Mi-8 MTV-2 Magnificent Eight
概要
Mi-8はソビエト連邦のMIL設計局によって設計・製造が開始された中型汎用ヘリコプターで、試作機初飛行1961年、量産機実戦運用開始1967年な機種であるが、改良や近代化が継続され2021年現在でもロシアのカザンやウラン-ウデにある工場にて新造が行われており、輸出型のMi-17やMi-171、その他派生型を含めると総生産機数が12,000機以上あるいは17,000機以上のベストセラーヘリコプターとなっている。
ソ連軍やロシア軍、東欧諸国軍のほか、中東・アフリカ・南アジア・中南米などで幅広く採用されてきた。
兵員や資材・武器の輸送や偵察のみならず、機銃やロケット弾・爆弾で武装することもでき、一部のサブタイプは対戦車ミサイルの運用能力も持たされていた。ソ連のアフガニスタン侵攻のほか、さまざまな戦場に投入された実績がある。
また民間輸送機としての採用もある。
HipはNATOが付与したコードネームでソ連内での呼称ではない。
Mi-8をベースにして生み出された攻撃ヘリコプターがMi-24 Hind。
DCS向けモジュールのモデルとなっているMTV-2は1990年にカザン・ヘリコプター工場で開発された比較的新しいタイプで、強化されたターボシャフトエンジンや延長された胴体のほか、航法装置の近代化、防護板取り付け、スタブウイングに6箇所のハードポイント有りといった特徴がある。
スタブウイングにはガンポッド、ロケット弾ランチャー、無誘導爆弾を携行できるが、誘導兵器には対応していない。
日本語化
キーアサイン
Mi-8 MTV-2はクリッカブルコクピット実装のASMモジュールなので、エンジン始動や離陸準備など使用頻度が少なく、地上や巡航中にマウスを握って時間かけて操作してかまわない機能は無理にボタンを割り当てたりキーを覚えたりしなくても、コクピット内のスイッチの位置と意味を覚えたほうがやりやすい。
実機のサイクリックとコレクティブの握り手に備わってるボタンやスイッチはマウス操作できないので、実機に近い位置にあるスティックやスロットルのボタンを割り当てたりキー操作を覚える。
必須なもの
ヘリコプターのモジュールは固定翼機モジュールと異なり非常に不安定で、常に適切な中間値のサイクリック入力やラダーペダル入力を与え続けないとまともに飛ばないため、いくつかのアナログ軸入力は必須となる。
- ジョイスティック・ラダーペダル
- Axis Commands : アナログ軸
項目名 説明 デフォルト 補足 Flight Control Cyclic Pitch サイクリック ピッチ JOY_Y Flight Control Cyclic Roll サイクリック ロール JOY_X Flight Control Rudder ラダー
- Axis Commands : アナログ軸
優先度の高いもの
- コレクティブ(スロットル)・ラダーペダル
- Axis Commands : アナログ軸
項目名 説明 デフォルト 補足 Flight Control Collective コレクティブ JOY_Z Wheel Brake 車輪ブレーキ 実機ではサイクリックの向こう側レバー
- Axis Commands : アナログ軸
- キーボード(Stick項目を優先し、ほかは余裕があればジョイスティックやスロットルに割り当てる)
カテゴリ 項目名 説明 デフォルト 補足 Cyclic Stick
TrimmerTrimmer - Reset トリマーリセット LCtrl + T Cyclic Stick
TrimmerTrimmer Button トリマーボタン T Cyclic Stick
Armament SystemRelease weapons 兵装発射 Space Cyclic Stick
AutopilotTurn Off Autopilot Button オートパイロット停止 LWin + LShift + A Communications Communication menu 飛行場などとの通信 \
余裕があれば割り当てたいもの
- ジョイスティック・スロットル
- Axis Commands : アナログ軸
項目名 説明 デフォルト 補足 Zoom View 視野ズーム
- Axis Commands : アナログ軸
- キーボード(余裕があればジョイスティックやスロットルに割り当てる)
カテゴリ 項目名 説明 デフォルト 補足 Kneeboard Kneeboard glance view ニーボードを出す K Kneeboard Kneeboard Next Page ニーボードの次ページ ] Kneeboard Kneeboard Previous Page ニーボードの前ページ [ Systems Cockpit Door コックピットドア開閉 RCtrl + C Systems Open/Close Cargo Door 尾部貨物室ドア開閉 LAlt + LCtrl + C Systems Open/Close Left Blister 左窓開閉 LCtrl + C Systems Open/Close Left Door 兵員室左ドア開閉 LCtrl + LShift + C Systems Open/Close Right Blister 右窓開閉 LShift + C View View Center 視線を前方中央へ Num5
オプションSPECIAL設定
オプション設定のSPECIALタブに固有のものが多い。
- Control Helper
- 左上にコレクティブ・サイクリック・ペダルの現在入力値やAI操縦値のヘルパーを表示する。
- Rudder Trimmer
- ラダートリムを自動補正する(あまり効かない?)
