【ガスのつぼ】

Last-modified: 2021-06-16 (水) 02:37:28

DQ4

【アッテムト鉱山】のはるか奥深く、【エスターク神殿】に封印されている重要アイテム。
その昔、人も乗り物を使い空を飛んでいたが地獄の帝王がその乗り物の源を奪い、一緒に地の底に封じ込まれたと言われる古代の遺物。
しかし、エスタークを倒すまではこれが入っている宝箱の前に【骸骨】(リメイク版では【たましい】)が立ち塞がって邪魔している。
エスターク撃破後には消滅しているので、忘れず回収しておこう。
といってもこの宝箱は帰り道に必ず視界に入る場所におかれており、さらにFC版ではエスターク神殿全体が終始リレミト不可、リメイク版でもエスターク撃破後からこれを回収するまではリレミト不可になるので、よほどのうっかりさんでなければ回収し忘れることはないだろう。
 
その名の通り、空気より比重の軽いガスが大量に詰まっていて、空飛ぶ乗り物【気球】を作るのに必要。
これを手に入れないと世界樹やゴットサイドに行くことができない。
道具一覧を開いてトルネコに鑑定させると、ガスの臭いに耐えられなかったのか「うぷっ!」と声を漏らしている。
 
FC版ではリバーサイドの道具屋に見せて気球を作ってもらっても消滅しないが、リメイク版ではリバーサイドの学者に見せて気球を作ってもらうと消滅する。
 
また公式ガイドブックにおける壺自体の外見も、FC版とリメイク版では大きく異なる。
FC版のものは形状こそ複雑だが、材質は普通の焼いた土に見える。いわゆる壺の範疇に収まるであろうものだった。
一方リメイク版では、なんとバルブの付いた金属製の球体に変わっている。どう見てもガスタンクです。
一見何とも場違いだが、異文明の産物ということをより強調したデザインとも言える。
 
気球を浮かべるほどの低密度のガスを放出し、さらに長時間出し続ける。おまけに容量もそんなに大きいとは言えない。
ガスを生み出す構造が、生物のように生きているのか永久機関が働いているのか不明だが、どちらにしても恐ろしいまでの超技術である。まさにオーパーツと言うほかない。

余談

ガスといえば臭いがあるイメージを持たれやすいが、現実世界でガス気球を浮かせるために使われているガスは基本的に無臭である。
トルネコが鑑定で「うぷっ!」と言っていることはガスが無臭であるならばあり得ないことで、考察でも度々この点が指摘されることがある。
だが、そもそも人間が生活圏で利用しているガスというものは特定用途のために最適なガス成分だけを精製・抽出したものであり(臭いがするものはガス漏れの発見率を上げるために意図的に臭いがつけられている)、自然発生しているガスはたいてい不純物も混じっていて何かしらの刺激臭を持つことが多い。
実際、気球が開発されてまだあまり経っていない頃には刺激臭のあるガスを使って飛んだ気球も実在する。(その気球がガス漏れを起こし、搭乗者が体調を崩したというアクシデントまである。)
ガスのつぼが元々何のために作られたものなのかわからないので断定はできないが、単にガスのつぼが単一成分の純ガスを生み出すものではなかった、あるいは現実では使われていない(存在しない)刺激臭付きの浮力のあるガスが生み出されているということなのだろう。
 
また、この世界での気球の製造方法を見る限り「熱気球」とは違い、バルーンの部分に直接ガスを詰めて気球を浮かせている「ガス気球(軽気球)」のようである。
現実のガス気球は基本的に補充用のボンベを積むことはなく、地上でガスを注入して浮上させたら、飛んでいる途中でバルーンの浮力(ガス)を増やすことはできないので高度を上げたい場合はあらかじめ用意したバラスト(重り)を捨ててることで浮上させる。
逆に高度を下げたい場合はバルブを開閉してガスを抜くことによって浮力を下げる。
従って高度、軌道調整を行うたびに必然的に両方が減っていき、やがてガスが十分な浮力を得られなくなるほどに減って気球は飛ぶことができなくなる。
もしもガスの壺が半永久的に軽いガスを自在に放出することができるのならば、壺自体を気球に搭載し、気密性の高いチューブなどでバルーンと連結することでガスの途中補給が可能となり、風船内のガスの増減のみで浮力のコントロールが行えるので延々と飛べるはずである。
リメイク版のガスの壺は道具屋に渡すと消えるのだが、気球の仕組みに壺ごと組み込んでしまったからと考えれば納得できる変更である。
なお、半永久的とまではいかないが、長期間にわたってガスを放出し続ける装置というのは現実世界のガスボンベそのものであり、現代科学でも操作性とコストの問題さえクリアできれば十分に実現可能である。