【しゅび力】

Last-modified: 2024-03-25 (月) 08:50:10

概要

守備力。
シリーズを通して使用されているパラメータの一つで、これが高いほど相手から受ける直接攻撃によるダメージを減らすことができる。
高いほど直接攻撃で与えるダメージが大きくなる【こうげき力】とは対をなす。
プレイヤー側とモンスター側、両方に設定が存在する。
FC版などではゲーム内での表記は「しゅびカ」である。片仮名のカを共用している。
作品によっては【防御力】とも呼ばれることもある。
むしろ他のRPGシリーズではこちらの名称で呼ばれることの方が多く、「守備力」と表現されているのは珍しい。

本編シリーズ

味方サイド

FC版以前の全作品およびDQ3・PS版DQ4については

それ以外の作品では

である。ただしDQ4の一部のNPCの仲間キャラは守備力の値が独自に設定されている。
【スカラ】【スクルト】などで一時的に上昇し、【ルカニ】【ルカナン】などで一時的に低下する。
基本的に上限は999又は1023。だが、DQ6以前ではスカラ系上昇以外では999や1023まで到達することは無い場合が多い。
DQ5では510までしか上がらない。DQ2では255か254までしか上がらない。
 
通常攻撃で受けるダメージに密接な関係があり、(攻撃側の攻撃力 − 受ける側の守備力/2)/2 × 乱数 = ダメージ値 となる。
ただし最低ダメージは0か1。
この計算式から、攻撃する側の攻撃力が受ける側の守備力の半分に満たないと、ダメージが0か1にしかならないことが分かる。
 
FC版DQ1やDQ2を除き、通常攻撃で受けるダメージを平均で1ポイント減らすには、実質的に守備力を4ポイント上げる必要がある。
乱数も考慮する必要はあるが、期待値という観点では、守備力が2上がれば平均ダメージが0.5減ったという検証結果もある。
ただし、DQ3やFC版のDQ2,4では敵モンスターの打撃は攻撃力の0~12%(DQ4は8%)程度の最低ダメージが保障されているため、ほとんどの敵はいくら守備力を上げても、0or1ダメージにはできない仕様になっている。
また、FC版DQ1は敵側の攻撃のダメージ計算が味方と異なり同じくダメージを完全にシャットアウトできない。
 
味方の人数が少ない時期(主に序盤)であれば重視されるステータス。
何故ならば、味方の数が敵の数に比べて相対的に少なければ少ないほど、打撃の被弾リスクが上がるからだ。
仲間が多く居れば、ターゲットがバラけたり、打たれ強い仲間を先頭にしたりなどでリスクを大きく分散できるが、仲間の人数が少ないとそうもいかない。
例えば序盤の一人旅の際、敵が3匹出現すれば、1ターンに敵からの攻撃を一人で3回も受けることになる。
守備力が低い状態で何度も何度も攻撃を受ければ、あっという間にHPを削られ致命傷になる。
味方の人数が少なく、敵の数が多いときほど、重要なステータスになるのだ。
 
ただ、結局のところ攻撃力に比べると影響力は半分であり、さらに呪文特技の大部分は【守備力無視攻撃】(受けるダメージは耐性に左右されるものがほとんど)であるため、中盤以降は戦闘での重要度は意外と低い。
DQ8の攻略本では、

「守備力ってヤツは、よほどの差がないかぎり、実際に受けるダメージはそう変わらないんですよ」

とまで書かれており、実例として、守備力に26ポイントもの差があるのに、通常攻撃で受けるダメージは6ポイント(正確には6.5±乱数)しか変わらないということが例示されている。
HPが少ない序盤では数ポイントのダメージ軽減でも効果は大きいのだが、HPが三桁を超える頃になると数ポイント程度のダメージ軽減では大した差にならない。
「防具を選ぶときは、守備力よりも耐性を重視するべき」と言われるのは、このためである。
よって、防具は耐性や特殊効果のあるものを優先し、トレードオフとなる守備力不足は【スクルト】などで補うのが良い。
ただし、【ルカニ系】呪文などで守備力を大幅に削られてしまった場合は要注意。
そのまま放っておくと思わぬ痛手を負うことが多いため、こちらも素早くスクルトなどで対抗する必要がある。
 
