【サントハイム】

Last-modified: 2024-03-01 (金) 05:38:19

DQ4

第二章のスタート地点である城。
FC版の【公式ガイドブック】での英語表記はSaintheim。英語版での地名はNES版ではSanteem、DS版以降ではZamoksva。
サント(Sainte)はフランス語圏で女性の聖人を意味し、ハイム(heim)はドイツ語で「家」や「郷里」を意味し、地名の接尾辞としてよく使われる。
そのまま組み合わせて直訳するならば「聖女の家」または「聖女の郷里」となる。
 
【スタンシアラ】からほぼ真っ直ぐ南側に位置する。
すぐ西には事実上の城下町である【サラン】がある。
【アリーナ】はここの姫で、【クリフト】【ブライ】もここに仕えている。
治めているのはアリーナの父である【サントハイム王】
 
城は3階建てであり、2階に王の広間、3階に王様とアリーナの寝室がある。
1階には教会があるが、セーブはできない。
ちなみにFC版とリメイク版とで、城の内部の構造が若干異なっている。
また、リメイク版ではバルコニーに50Gが落ちている。
初見ではまず気づかないだろうが、開始時から取れるので知っているとお得。(DS版以降ではキラキラ光るようになったため、気づきやすい)
 
国の領土面積は【キングレオ】に次いで広大で、領内には3つの町村がある大国…なのだが、山間の田舎とはいえ陸路要衝の【テンペ】の生贄事件を感知していないあたり、統治が行き届いているかはやや怪しい。
ちなみにリメイク版では【王家の墓】もサントハイム領となった。
ただし、王家の墓がある辺りはあくまでもゲーム内ではエンドール地方と呼ばれているので、サントハイム領に含まれるかどうかは不明(飛び地の可能性もある)。
また、第五章では領内(【砂漠のバザー】の跡地)で勝手に【移民の町】が作られる。
リメイク版以前に出た4コマ漫画で、アリーナが【ポーカー】でサントハイムの領土の一部を賭けているネタがある。
 
国の紋章として丸十字のマークが設定されており、アリーナ・クリフト・ブライの関係者三人は、ベルトのバックルがその紋章をあしらったものになっており、クリフトは帽子にもマークが入っている。
DS版リメイクやそれ以降の関連作品等では、十字架等の宗教関連の連想を避けるためか、五角形の中央に1本の線が入ったマークに変更されている。

二章

王座の間で父である王から説教されるところから始まる。
ちなみに、この王座の間の兵士が「ここはサントハイムのお城です」と言うが、その相手は毎日顔を合わせているであろうサントハイムの王女であり、いくらなんでも不自然すぎる台詞である。
DQ2にも王族に対して同様の台詞を言う兵士はいたが、あちらは王座の間の兵士ではないので顔を知らなかったという言い訳は立つ。
なお、第一章の【バトランド】の城内には【ライアン】に対してこんなことを言うキャラはおらず、次の第三章のスタート地点の【レイクナバ】では同様の台詞を言ったキャラがその直後に相手が【トルネコ】だと気づいて「言って損しちゃった」と言うので、上記の兵士だけが異常者みたいになっている。
ただし、他の章ではプロローグで地名が出てくるのに対し、第二章だけはなぜか地名が出てこず、開始直後の王のセリフにも国名は出ないので、その補完のためにこの台詞が用意されたのだろう。なぜあえてプロローグに地名を入れなかったのか謎だが…。
なお、【ここは○○の町ですキャラ】が真ん真ん中に配置されているのは前作の【サマンオサ】と並んで珍しい例でもある。
 
アリーナが3階にある自室の壁を蹴り破って抜け出し、それを後からクリフトとブライの2人が追って3人での旅が始まる。
しかし、いきなり自室に行っても最初は壁が修理中であり、玉座の間にいるブライ、1階のクリフトと入口の左側の門番の計3人と話すと修理が終わるフラグが立つ。
教会の奥の部屋でせいすい、アリーナの自室ではねぼうしが手に入るので拾っておこう。もちろん装備も忘れずに。
リメイク版ではさらに拾えるものが増えた。
FC版とPS版では城の外にアリーナが出た時点で2人が追ってくるが、DS版以降では城の裏側から彼女が外に出ようとする時点で2人が合流する。
実はこの後一度城の中に戻って王様に話しかけると、王様から「国内のみ」という条件で外出許可がもらえ、正門をふさいでいる門番が自由に出入りをさせてくれるようになる。
もはや城内には特に用がない上に自室の壁の穴からいつでも出られるので特に意味はないが。
このフラグを立てるには王様の異変が起こるまでに話しかける必要があるが、後述の通り、異変が起きても治療すれば改めて許可がおりて正門から出ることができるようになる。
余談だが、部屋を蹴破って城を出た後、お供の2人が加入する前に即座に城に戻っても王様は旅を許可してくれるので、王様が許可しているのにクリフトとブライは相変わらず外に出ないよう説教をしてくるという状況が成立する。
 
