概要
DQ2とDQ5に登場する道具。
名前は一緒だが、作品によって用途は大きく違う。
名前からすると戦闘中に【ザオラル】や【ザオリク】の効果があるようにも思えるが、
これらと同効果のあるアイテムは【ふっかつのつえ】や【せかいじゅのは】となっている。
DQ2(FC・MSX・MSX2版)
使うと「どこからともなく美しい声」が聞こえてきて、その場で【復活の呪文】を表示させることが可能。
ただし、その復活の呪文を入力してゲームを再開した場合は、最後に(このアイテムを使わずに)復活の呪文を聞いた場所からになる。
例えば【ロンダルキアのほこら】で神父から復活の呪文を聞き、その後に【ハーゴン】戦直前でこれを使って復活の呪文を表示させた場合、それを入力した際のゲーム再開地点は【ハーゴンの神殿】ではなくロンダルキアのほこらから、というわけである。
この仕様を把握しないまま、難関ダンジョンの深部や【ロンダルキアへの洞窟】を抜けた直後などに、そこで再開できると思い込んで一度ゲームを終了し、翌日に再開して絶望を味わった小学生も少なからずいたらしい。
【はぐれメタル】が落とす宝箱からでしか手に入らない、超レアアイテムである。
その割には売ったり捨てたり出来てしまうが。消耗品ではないのでその点はありがたい。
ちなみに、ドロップ率自体は1/8と非常に高かったりする。
それでもレアアイテムと呼ばれるのは、はぐれメタルを倒すこと自体が大変だからであろう。
はぐれメタルを容易に倒せるようになる頃には、他の魔物と一緒に現れる機会も多くなるので、最後に残して倒すのが難しいという事情もある。
使用した際に聞こえてくる声の主については、ご先祖様であるDQ1の【ローラ姫】だと【みちくさ冒険ガイド】で明記された。
王子たちのことを「私と、愛しき人の子孫達」と言っている他、【そんな、ひどい…】を持ちネタとしている。
シドーを倒した後に使った場合は、シドーを倒した時点の能力での復活の呪文が表示される。
ただし、その復活の呪文を入力してゲーム再開しても、シドー撃破前の状態に戻る。
通常、ラストボスを撃破して【エンディング】を迎えた場合、「ゲームをクリアした」という事実以外の情報は、冒険の書に記録されないため、最後にセーブした後の、ラストボスまでの長い道中で得た経験値等の情報は全てリセットされてしまう。
このため、ラストボス撃破に成功して2回目以降再挑戦する場合は、道中でレベルアップした事実も巻き戻った状態でラストボスに再び挑むことになる。
また、ラストボスまでの道中に貴重なアイテム(魔物が落とす【ドロップアイテム】など)を手に入れたりして冒険の書に記録したい場合は、いったん戻ってセーブして出直す必要がある。
それがこの作品に限り、このアイテムをうまく利用することによって、上記の問題を解決できる。
その他、旅先で絶体絶命のピンチに陥った時、戦闘中でなければノーリスクで帰還することも可能である。
戦闘中に役立つことはないが、こういった意味で非常に有用なアイテムといえるだろう。
しかし、後の作品で一切顧みられることはなかった。この理由は不明。
なお、この仕様の注意点として、【ハーゴンの神殿】で幻のローレシア城にいる間に消耗品を使ったり道具を捨てたり【はかいのつるぎ】を装備した状態で復活の呪文を聞くと、その状態で再開することになる。
なお「どこでもパスワード表示orセーブできる」という存在自体がメタ的なアイテムであるためか、【公式ガイドブック】には設定的にどういう代物なのかという記述は皆無で、【アイテム物語】などでも触れられていない。
あの世にいるローラ姫と会話できる代物なのか、それとも玉の中にローラ姫の魂が宿っているのか、そもそもなぜそれをはぐれメタルからしか入手できないのか…など、全てが謎に包まれている。
リメイク版
復活の呪文が冒険の書に置き換えられたSFC版にも継承された。
