【ギャルになりたい爺さん】

Last-modified: 2024-02-10 (土) 01:10:10

概要

【ダーマ神殿】が登場する作品に、ほぼもれなく毎回ついてくる【老人】
DQ3で初登場して以来、ダーマあるところに彼ありとばかりにDQ9まで連続で登場し続けている。
枯れた老人でありながら、ギャル(若い女性)になりたいという願望を持った野心家。
ギャルとお近づきになりたいのではなく、ギャルそのものになりたいというところに並大抵ではない執念が感じられる。
当然だが、ドラクエにおいては基本的に【性別】の中途変更システムは実装されていない(バグ技などを除く)ため、彼の念願が叶うことはない……とされていた。
一応ぱふぱふができる程度まで女性の外見になれる手段はあるらしく、早くもDQ2に女性グラフィック(FC版:汎用・SFC版以後:バニーガール)のオカマ(本人談)が登場していた。
また【モシャス】【へんげのつえ】では異性に変身できなくもないが、効果は短時間だし、後者に至っては何事も無かったかのように住民が見破ってくるので意味はないだろう。
 
魔物用ではあるものの性別を逆転させるアイテムは一応存在し、PS版DQM1・2には【きせきのしるし】が登場している(ちなみに少年ヤンガスには【ぎゃくてんの杖】が登場するが、「人間には効果なし」という結果が出ている)。
また、DQ11には対象の魔力を吸い取るつもりが同時に対象を若返らせてしまったモンスターも登場している。
これらの手段を組み合わせれば人間の老人からギャルになれるかもしれないが、あまりにも危険すぎる。
…と思ったら、3DS版や11Sではまさかの実装に。詳細は後述にて。
ちなみにDQ10では現在未登場である。
 
漫画家【柴田亜美】が週刊ファミ通に連載していた「ジャングル少年ジャン」に、『レベルが上がって転職する時に性転換もできる』という設定が出てきているが、あきらかにこの爺さんが元ネタだろう。というか、この漫画の『魔王を倒す為に仲間を集めて名簿に登録する』という大筋・出発点自体がDQ3のパロディである。

DQ3

*「わしは ぴちぴちギャルに
なりたいのう。

というセリフと共に、鮮烈デビュー。
ちなみに入り口に近い順に、【武闘家】になりたい【商人】、商人になりたい若者、【魔法使い】になりたい女性がおり、この爺さんはオチ担当である。
夜には【宿屋】に移動しており

*「ぐうぐう……。
きゃー うれぴー!

などと宣う。
「うれぴー」とは本作が発売された1980年代後半に一世を風靡した「のりピー」こと酒井法子が使用していた代表的のりピー語であり、当時の若い女性の間で流行っていた言葉である。

リメイク版

リメイク版では台詞が、

*「わしは ぴちぴちの
コギャルに なりたいのう。

に進化。
相変わらず時代の最先端を行く姿がうかがえる。
ちなみに「コギャル」という単語も21世紀の現在は死語であるが、1990年代後半に爆発的人気を誇った安室奈美恵のファッションを真似た女子高生たちの呼称である。
本来は「校生ギャル」の略語であるが、それまで若い女性に対して使われた「ギャル」(大学生以上)に対する「ギャル」と解釈が変わっていき、高校生がコギャル、中学生がマゴギャルと呼ばれるようになった。これらは次第に「ギャル系ファッション」として統一され、ギャルの定義も1980年代当時とはすっかり別物になったのである。
もちろん、彼は男なのでコギャルになることは出来ない。
そもそも「コギャル」という職業自体がダーマにはないだろ! と突っ込みたいところだが、こんなアイテムがあるということは実はいるのかもしれない。
 
ついでに寝言も、

*「ぐうぐう……。やだ~。
だってえ あいつって
チョベリガンブロンだしい……

に変わっている。
コギャルとして真面目に修業しているようで結構なことである。
「チョベリガンブロン」とは「超ベリー顔面不細工ロン毛野郎」の略で、不細工で似合わないのにロングヘアにしている男に対する蔑称。
もちろん、現在ではこちらも洒落にならないほどの死語である。
 
