【でろりん】

Last-modified: 2020-10-12 (月) 20:35:56

偽勇者一行
【でろりん】―【ずるぼん】【へろへろ】【まぞっほ】

ダイの大冒険

概要

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する人物。20歳。【ロモス】王国出身。
逆立った黒髪に宝玉入りのサークレットを被り、マントを翻す外見は【主人公(DQ3)】そっくりの男だが、やけに目つきが悪い”自称”勇者。
その正体は、勇者を名乗りつつ悪事を働く不逞の輩である。
初登場は読み切り版の「デルパ!イルイル!」。
 
旧アニメのでろりんを担当した声優は緑川光。
【CDシアター ドラゴンクエスト】のDQ3の主人公アレルを演じた人物であり、狙ったのかどうかは定かでは無いが何とも皮肉なキャスティングである。
新アニメでは少年【ヤンガス】を演じた下野紘が担当している。

戦歴

過去にどういう活動をしていたかは描かれてないが、劇中では勇者を自称して「魔物が巣食う怪物島」と言われる【デルムリン島】へ乗り込んで来た。
実際のところ島のモンスター達は魔王の邪気から解放され善良な性質になっていたのだが、でろりんは褒美目当てにモンスターを狩り、希少な珍獣とされる「ゴールデンメタルスライム」を捕まえての一攫千金という身勝手な理由で攻撃を開始。勇者の様に卓越した剣技と呪文を使いこなして容赦なく一方的に打ち倒すと、目的のゴールデンメタルスライムである【ゴメちゃん】を捕まえてロモス王国(新アニメでは島近海に停泊しているロモスの船)に帰還する。
 
冒険者パーティーが「魔物退治」や「珍獣捕獲」で富や名声を得ようとする動機の方はそこまで邪悪とも言えないが、でろりん一味の場合は無害な存在と判ってなおモンスター達を痛めつけ、ダイと仲良しのゴメちゃんを無理矢理連れ去っている行動の方に問題があり、さらに国王に向かって平然と嘘の報告をしている辺りが悪役の面目躍如といった所。
 
ロモス国王の【シナナ】にゴメちゃんを献上して、国王から褒美を受け取り、勇者として賞賛されるが、ゴメちゃんを助ける為に【ダイ】とモンスター達(新アニメでは【ブラス】も)がその場に駆け付け逆襲を開始。初めは素人同然だったダイを完膚なきまでに叩きのめすが、ダイが【ブラス】から託された特殊な【魔法の筒】から出した魔界のモンスターに一味は翻弄される。
旧アニメでは魔界のモンスターは登場せず剣を奪われ形勢逆転され、新アニメでは巨大【ドラゴン】に圧倒される中、仲間のずるぼんがキングスライムに押しつぶされている姿を見て隙を晒したのが決定打となり、でろりんもダイがかざした魔法の筒に閉じ込められてしまった。
事情はともかく国王の目の前でモンスターを暴れさせたダイ達はなおもロモス兵に詰め寄られたが、戦闘中のでろりんやずるぼんの言動とダイの言い分を見ていた国王みずからが話を訊くべしと止めに入り、一件落着となった。
 
当のでろりんはと言えば、穏やかな存在になっていたデルムリン島のモンスター達を褒美目当てに一方的に甚振っていた件やゴメちゃんの誘拐を隠し、都合の悪いダイの事を魔物の手先扱いした嘘などの件もあり、勇者を名乗るに値しない輩だと露見してしまった。
原作及び旧アニメではどうなったのか不明だが、新アニメでは船から降ろされ、小舟で海原に置いて行かれるというけっこう恐ろしい処罰をくらっている。
 
同じくニセ勇者一味の戦士へろへろ僧侶ずるぼん魔法使いまぞっほと共に、平和に暮らしていたダイが初めて戦った悪役である。

その後の活動

その後はしばらく【ロモス】王国で活動。少しは懲りた様で、大きな悪事からは流石に足を洗っており、一応は本物の勇者を目指す様になっていた。
しかし実際にやっている事と言えば、自分より弱いモンスターを倒して褒美をもらったり、廃墟と化した町で廃品回収と称して火事場泥棒を働いていたりと情けない実績ばかりで、結局以前の生活とそれ程変わっておらず、ダイ達から冷たい目で見られた。ただ、美味しい格下を狙って安全に経験値やゴールドを稼いだり、廃墟で(それどころか普通の民家でも)物色などは世の多くの勇者達がやってきたであろう行為なので、ある意味彼らは間違ってはいない。
 
