概要
使用時に3コイン出力し、持続によって他のプレイヤーがアクションカードを使うたびに手札破壊を行う持続アタックカード。
大抵の戦術に対して大きな影響を及ぼすが、特に鍛冶屋ステロや引き切りといったアクションカード主体かつ手札を増やす戦法には刺さるカードといえる。
一般的には手札破壊のアンチカードである書庫系であっても、効果処理後に手札破壊が行われるため効果が薄く、抗うことが難しい。
利用法
※以下、フリゲート船の「次のターンの開始時まで、他のプレイヤーはアクションを使用後、手札が4枚になるように捨て札する」というアタック効果のことを【フリゲート船アタック】と表記する。
- アクション使用で手札を増やさないコンボデッキはほとんどないので、コンボデッキを終盤まで大きく妨害する。
- 持続中の全ての相手ターンで誘発するため、旅行など追加ターンを得る効果に対する牽制としても機能する。
- 相手ターンのみならず、自分の勝利点の獲得に対する相手の地図作りリアクションの牽制になる。
- リアクションの度にハンデスが発生するため、「勝利点を獲得し、相手のひと通りの地図作りリアクションの後に一度ハンデスを行う場合*1」と比較しても、手札の質を落とせる点で優れている。*2
- 強烈なコンボメタだが、自身へのメリット効果は3金出力のみ。5コストとしては並だが、持続してしまう都合上、毎ターン出力する金量には数えられない。
対策法
手札破壊に対するアンチカードが軒並み影響を受けるため、明確なカウンターになる対策はない。自分もフリゲート船を使った方がいいこともあるだろう。
- 灯台、守護者、チャンピオンで防ぐ。
- 堀や盾は手札5枚の中にないとダメ。保存などで仕込めると安心。
- 手札を増やさなければ被害を受けない。肉屋や航海士など、手札を増やさないが強力なステロ戦法がより有効になる。
- アクションを使用しなければ被害を受けない。小像をドローソースとした財宝によるコンボが有効。
- 小像だけでは厳しいが、ティアラや王の隠し財産で小像を使用することで手札が一気に増える。
- なお、財宝なら何でもよいというわけでもない。冠など種別にアクションを含む財宝を使用したいなら極力最後にすべきだろう。
- 雇人や策士、探検などの「アクションカードを使う」以外の方法なら手札は増やせる。また、他プレイヤーのフリゲート船の使用タイミング(=【フリゲート船アタック】が発揮される前)に番犬をリアクションすることでも手札を増やせる。
- ただし、手札を増やしても自ターンにアクションカードを使うと結局手札を削られる。保管庫や工匠など、手札をコストにするアクションカードと合わせたい。
- 財宝カードを一切デッキに入れないコンボなら、多少無理して引ききることも考慮できる。寵臣、モグラの習性、外交官辺りがあれば狙いやすいかも。
- 書庫のようなカードは使っても手札が4枚になるが、逆に言えば「手札をわざわざ減らさなくても次の書庫を使える」といえる。効率は悪いが、公共広場のようなルーターとして使える。
- アクション権が付く呪われた村であれば、連続で使用した時の恩恵が通常よりも大きいため、このカードに対する数少ないアンチカードとなる。
- 坑道や織工、村有緑地などの、捨て札にすることによってリアクション効果を発動できるカードを採用する。
- ただし、進路をリアクションすると、ドロー効果によってまた手札を捨て札にしなければならなくなる。村有緑地も、使用したタイミングに効果を解決すると手札を捨て札にする必要がある。
詳細なルール
- このカードは使用したターンのクリーンアップフェイズには捨て札にならず、次のターンのクリーンアップフェイズに捨て札になる。
- ただし、フリゲート船使用時に他のプレイヤー全員が堀などでアタック効果を受けなかった場合、フリゲート船は使用ターンのクリーンアップフェイズに場から捨て札になる。
- これは、フリゲート船は「使用プレイヤーに対する持続効果(次のターン開始時に発揮される能力など)」を持たず*4、「他のプレイヤーに対する持続効果」しか持たないためである。
他のプレイヤー全員が影響を受けなかった場合、『フリゲート船はこの後にすべきことが残っていない』とみなされ、持続カードの原則により持続条件を満たせない。
- 【フリゲート船アタック】は「他プレイヤーがアクションを使用した後」に発揮される、言わば『使用時後効果』である。
- 略奪など、使用後カードが場から離れる場合でも、そのアクションの処理がすべて終われば「アクションを使用した後」が訪れるので、【フリゲート船アタック】が発揮される。
- 前のターンから場に出ている持続カードの処理や、リザーブカードの呼び出しはアクションの使用ではないので、【フリゲート船アタック】が発揮されない。