初見のプレイヤーはもちろん、FC時代からのプレイヤーも爺さんの進化に吹き出したに違いない。
ちなみに、発売した当時の流行語をもろに反映していたのはこのDQ3バージョンまでである。
既に死語となりつつあったGBC版、完全に過去の遺物と化した時期のガラケー版・スマホ版・Wii版でもまだコギャル、チョベリガンブロンのまま。進化はSFC版で止まってしまったようだ。

DQ6

FC版DQ3と同じく「わしは ピチピチギャルに なりたいのう。」から始まるが

*「そうしたら おまえさんに
パフパフしてやっても ええぞ。

と続く。せめて本当にピチピチギャルになってから言ってくれ…。
ちなみに昼夜システムがないため、残念ながら彼の寝言を聞くことはできない。代わりに現実世界のレイドック城下町にはこの爺さんの現実での姿と思わしきベッドに寝ている爺さんがいる。
そもそも大規模な願望でも実現化する【夢の世界】であるというのに、その夢の中だけでもギャルになるということすらできていないのがかわいそうである。
 
また、【ベストドレッサーコンテスト】の会場には「ギャルをみたい爺さん」が登場する。

*「ギャルじゃ! ピチピチの
 ギャルを 見たいんじゃ!

などと息巻いている。これはもう、ギャグパート時の【ロウ】よろしくただのスケベな爺さんである。

リメイク版

ダーマ神殿内の【本棚】に、

ピチピチギャルは
修業を つみ上げたところで
なれるような ものではない。
では なぜ ピチピチギャルを
目指す者が あとをたたないのか?
それは……
男たちの 永遠の夢だからである。

という謎の記述がある。
しかし、まわりを見渡してもギャルになりたがっているのはこの爺さんだけで、後を絶たないほどいる状況ではない。
「男たちの永遠の夢」というのは昨今の女装趣味の男性たちを指したものだろうか。そんなアブノーマルな夢を持った男性はかなり限定されると思われるが…。
 
後を絶たないというのはDQの歴史においてという意味だろうか。
彼と話した後の【ミレーユ】のメタ台詞から、それがうかがえる。
「どこの世界にも同じような考えの人がいるものなのね……」

後述になるが、この本の記述がある意味現実になる作品が出てくる…

DQ7

DQ7にも登場、完全に名物爺さんと化す。

*「もうすぐじゃ……。
もうすぐ わしは
ぴちぴちギャルになるんじゃ!

もちろんなれません。なんだか狂気を感じる執心ぶりである。
しかも、主人公たちを指して「モテなさそう」とかぬかす。
一応理論上はピチピチギャルのモンスターさえいれば不可能ではないだろうが、DQ7にそんなモンスターは出てこないのでどっちにしろ無理である。
 
魔王討伐前に会いにいくと、なんと本物のバニーさんとご対面しており、婆さんに怒られている。
これに対し爺さんは浮気を否定し、ぴちぴちギャルになりたいだけだと弁明する。
本職の人から学ぼうとは、なんという羨ましい……いや勉強熱心な爺さんである。
ギャルになるまでは「こきょうの土は踏まん」と勇ましい発言も飛び出す。
 
しかも、クリア後に会いに行くと本当にバニーさんに【転職】している。
「全ての人々は自由に職業を決められるが、主人公たちにはそういった考えが選択肢にない」だけかもしれない。
……と驚いたのもつかの間、向かいに座ってる婆さんに話しかけると、単に爺さんのままバニーの格好をしているだけとのこと。
ここでガッカリするか、むしろ胸を撫で下ろすかは人によって分かれるだろうが、どちらにせよ絶対に想像したくない絵面なのは確かだろう。
【アイラ】は「生暖かい目で見守ってやるのが大人の優しさよ」と評している。
リメイク版では画面で見る限り、本当にぱふぱふできそうな立派なボディになっているが、おそらく詰めているのだろう……。
婆さんは婆さんで釣り合いを取るため(?)にナイスガイに転職すべきか迷っている。
 
ちなみに、過去のダーマ神殿には「らぶりーなウサ耳の似合うバニー」になりたがる【姫】がいて、爺やを困らせている。
こちらはシステム上は可能だろう。というか、後に嬉しそうにバニー姿を披露してくれる。

DQ9

世間の【メイド】さんブームに乗っかったのか本作ではメイドさんになりたがるジジイがいる。
大神官が不在と言うことで

「わしゃあ メイドさんになるまで
ここを うごかんぞい!

