【冥王ネルゲル】

Last-modified: 2023-11-14 (火) 11:47:22

概要

Ver.1のラスボス。死の世界の王であり、【エテーネの村】を滅ぼした張本人。
色違いに【恐怖の化身】【死の道化師】【冥王の影】、同色ボスに【冥府の君主】がいる。
500年前、死者の魂のチカラを満たした【神殿レイダメテス】により生み出され、レイダメテスの残骸を浮上させて造り上げた【冥王の心臓】を居城としている。
死者の魂を食らうことで自身のチカラに変換できるという特殊能力を持つ他、生者ではどんなに強くても決して解けない呪縛の技「冥府の縛鎖」を操る。
後に明かされた設定からすれば、実は冥王と言っても死や冥界を司る神格というわけでは無く、本作における【魔王】【大魔王】の定義にも当てはまらない。
しかしながら死者の魂を利用する特殊能力や一度敗れても冥府から舞い戻ってくるしぶとさはまさに冥王と呼ぶにふさわしく、歴代ラスボスにも劣らぬ存在感を放っている。
 
外見はオルゴ・デミーラ以来久々のビジュアル系風で、得物は空間を裂くことができる鎌。
服装は中世貴族風で、肩の部分が膨らんだ(ジゴ袖)上着に、金色の骸骨のような胸当て、下半身はタイツといった出で立ちをしていて、歴代の魔王と比べてなかなかオシャレである。
またパッケージイラストにも描かれているが、このネルゲルは少しジジくさい。
 
多くの歴代魔王たちと違いネルゲルは冒険を始めてから、自ら直々に主人公の故郷を滅ぼしにくるのでインパクトは抜群。
しかしDQ10はオンライン作品であるために、長時間のLv上げや金策などやることが多すぎていざ戦いになると「こんな奴もいたなあ」と思ってしまうプレイヤーもいる。

活躍

Ver.1

冒頭で【エテーネの民】を滅ぼし【主人公】を殺害するが、その主人公は【生き返しの術】により同時期に命を落とした同名人物の肉体を借りる形で復活。
そして、物語の最終盤にて主人公と再び対峙し、「冥府の縛鎖」で生者に戻った主人公の身動きを封じる。
しかし、ここで主人公の肉体に密かに宿っていた五種族の身体の元の持ち主の魂が登場。霊体として現世に留まるためのチカラと引き換えに呪縛を打ち破り、またネルゲルの糧にされた死者たちを一緒に昇天させてくれた。
こうして必勝の戦法を封じられたネルゲルは主人公に直接対決を挑み、奥の手として【大いなる闇の根源】の手を借り魔獣の姿に変身するがチカラ及ばず敗死。
魔の力を退ける【勇者】が居るレンダーシアの隔離に成功した以上、ネルゲルによるアストルティア陥落は確定したようなものだったが、皮肉なことにエテーネの民に手を出したことが仇となり、主人公という唯一の天敵を生み出す結果となってしまった。

Ver.2

【大魔王マデサゴーラ】の存在が明らかになり、彼と契約して上記のことを行ったことが、Ver.2.3で明らかになった。
やはりこの手の系譜だった……と思われるが、ネルゲルがマデサゴーラの部下ではなく契約しただけということも分かった。
また、大いなる闇の根源が大魔王マデサゴーラに力を与えたため、彼を生み出した黒幕は別にいることが判明。
撃破後のセリフから五大陸の侵略も狙っていたようだが、大魔王からみれば自分の世界征服のお膳立てとしか考えられていなかったのかもしれない。
後に明かされた彼の創造経緯からすると、この契約というのはファンタジー作品でにおける精霊との契約といったものではなく、互いの行動に対する協定のような約定的契約だったと思われる。

