電話回線

Last-modified: 2009-12-18 (金) 02:58:06

電話回線には、大きく分けてアナログ回線(ダイヤル回線・プッシュ回線)・デジタル回線(ISDN)・ADSL回線・光ファイバー回線が在ります。

アナログ回線

アナログ(和訳で類似・相似の意味) 回線は、黒電話誕生の頃からある電話回線です。銅線(メタル線、メタルケーブル、メタルなどと呼ばれる)を使用しており、アナログ信号を送る電気通信回線の事で、NTTと各家庭とをつなげています。

  • 通話試験

明治21年(1888)、東京~熱海間に電話線を架設して通話試験を行なったところ、良好な結果が得られ、これにより明治22年(1889)1月1日から1年間、東京~熱海間で一般公衆通話の取り扱いを試こ行することとなりました。これは電話創業に備えた遠距離通話の試験と世間の人々に対する電話知識の啓蒙のためでもありました。

アメリカのグラハム・ベルが電話を発明してから14年後の明治23年に東京-横浜での営業開始から徐々に全国に普及していった。東京は4月、横浜は6月に電話交換事務所が設置され、12月16日から交換業務が開始されました。新橋-横浜間に鉄道が開通してから18年後、日本の電話創業がはじまりました。この頃、浅草には1階と12階を電話でつないで通話体験ができる「陵雲閣」が建てられます。

  • 東京-横浜での営業開始より以前に電話導入していた?

鉱山や警察では優先的に早くから電話が導入されていました。
1883年(明治16年)に官営の鉱山、札幌-幌内に電話線が架設され、その後、明治19年に民間の鉱山、足尾銅山にも導入され、炭鉱内の見張り所、倶楽部、旅館、役員宅などに電話が設置されたそうです。
 当時の日本は、蒸気機関が動力の中心として発達していたため、炭鉱・鉱山が産業や国防の観点から重要視されていたためである。
 また、警察では、1881~1891年(明治14~24年)にかけて、北海道に多くの収治監が設けられ、囚人たちが鉱山・土木作業に従事していた。そのため囚人の護送・逃亡者の緊急手配を目的に、警察と監獄・囚人現場を結ぶために電話が発達しました。

ダイヤル回線

ダイヤル信号の種類で区別したときのアナログ電話回線の種別。「パルス回線」とも言う。発呼時のダイヤル番号の検出に,ダイヤル・パルス信号(DP,dial pulse)が発せられた回数を用いる。10回の場合に“0”を表す以外は,DPの回数分の数字に相当する。従来のダイヤル付きの電話機では,回されたダイヤルが元に戻るときにパルス信号を発生させる。ダイヤルの戻る速度によって,10pps(pulse per second)と20ppsの2つに分けられる。 回転式のダイヤルなどを用い、回線の断続で番号を表す方式です 。電話をかけたとき、呼び出し音が鳴る前に「カタカタカタ・・・」という音がします。黒電話に代表されるような回転式ダイヤルの電話機ではこの回線を利用しています。

プッシュ回線

アナログ電話回線の方式の一つであり、発信時の電話番号の伝達において、数字に対応した信号音(プッシュボタン信号,ピッポッパ音のダイヤル発信音)を発する。プッシュ式電話に使用されており、トーン回線ともいいます。プッシュ回線は音の高さで番号を発信し、数字によって音の高さが異なります。ダイヤル回線の回転式の電話に比べ操作が簡単で、早くつながる利点があり、その他短縮ダイヤルや伝言ダイヤルなどプッシュ回線専用のサービスが利用できます。

ISDN回線(デジタル)