- Autopilot Adjustment
- オートパイロット調節
- Trimmer Mode
- トリマー動作選択。
- Gun Camera Mode
- ガンカメラ動作選択
- Max FOV Adjustment
- 最大FOV値
- Customized Cockpit
- Defaultでキリル文字ロシア語コクピット内装、Chineseで中国語コクピット内装、Englishで英語コクピット内装。Dirty Glassでは汚れた窓。
- Cockpit Camera Shake
- コクピットカメラのぶれ具合
- Collective Move Threshold for Altitude Hold Reset
- 高度維持オートパイロットが切れるコレクティブ移動率。
- Collective Brake Mode
- コレクティブのブレーキモード。
レイアウト
Mi-8のコクピットは機長と副操縦士が左右に並んで座る並列複座で、左席に機長、右席に副操縦士が座る。
戦闘機や戦闘ヘリコプターであれば広く良好な視界を得るために前方や左右のみならず上方まですべて窓(透明キャノピー)になっており操作パネルが肘の高さ以下にまとめられているのと異なり、輸送を主用途とする汎用ヘリコプターの本機コクピットは天井にも各種スイッチや表示ランプが並ぶオーバーヘッドコンソールとなっている。
操縦のための基本的な計器は機長席にも副操縦士席にも備わっているが、特定の計器や警告灯には片側にしか無いものもある。
- 左横コンソール
- 左前パネル
- 機内通話器SPU-7機長用
- 燃料シャットオフレバー(カットオフスイッチ)
- 機長用照準器PKV
- 左オーバーヘッドコンソール
- 左サーキットブレーカー(CB)コンソール
- 中央オーバーヘッドコンソール
- 右サーキットブレーカー(CB)コンソール
- 右オーバーヘッドコンソール
- 機内通話器SPU-7副操縦士用
- 右前パネル
- 右横コンソール
- 右後コンソール
- 副操縦士用兵装管理パネル
- 外部温度計
- 扇風機
- 左計器盤
- 右計器盤
- ЭСБР-3П/А (ESBR-3P/A) 電気投下制御器
- 中央コンソール
- ОПБ-1р (OPB-1R) 爆撃照準器 〈未実装〉
- 右補助パネル
- ローターブレーキレバー
- スロットルハンドル
- コレクティブ スティック
- アンチトルク ペダル
- ピトー管セレクタ
- サイクリック スティック
- G表示器
- 磁気コンパス КИ-13 (KI-13)
- 着陸・サーチ・タキシーライト操作 機長用
- УР-117М (UR-117M) エンジン圧縮率計(EPR)
- ИП-21 (IP-21) メインローターピッチ表示
- ИТЭ-2Т (ITE-2T) 2針式エンジン回転数計
- ИТЭ-1Т (ITE-1T) メインローター回転数計
- 電波高度計スイッチ
- УС-450К (US-450K) 対気速度計
- УВ-5M (UV-5M) 電波高度計
- ВД-10ВК (VD-10VK) 気圧高度計
- ОПБ-1Р (OPB-1R) 爆撃照準器進路表示灯
- АРК СВ-УКВ (ADF HF-VHF) スイッチ
- УГР-4УК (UGR-4UK) 方位ジャイロ
- АГБ-3К (AGB-3K) 姿勢儀
- ホバー&低速操縦インジケータ
- ВР-30МК (VR-30MK) 昇降計
- UV-26手動フレア放出スイッチ
- 警告灯
- ЭУП-53 (EUP-53) 旋回計
- "СЕТЬ ПИТ.ОТ АКК" ("BATTARY IN USE", バッテリー使用中)灯 (上) ・ "ОТАКАЗ 6201" ("6201 FAIL")灯 (下)