と憤っていらっしゃる。
もちろん、大神官が帰ってきてもメイドさんにはなれません。

「あのクサレ神官め……。
どうあっても わしを メイドさんに
する気が ないと見える。

する気がないのではなくそもそも「なれない」のだが、最早おぞましささえ感じるご執心ぶり。
そして「先にご主人様を見つけねばならぬということか」とか勘違いしだす始末。やめれ。
 
しかし、クリア後にダーマ神殿に行くとなんとメイドさんのコスプレをしている。
曰く「メイドさんに転職させてもらえないからコスプレでガマンする」とのこと。
「お帰りなさいませ、ご主人様」「子守唄のサービスはいかがですか」とも言ってくれる。パフパフよりはマシだし無理もないが全然嬉しくない。どうせなら執事を目指してはいかがか……。
 
今作ではメイド服は男性でも装備出来てしまうため、ここにきてようやくゲーム的にも実現可能な範囲に一応収まっているじいさんでもある。

ちなみにこのメイド服、店売り(頭含めて36000G)か、比較的難度が高めの宝の地図でしか入手できない。
このじいさん、実はすごい人なんじゃないだろうか?
 
またこの他にはメイドさんに会いたいジジイもいる。残念ながら(?)二人のじいさんが出会うことはない。無念。

DQ10オンライン

前述の通り未登場だが、オフラインモードで仲間になる僧侶【アイギス】が近い。
彼は爺さんではなくおっさんであり、ダーマ神殿にいるわけでもない。
しかし「渚のピチピチギャルになりたい」という理由で【あぶない水着上】を要求してくる(クエスト【渚のピチピチギャル】)。
渡すとおおはしゃぎするが、すぐに虚しくなってしまう。
なお、このシーンは画面が暗転したままであり、その後は仲間として雇うことになっても、アイギスが水着を着た姿を見ることはできない。…いや、見たくもない。

DQ11

【ドゥルダ郷】に登場。話の内容はDQ6と7を合わせた感じになっている。
根本的にダーマ神殿も何もないのに何故なれると思うのだろうか。
過ぎ去りし時を求めると女戦士が爺さんのいた場所にいるが、当然別人である。
本人はもちろん、爺さんのままである。

3DS版・DQ11S

【冒険の書の世界】のダーマ神殿に多数登場。
あろう事か大量増殖し、世界中のギャルになりたい爺さんがダーマに押し寄せるというある意味衝撃的な光景をプレイヤーは目にする事になる。
前述のリメイク版6の本に対する返答なのかもしれない…
ちなみにこの爺さん達の台詞は過去作品のものが使われており、ギャルになりたい爺さんシリーズの集大成と言える内容になっている。
さらに言うとパーティの一員である【ロウ】も「どうせなるなら わしもぴちぴちギャルになりたいのう……。」と同胞コメント。
関連クエスト【ぴちぴちギャルになりたい!】を攻略すると、クエスト中に手に入る転職本【ぴちぴちギャル白書】の効果により、ついに念願だったぴちぴちギャルへの転職が叶う事となる。
ぴちぴちギャルになった爺さんのグラフィックは【バニーガール】。本当に女性になっているのかどうかは定かではない。むしろ知らないほうがいいだろう……。
兵士にぱふぱふしようとしたり、ぼんっ! きゅっ! ぼんじゃよ!等と言っているバニーもいるので本当に女性になっている可能性が……。
列に並んでいる商人風の男もぴちぴちギャルになろうか悩み、ダーマ神殿の神官も「これほど需要があるならば」とぴちぴちギャルの正式職業化を検討しはじめる始末。
一方で、警備の兵士が神聖なダーマ神殿がにぎやかになって困惑していたり、【ルイーダ】と思われる酒場の女将は「ぴちぴちギャルってそもそも職業なのかしら…」ともっともなツッコミをつぶやいている。
ちなみに、一人だけ「服がぴちぴちだから」と、商人に転職している爺さんがいる。

ビルダーズ2

クリア後、【ジローム】がからっぽ島にいると、【バニースーツ】の話を持ち掛けて「ぴちぴちギャルになりたい」と言い出すことがある。