- 購入フェイズに冠や呪符の巻物や資本主義の影響で財宝となったアクションを使用した場合や、夜フェイズに人狼を使用した場合でも、【フリゲート船アタック】が発揮される。
- 他プレイヤーのターン中にリアクションにより密航者や地図作りなどを使用した場合でも、【フリゲート船アタック】が発揮される。
- なお、【フリゲート船アタック】は他の『使用時後効果』と同時に誘発し、処理順はアクション使用者が自由に選べる。よって、【フリゲート船アタック】により手札を4枚にした後、写本士の仲間たちの効果で1ドローする、という動きができる。
- フリゲート船の効果は、使用した時に全ての効果が予約される。
- ただし、持続カードが何らかの理由により場を離れた場合、【持続効果】はターン終了時にすべて失われる、というルールがあるので注意。詳細はリンク先を参照。
- フリゲート船が使用されたタイミングに、他プレイヤーはアタックカードの使用に誘発するリアクションカード(堀、秘密の部屋、馬商人、物乞い、隊商の護衛、外交官、番犬、盾)でリアクションができる。
- (他プレイヤーがフリゲート船を使用し、)自分のターンで【フリゲート船アタック】が誘発した際、これらのカードを持っていてもリアクションできないことに注意。
堀などをリアクションするタイミングは「相手のアタックカードの使用時」であり、【フリゲート船アタック】が誘発したタイミング(=自分がアクションカードを使用した後)になってからリアクションすることはできない。
- ただし、「アタックカードの使用に誘発するリアクションカード」の効果はアタックの効果発揮前に処理がすべて終わるので、例えば「①プレイヤーAがフリゲート船を使用した→②プレイヤーBが番犬をリアクションで使用し、2ドローし手札が6枚になった」という場合は、まだ【フリゲート船アタック】の発揮前であるため、プレイヤーBは手札を4枚にすることはない。
- フリゲート船が使用されたタイミングに、灯台やチャンピオンや守護者の効果を発揮している他プレイヤーは、この【フリゲート船アタック】を受けない。
- (他プレイヤーがフリゲート船を使用し、)自分のターンになってから、灯台やチャンピオンを使用した場合では、【フリゲート船アタック】を防げない。
- (他プレイヤーがフリゲート船を使用し、)自分のターンになってから、夜フェイズに守護者→人狼の順で使用した場合では、【フリゲート船アタック】を防げない。
- 【フリゲート船アタック】が持続するのは、「フリゲート船を使用したプレイヤーの次のターンの開始時」まで、であるので注意。
- フリゲート船を使用したプレイヤーが追加のターンを得ていた場合は、【フリゲート船アタック】は他プレイヤーに影響する前に消えることになる。
- 逆に、他プレイヤーは追加ターンを含め全てのターンにおいて、【フリゲート船アタック】を受けることになる。
- なお、【フリゲート船アタック】はフリゲート船使用プレイヤーの次ターンの開始時が始まったタイミングで失われる。
よって、例えば、プレイヤーAがフリゲート船を使用した次のターンの開始時に、操舵手の効果で屋敷を獲得⇒プレイヤーBが地図作りをリアクション効果で使用した、という場合は【フリゲート船アタック】は発揮されない。
コメント
- 次のターンに効果をもたらさない持続カードというのは初めて?あまり見ないので違和感がある --
- 次のターン開始時に効果をもたらさないがゆえにカード効果の表をどのような形にしたらいいがわからない。他の持続アタックカードは次のターン開始時に発揮される効果があるから、橋の下のトロルのような、使用したタイミングに即座にアタック効果が発動するタイプと、沼の妖婆のような、使用した次のターン開始時までアタック効果が発揮されるタイプのどちらかに分類できる。 --
- このカードがあるサプライで16コインデッキを何回か組もうとしたけどやっぱり厳しい印象。かと言ってこのカードは毎ターン打ちたいので、引き切り8コインデッキに落ち着きそうな気がする --
- 手札を減らしながら多くのコインを稼げる豊穣や財産目当てがあれば、16コインが可能かもしれません。まあかなり運任せになりそうですが。 --
- 一番早いのはスーク。手札が減ることを逆用できる。 --
- 持続効果を分かりやすくするために、「3コイン」ではなく「次のターン開始時に1購入3コイン」にしてほしかったなあ。 --
