【ヤイル】

Last-modified: 2023-07-18 (火) 16:18:42

概要

【バルディスタ要塞】【ヴァレリア】の側近を務める【魔族】の若者。演者は天崎滉平
布部分を「キャラメル」に染めた【シュバリエメイルセット】を身に着け、【ウェスタンレイピア】を帯刀している。
国境付近の小さな集落出身で、幼いころ敵国の兵に殺されかけたところをヴァレリアに救われ、以来彼女に心酔して忠誠を誓っている。
いい加減な態度の【ベルトロ】と違い、生真面目で職務を忠実にこなし、国民からの評判も上々。
 
主人公たちがバルディスタ城に入れずにいたところ、魔瘴石の採掘場が盗賊団に占拠され困っていたヤイルに遭遇。
【ユシュカ】が取り引きに持ち込み、盗賊団を退治する代わりに入城許可を取り付けることになる。
 
しかし彼はヴァレリアを崇拝するあまり、彼女に「孤高で非情かつ氷のように冷たく、強くあらねばならない」という理想を押し付けていた。
【月明かりの谷】の孤児院の子供たちとヴァレリアが交流する姿を見た彼は、ヴァレリアを堕落させまいと魔瘴弾を使い孤児院を襲撃、院長と子供たちを殺害するという凶行に走る。
更にはヴァレリアが救出に成功した唯一の子【リズティ】にも、回復薬と偽って医療物資から盗み出した毒薬を飲ませて始末しようとした。
しかし、ヴァレリアには狙いを見抜かれており、彼女が毒見のためにまず自分で薬を口にしようとしたのを咄嗟に弾いたことで、主人公とユシュカにも計画がバレてしまう。
そして、主人公たちに逃げ道を塞がれた彼は、集落に伝わる秘術を用いて大柄の怪人の姿に変身し、襲い掛かってくる。
 
敗北後は狂ったように笑いながら上記の理想と動機を語り、孤児たちを災いの元になると罵る。
しかし、それを聞いたヴァレリアは「災いを招いたのは貴様だ」と答え、彼が使っていた剣を手に取るとその胸を貫いた。ヤイルはヴァレリアに何かを言おうとしたがその直後に命を落とした。主君に断罪された彼の死に顔は満足げなものであった。
この一件で信頼できる部下と、拠り所であった孤児院を一気に失ったヴァレリアは、自分の過去を顧みつつ魔界を統一して乱世を終わらせるために大魔王になることを決意した。
 
露呈後も自らの行いを「正義」、先程まで自身と共に行動していた主人公を「バルディスタに害なすゴミ」と断言し、結果自らの命を以て策を成功させる様は正しく「狂信者」そのものであった。
ただ、計画がバレた際に思わず逃げ出そうとしたのを見るに、少なからず自身の命が惜しいと思う気持ちもあったのかもしれない。
 
その後、バルディスタ要塞の兵達には彼は反逆罪で処刑されたと伝えられている。
生真面目で信頼の厚かった彼の姿がつとに知られているだけに、「彼が処刑されるなんて信じられない」という声が多く聞かれる。
中には「真面目すぎたがゆえに道を踏み外した。ベルトロのように何事もほどほどが一番だ」と見ている者も。
主君を完全な魔王にしなければならないという歪んだ忠誠心から主君の愛する弱者を手にかけるという点で、FC版DQ4の【エビルプリースト】に通じるものがある。
 
秘術の使用後の姿や使用する技が【魔元帥ゼルドラド】に似ていることや、後のクエストでゼルドラドも「剣魔顕現」という「【剣魔一族】」の秘術で変身していたことなどから、ヤイルも元々はこの一族の末裔であった可能性が示唆されていたが、2021年8月18日の【ドラゴンクエストX TV】の「ネタバレイトショー」にてゼルドラドと同郷だと発表され、彼が正式に「剣魔一族」であることが確定した。
ただし彼とゼルドラドの具体的な血縁関係は謎である。
ユシュカによれば【ゲルヘナ幻野】南方の集落はバルディスタ要塞の侵略で滅ぼされたらしいので、つまりは剣魔一族が暮らしていた剣魔の里を滅ぼしたのはヴァレリアであり、故郷を滅ぼした相手に長年仕えていたことになる。