【クロコダイン】のロモス王国への襲撃時も外の百獣魔団と戦うといった事は無く、火事場泥棒に力を入れていたものの、ダイ達の活躍を見て今度こそ勇者になろうと思い立ち、【パプニカ】王国に名声を求めて旅立った…が、その時は【鬼岩城】の襲撃もあり、一目散に逃げてしまった。
引き際を見極めるという点では正しい判断なのだが、まるで成長していない…。
 
その後、一度魔王軍の侵攻を受け滅びた土地なら逆に安全だろうと誰もいない【オーザム】王国跡で文字通りの素寒貧に耐えながら隠れ住んでいたのだが、地上を崩壊させる「」の落下に吹っ飛ばされ、否応なしに世界の危機に巻き込まれる事になる。
その後、ゴメちゃんの最後の願いを聞き届け、世界を救うために「こんな北の果てにも勇者はいるから安心しろい!…ニセ者だけどなあ!」と自嘲混じりながらも高笑いして真っ先に名乗り出た。
流石に【ジャミラス】相手に戦いを挑む度胸はなかったが、仲間のまぞっほがここ一番という局面で尻込みしたところにパーティーリーダーらしく発破をかけ、更に彼の魔法を魔力で後押しするなど、彼もまた世界を救う為に必要不可欠な人材だったと言える。
読み切り当時のしょっぱい小悪党から、誰もが辿り着けなかった世界を破滅させる極北の「柱」に挑み、その機能の停止を達成して本当の意味で「勇気ある者」へと出世した事を誰が想像出来たであろうか。
 
エンディングでは、命の恩人かつ自分達を英雄にしてくれた仕掛け人でもある【マトリフ】に金品(盗品?)を巻き上げられて苦い顔をしていた。
 
旧アニメ版では出番が増えており、相変わらず勇者の名を騙って村人から食べ物を巻き上げるなど悪さをしている。
しかしたまたま現れた強い魔物に対しては「私は勇者ではありません、どうかご勘弁を」と土下座して「こいつはダイじゃないから勇者じゃない、とんだ無駄足だったわ」と一蹴されるなど、相変わらず情けない姿を見せる。魔王軍から見逃され喜ぶ一味だったが、結局「ワシらを騙したな!」と激怒した村人にボコボコされた。それ以降も、サーカスを開いて路銀を稼いでいたりと地味に登場している。

能力

ストーリー上では情けない扱いの多いでろりんだが、公式ガイドブック「JUMP COMICS PERFECT BOOK 1 ダイの大冒険」によれば、レベルはわずか13らしい。
 
他のキャラたちがレベルアップし成長しているのに比べると描写のとおりに低いとも言えるが、作中ではそれなりに強力な呪文である【イオラ】を使いこなし、複数のモンスターをまとめて倒す【ギラ】のごとき特別製の【メラ】を撃てるなど、妙に魔法の扱いに長けている。
更に「オレに弱点等無い」と豪語する程度には白兵戦もこなし、実戦経験も結構あるのかダイやモンスターの襲撃に動じず余裕で捌いてみせるなど、メインキャラ達にこそ遠く及ばないものの一般人より遥かに強いのは確かだろう。
実力的には、アバンの修行を受ける前のダイを苦戦させた度合から見て、【ガーゴイル】程度のモンスター相手なら、怖気づかずに戦えば勝てそうな位だろうか。
善人とは言えない男だったが、案外努力家だったのかもしれない。
 
ちなみに世界観の原案であるDQ3ならイオラの習得レベルは勇者で31、魔法使いで23程度。でろりんはわざわざ魔法使いとしてイオラを覚える迄レベルアップしてから戦士に転職でもしたのだろうか?
DQ3の勇者パーティーでレベル13ならだいたい【シャンパーニの塔】から【アッサラーム】位が適性な到達エリアになるのだが、勿論この時点でイオラが使えれば【カンダタ】も楽勝で突破出来てしまう。
もっとも、【ポップ】がギラを習得するよりも先に【メラゾーマ】を習得したりしているので、ゲームでの習得レベルは作中にあまり厳密に反映されてはいないようだ。

また、【ドラゴラム】を使う【大勇者アバン】【マヒャド】を使う【北の勇者ノヴァ】の様に、ダイ大の「勇者」は能力と結びつく職業というよりは立場に対しての称号であり、呪文の習得は契約と適性の問題であるため、魔法も剣技も使える【ニセ勇者でろりん】に職業をあてはめると何に相当するのかは謎である。
ダイ大世界には腕力に優れ回復呪文を使える僧侶戦士なんて職業の名乗りもあるが、ゲーム上で言えばでろりんは【魔法戦士】辺りだろうか。