近年の作品では攻撃力の高い敵が増え、中盤まで防具の耐性(軽減率)や回避率の低い防具が多くなったこと、通常攻撃のn倍のダメージを与える(場合によっては全体対象の)物理特技がワンサカ登場していることから、守備力の重要度が上がっている。
中には「全体に通常攻撃と同じダメージ」「通常攻撃の0.75倍の威力の攻撃を7回」などという驚異的な威力を持つ物理特技もある。こういう特技を相手にする際は、「攻撃力に比べると影響力は半分」などと甘く見てはいけない。
上記の例のように26程度の守備力の差ならまだ良いが、あまり疎かにして50くらい守備力の差がついてしまうと、仮に前者を受ける場合、延べダメージ50の差になり侮れない差になってくる。後者だと延べ65ダメージ以上の差にもなる。
敵に物理系の特技が多い場合や、防具の耐性(軽減率)がショボい場合は、守備力を重視した方が良いだろう。
 
防具は種類が多いため、新しい町や村に到達していちいち新調していれば資金も持たない。理論的に買い物しよう。

敵サイド

本編では、敵のパラメータが200以上ならかなり高いと言える。
実際、【メタル系】のスライム以外では素で300以上はなかなかいない(FC時代ではあの闇【ゾーマ】がちょうど300ぐらい)。
素の守備力400以上は、絶対勝てないようになっているDQ5の【ジャミ】(バリア使用中)が初、普通に倒せる想定の敵だとDQ8以降のみに存在するようだ。
以下、各作品において、メタル系のスライム以外について述べる。
 
DQ1は終盤になるとそれなりに高い敵が多いがその頃になると勇者自身もかなり強くなっているのできちんと装備を整えていればそれほど問題はない。
 
DQ2では非常にバランスが悪く、【ロンダルキア】地方など終盤でもほとんどの敵が40未満であるが、【かぶとムカデ】【キラーマシン】など場違いに高い【モンスター】も点在するので要注意。
前者は【呪文】の有用性を教えるための存在だが、後者は純粋に怖い。
リメイクでは終盤の敵の守備力が軒並み強化されている。
 
DQ3は割と高い者が多い。
雑魚でも100以上の敵が結構おり、【ガメゴン】などは200に達し、【じごくのハサミ】に至っては素では110なのだが敵専用の「スカラ並みに上昇するスクルト」を複数同時に唱え出すことがあり、万一4匹全部が唱えると守備力550という鉄壁になってしまい、ルカニか攻撃呪文が無いと逃げるしかない(そうでなくてもまだ前半で守備力110は十分高いのだが)。
 
DQ4では全体的に守備力が低く、終盤でもほとんどの敵が二桁台で、200に達するのは【ラスボス】【デスピサロ】(第3形態除外)だけ、雑魚系は最も高い【グレートライドン】でも170しかない。
ただし【マネマネ】の使う【モシャス】は、味方の素の守備力ではなくスカラ系などで変動後の数値を参照するため、スカラ系で守備力をカンストさせた仲間に変身されると、最大1023まで跳ね上がり「HPの高いメタルスライム」と化すので要注意(逆にルカニで守備力をすっからかんにした仲間に変身させると紙耐久にできる)。
また【あくまのす】【ライノソルジャー】【だいまどう(DQ4)】は素の守備力がそれぞれ130、150、160とそこそこ高いうえに、歴代最強のスカラ(初期値の150%増加)を使うので、放置するとやはり鉄壁と化す。
どちらも【てんくうのつるぎ】で解除するのが有効だが、あくまのす・ライノソルジャーは入手前に出くわすことがあるのが辛い。
守備力を上げられたら呪文中心の攻撃に切り替えるのが得策である。
 
DQ5以降は上昇傾向にある。
後半になると100以上は当たり前で200以上も結構いるが、特にDQ6以降は味方のステータスもインフレしていること、このインフレ前のDQ5でも【バイキルト】【たたかいのドラム】で攻撃力を2倍にできるなどの点から、味方側にできる対策も数多いことで高守備力の敵にも対処しやすくなっている。
DQ8までは【黒鉄の巨竜】の579が最大。
 