一旦外に出てしまえばしばらく城には用は無いのだが、中盤で王様の異変を聞いたアリーナたちは再び戻り、情報収集することに。
そして【さえずりのみつ】を取ってきて王様の声を治すと、晴れてアリーナは国外へ出ることを許される。
 
二章の最後には、サントハイム王も含め城の全ての人々が忽然と姿を消してしまう。
モンスターこそ出ないものの城に入ると全く無音というのが、また不気味。
唯一残った【ミーちゃん】の様子も変わっており、この時ばかりは屋根の上ではなく屋内にいて、それまで「にゃーん」だったのが「にゃん にゃん にゃん!」と何か言いたげなのが感じ取れる。
アリーナたちはこの謎を究明するために再び旅立ち、ここで章が終了する。ただし入って1階からすぐ出ればクリアのフラグが立たずフィールドに戻る。この無人の城から出るとき、いつもの【ザッザッザッザッ】が「ザッ…クォックォックォッ…」とまるで魔王キャラの不敵な笑いのようなちょっと不気味な音に変わる。これが上述の無音の不気味さも相まって一層不気味に聴こえる。
これは二章を終える場合も、そのままフィールドに戻る場合も同じ。
フラグを立ててから【ルーラ】で移動しても強制終了。
2階へ上がるとブライの台詞が出るが、このとき即座にルーラすればフラグは立たないので、特にRTAでは注意。
フラグを立てるにはブライの台詞ウィンドウを消したあとに一瞬の間を置く必要がある。
当然だがルーラの場合はザッザッザッ…のSEは鳴らないので、クォックォックォッ…の音も聞かないで済む。
フラグとは関係ないが、3階へ上がればクリフトの台詞が出る。そして2階へ降り(もしくは屋根の上に飛び降り)れば、再びブライが同じ台詞を言う。なんでやねん…。
 
ちなみにサントハイム領とエンドール領を結ぶ【エンドールへの旅の扉】に常駐していた兵士と【砂漠のバザー】にいる兵士の2人だけは、お城にいなかったことで災厄を免れている。
第五章になると、前者は【エンドールの旅の扉】側に移動しており生存が確認できるが、砂漠のバザーの方はどこにも見当たらず行方不明になっている。
一方、サランの宿屋にはたまたま災厄を免れた戦士が滞在している。
 
スタート地点であることから、周辺の敵は【スライムベス】【キリキリバッタ】など貧弱な雑魚ばかりだが、第二章メンバーも最初は貧弱なため結構いい勝負になる。
特に【つちわらし】はHPも高く、仲間を呼んだりするのでLv1で出会うとやや危険。だがゴールドや経験値にもそこそこ期待はできる。

五章

第五章では城の中はモンスターの巣窟と化し、城内ではエンカウントが発生する。ただ二章のラストとは違って普段通りのBGMが流れていることもありプレイヤーにとっての不気味さは薄れている。
【キングレオ】撃破後は東側の玉座(王妃の椅子?)に【マーニャ】【ミネア】の仇敵である【バルザック+】が居座っており、ここで真の決着を着けることになる。
リメイク版ではバルザックが座っているのが西側の玉座に変わっている。
1階奥のバリアに囲まれた宝箱にはキーアイテムである【マグマのつえ】【あやかしのふえ】があるが、バルザックを倒すまでは炎に遮られて取れない。倒したら必ず回収すること。
キングレオを倒す前に来るとバルザックや【ミニデーモン】たちはいないものの、この炎だけはいる。この炎は時期を問わず「バルザック様の命令で宝を守っている 立ち去れいメラメラ!」と言うので【キングレオ大臣】にわざわざ聞かなくてもバルザックがここを居城にしていることは、なんとなく察しがつく。
別にミニデーモンや火の玉に話しかけても情報をもらえるだけで襲いかかってこないが、台所で雑用をしているミニデーモンだけは襲ってくるので注意。
と言っても単体火力はそこそこあるものの全体攻撃がしょぼいものしかないのでレベル1桁で挑んだりしない限り余裕で勝てる。
そもそも1章クリア時に経験値3000、キングレオから経験値5100も貰えるので全員レベル1桁は理論上不可能である。
 
