【クオード】

Last-modified: 2022-12-04 (日) 18:15:28

概要

5000年前の【エテーネ王国】の王族。Ver.4.0及び4.3ストーリーのメインキャラクター。CVは小林千晃。
【ドミネウス王】は父、【メレアーデ】は姉に当たる。母親は語られていないがおそらくルミラーハという人物。
軍団長を務めており、専属の部下として【ディアンジ】【ザグルフ】がいる。
 
これまでのDQ10にいそうでいなかった、正統派の少年ヒーローキャラ。
確かに主人公とモロ被りな立ち位置とも言え、りっきー時代の「深刻なイケメン不足」対策においてもここは空席だった。
夏祭り2017の4.0予告ムービーで初登場した際には、初心者大使のりゆき・まいこ・べってぃーの女性3人共「やばい、この子がいい」と大興奮だったという。
名前の由来はメレアーデ同様音楽のコードから取られていると思われる。また「久遠」もかけているかもしれない。

人物

態度こそ横柄だが、とても正義感が強く優しい人物。時渡りの力が弱いため父王からは冷遇されている。その反動か、世間から能無しと見放された人物の秘めた才能を信じて自分の専属の部下にしている。
またエテーネ王国の民の行動を支配している【時の指針書】には疑問を呈している。
頭も回るようで、【ウルベア地下帝国】では画期的なアイデアを次々と提案して注目を集めた。部下や帝国民からの信頼も厚く、敵に回らない限りは好意的に接していたようだ。
父親との関係が冷え込んでいることもあってかとても姉思いだが、家族愛を通り越して精神的に依存しすぎている部分もある。
 
剣の使い手、姉思い、青い服装、戦闘ではパッとしない、闇落ちする等々、様々な面で【剣士テリー】を連想させる。
Ver.4.3での彼関連のサブクエストのタイトルで付けられた彼の異名は「青き閃光」とテリーの異名と一文字違いである。どうやら開発側でも意図的にテリーに似せて作られたようである。
主人公を極刑に掛けようとして失敗・反乱を受けた親に捨てられた腹違いの兄弟姉妹がいるという点はククールにも似ている。

活躍

【遥かなる故郷へ】(Ver.4.0)

主人公が初めて【銀色の箱】で時渡りした際に初登場。
メレアーデの部屋に現れた主人公を侵入者とし、【クモノ】で動きを封じて捕らえる。
【銀色の箱】を取り上げた彼は、主人公を物置に閉じ込めるように屋敷の兵士に命じる。銀色の箱に王宮の紋章が刻まれていることに疑問を感じていたが、まさかのちに自分で箱を作成するとは思わなかっただろう。
 
2度目の時渡りでは【記憶の赤結晶】が映し出すメレアーデに導かれ、主人公と共に【エテーネ王宮】を目指す。
しかし幻影の【ドミネウス邸】では早々に屋敷に取り込まれ、ただの爽やかイケメンと化す。
父ドミネウス王に対してはある種の疑惑を持っており、【ヨンゲ所長】の時の指針書を根拠に不正を糾弾するも返り討ちに合う。
その後は父に攫われたメレアーデの救出に向かう。父としても国王としても無責任なドミネウス王に退位を迫るも、【魔人王ドミネウス】に吹き飛ばされる。
その後エテーネ王宮の転移に巻き込まれて行方不明になる。
 
【影魔レイミリア】【自動人形ドミネウス】【時獄のドミネウス】戦ではNPC戦闘員として参加する。職業は「王子」でLv50。
参戦時期の割に妙に低いレベルが気になるが、足手まといにならない程度の戦闘力はあるので安心しよう。
使用する特技は【はやぶさ斬り】【ギガスラッシュ】【ザオリク】。イベントで披露していたクモノは使わない。
自動人形ドミネウス戦ではそれらに加え、主人公たちを鼓舞してテンションを上げたり、活を入れて魅了を治したりしてくれる。
【勇者姫アンルシア】【勇者の光】【エステラ】【竜気の結晶】のような大きなギミックを伴う特技は持たず、【ヒューザ】のように圧倒的な高火力を持つ訳でもないものの、ザオリクで主人公たちを復活させてくれるのは非常に有り難い。

【砂上の魔神帝国】(Ver.4.3)

Ver.4.1~4.2では【チャコル】【ファラス】やメレアーデといったエテーネ王国編の主要人物が再登場する中、全く登場していなかった彼だが、本バージョンでは影の主役とも言えるポジションに。
なんと、3000年前のドワチャッカ大陸で自らを【グルヤンラシュ】と称し、帝国の宰相にまで成り上がっている。
主人公との再会時にはリソル風のショタから【スキルマスター】系のFF風イケメンへと成長しているが、これはクオードが流れ着いた時代と主人公が時渡りした時代に10年以上のタイムラグがあったため。
「グルヤンラシュ」としての詳しい活躍はそちらのページを参照のこと。
 
