Mirage of Mind

長い長いまどろみの 時が動き出す
ゆらり二人潤んだ目と 声が呼び覚ます
「夢は夢で過ぎたことでしょう？」
「大切なものは ここにあるものだけでしょう？」

見慣れた場所と世界の中で
無くしたのは どんなものだろう
胸に刺さる 何処かの記憶が
舌に溶けて 渦巻くの
閉じ込めた 言葉では 伝えられなくて

「大切なものはもう ここにあるものだけでしょう ほら…」
飲み込まれそうな心の中で
見つけたのは 夢か現か
背中あわせの 鏡のように
交わることのないもの

涙ながら 崩れ落ちていく
影の先は 同じ面影
曖昧なまま過ごした先は
救いのない 悲劇かな
戻れない ときの中 身を任せたまま
かすれゆく この声が 届きますように