FM24

• 第一次大戦において塹壕戦や要塞戦が常態化すると、その膠着状態を打破する新兵器が求められた。そこで生まれたのが一般的な兵士が携行し発砲しながら横隊を組んで前進するマーチングファイアであった。この新戦術に必要な新兵器として生まれたのがショーシャことmle1915であったが、これは量産性向上と軽量化のためにプレス加工を採用した結果第一次大戦で最も生産配備された軽機関銃となったものの、その信頼性や耐久性の低さから最悪の軽機関銃の汚名も同時に着ることとなった。またマーチングファイア自体もあまり有効な戦術とはみなされずすぐに廃れたが、歩兵が携行できる機関銃というコンセプトは受け入れられた。
  こうしてショーシャは各国の著名銃器開発者にインスピレーションを与え、各国の著名銃器開発者によってフェドロフM1916やブローニングオートマチックライフル(BAR)が誕生した。
• 第一次大戦末期にアメリカが参戦しフランスに加勢するも、アメリカ陸軍は新兵器であるBARがドイツに鹵獲されコピーされることを極度に恐れた。このため前線の兵士はショーシャを米陸軍規格のスプリングフィールド.30-06弾にリチェンバリングしたM1918ショーシャを配備され、これがさらにショーシャの悪評を加速させることとなった。
• 戦後ベルサイユ条約でドイツをほぼ骨抜きにするもフランスの負ったトラウマは根深く、消耗した戦力の立て直しと装備更新が喫緊の課題となった。中でもショーシャの後継開発は最優先の課題となった。
  ここで白羽の矢が立ったのがショーシャのコンセプトは受け継ぎながら、より高い信頼性を誇るBARであった。
• 動作機構はBARと同様ロングストロークガスピストン・ティルトボルトでオープンボルト動作する。セミオートとフルオートの切り替えスイッチはなくトリガーガード内に前後独立したトリガーを備える。これはイタリアのM38サブマシンガンなどでも見られる機構で、後に廃れたものの機械的信頼性は高かったとされる。
• 問題は使用弾薬で、ショーシャの8mm×50R ルベル弾は19世紀のボルトアクション銃の中でも最初期のM1886ルベル銃用に開発されたもので、巨大なリムのためにショーシャのマガジンは半円形になるほどであった。
  そこで新弾薬の開発が急務とされ、様々な弾薬が試作された、しかし寸法がドイツの7.92x58mmマウザー弾にどうしても近くなってしまい、比較的入手が容易であったことから混用して暴発事故が多発した。結局1929年に完全に互換性がなく誤挿入を防ぐ7.5x54mm弾が新たに開発され、この仕様に変更されたものをFM24/29として区別する。稼働状態のほとんどもこの改修を受けた。
• またマガジン挿入口が上面となり、銃身下面に折りたたみ式のバイポッド、銃床部にもモノポッドが標準装備とされるなど、伏せ撃ちにも強く配慮されている。これは前線でのショーシャの運用方法からフィードバックされたもので、BARなども戦間期以降のモデルはバイポッドを標準装備するようになる。またこの頃からフランスは排莢口とマガジン挿入口には防塵カバーを標準装備とするようになる。
• 1930年代を通して生産されショーシャを完全に置き換えたが、第二次大戦勃発後まもなくフランスはドイツに占領されたため、ほとんどはナチスに鹵獲され占領地となった祖国防衛のための二線級装備としてヴィシー政権軍や現地軍が用いたほか、わずかに持ち刺されたものがイギリスの保護下の自由フランスによって用いられた。
• 戦後もしばらくは運用が続けられたものの、ベルト給弾式の機関銃が主流になるとAAT-52にその座を譲っている。

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