周辺には痛恨を出す【あくまのす】やバギマと毒の息を使う【サブナック】
回復ばかりする【ベホマスライム】など、厄介な奴らがぞろぞろ出現する。
特にザキを使う【しりょうつかい】は危険。
勇者やクリフト、ミネアがやられると回復の手段がかなり限られるので、素早く且つ真っ先に片付けよう。
ただし金持ちな【ミステリドール】(落:300G)や、4125Gと結構な高値で売れる【バトルアックス】を1/64で落とす【サイおとこ】が結構な高頻度で出現するため、仲間が増えて装備費もかさむ中盤から終盤のゴールド稼ぎにはなかなか使える場所でもある。
 
【エンディング】になると王様含め城の人々は戻ってくるが、一体何処へ消えていたのか等は一切明らかにされていない。
【デスパレス】のミニデーモンが、「サントハイム王が夢で【エスターク】復活を予知し、【アッテムト】の発掘をやめさせようとした為闇の力で消されたのだろう」と言っているが、エスタークを倒してもすぐに戻らず【デスピサロ】を倒すと戻ってくる。
城がもぬけの殻となっても、サランをはじめとしたサントハイム領の他の町や村は特にサントハイム王家には依存していないらしく、特に様子は変わらない。
 
ちなみに船で【メダル王の城】に向かうなら、わかりやすいルーラポイントの1つ。移動距離は【スタンシアラ】に次いで近い。

リメイク版

PS版

トルネコ曰く「エンドールと並ぶ大国」。
教会の本棚を調べるとアリーナの隠し撮りブロマイドが見つかる。この世界に【写真】という文化が存在することが分かる、貴重な証拠である。まあ、リメイク版における仲間会話や本棚は本編設定と矛盾する点も多いのでスタッフのジョークみたいなものだろうが。
 
なお【ピサロ】が仲間になった後も、ミネアの「デスピサロ。そして魔族。進化の秘法をねらう者をわたしたちで止めなくては!」という台詞がそのまま残っている。ピサロはどういう気持ちで聞いているのやら。
ちなみに【第六章】でピサロを仲間にしても消えた人々は戻ってこないし、アリーナ達も特にピサロに問い詰めたりもしない。
【エビルプリースト】を倒すと戻ってくるが、結局のところ、誰がどのようにして消したのかは謎である。
 
そしてエビルプリースト撃破後のデータをセーブしても、再開時には彼を撃破する前に戻されてしまうため、エンディング以外ではどうやっても帰ってこない。

DS版以降

建築物及びアリーナ・クリフト・ブライの服に付いている紋章が従来の○内に十字から現在の盾の中央に縦線のような形になった。

小説版

サントハイム王がエスタークの居場所を突き止め進撃しようとしていたところを、水晶玉を通して見ていたデスピサロによる妨害と【キメラのつばさ】に宿る魔力の影響により次元のあわいに閉じ込められてしまう。その際デスピサロが持っていた水晶玉も爆発した。
人々が消えバルザック率いる魔物たちに占領された城は好き放題に荒らされていた。殊に亡母の肖像画への落書きや汚物による狼藉を目の当たりにしたアリーナは怒りの頂点に達し、玉座の間に至るまでに立ち塞がる魔物たちを容赦なく虐殺した(味方ですら巻き添えを恐れて距離を置き、アリーナに化けた【マネマネ】を避けたほど)。
城の人々とはデスピサロ撃破後に再会し共にサントハイムに帰ることになるが、現実では五年もの年月が経っていたにも関わらず彼らの間では一瞬の出来事だったようだ。

ゲームブック

人々はデスパレスに投獄されているということになっている。
殺戮するのに比べればある意味では人道的だが、わざわざ生かしたまま輸送して食糧を与えているという、何の目的でそこまで手間暇かけているのか謎である。人間と魔物で人質交換ということは世界観的に考えられないのだが……。
 
もっとも、デスパレスに囚われたという設定が正しいとすれば、結果的にストーリーの整合性がとれると考えることもできる。
なぜなら、リメイク版でピサロを仲間にしてもサントハイムの人々が帰ってこない理由の説明がつくからである。

DQM3

今作では明確にピサロの仕業となり、デスパレスに囚えられたということになっている。
動機は「サントハイム王が地獄の帝王復活の予知夢を見て国民に話し、このままでは人間達に見付けられてしまうのでどうにかしたほうが良いとニャーゼルに進言された」から。
「発掘の阻止を阻止したかった(=発掘を進めて貰いたかった)」という原作での推測とは逆の理由となる。
この事件後にデスパレスの牢獄に行くとDQ4同様に住民が囚えられている様子が見られるが、エスターク撃破後は用済みになって解放されたのかいなくなっている。