ちなみに4.3pvでも一瞬クオードらしき姿が映っていたため、今回再登場することは大多数のユーザーが予想できていたようだが、その顛末については誰も予想しえなかっただろう。
 
クオード視点では未来にあたるこの時代でエテーネ王国の滅亡を知るも、時渡りが出来ないクオードにはどうにもできなかった。
そんな焦りと長い年月はクオードを絶望で押し潰し、エテーネ王国を救うためには何を犠牲にしてもいいという考えに至らせてしまう。
そして「グルヤンラシュ」として人の道を幾度も踏み外した彼は奸臣として断罪され、流砂の海へと散る。
最期に思い浮かべたのは敬愛する姉のことであった。
 
時渡りのチカラを求めて多くの人命を犠牲にし、最期は【パドレ】に計画を潰されて散るクオードの姿は、皮肉にもあれだけ軽蔑していた父親と何ら変わらないものであった。
だが技術庁にある彼の日記からは、心中には常に罪悪感と使命感の葛藤があったことが窺える。またウルベア大魔神による虐殺は、自ら望んだのではなく【ツォンデム主任】ら技術庁の部下の暴走が原因で、むしろその惨状を目の当たりにして心を痛めていた。そして、日記の最後には、ストレスによる極限状態から姉への行き過ぎた依存が表出したのか、「姉さん姉さん」と病的に書き綴られている。
【イル・ラビリンス】にあった病的な本の書き込みはこの伏線と思われる。
 
とはいえ、いくら罪悪感に駆られようと、ここまで戦争が激化したきっかけはクオードが起こした暗殺事件のため責任は免れ得ない。
(なお、以下サブクエやフィールド探索で表示される情報である)

大魔神の件についても、部下に権限を与え取扱いを一任したのは彼自身の判断のため、結局は彼の監督不行き届きが起こした事であり、そこに至るまでガテリア・ウルベア両国民を結果的に苦しめたことや、大魔神を使用せずとも最悪、自らガテリアを滅亡まで追い込む予定だったことは明白である。
最後は【ウルタ皇女】の前で何の言い逃れもなく罪を認め、自ら「撃て」と叫び、裁きを受け入れた。
 
自らの手で暗殺を行い、戦争で一国を滅ぼし、現代まで尾を引く深刻な環境問題を引き起こす(加えて彼の計画が最後まで成功していたら大陸1つが完全消滅まで至ったことは想像に難くない)など、グルヤンラシュとして犯した罪の大きさは計り知れない。
また、人間悪役キャラのほとんどが何らかの形で魔族と関わっていたり、最終的に人間を辞めたりするドラクエ世界では非常に珍しく、彼は最期まで魔族と無縁かつ純粋な人間としての姿と意思を保ったままであった(作中でも巨悪=魔族絡みという価値観があるようで、【ビャン・ダオ】や一部ウルベア国民は彼の所業が人間のものであるとは思えずに魔物が化けていたと信じ込み、後世では【魔鳥の頭目】といったモンスターにまで魔物として伝わっている)。
持ち前の責任感や行動力、横柄な性格が全て悪い方向へ働いてしまったがゆえ、これほどの事ができてしまったと言えるだろう。
ここまでの悪業の張本人でありながら彼との戦闘がないのも異例だが、DQとしてそれは後味が悪すぎると判断されたのかもしれない。もっとも、次のVer.ではある意味更に後味の悪い展開が待っているのだが…。また、彼との戦闘についてはVer.4.5にて、それとはまた違う形で描かれることとなった。
  
仮にクオードが焦らず軍事外交以外の手段を取っていれば、結末は違っていたかもしれないという見方もある。
あるいは主人公がクオードを連れて改めて時渡りすればまだ救いがあった可能性もあるが、時渡りのチカラが弱い彼を連れて行くことは無理だったのかもしれない。
中途半端に時渡りのチカラを持っていたがために「エテーネルキューブさえあれば時間移動できるかも」と考えた結果、彼は故郷に戻る以外の道は無いと思い込んでしまった。チカラを持つが故の悲劇と言える。
 
なおウルベアの一件が終わった後、【新エテーネの村】にいるメレアーデに話しかけても、主人公はクオードの話をしようとすると言葉が出ず事実を伝えられない。
つい先程までエテーネ王国の出来事から逃避することで自らを保ってきた彼女に(前Ver.までクオードの件を気に掛ける描写がなかったのもこのため)、肉親の中では最後の希望であった筈の弟まで父と同じ道を歩んだと伝えるのはあまりに酷な話か。
 