【天を超えてゆけ】

【キャラクターボイス】がついた。声優は派生作品と同じく近藤隆。
第1話【目覚めし5つの鍵】【闇のキーエンブレム】・緑を入手した後、主人公の夢の中に登場。
第3話【いにしえの封印の伝承】では、【不死の魔王ネロドス】が勇者に敗れたことを受けた当時の配下【守護者ラズバーン】が、アストルティア内で魔王を誕生させようと目論んだのが誕生の経緯であると語られた。
第4話【遙かなる復活へ】では【ルンルン】に憑依している事が判明し、終盤に復活を遂げ主人公を神殿レイダメテスへと誘う。
これ以降の詳細については【蘇りし冥王ネルゲル】を参照。

攻略

マデサゴーラの存在やVer.1のラスボスという立ち位置、職やパッシブや装備の充実のため、現在はそんなに強い存在ではなくなってしまったが、サービス初期の職やパッシブが少ない状態では、歴代シリーズのラスボスと比較しても突出して強かった。

「冥王ネルゲル」(Ver.1)

行動パターンは戦闘開始から【ベリアル】召喚まで、ベリアル撃破まで、ベリアル撃破から戦闘終了までの3フェーズに分けられる。
なお、1フェーズ目にオーバーキルダメージを与えても、HPが一定以下になる事は無く2フェーズ目に移行する。
 
戦闘開始から暫くは時々2回行動をする程度で2900程のダメージを与えると、ベリアルと【アークデーモン】2匹を呼び出し、自分は玉座に座って高みの見物を行う。
この時は自らは攻撃しないが、たまにベホイミやベホイムを唱えて援護に回ることもある。
この3匹も馬鹿にできない程強く、怒り状態のときにイオナズンやイオグランデを連発されてそのままお陀仏というパターンもよくあった。
 
3匹を倒すとネルゲルが再び戦線復帰する。このときのネルゲルは開始直後よりアグレッシブになっており、常時2回行動するようになる。
この際にアークデーモン1体のみを残して一旦回復を図ることで後半戦をラクにすることが出来る。
怒り状態になる頻度は高いが、回復役に対して怒るため壁をしっかりして怒りをロストアタックしていけば第一形態ということもあって、それほど厳しいボスではない(Ver.1.0ではパッシブをとっているキャラクターが少なかったため、ただの攻撃ですら致命傷になり、1~2回行動で集中攻撃されたプレイヤーが死ぬことも多かった)。
討伐後に【冥獣王ネルゲル】に変身をし最後の勝負を挑んでくるが、後の連戦ボスと違ってHPやMPは回復しない為、ネルゲルを倒す前に魔法の聖水などを使って体勢を立て直しておきたい。

「冥王ネルゲル強」(強ボス)

Ver.1.5にて実装された強モードボス。設定上は魔瘴による幻影ではなく、闇の根源によって復活したネルゲル本人であり、闇の根源の力の強大さをうかがい知れる。
…が、Ver.6.3時点ではこの設定ゆえに、ストーリー上で闇の根源こと【異界滅神ジャゴヌバ】が倒された後でも再戦できることや、「天を超えてゆけ」との整合性などの疑問が生じる事態にもなっている。
 
オリジナルと比べHP・攻撃力が2倍以上になっており、更にその攻撃力を【バイキルト】で底上げしてくる。
ベリアルとアークデーモンを呼び出していた場面で代わりに【悪霊の神々】を召喚するようになり、この悪霊の神々は【悪霊の神々コイン】で出現するものと全く同じステータスだが、全員にマヒ・魅了が有効になっているほかアトラスに混乱やバズズに眠りが効くなど、耐性にやや変更が加えられている。
演出の都合上マヒが切れず、これらの悪霊の神々には必ず先手を取られる。
加えて、コインボスの【悪霊の神々】とは違い最初から全員が一斉に行動する点に注意が必要。あらかじめHPには余裕を持たせ、できればブレス耐性を上げておこう。
また、この召喚は「残りHPが約6割を下回ったタイミングで最初にとる行動」として設定されているため、【チャージタックル】【サプライズラッシュ】【一喝】【お宝ハンター】【スタンショット】などで【スタン】を誘発し、相手にターンを回さないまま敵の残り約11000のHPを削りきることで、呼ばせないまま倒すこともできる(→【え? ワイ18秒で倒されるんでっか?】)。
ただしネルゲルは物理攻撃の回避率が高いため、必殺技以外では安定してスタンを取れないこともある。
サポの行動にも左右されるが、スタン技持ちが2人居ればサポート構成でも召喚させずに倒すことが可能。
バージョン5あたりから、火力が上がったためタイミングが良ければスタン技が無くてもHPを削りきることが可能になっている。
 
