-3 デジピーターを例にしますと
運用開始時は以下デジパスに対応していましたが
「RELAY」「WIDE」「WIDE1-1」「WIDEn-N」「CGn-N」「JJ4RJE-3」
現時点では以下に変更されています。
「WIDE1-1」「HSn-N」「CGn-N」「JJ4RJE-3」

しかし、現状 APRS愛媛の超高標高山岳デジピーターに妨害とも言える悪質な運用を受けている為、
2011年夏までに改善が見られない場合は以下のように対応デジパスを変更予定です。
「HSn-N」「CGn-N」「JJ4RJE-3」


I-Gateやデジピーターの設備管理者が近隣管理者との協力体制を無視すれば、
移動局にとっての環境は悪化の一途を辿ります。


また6エリアの原氏も提唱されている 地域SSコードデジパスに対応する事で、インターネットが途絶し
I-Gate局が機能しなくなった場合もRFのみで都道府県規模による効率的なメッセージ交換が可能かもしれないという期待もあります。

「WIDEn-Nなら分かるがSSn-Nは分からない」や「それぞれの地域に行って設定を変えるのは面倒」等と
言ってしまうようなレベルの人は、APRSを運用するべきではないと思いますし、
「地域を移動してSSn-Nを変える事が分からない、その地域のSSコードが分からない」等という事も
SSコード一覧を印刷しておけばいいだけで、その設定変更も出来ない位忙しい人が
APRSを運用すべきではないと思います。

21世紀は「無知は罪」の時代なようですから、「知らない」「分からない」「初心者です」は通りません。
「分からないなら電波出さないで下さい(笑)」と野次られるのがヲチです。 (^^;



最低限、運用に必要なスキルは習得するように各局様にはお願いします。
そして、「I-Gate局」及び「デジピーター局」は「移動局や単体固定RFのみ運用局」等のAPRS局と比べ
3倍以上のスキルや計画能力が必要です。


デジピーター局自身が発するビーコンに汎用デジパス(WIDE1-1等)を設定している設備がある件についても
改善願う打診も行われましたが、四国・愛媛県 以外にもそのような地域があるという事で、
今一度APRS運用をしデジピーター等の広範囲に影響を及ぼす設備の管理者に該当する方の
知識向上に取り組む必要がある事が明確となりました。

KENWOOD社製 TM-D710やTH-D72等、日本でも販売中で入手可能な機器がある事と、
付随する解説やリアルタイムに変化する状況に対応する適切なマニュフェストが提言されない事も
今後増えるであろうユーザー及び設備等を予測するならば1つの解決すべき課題と言えます。


また、「誰でも思い立ったら出来る」「興味本位で中途半端な設定のまま運用を開始して良い」
という体制の見直しも、今後のハムフェアやハムイベント等で周知してゆく必要性があると思われます。

これは某所で行われるイベント内容の

  • デジピーター局設備の置局場所見学   (設備の物理的破損等の妨害行為を想定したKY)
  • デジピーター局遠隔操作実演   (天狗運用者の発生助長及び誤解釈運用者発生に関するKY)

という、危険性を伴う形で各一般運用者に謙って理解頂くのではなく、
実際運用・管理に携わる担当者間レベルで協議される事が好ましいと考えます。




2.I-GATE局からのサードパーティ送出について(INET to RF)

通称「インターネット to RF」と言われる、その地域に無いインターネット上のパケットを
RFへ送出する行為は『禁止』となっています。

本当に分かっている人が設定を行うならば、『禁止』と言わなくても良いのですが、
私に言わせてみれば、日本人は自分勝手過ぎるので、『禁止』と言わなければ
つまらない言い訳をしながら収集がつかない大ミスばかりを連発させる という事が現実です。

その良い例が『携帯電話』です。
飛行機や病院内、その他公共交通機関内、会議やミーティングホール、映画館。
何故電源を切れと言われるのか?
日本の携帯電話は進化しており、マナーモードでもバイブレーターすら動かない「サイレントモード」もある。
でも、それを上手く使いこなせない人が多く、その上、自分勝手な人が多い。

だから、いっその事「電源を切れ!」と言われるのです。

先日、地下鉄や航空機(離陸前)での携帯電話使用が解禁されました。
これは事の重大性が周知され、ある一定レベル以上の社会的モラルが保たれるよう、多くの人が常識を身につけたと言えます。
この事例と同様に、「分からないなら無線機の電源を切れ。電波を出すな」と言われぬよう。
必要最低限のスキルとモラルがAPRSでも確立し保たれる事を願っております。


APRSの本質からすれば、適切なビーコンはRFした方がコミュニケーション用途は広がります。
が、この事を履き違えて「コミュニケーションになる!」と言い訳をしながら、
自分の気に入った局の座標ビーコンをRFしてしまう局がいます。

断言しますが、
「ローカルに無い他エリア局の座標ビーコンをRFする事はコミュニケーションにはなりません!」

APRSにはメッセージでCQが出ていたりします。  しかし、それをRFしている局を見た事は殆どありません。
何故でしょう?
答えは簡単。他の位置情報を送出して仲のいい人に O2O2 GM! GA! GE! を送る事は出来るのですが、
それ以外の英語が得意でないからCQのメッセージをRFするという考えが涌かないのだと解析します。

CQを見ない無線運用のどこが面白いのでしょうか?
知っている人と繋がりを持っている感を感じたい。という傾向が強いのは
APRSを始めている人の多くがVoIPから流れてきた人なので、どうしても自分にとって仲のいい人としか
繋がりたくないという我侭な傾向が強く出てしまうのでしょうが、CQを出さなくなってはアマチュア無線の醍醐味が薄れてしまいます。

皆さんでAPRSメッセージでもCQを出していきましょう。(但し海外からメッセージが来るかもだけどね…笑)


APRS対応無線機にはデフォルトで「ALL」「CQ」「KWD」「QST」を宛先としたメッセージを
グループメッセージとして受信する機能があります。この機能は是非活用しましょう!

(最近の見解)
ALLはかなりパケットが流れる事があるので、インターネットtoRFにしない方が良いかもしれません。

広島の県北は運用局も少なく実験には最適な場所の為、何を INET to RF すれば有意義なのか検証しています。
今のところ、

グループメッセージCQKWDQSTJAPRSX
オブジェクトHFEST-*8J*
掲示板

をRFするようにしています。

RFする内容が近隣のI-Gate局と重複する場合は送出を自粛した方が良いが、
今後、日本語(ローマ字)でのCQによる交流を普及させる意味でも
「CQJP」とか「ALLJA」「JAALL」「ALLJP」等、簡単に入力出来る宛先で
日本国内APRS局がメッセージで交流出来る手段の模索が必要という点も提言していきたいと思っています。



ご不明な点がございましたら、jn4oqt@gmail.comへメールください。
提案・企画がある方も是非メールを下さい。




ページ作者: JN4OQT *1     


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