コックピット/CDU

Last-modified: 2012-06-08 (金) 20:30:23

コントロール・ディスプレイ・ユニット(CDU)

右コンソールのAAP上部に位置するCDUは、パイロットとEGI航法システム間のインターフェースとして情報と操作を提供する。CDUはディスプレイ、行選択キー(LSK)、6つの機能選択キー(FSK)、英数字キーパッド、そしていくつかのロッカースイッチとボタンで構成されている。

CDU.JPG
  1. CDUディスプレイ
    このディスプレイは1行24文字の10行表示になっている。1行目にはページラベル、アクティブフライトプランとステアポイント、DTSASとEGIモード、そしてFigure of Merit(FOM)が表示される。2行目には主要な告知が表示され、3行目から9行目までは行選択キー(LSK)と共に使用される。10行目の左側のスクラッチパッドには最大24文字まで入力でき、一度に14文字が表示される。
     
    これらの行はL(左)/R(右)と1から10の数字で区別され、この章で行表記として使用される。CDUの情報はCDUディスプレイに加え、MFCD CDUリピーターページにも表示される。
     
  2. Line Select Keys 行選択キー(LSK)
    LSK.JPG
    左右の画面端に沿って8つのキーが配置されている(左右各4つ)。これらを押すことで各ページにおいてデータの入力・選択を行うことができる。有効なLSKの隣にはシンボルが表示され、これらのシンボルには以下の5つがある。
    • ←→ 分岐
      左右どちらかの矢印が表示され、このシンボルのLSKを押すことでそれぞれのCDUページへ移動する。
    • ± 増加/減少
      このシンボル(プラスマイナス)が表示されている場合、+/-ロッカースイッチを使用しデータを切り替えることが可能になる。また別の方法として、スクラッチパッドにキーパッドを使用してデータを入力し、このシンボルが付いたLSKを押すことで適用することもできる。
    • rotary.JPGロータリー
      このタイプは予め決められた順番で一連の値/設定を順に切り替える事ができる。ロータリーLSKを押すたびに次の設定に切り替わる。
    • [] データ入力
      この“[ ]”タイプはスクラッチパッドに入力した英数字や数列データをシステムに登録することができる。入力したデータが有効である場合には登録時にスクラッチパッドがクリアされるが、もしデータが無効である場合はスクラッチパッドにエラーメッセージが表示される。
    • systemaction.JPGシステムアクション
      このシンボルが表示されている場合、関連するLSKを押すことで表示された機能や動作を実行する。
       
  3. DIM/BRTロッカー
    DIM/BRTロッカーはCDUディスプレイの明るさの調節に使用する。(未機能?)
     
  4. キーボード
    このキーボードには数字、文字、小数点、そしてスラッシュキーが含まれる。タイプした文字はスクラッチパッドに入力され、LSKを使用することでシステムに入力される。
     
  5. +/-ロッカー
    このロッカーは"±"シンボルと共に表示されたウェイポイント、マークポイント、データのいずれかを増減させる為に使用する。
     
  6. Fault Acknowledge 故障確認(FA)ボタン
    FAボタンを使用することで特定の故障表示やステータス告知を消去し、システムに確認されたことを知らせる。
     
  7. CLRボタン
    CLRボタンはスクラッチパッドの入力を消去する為に使用する。CDUのエラーメッセージはこのボタンを押すことで消去できる。
     
  8. SPCボタン
    SPCボタンを使用することでスクラッチパッドの入力データにスペースを挿入できる。
     
  9. ブランクロッカー
    この無地のロッカーは、ANCHOR、STRINFO、WAYPT、WP INFO、FPBUILD、OFFSETページにおいて、CDUデータベース内の識別名をスクラッチパッドに順に入力・表示する為に使用される。
     
  10. BCKボタン
    このBCKボタンによってスクラッチパッドのカーソルから左へ文字を消去する事ができる。このボタンを押し続けるか、繰り返し押すことで複数の文字を消去できる。
     
  11. MKボタン
    MKボタンはオーバヘッド・マークポイントの作成やオーバーヘッドの更新に使用される。
     
  12. ページ(P/G)ロッカースイッチ
    このスイッチによってサブページを持つ幾つかのCDUページ(1 of 2、2 of 2など)を、前後に切り替える事ができる。
     
  13. Function Select Keys 機能選択キー(FSK)
    CDUディスプレイの下に位置するこのFSKは、AAPページ選択スイッチがOTHERポジションである場合に、表示するCDUページを選択する為に使用する。
    • SYS System (SYS)ページを表示する。
    • NAV Navigation (NAV)ページを表示する。
    • WP Waypoint Menu (WP MENU)ページを表示する。
    • OSET OFFSETページを表示する。
    • FPM Flight Plan Menu (FPMENU)ページを表示する。
    • PREV 前のページに戻る。

行の共通表示項目

全CDUページの1行目と2行目には共通要素が表示される。

 

1行目

  • 点滅するアスタリスクはDTSのアップロード、ダウンロード状態を示す。
  • ページタイトル
  • アクティブ・プライトプラン・フィールド(AAP STEER PTがFLT PLNでない場合は表示無し)
  • 現在のステアポイントナンバー(左詰め)
  • DTSAS Figure of Merit (FOM)、Digital Terrain System Application Software デジタル地形システムアプリ(DTSAS)はデジタルの標高データベースで構成されている。DTSASは地面衝突や障害物の警告を可能にする。FOMの値はDTSASデータの正確性を示す。
  • EGI航法ソリューションモードとFigure of Merit (FOM)
     