ネルゲル強を倒すと、そのままオリジナル同様【冥獣王ネルゲル】強との戦いに移行する。
実装された頃はしもべ召喚で呼び出されたアークデーモンがいると、アークデーモンを全滅させるまで戦闘が終わらず、倒す前にMPの回復を楽々済ませることが出来たが、いつの間にかネルゲルを倒すと戦闘が終わるようになってしまった。
 
Ver.3.4後期にて【強戦士の書】に登録され、冥獣王戦の前にHPMPが全回復するようになったため、気軽に再戦が可能になった。みやぶるを使い忘れたプレイヤーは登録しにいくのもいいだろう。
報酬として確定でオーブが3個手に入るうえ、同じくオーブを3個もらえる【魔女グレイツェル強】よりもはるかに戦いやすいが、演出や冥獣王との2部制であるため、他の強ボスよりも多少時間がかかる。
 
なお、Ver.1.5初出のボスにもかかわらず、何故か【呪い】に完全無効耐性をもつ。

ボスとしての遍歴

Ver.1.0

今作はオンラインゲームということもあり、ネルゲルの強さはDQのラスボスとしては非常に高い部類に入る。
ステータスの差もある為一概には言えないが、1.0当時の限界レベルである50で苦戦するようなボスはほぼいなかったが、こいつはノンパッシブだとそれでも苦戦する。
回復呪文に反応する為に怒り状態になる頻度が多く、当時はおもさのステータスの意味合いが現在とは違っていたため、壁の重要性がまだ理解されておらず、【ロストアタック】も普及していなかったため、回復役が次々と倒される阿鼻叫喚状態であった。
 
ちなみに冥王ネルゲル、アークデーモン、ベリアルは【みやぶる】を使わないと図鑑に登録できない。
他のストーリーボスと同じように自動登録されると思いみやぶらずに倒し泣きを見るプレイヤーは多かった。

Ver.1.5

強ボス実装と同時に再戦できるようになった。ベリアルやアークデーモンをみやぶれるように。
強ボスは確定でオーブ3つ(色はランダム)もらえるとはいえ、他の強ボスと比べると現地までにかかる時間と報酬があまりにも釣り合っておらず、割に合わなかった。

Ver.2.0

レンダーシアに行くための条件としてネルゲルを倒しておく必要がある。
レベル解放が進み、パッシブが充実したサポートも増えているので、以前よりも撃破しやすくなっている。

Ver.2.2後期

【強戦士の書】が実装されるが、こいつだけは現地まで行かないと戦えないままだった。

Ver.3.4後期

ようやく強戦士の書で戦えるようになった。従来通り冥王の玉座での戦闘であるが、途中の変身ムービーはカットされるようになった。
同時に現地に行っても(未勝利のキャラクターがいないと)戦えなくなった。

Ver.4.5後期

【バトル・ルネッサンス】に追加。
強戦士の書は強ボスとしか戦えないため、ここで再び(手伝い以外で)オリジナルの強さのものと戦えるようになった。

イベント・その他

【アストルティア・ナイト総選挙 大予選会!】

まさかのエントリー。死をもたらす彼を果たしてナイトと呼んでいいものか…。
 
その結果は何と10位以上である事が判明。総選挙に敵のはずの冥王がお目見えする事になるか注目される。
なお、その後DQTV Ver3.2後期情報にてりっきーが本戦出場する事をポロっともらしてしまっている。