- 警告灯
- 2УТ-6К (2UT-6K) 排気温度計
- 警告灯
- ピトー管セレクタ
- УС-450К (US-450K) 対気速度計
- ВД-10ВК (VD-10VK) 気圧高度計
- АГБ-3К (AGB-3K) 姿勢儀
- УГР-4УК (UGR-4UK) 方位ジャイロ
- ВР-30МК (VR-30MK) 昇降計
- "ДИСС ОТКАЗАЛ" ドップラーシステム警告灯
- ИТЭ-1Т (ITE-1T) メインローター回転数計
- ИТЭ-2Т (ITE-2T) 2針式エンジン回転数計
- 着陸・サーチライト操作 副操縦士用
- ТВ-1 (TV-1) キャビン温度計
- ДИСС-15 (DISS-15) ドップラーシステム座標インジケータ
- ДИСС-15 (DISS-15) ドップラーシステム対地速度・横滑りインジケータ
- БЭ-09К (BE-09K) 燃料計
- 燃料残 (270 L) 警告灯
- П-8УК (P-8UK) 燃料計スイッチ
- АЧС-1 (AChS-1) 時計
始動
始動手順
エンジン始動前
順番 | 日本読み | 英語読み | 動作 |
1 | パーキングブレーキ | PARKING BRAKE | ON |
2 | ローターブレーキ | ROTOR BRAKE HANDLE | DOWN |
3 | 左右エンジン | L+R ENGINES | MIDDLE(中立) |
4 | スロットル | THROTTLE | IDLE |
5 | バッテリー 1+2番 | BATTEERY 1+2 | ON |
6 | 36V+115V インバータ | INVERTER 36V+115V | AUTO(下) |
7 | サーキットブレーカー 4-8番,9番防塵 | C/B GROUP NR 4-8 NR 9 CTRL+ANTI-DUST | ON |
※1 | 着氷防止・灯油加温 | RIP-3/COMB HEAT | 外気温が5℃以下の場合に使用する 但しエンジン始動後につける |
アンチアイス オフ | ICE DET | ||
ローター先端灯 | BLADE TIP | any | |
8 | 左右燃料遮断 | L+R SHUT-OFF | OPEN |
9 | 燃料タンク | FEED TANK PUMP | ON |
10 | 火災警報テスト消灯 | FIRE DETECTOR TEST | EXTING(上) |
11 | APU始動方法 | APU START MODE | START(上) |
12 | APU始動 | APU START BUTTON | PUSH |
13 | 油圧 | MAIN HYDRAULIC | ON |
エンジンスタートと設定
順番 | 日本読み | 英語読み | 動作 |
14 | エンジン指導方法 | ENGINE START MODE | START(上) |
15 | 始動エンジン選択 | ENGINE SELECTOR | LEFT |
16 | エンジンスタート | ENGINE START BUTTON | PUSH |
17 | パイロット頭上赤いレバー | L ENGINE STOP LEVER | RELEASE |
18 | 始動エンジン選択 | ENGINE SELECTOR | RIGHT |
19 | エンジンスタート | ENGINE START BUTTON | PUSH |
20 | パイロット頭上赤いレバー | LR ENGINE STOP LEVER | RELEASE |
21 | STBY GEN | ON | |
22 | スロットル | THROTTLE | MAX |