ISDN(アイエスディーエヌ、 Integrated Services Digital Network, 総合ディジタル通信網サービス)は、交換機・中継回線・加入者線まで全てデジタル化された、パケット通信・回線交換データ通信にも利用できるデジタル回線網である。ISDNは、モデムで接続する既存の公衆交換電話網(PSTN)をデジタル化することで、高速で高品質な回線サービスを提供する。ITU-T(電気通信標準化部門)によって世界共通のIシリーズ規格として定められている。
音声は、0.3~3.4kHzを64kbpsの回線交換でISDN網内を伝送しているため、音声品質が安定している。
ISDNは、アナログ回線の時に使っていた銅線を利用したものです。NTTと家を結んでいる、既存の銅線を使うため、ISDNにするときでも、屋外工事は必要ありません。
アナログ回線は、音声が銅線を伝わって行ったわけですが、デジタル回線の場合は、音声が0と1というデジタル信号に変換され、0と1が銅線を伝わって行きます。
0と1に変換することで、音声がキレイに聞こえる・より多くの情報が送れるという2つのメリットがあります。

ADSL回線

ADSL(エーディーエスエル、Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)
は一般のアナログ回線を使用して、高速なデータ通信を一般家庭や小規模事業所などからブロードバンドインターネット接続される。電話の音声を伝えるのには使わない高い周波数帯を使って通信を行なうxDSL技術の一種で、一般のに使われている1対の電話線を使って通信する。
「非対称(asymmetric)」の名の通り、ユーザ側から見てダウンロード(下り)の通信速度は、1.5~約50Mbps、アップロード(上り)の通信速度は0.5~約12Mbpsと、通信方向によって最高速度が違っている。
ADSLが使っている周波数帯は電気信号の劣化が激しいため、ADSLを利用できるのは電話線の長さがおよそ6~7kmまでの電話回線に限られる。また、ADSLを利用できる電話回線でも、実際の通信速度は回線の距離や質に大きく影響される。
ADSLはxDSL技術の中で最初に実用化されたもので、既に一般家庭に広く普及している電話線を使うために手間がかからず、しかも一般家庭でも利用できる料金で高速なインターネット接続環境を提供できる技術として急速に普及した。
自宅に固定電話を持たない利用者も多く、音声通話との多重化をしない方式でも提供されるが、この場合も従来の音声通話用と同様の電話回線が利用される。音声信号と多重化するものをタイプ1、多重化しないものをタイプ2と言う。従来の公衆交換電話網を経由した従量制通信料金ではなく、月額定額料金で提供される場合がほとんどで、常時接続という利用形態が普及した。

光ファイバー回線

光ファイバーは、デジタル信号を「光」の点滅を利用して送っています。
アナログ回線やデジタル回線は、その電気が銅線を伝わって行くわけですが、光ファイバーは、ガラス線の中を光が走っていきます。
光の速度は、1秒間に30万km(約地球7周半)。その超高速さをインターネットに活用したのが、まさに光ファイバーです。
通信速度は、下り(ダウンロード)上り(アップロード)とも最大で100Mbps。
基地局からの距離、電磁波などの影響は一切なく、速度は安定しています。そのため、
大容量の動画を観る・音楽ダウンロード・3Dのオンラインゲームも快適に楽しむことができます。

IP電話

ADSL・光ファイバー回線のように、利用時間を気にせず使用できる定額料金制の常時接続型サービスの爆発的な普及に伴い、ブロードバンド環境はますます便利になっています。
IP電話は、このインターネット環境を利用した電話サービスです。
IP電話の仕組みはいたって簡単。インターネットでメールや画像を送るのと同じ
ように、インターネットを使って相互に音声を送り合い通話しています。
同社、提携グループ会社同士の通話料金は長距離・長時間であっても無料。一般電話への通話料金も全国一律
になっているのと、プロバイダへの申し込み費用はかかりますが、今までの電話機もそのまま使用できるなど、IP電話導入自体の費用は割安というメリットがあるため、利用者が増加しています。
デメリットとしては、110番・119番の緊急電話、フリーダイヤルなどNTTの付加サービスにかける事ができない場合(対応しているプロバイダもある)があるが、将来的には間違いなく解決されていく事といわれています。