【グロイサン】

Last-modified: 2026-05-09 (土) 17:52:38

ベルクス
【ライゼ】 ―【グロイサン】― 【フーガ】【スイグン】【テンペスト】【ヒヒ】【タークス】【ベアーチェ】

勇者アバンと獄炎の魔王

44話で初登場した【ベルクス】の一員。名前の由来は恐らく八卦の「山(さん)」。
サイの仮面を被り巨大な両手斧を携えた、クロコダインにも匹敵する体格の戦士で、「魔斧(まふ)のグロイサン」を名乗る。

初登場から1話後の45話にて、クロコダインの口から、決闘したことが語られる。
【クロコダイン】に、「今まで戦った相手の中では最上級」「あそこまでの力の持ち主がいるとは思わなかった」と言わしめるほどの実力を見せる。
激闘の末にクロコダインの手斧を粉砕し、鋼鉄のごとき肉体を持つ彼に片膝をつかせるに至るも、自身も斧の「切先」が砕けたためか撤退した。
わずかな回想シーンながらクロコダインを相手に正々堂々戦い、武器の差こそあれど優勢であったことが描かれるなど、ベルクスの実質トップバッターとして充分な強さを見せた。

しかし、48話にて衝撃の事実が語られる。
ベルクスとは意志をもったはぐれ武器の集団で、それが人間や獣人を操り自らを振るわせているのだ。
グロイサンもその手に持つ両手斧が本体であり、クロコダインと戦ったのは、その強靭な肉体を狙ってのもの……クロコダインを乗っ取り、自らを振るわせるためであった。
……そして彼は、本体である魔斧が大きく欠損したため、なんと撤退の途中で力尽きてしまっていたのである(!)。
【アバン】と戦うこともなく、台詞も自身の名乗りだけで数コマしか出番が無いという、ダイ大の敵キャラクターの中でも異例の扱いだった。

クロコダインは「武器が本体なのでそれを大きく破壊されると死ぬ」ということなど知るよしもないため、「相手はまだ戦えるにも関わらず撤退した」、負けに近い痛み分けという認識でいるようだ。
あの屈強なクロコダインが全身に傷を負って膝をつき、武器も砕かれて失っているというかなり不利な戦況に追い込まれているので、グロイサンは当時の地上においてかなりの強者であったことは間違いない。

しかし、クロコダインが当時愛用していた斧は、体格に見合ったサイズはあるが、見るからに銘などなさそうな手斧である(おそらくは【てつのおの】程度のものだろう)。
クロコダインのパワーに耐えられる品質はあったにしろ、魔界の名工ベルク一族作の「魔斧グロイサン」とは、比較にならない品質であるはず。
言ってしまえば圧倒的に格下のはずの武器に、相打ちとはいえ致命傷を負わされた「魔斧グロイサン」は、最期になにを思ったのだろうか……。

余談

46、47話で【魔槍のフーガ】とアバンが戦闘するうち、その端末から「ベルクスは武器の持ち主でなく、武器のほうが本体」ということが明かされた。
読者の一部はこの時点で思った。「あれ……これグロイサン死んでない……?」

45話時点でクロコダインは「切先が砕けたのみ」と表現したが、回想シーンでは大きな斧刃の3割ほどが割れ飛んでおり、残りの部分にも大きなヒビが入っていて、通常の武器なら最早新調した方が良さそうなレベルの大ダメージを受けている。
この時点で、「魔の武器を持つ集団の、肝心の魔武器が、いくら相打ちとはいえ手作り感溢れる手斧に砕かれるってどうなの?」……とも言われていた。
(クロコダインの手斧は斧頭の形状や砕け方を見るにおそらく金属製なのだが、見た目が石の斧めいていたのも印象の悪さを引き立てている)
つまり武器としては瀕死の状態で、魔斧が本体である以上、グロイサンも同じく瀕死もしくは死んでいるだろうと予想されていた。

そして48話にて、撤退途中で倒れ、朽ちていく魔斧グロイサンが描かれ、「やっぱり死んでるじゃん!?」と読者を驚かせた(案の定、と言ってしまえばそれまでなのだが)。
クロコダインは当時地上最強の獣人であり、それが打製石器めいたただの斧だけ持っているのを見ると、自らを最高の肉体に振るわせたいグロイサンとしては狙わざるを得なかったところだろう。
問題はその手作りめいた斧で自身を砕く程の凄まじい力量があった事だが。
自身を振るわせるにあたり最高の相手と堂々戦い敗れた、見事な散り様といえばまあそうなのだが……。

なお、ベルクスの武器には揃って顔のようなデザインの部分があり、クロコダインが砕いたのはまさにその顔部分である。
グロイサンはとくにセリフもなく撤退したが、他のベルクスは武器が喋っているような描写もあり、「顔部分を砕かれたから喋れなかったのでは?」という考察があったりもする。
フーガのようにべらべらと自分の秘密を喋って株を落としたりせずに退場したので良かったと一部読者は思っているとかなんとか。
 
補足しておくとダイ大の世界では「使い手が闘気を纏うことで武器は材質に依らず強化される」ため、クロコダインの手斧も彼の闘気によってはぐれ武器を砕けるほどの強度を持ったと考えられる。
手斧も砕けてしまったとはいえ、はぐれ武器を砕いたのはなかなかの戦果と言えよう。
なおクロコダイン自体はまさかグロイサンがはぐれ武器(武器が本体)とは思っていないため「相手が撤退しなかったら負けていた」と思い込んでいる。