好青年から悲劇の悪役へと変貌し、最後は処刑となったことに多くのプレイヤーがショックを受けた。
ただし、ムービーでは明確な死亡描写は避けられており、実は生存している可能性もゼロではなかった。
理由としては、まずこの時代に開発された2個の【エテーネルキューブ】のうち1個は行方不明となっており、クオードが持ち出した可能性がある。
加えて粗筋機能では、正体が判明して以降彼のことは「クオード」表記で統一している中、最期だけ「グルヤンラシュは死んだ」という意味深な書き方になっており、「クオードとは別の人格が死んだ」という解釈も取り得る。
以上を根拠として、今後再登場し救済・更生の機会が与えられるのではないか…と予想もしくは願望するプレイヤーもいた。
 
その後について詳しくは下記を参照。

【うつろなる花のゆりかご】(Ver.4.4)

本人の再登場は無い。ストーリー冒頭で【賢者ルシェンダ】からメレアーデとファラスに彼の最期が伝えられた。
メレアーデは深い悲しみの表情を浮かべるとともに唯一生存が確定している身内のパドレを救うという誓いを強く固め、ファラスはその所業は許されるものでないと断じつつも孤独に苛まれた彼への同情を見せた。
 
本シナリオでは、同じ時の漂流者という境遇を持ちながら未来へ希望を残すために奮闘した【プクラス】が登場。また、最終局面ではファラスの明確な死亡描写が描かれた。
闇堕ちしなかった場合のクオードとも言える立ち位置のキャラが現れたことと、「メインキャラであろうと死ぬときは死ぬ」方針であると推測できるようになったことから、クオード生存説はますます絶望的と思われていた。
また、細かい設定は異なるものの、最初は善意で動いていたが闇堕ちし、悪の支配者となって討たれるという役回りは【C141】に引き継がれているとも言える。

【遥かなる未来への旅路】(Ver.4.5前期、後期)

やはり生きていた事が判明し、再び向かったエテーネ王国にて再会する。
ウルタに処刑される際、その銃撃は急所を外していたようで、さらに地面に叩きつけられる直前にエテーネルキューブが起動、無事に元の時代に戻る事に成功して一命をとりとめていた。
このような奇跡が起きた理由についての説明は特になく、死に瀕して発した強い感情で時渡りを発動させたとも、銃弾がキューブに当たったお陰で起動したとも取れる。
傷が回復してからは、王宮と指針書を失い混乱していた王国の暫定国王となり、大エテーネ島の沈没を防ごうと奔走していた。*1
主人公と共に戻ってきたメレアーデにグルヤンラシュの所業を糾弾されるも、エテーネ島を救うために罪悪感を押し殺してなお作戦の協力を主人公たちに要請。
メレアーデは一旦は躊躇うものの、その目的の重要性と肉親として切れぬ情から、エテーネ島を救えたら全て赦(ゆる)すと約束して協力を受諾。
彼の作戦に従って元凶である【メガロダイン】を倒した主人公はエテーネ島の沈没を防ぐ事には成功した。
 
しかし、【マデ神殿】にて出会った【キュレクス】により、時見による滅びを回避してきた反動によって今度は隕石の落下で王都が壊滅という未来を見せられ、激昂して神殿を去ってしまう。
そしていざ落下してきた隕石を見て絶望して自暴自棄になるもメレアーデの平手で自身を取り戻し、国民を鼓舞。
永久時環を起動させたメレアーデを狙うキュロノス一行に挑み、巧みなアクロバットで姉への攻撃を妨害しつつ、時見の箱に剣を突き立ててキュロノスを撤退に追い込み、自身の十数年に渡る計画を台無しにした元凶に一矢報いた。
 
その後、依代を破壊されて怒り狂うキュロノスが反撃で放った【アダマスの槍】をモロに喰らって落下し、致命傷を負う(なお、主人公はキュロノスが残した【黄金獣アルムゴーグ】【白銀獣ロムドゴーグ】の相手をしていたため、彼を助ける余裕はなかった)。
今際の際に約束通り、メレアーデに全てを赦されエテーネルキューブを託すと姉の腕の中で静かに息を引き取った。その死は見届けた皆に大いに悲しまれた。
なお、混乱を防ぐため、グルヤンラシュとしての所業は主人公とメレアーデ以外の王国民には明かされず、その死についても部下【セオドルト】の進言によりその場にいた者以外には伏せられることとなった。
ストーリークリア段階ではキュロノス達の襲撃は収まったものの、王都そのものが時渡りしたことによる混乱が残っているためか、その死は伝えられなかった。
 