     

2行目
2行目は通常、CDUシステム告知の為に空白になっている。表示されるメッセージには以下のものがある。

 
  • STANDBY CDUが最初の有効な初期位置を検出するまで表示される。
     
  • EGI NOT RDY AAPのEGIスイッチがOFFの場合は常に表示される。このメッセージはスイッチをONにするか、CDUのFAキーを押すことで消去される。
     
  • DTC UPLOAD COMPLETE DTSからのデータアップロード完了。これはIFFCCスイッチが有効にされてから(TESTかONのどちらか)、おおよそ30秒ほどで表示され、データ転送カートリッジからのデータ転送終了を示す。
     
  • HUD NOT RDY HUDが未作動。通例、AHCPのIFFCCスイッチがOFFになっている場合に表示される。このメッセージはIFFCCスイッチをTESTかONのポジションにするか、CDUのFAキーで消去できる。
     
  • INS NAV RDY 点灯表示は低下したEGI INS航法能力が利用可能であることを示し、点滅表示は完全なEGI INS航法能力が利用可能であることを示す。この表示はALIGNページのNAVを選択することでのみ消去することができる。
     
  • MARK(A-Z) マークポイントが作成・保存されたことを示す。このメッセージは30秒後に自動的に消えるが、FAキーを押して消去することもできる。
     
  • CADC FAIL Central Air Data Computer (CADC)が故障し動作不能の場合。
     
  • DTS FAIL Data Transfer System (DTS)が故障し動作不能の場合。
     
  • EGI FAIL Embedded GPS INS (EGI)システムが故障し動作不能の場合。
     
  • GPS FAIL Global Positioning System (GPS)ナビゲーションが故障し動作不能の場合。
     
  • HARS FAIL Heading Attitude Reference System (HARS)が故障し動作不能の場合。
     
  • INS FAIL Inertial Navigation System (INS)が故障し動作不能の場合。
     
  • INS FLT INST FAIL INSシステムからデータを提供される飛行計器(ADIとHSI)が、信頼性の高いデータを得られなくなった場合。
     
  • CADC NOT RDY Central Air Data Computer (CADC)が通信バスと通信していない場合。
     
  • DOWNLOAD COMPLETE データ転送カートリッジからシミュレートされたデータ転送の完了。これはDTS (DTSDNLDページ)から新しいデータが読み込まれるたびに表示される。
     
  • DOWNLOAD FAILED データ転送カートリッジからのデータ転送が失敗したか不完全な場合に表示される。これはDTSが既に故障状態である場合に最もよく発生する。
     
  • IFFCC NOT READY IFFCCが通信バスを介して通信できない場合に表示される。これはIFFCCスイッチがOFFの場合に最もよく発生する。
     
  • DTSAS OFF MAP 機体の現在地が読み込まれたデジタルマップから外れている場合に表示される。デフォルトマップサイズは150km。
     
  • GPS KEY ERASED GPSキーが消去された場合にこのメッセージが表示される。
     
  • GPS NEEDS KEYS GPSキーが抹消されキーが必要とされている時に表示される。
     
  • WARM START CDUが3秒以下の電源障害を受けた場合。
 

スクラッチパッド
10行目に表示される。CDUキーパッドによって最大24文字まで入力でき、一度に14文字表示される。

ウェイポイントID検索機能

ウェイポイント検索機能を使用することで、目的のウェイポイント識別名を素早く検索する事ができる。これは以下のCDUページで自動的に有効になる。

  • STRINFO
  • WP INFO
  • WAYPT
  • ANCHOR
  • OFFSET
  • FPBUILD

スクラッチパッドに文字(A~Z)を入力し、そして英数字(A~Z、0~9)を入力することで、これらの二文字から始まる識別名を持つウェイポイントが、ウェイポイントデータベースから自動的に検索される。

  • 検索実行中はスクラッチパッドからカーソルが消える。
     
  • 入力した文字から始まるウェイポイントID名が見つからない場合には、入力した文字がそのまま表示される。カーソルは検索が完了すると3文字目(空白)の位置に戻される。
     
  • 入力した文字で始まるウェイポイントID名が見つかった場合には、最も適したウェイポイントID名(英数字順)がスクラッチパッドに表示される(カーソルは3文字目に重なって戻る)。もしこれが目的のウェイポイントならば適切なLSKを押すことで選択できる。
     
  • スクラッチパッドに表示されたウェイポイントID名が目的のものでない場合、二つの選択方法が利用できる。
    • 三文字目を入力しもう一度検索を行う。
    • ブランクロッカーを使用し、目的のアンカーポイントが見つかるまでウェイポイントIDデータベースを、いずれかの方向へ英数字順に切り替える。

初期化と調整

CDUとEGIは電源投入後に自動的に初期化し、その後に調整を行う。EGIは初期化中に、ミッションエディタでミッションプランの為に作成されたミッションファイルからデータを読み込む。そして機体の現在地(ウェイポイント0)へ自動的に調整する。CDUには起動時にCDU STARTUP BIT TESTページが初めに表示され、CDU STARTUP BIT TESTの正常終了後にALIGNページが表示される。
CDUBIT.JPG
調整が完了するとNAVページのALIGNサブページからNAVを選択する必要がある。

CDU各ページ

CDUの各ページの詳細は以下のリンク先にそれぞれ記載しています。

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