【第3回アストルティア・ナイト総選挙!】

りっきーの宣言どおり、ザンクローネの正義を否定する台詞と共に登場。…登場時にちゃっかり玉座に座っていたりするのは見なかったことにしてあげよう。
 
結果は3位。2位ヒューザには8千票近くまで迫っており、敵枠としてはかなりの健闘を見せた。予選の順位はまさかの1位であったが、最終的には逆転を許した形となった。

【ドラゴンクエストX アストルティア創世記】

彼は、【大魔王】がアストルティアに侵攻すると勇者が生まれる相克状態にあることに対抗して、アストルティアで生まれた【魔王】なのだと判明した。
そのため、同時期に大魔王がアストルティアに侵攻したせいで目論見が崩れたことになる。

【ドラゴンクエストX オンライン 設定資料館 アストルティア秘聞録】

シナリオスタッフのコメントとして、誰の意思で上記の事が可能になったのか、アストルティアで生まれたのに何故ジャゴヌバと契約してるのかが謎だと言及されている。
実際Ver.5においては、神代の戦いや【アストルティア侵攻】の構造が深掘りされたが、レイダメテスと冥王に関してはほとんど触れられなかった。
なお、本書の発売時点では上記の「天を超えてゆけ」の実装については発表されていなかった。

他作品への出演

詳しくはこちらを参照。

DQMシリーズ

イルルカ3DSから登場。
【守護者ラズバーン】【神殿レイダメテス】の配合で生まれる。
特性はメガボディ、AI2回行動、ときどき冥界の霧、いきなりテンション。
 
MJ3からはラスボス中間形態が軒並みリストラされたため、冥獣王のみの登場となった。

DQMBS

冥王形態のみ登場。一部の技で冥獣王に変身する。

DQ11(3DS版)

冥王ネルゲル自身は出演しないが、ネルゲルの力を与えられたネルゲルデーモンというモンスターがいる。

いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY

我の 10株売りは 避けることの出来ぬ 死そのもの。 さあ 恐怖をとくと 味わうのだ。

プレイヤーキャラクターの一人としてまさかの出演を果たす。
こちらではキャラクターボイスが付いており、近藤隆が担当する。余談だが近藤自身もDQ10プレイヤーであり、後に【天馬ファルシオン】役を担当している。
ハイライトBGMは【死へのいざない】
キャラのやりとりとしては、アンルシアやFFシリーズの悪役勢に対抗意識を燃やしている。

DQライバルズ

ユニットキャラクターの一人として登場。
本作同様、後列に配置するとベリアルかアークデーモンを毎ターン呼び出す。

DQウォーク

DQ10コラボイベントでボスおよびメガモンスターとして登場。
また、ネルゲルをイメージした「冥王装備」が実装され、このデザインは後に【冥界の王装セット】?としてDQXショップで販売された。
ショップの説明では「異国でアレンジされた冥王ネルゲルをモチーフにした」という触れ込み。

余談

名前の由来は、バビロニアの神の一柱である「ネルガル」と推測される。
太陽神の側面を持つ一方で、メソポタミア神話では戦争と疫病をもたらす死の神としても描かれ、死者の国の神々の頂点に立つものとされていた。このため、メソポタミアの暦では太陽の強まる暑い夏の時期を、死のもたらされる季節としている。
こうした側面はネルゲルにも色濃く反映されている。自らを「死を統べる者」を名乗っている他、偽りの太陽と呼ばれたレイダメテスが太陽神としての側面を担っている、と考えられる。
 
戦闘における第一段階を終えて玉座に座って高みの見物をする直前のムービーでは、最初に周りを見渡すカットの部分に限り、なぜか機種や条件を問わず激しい処理落ちが入る。
その後玉座に座って指を鳴らして手下を呼び出す部分や、手下が倒された後に自身が戦線に復帰する部分は、特に処理落ちが入る様子は見られない。
なぜ最初の部分だけ処理落ちしてしまうかは不明。
強ボスの方でも全く変わっていないため、オーブ集めを日課にしている人などからも気になると言う意見がでているが、サービス開始後何年経っても全く修正される様子は見られない。

関連項目

配下

ネルゲル麾下の悪霊の神々は冥界の住人であり、【魔軍十二将】とは別人である。
しかし、ラズバーンがその魔軍十二将のボスだった【不死の魔王ネロドス】の配下でもあったことが判明した為、間接的に繋がりがあったことになる。