使用すると、その場で冒険の書にセーブできるほか、次のレベルアップまでに必要な経験値も教えてくれるようになった。
一方、【中断】機能が付いたGB版では削除され、SFC版をベースとしたガラケー版ではまた復活していたが、【オートセーブ】も備わったスマホ版以降では再度削除されている。
SFC版では【サマルカンスト技】の必須アイテムでもあるほか、ちょっとした工夫で容易に入手可能になっている。
FC版と同様に幻のローレシア城での行動が記録されてしまうが、復活の呪文と違って記録してしまうと冒険の書が上書きされて、そのままリセットしてしまうと取り返しがつかない。うっかり幻の中で使ってしまった場合は一度外に出るか【ルビスのまもり】を使用して時間を戻してセーブし直せばリカバーできる。
SFC版・ガラケー版では、シドーを倒した後にこれを使った場合、声の主に褒めてもらえる。
ちなみに使った時に3人それぞれの名前が呼ばれるのだが、これがSFC版だと、『復活の玉を持っているキャラ・サマルトリアの王子・ムーンブルクの王女』と言う順番で名前を参照するため、ローレシアの王子以外に復活の玉を持たせていると、2回呼ばれる人が出る上にローレシアの王子が無視されてしまう。
その割に「王子」と言う敬称はちゃんと付けるため、ムーンブルクの王女が玉を持っていた場合にはありえない事になる。
発売順で言うと、SFC版DQ5(1992/9/27)が先で、SFC版DQ1・2(1993/12/18)が後という順序になる。つまり、ファミコンを持っていないスーファミ世代辺りは特に、DQ5をプレイして(ふっかつのたまの蘇生機能を学習して)から、DQ2を初プレイしている可能性が高い。
そのためDQ5の経験からDQ2でふっかつのたまを手に入れた時点でその効果をDQ5と同じく蘇生機能だと思い込み、道具コマンドで使ってみることもせず、ただ持たせるだけで終わってしまった…というパターンも無くはないだろう。
ゲームブック(エニックス版)
はぐれメタルが落とすほか、ロンダルキアのほこらでも入手可能。
効果はゲーム版と異なり、シドー戦などで負けたときに一度だけHP満タンで復活できる。
「不思議な宝石」と合わせると計2回まで復活できる。
DQ5
上述のゲームブック版DQ2の仕様が逆輸入されたのか、所持者が死亡すると即座に生き返るというアイテムになった。
簡単に言うなれば不思議のダンジョンシリーズの【せかいじゅのは】である。
死なずに済む【いのちのいし】とは違い、死亡して効果を発揮するので、バイキルトなどの補助効果は解けてしまう点には注意。
戦闘不能の理由いかんに関わらず戦列復帰できるのが長所といえる。
消耗品のため、効果を発揮した後は砕け散ってしまう。
基本的には【謎の洞窟】に1個あるだけ。それ以上欲しければ、【グレイトドラゴン】か【スライムベホマズン】が低確率で落とすのを狙うしかない。両者とも仲間になるので、勧誘のついでに狙ってみるのもアリ。
よくよく考えてみれば凄まじい効果だが、入手手段が余りに限られているのでどこぞの【メガザルのうでわ】のようなバランスブレイカーと呼ばれることは少ない。
寧ろ、その強力な効果と入手の困難さゆえ使いどころを見出せず、【せかいじゅのしずく】以上に預かり所の肥やしになっているであろうアイテムの筆頭である。
また、前述の通りこれを落とすモンスターは両者とも仲間になり、かつどちらも非常に優秀であるためそういう意味でも微妙な気分にさせてくれるアイテムと言える。
とはいえ、これがあれば一度とはいえ戦闘不能をチャラに出来るので、キャラの守りを捨てて強力な攻撃を仕掛けたい時なんかに持たせておくと便利。
とりわけ、【エスターク】の最短撃破などで威力を発揮するだろう。ドロップで幾つか入手し全員に複数個持たせると、回復・蘇生の手間が省け、その分を攻撃に当てられる。
リメイク版
【すごろく場】でも拾える。
それでも確実に手に入るのはたった2つ。変わらずレアアイテムとして君臨している。