DQ9では、ボスはもちろん雑魚敵もステータスのインフレが従来よりいっそう進み、従来の最高記録もあっさりと塗り替えられるに至る。
雑魚の最高値は【ゴールドマジンガ】の798、魔王の最高値はLv99の【ダークドレアム】でなんと915。
現在のところ素で4桁はメタル系以外存在しないが、敵がスカラなどで上昇する場合は1000以上になるため、これらの敵を相手にする際は、ルカニや【凍てつく波動】等の対抗手段を用意しておかないと、打撃でのダメージは極めて与えにくくなってしまう。
 
そして、DQ10では遂に4桁の守備力を持つ敵が登場した。
そのうち1体はHPも6桁、攻撃力も3000に迫り、味方側に勝たせる気のない滅茶苦茶なステータスとなっている。
200以上の高守備力モンスターも早くから当たり前のように登場し、HPの爆発的インフレもあって敵側はこれまで以上にとことん硬くなっている。
 
DQ11の場合も、オンラインでインフレを重ねた10ほどではないものの終盤にはやたらと硬い敵が増えている。
雑魚で最高値の【メイデンドール・強】に至っては840である。
幸いなことにルカニ系無効の敵はほとんどおらず、物理以外の攻撃手段も豊富なので、落ち着いてそれらの手段に切り替えられるかどうかが大事になっている。
 
メタル系のスライムは他のモンスターに比べてぶっちぎりで高く設定されており、基本的にこちらの攻撃力がどれだけ高くなろうと、それでもその2倍以上の守備力があることが多い。
(作品によっては特殊処理がなされているため、数字そのものではなく無限判定になっている場合もある/後述)
そのため基本的に1までしかダメージを与えられないが、DQ6と7はこちらの攻撃力を500以上にでき、向こうの守備力は999なので、こちらの攻撃力が530を超えればほぼ一撃で倒せるようになる。
また、DQ3では【混乱】した敵の攻撃にも、上述の最低ダメージが保障される仕様のため、敵を混乱させればメタル系に2以上のダメージを与えることが可能。
終盤の敵ならば、攻撃力が100を優に超えるため、ほとんどの場合は【はぐれメタル】も一撃である。
ただしこちらのステータスインフレや【バイキルト】での攻撃力倍加に対抗するためか、DQ5でのメタル系の守備力は実質2047、DQ8では4096という異常に高い数値となっていて、【メタルぎり】【会心の一撃】以外ではダメージはほぼ与えることができなくなった。
 
なお、「守備力無限」の判定がある作品は、リメイク版DQ2(守備力255が条件)、DQ9(【メタル系】であることが条件)である。
DQ2ではこの場合、計算式によるダメージ軽減が守備力の1/4ではなく1/2になるため、どうやってもこの守備力を突破できなくなる。
DQ9では、【メタルスライム】が数値の表記上は256、【メタルキング】が512、【プラチナキング】でも546と一見低いが、データ上の数値とは無関係に無限化されているため、こちらの攻撃力に関係なく、メタル斬り等のいくつかの【特技】か会心の一撃以外でのダメージは、0か1にしかならなくなっている。
 
モンスターズではこちらのレベルで変動するが、キャラバンハートまでの対人戦では基本的に全員最大値の999にするのが普通である。逆にいえば攻撃力999に対して守備力もたった999しか無かったため、計算式の都合上打撃を守備力で封じることは不可能も同然であった。
ジョーカーではステータス上限システムが登場したが999の上限が破られなかったため、HPアップSPの【スキル】が無いとHP上限の低いメタルボディ持ちが一撃で打ち砕かれる事態に。
999の上限が無くなったジョーカー2以降は硬いモンスターはとことん硬くなった他、守備力1000を超えるモンスターの種類は攻撃力1000を超える物より多くなっている。

不思議のダンジョンシリーズ

操作キャラクターは基本的に【盾】の強さに完全に依存しているため、ステータスとしての「守備力」は存在しない。
NPCには「盾の強さ」代わりのステータスとして【防御力】が各々設定されている。