M110

各ストーリーでの登場

SPAS-12のメンタルアップグレード

SPAS-12より古株らしく、SPAS-12が配属される前からグリフィンに所属している。
初めてグリフィンに来たSPAS-12を"新人さん"と呼んで歓迎し、手製のケーキを振る舞った。

• 2000年代初頭にアメリカ軍がアフガニスタンやイラクで活動する様になると、交戦距離が長い山岳地帯や砂漠では5.56x45mmNATO弾を使うM16A1では射程や威力の面で不利になり、7.62x51mmNATO弾を使うM24SWSではボルトアクションである事から反米勢力が好むドラグノフ狙撃銃に対して初弾の発射準備やその後の連射速度で不利であることが明らかになった。
  この事態に対応するために、アメリカ陸軍は各小隊に随伴し即応できる軽量で命中精度の高い7.62x51mmNATO弾対応のセミオートライフルの開発計画を開始した。これがSASSである。
  この計画には複数のメーカーが参加しており、アーマライト社のSuper SASSもその一つである。
• 一方アーマライト社を退社したユージン・ストナーはM69Wシステムの開発とメンテナンスを通じてその信奉者となったリード・ナイトJr.のナイツアーマメントカンパニーに招聘され、AR-15の改良に勤しんでいた。中でもAR-15と50%以上の部品共有率を誇りながらAR-10と同様の7.62x51mmNATO弾仕様としたSR-25は評価が高く、アメリカ海軍でMk.11として採用されていた。
  これをベースに陸軍の要求に合わせ銃床を完全固定化、銃身を若干細く軽量化しフラッシュサプレッサを固定装備、バレルナットを兼ねるフルサイズのピカティニーレイルを上面に、バイポッドなどを取り付け可能なハーフサイズを下面に備えるなどしたものを提出し、M110 SASSの制式番号を得た。
• 動作方式はガス直噴式ローテイティングボルトのいわゆるストナー式で、ガス圧式に比べピストンロッドなどがなく軽量で銃身にガス導入口などがないため精度が高く、反動も比較的軽いという狙撃銃に適した特性を最大限に活かしている。
  最大の特徴はレミントン社に特注した銃身で、5条という奇数の上にライフリングの山が極限まで細く谷が楕円形で広い花弁のような断面形状を持つ。
  これにより弾頭と銃身の摩擦が最小となり、銃口初速の低下や摩耗による弾道のずれを最小限に抑えることができる。
  これをフリーフローティング方式でレシーバーに固定し、同じレミントン社製の専用弾薬を使用することにより0.5MOA、専用でない狙撃弾でも0.75MOAの集弾率を発揮するとされている。
• 機関部は陸軍仕様の一般的なM16系にみられるボルトフォワードアシストノブがなく*1、チャージングハンドルも機関部後端からT字状のレバーを銃床と平行に引くAR-10ライクな仕様となっている。
  • ただし、この仕様は給弾不良が起きた際に分解清掃か別の銃に持ち替えるしかなくなるため、交戦中にトラブルが起きた場合の対処法がないという致命的な欠点を抱えることとなった。
• M110 SASSは高い命中精度を持つライフルではあったのだが、不運な事に主に使用された中東の環境とは大変に相性が悪かった。
  特に中東の細かい砂塵には弱く、ダブルフィード*2の様な作動不良が頻発した上に、前述した通り作動不良が起きた際のリカバリーも困難という点は大きな欠点となった。
  銃身の耐用命数が少なく専用弾薬も高価であり、チャージングハンドルと干渉しないようチークレストの高さにも制限があるなど、運用する現場では扱いにくくデリケートな銃という評価をされてしまった。
  このため、1.5MOAと射撃精度では劣るものの信頼性や耐久性で勝るという理由で、HK417の民生仕様であるG28をベースとしたM110A1が採用されている。
  • しかし、海軍や海兵隊ではこうした点は問題とされず、従来のMk.11にM110と同じ仕様のアッパーレシーバーに交換したものをMk.11MOD1、最初からM110と同じ仕様のものをMk.11 MOD2として導入している。*3
    陸軍でもM110そのものの調達は継続されており、ガスシステムを改良して調整式のレギュレーターを備え動作不良を低減するとともにサプレッサーに対応、伸縮式銃床とM-LOKを備え全体に軽量化、短縮化したM110A2が納入契約に加えられている。
    また、16インチおよび14.5インチのカービン仕様M110Kシリーズもラインナップに加わっている。

【過去ログ】