- フリゲート艦のアタックが全員に防がれた場合は持続せず、使ったターン終了時に捨札になります。一部にだけ防がれた場合、例えばプレイヤーAがフリゲート艦を使用、プレイヤーBはアタックを受け、プレイヤーCDが堀をリアクションした場合、いつ捨札になりますか?(順番はA→B→C→D→Aとします) Bのターン終了後には効果がもはや残っていないため、Cのターン終了時に捨札になりそうですが、実際どうなんでしょう。--
- 通常通りAの次のターンですよ。だからCのターン中にBが黒猫を使用した場合、(CがBに対して掘でリアクションしてもしなくても)ちゃんとフリゲート船の効果が適用されます。 --
- 「アタック効果は使用した時点で全て予約されている(堀を使うタイミングはフリゲート船を使ったときで、実際にハンデスが発生するときは堀があっても防げない)」のに、持続する条件を考えるときは相手ターン中まで効果があることになる点が矛盾してるように感じてなんかしっくりこないです。 --
- 何も分かれていないと捉えるのが良いでしょう。後者も、使用した時点でのみ判定を行います。あくまでワンタイムで、その瞬間に通るか通らないかであり、前者と同一の事象を言い換えているに過ぎません。 --
- フリゲート船が持続してる間は何をしているのでしょうか?フリゲート船の仕事(3金、アタック効果の予約)は打たれた瞬間に全て終わっていて、既に仕事は残ってないように感じます。 --
- エラッタ後のルールでは、持続中のカードが場に残っている場合のみ予約された効果が発揮されます。だから、アタックが予約されている間はフリゲート船が場に残るのが理解しやすくなったのでは? --
- 確かに、エラッタ後はそのあたりが直感に合いやすくなりましたね。 --
- 「堀を使うタイミングはフリゲート船を使ったとき」ってのは、アタックカードの仕様では無くて、堀の仕様として「アタックカードの使用時に」リアクションする必要があるからなんで、「フリゲート船がいつ仕事をしているか」という観点とは無関係で矛盾しない。 --
- いえアタックカードの仕様の問題ですよ。全てのアタック効果は使用時に予約されるからこそ、掘のリアクションのタイミングが使用時と設定されているのです。 --
- 掘の効果が「あなたが他のプレイヤーのアタックカードの影響を受けるときに公開できる。その影響を受けない」ではないのは、堀の仕様ですよね?他のプレイヤーのアタックカード使用時以外に「アタックカードの効果」の「影響を受けない」という効果を使用/発揮できるカードが存在しないだけであって、アタックカードに「予約が成立した効果は非可逆的に全ての(使用時に無影響化できなかった全ての)プレイヤーが必ず影響される」という仕様があるわけではないですよね?(※これが製作者談等で根拠のある「アタックカードの仕様」なのであれば、それが正しいです、すみません。)――だから堀を使うタイミングなんて無関係で、「持続カードの持続条件の仕様でしかない」という話で閉じる話題の認識です。「使用時効果は使用した時点で予約されているから、持続カードには仕事が残っていない」という観点で持続の要否を考え出すと「そんなこと言ったらサルだって商船だって使用時効果は使用時に予約されている(けど効果を処理しきるまで場に残る)」という話になるわけで、カードを脇に置かなかった王家のガレー船や王子同様に処理すべき"効果"が残っていない(全員にアタック効果を無影響化された)フリゲート船が捨て札になるというだけの話で、そこに「堀のリアクションタイミングが使用時だけ」なんて話は関係ないでしょう。ただ、「アタック効果を(クリーンアップフェイズまでに)全プレイヤーに"あなたは影響を受けない"と防がれたフリゲート船の"効果"」が次の自分のターンまで残っていると捉えるか残っていないと捉えるかは(製造者内で)議論の余地はあったでしょうけど。誰も影響を受けていないだけで効果は発揮している(から持続する)と裁定することも理屈上は通るはずで、それはルールの"キメ"の問題の認識なので。(堀との関係有無の話に戻ると)でもそれは仮に次弾で「このターン、他のプレイヤーのアタックカードの影響をあなたは受けない」という使用時効果を持つカードが出たとしても、変わらず「クリーンアップフェイズに持続効果が残っているかどうかを判定する」のまま、つまり現存の堀や守護者がアタックカード使用時にしか反応しないという結果論とは無関係な「持続カードの仕様」のはずです。 --
- ↑持続カードの仕様云々の話は仰る通りで、元々異議はございません。掘のリアクションのタイミングが掘の仕様の問題なのか、アタック(というよりも全てのカード使用時効果処理)の仕様の問題なのか、という点について掘の仕様の問題だと私は考えないってだけです。確かに話の流れからして不必要な発言だったので、お詫び申し上げます。お手数お掛けしました。 --