Ver.4.5後期のクエスト【未来へ歩みだすために】では、クオードの遺したエテーネルキューブに彼の遺志が宿っており、メレアーデに「エテーネ王国を新しい未来へ導いてくれ」と伝え、白髪となっていた彼女の髪色を元に戻した。
王都には一連の災害による犠牲者のための慰霊碑が建てられ、そのお披露目の式典にてメレアーデから国民にクオードの死が伝えられた。
死亡シーンでは、メレアーデが見開かれた瞳を閉じ、遺体に布をかけてやるという、DQのゲーム作品では全く描かれていなかった生々しい描写がある。
ただ、彼は間接的に踊らされてはいたものの進んでキュロノスに頼ることはなく、最後まで彼なりにエテーネを救うため自分の意志で道を選んだ結果、過程はどうあれ最終的にはその目的を成し遂げ、エテーネ国民の前では救国の英雄として死ぬことができた。
因果律操作が行われてなお、彼が古代ドワチャッカの人々にとって悪鬼グルヤンラシュであった事実は変わらないが、少なくとも誰に対しても害しか与えることのできなかった父よりは救われた結果になったと言えよう。
敬愛していたメレアーデが、父が愛した人と同じように死に別れず生きていたことも、少しは変われた切っ掛けだったのかもしれない。
また、ウルタ皇女に彼のその後が伝わったかは不明である。

【闇の根源】(Ver.5.5前期)

主人公の兄弟姉妹の記憶の世界で登場。今回より【キャラクターボイス】も付いた。
古ドワチャッカに飛ばされた直後の兄弟姉妹の出会いやグルヤンラシュを名乗って元の時代に戻る決意を誓う場面、そしてエテーネルキューブの完成の目途が立たないことに絶望し、段々と暴走していく様子が描かれる。
 
闇落ちの原因は兄弟姉妹が自分と違って老いもせず、常に前向きな姿勢に焦りを募らせていたからという理由が判明。
この辺も優秀な弟に嫉妬していた父をなぞらえている。
 
ちなみに兄弟姉妹は後にここからそう遠くない時代に再び時渡りをしてきて【ドルワーム王国】の危機を救うが、この時にクオードがウルタ皇女に処刑されたことを知ったという。

イベント・その他

【第5回アストルティア・ナイト総選挙!】

運営推薦枠として参戦。
流石に前年度ナイトの2連覇は防げず、40万票の差を付けられたものの、新規キャラとしてはトップの2位となった。
戦闘でパッとしないのに人気は高いという点もやっぱりテリーそっくりである。

【第6回アストルティア・ナイト総選挙!】

2018年の予選会にも19位圏内に入り、前回大会で2位を取っていたこともあって、当初は本戦出馬はほぼ確実視されていた。
直後実装されたメインストーリー後に行われる本選ではどこまで勝ち上がれるだろうか、そしてその際には4.0と4.3のどちらの姿で登場するのか、といったことで様々な注目を集めていた。
 
だが、なんと本戦不参加。直近のストーリーで全く登場しないラウルやダストンにも劣ってしまった。
予選の段階ではまだ4.3ストーリーは実装前であったのだが、予選の順位が惜しくも振るわなかったのだろうか。
その後発表された予選結果では、全体として考えれば高いものの、11位とかなり順位を下げていたことが判明した。

【第7回アストルティア・ナイト総選挙!】

予選会で6位。
今回は推薦枠が多かった事もあり惜しくも本戦参加は叶わなかったものの、Ver.4.5の活躍で人気を戻したと言える。

【モンスターバトルロード】

Ver.5.4より彼のスペシャルバッジが登場。装備すると必殺技【軍団長の演説】?を使用できる他、攻撃時10%で会心率アップ、会心&暴走時追加ダメージ+50が追加される。また攻撃力が60、きようさが100上がる。
金銀銅はなく、【デュラン】虹と【あくまのきし】虹、【バイキングソウル】金3個との交換で光バッジを入手可能。
 
姿はストーリー後半のもの。姉と同様交換元の選定にネタ臭さを感じる。
必殺技は【ソーミャ】互換。能力としては攻撃重視のこちらの方が合致するか。

【コスプレ】

DQXTV秋の文化祭スペシャル(2018)で安西先生が着るために青年版の衣装が用意されたが、さすがにVer.4.3期中に使うことはネタバレが過ぎると判断されて見送られた模様。翌年のニコニコ超会議で披露された。

【蒼天のソウラ】

最終話の後日談「Dragon Departure」の1話目において、少女と共に魔博士を時空の狭間に飛ばした事が示唆される。



*1 なお「アストルティア秘聞録」ではこの間も正式な治世として認定されており、「閃光王」の称号が与えられている。