【dゲーム版】

Last-modified: 2022-10-20 (木) 05:44:37

概要

かつてdocomoのタブレット・スマートフォン向けに提供されていた、初のクラウド版DQ10。DQ10で4番目のサービス形態。
2013年9月30日にNTTドコモと【スクウェア・エニックス】の両者によって発表され、2013年12月16日からタブレット(dtab)でのサービスが開始。翌2014年3月10日よりdocomoのAndroidスマホでもプレイ可能となった。
約7年にわたってサービスが行われ、2021年1月26日12時をもってサービスが終了した。
 
発表当初は他社キャリアの端末にも広げていく計画があったが結局実現することなく終わり、iPad/iPhoneシリーズも最後まで対象外であった。
またプレイはspモードの契約中、すなわちdocomoのスマホ・タブレットを利用契約していることが条件だった。
クラウドコンピューティングの技術により、最小限の性能で快適なプレイが行えたのが特徴。発表時のスクエニ曰く「クラウドを使用したモバイル端末でのMMORPGは世界初」とのことであった。

クラウドコンピューティングとは

コンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態。
クラウドサーバにログインするとその先で仮想マシンが生成され、その仮想マシンが他機種と同様にゲームサーバと接続して処理を行う。ゲームの画面はクラウドサーバから端末に動画として常時送信されてくる。
端末の容量はとらないが、その分動画を見続けるのと同様なため、通信データの量が多く取られる。
DQ10では台湾Ubitus社の技術を使用している。UbitusはSwitch版PSO2をはじめ他にも採用例が多い。

プレイ料金

利用券料金
3日間利用券385円
10日間利用券715円
30日間利用券1,650円

初回は3時間無料でプレイできた。
dゲーム版専用の利用券のため、ほかのプラットフォームで利用券を購入しているアカウントでもdゲーム版で遊ぶにはこの料金が必須だった。
なお【キッズタイム】は対象外となっていた。

特徴

画面はWindows版をタブレット・スマホ向けに最適化したもの。
後発の【ニンテンドー3DS版】とは異なり、十分な通信速度がとれればプレイに支障が出ない程度の解像度は確保されていた。
DQ1~DQ8のアプリのようなボタンタップによるコマンド選択とは異なり、端末画面上の仮想ボタンをゲームコントローラ同等に使ってDQ10内のキャラクターやカーソルを動かしていく方式であった。
仮想ボタンは表示・非表示の切り替えが可能だが、機種によってはボタンがHP・MPの表示と重なって見づらくなってしまうこともあった。
 
リリースと同時期に発売された公式対応ゲームパッド以外の情報が乏しく対応状況は不明だが、ゲームパッドが使える場合があった。一例として、Bluetooth対応版のXbox Oneコントローラーでの動作が可能だった。
 
ログインにはdアカウントを使用したが、【スクウェア・エニックス アカウント】と連携すれば他機種版のデータを引き継いでプレイすることも可能だった(【Yahoo!ゲーム版】には対応していなかった)。
通信手段はWi-Fiかモバイル回線かのどちらかを選べたが、大量のデータを通信しながらのプレイとなるのでWi-Fi環境が推奨されていた。
 
システムの形式上、当時の【オフラインモード】であってもクラウドサーバとの常時通信は必須のため、上記料金を支払わなくてはならなかった。

dゲーム版のサービス終了

2020年9月のDQXTVにて、dゲーム版が2021年1月26日(火)をもってサービスを終了することが告知された。
理由としては、対応機種の少なさゆえの利用者の減少に加え、2020年2月に登場した【ブラウザ版】がdゲーム版の利用層を完全に内包するものになったことで、敢えてdゲーム版が選ばれることが無くなったことなどが明かされている。
 
サービス終了後も、スクウェア・エニックス アカウントと連携(IDリンク)していれば同じ端末でブラウザ版を使用することができるので、アカウント連携さえできていれば移行は容易であったが、dゲーム版サービス終了と同時にIDリンクの受付も終了した。

備考

このdゲーム版が発表された2013年はDQ10関連以外でも、DQシリーズが本格的にスマホ・タブレットへの進出を始めた年である(それ以前は2011年の『ドラゴンクエストモンスターズWANTED!』のガラケーからの移植版のみだった)。
上記の発表会ではドコモとDQシリーズとのコラボ端末(SH-01F DRAGON QUEST)の発表も行われたほか、11月28日には「ドラゴンクエスト ポータルアプリ」がリリースされるとともに、DQ9を除いた過去のDQシリーズ8作品のスマホへの移植プロジェクトも始まっている。さらに新アプリ『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』の告知も行われた。

関連

【ニンテンドー3DS版】【ブラウザ版】:当作と同様クラウド技術を使用している。