23 | レーダー高度計 | RDR ALT | ON |
24 | ジャイロ補正 | VK-53 (GYRO CUT OUT) | ON |
テールローターリミットシステム | SPUU-52 (PITCH LIM SYS) | ON | |
25 | 左右姿勢指示器 | L+R ATT INDICATOR | ON |
26 | ドップラー計測器 | DOPPLER NAVIGATOR | ON |
HF無線機 | JADRO 1A (COMM RADIO) | ON | |
コンパス | COMP SYS | ON | |
ナビバックライト(光度変更はコパイ後ろ) | 5.5V LIGHTS | ON | |
27 | 左右燃料ポンプ | L+R TANK PUMP | ON |
28 | ジェネレータ 1+2番 | GENERATOR 1+2 | ON |
29 | 整流器 1+2+3番 | RECTIFIER 1+2+3 | ON |
30 | STBY GEN | OFF | |
31 | APU停止 | APU STOP | PUSH |
32 | APU始動方法 | APU START MODE | CRANK(中央) |
33 | 警告読上 | RI-65 (AUDIO WARN) | ON |
34 | 姿勢指示器リセット | ADI RESET | PUSH |
35 | 自動操縦 | AUTO PILOT BANK+PITCH | ON |
36 | 左右エンジン防塵 | L + R ENGINE DUST PROTECTION | ON |
注意点
- エンジン始動前にパーキングブレーキを掛けないと、始動後にグルグル旋回し始めます。
- エンジン始動前にローターブレーキを解除しないと、ローターが回らずエンジンの始動ができません。
- エンジンストップレバーを解除しないと、エンジン回転数が25%以上回らず始動を諦めます。
対空
飛行速度も遅く機動性もよくなく、対空ミサイルを運用できないMi-8 MTV-2で対空戦闘を行うのは現実的ではないが。
もしも相手がMi-8よりさらに鈍重な輸送ヘリコプターであれば、UPK-23ガンポッドやHE弾頭のロケット弾で撃墜できなくはないかも。
対抗手段の使い方
対地
武装一覧
- B-8V20-A 80mm無誘導ロケット弾S-8
80mm無誘導ロケット弾S-8を20発装填したランチャーがБ-8В20-А。
4種類の弾頭が用意されている。- S-8KOM HEAT/AP 対装甲車両
- S-8OFP2 HE/Frag/AP 対ソフトスキン
- S-8OM 照明弾
- S-8TsM 発煙弾
- FAB-100/250/500 無誘導汎用爆弾
100/250/500kgの無誘導汎用爆弾。
実機では無誘導爆弾用の照準器が副操縦士席右前窓そばにあり副操縦士が爆弾の投下を行うようだが、本モジュールでは照準器未実装なため実機に即した爆弾投下操作を行って命中を狙うことができないようだ。
- SAB-100 照明弾
投下されるとパラシュートを開きゆっくりと降下しながら夜間の地上を照らす100kg照明弾。
- GUV-8700 ガンポッド
ГУВ-8700は中身を2種類から選択可能なガンポッド。- 9-A-800 30mmグレネードランチャー
- 9-A-624/622 12.7mm機銃1門と7.62mmガトリング2門の計3門
- UPK-23-250 23mmガンポッド
УКП-23-250はGSh-23L 2砲身23mm機関砲のガンポッド。
- KORD 12.7mm機関銃
左側面の貨物室ドア位置にKORD機関銃を据え付けて左下方への機銃掃射を行える。
- PKT 7.62mm機関銃
貨物室の右後方カドにPKT機関銃を据え付けて右下後方への機銃掃射を行える。