【デスルーラ】

Last-modified: 2023-09-24 (日) 19:48:11

概要

【全滅】による強制送還ペナルティを利用して、冒険の出先から拠点に戻る時間を短縮するという荒業。
主に【タイムアタック】などで使われるテクニックである。
死亡(death)する事で【ルーラ】のごとく瞬間移動するから「デスルーラ」。もちろん、そういう名前の呪文が存在する訳ではない。
【デスパレス】【デスコッド】にルーラする事でもない。
 
当初は「自殺ルーラ」と呼ばれていたが、現在では語感の良さからかもっぱら「デスルーラ」と呼ばれ、「デスル」と略される事もある。
ダンジョン脱出が目的の場合は「デスリレミト」、回復目的の場合は「デスベホマ」など、用途に応じた呪文名に置き代える例も見られる。
 
日本では多くのゲームプレイヤーにドラゴンクエストの用語が浸透しているお陰で「ルーラ=瞬間移動」「ベホマ=回復」という意味が通じるためか、ドラクエ以外のゲームでも「わざとミスして移動や回復を図る」行為の代名詞に使われることも。
海外版のドラクエは呪文名が「ルーラ」ではなく日本ほど用語も浸透していないので、同様のテクニックは「Death Warp(デス・ワープ)」と呼ばれる。
 
遠方やダンジョン最深部で目的を達したら、防具を引っぺがすなどワザと不利な状況を作って速やかな全滅を図り、
無事(?)全滅できれば帰り道を飛ばして最後にセーブした場所へと一瞬で舞い戻る。
脱出呪文リレミトを覚えていない序盤に重宝される技で、特に蘇生費用がかからないDQ1やDQ4の一章などでよく使われる。
この手法に利用されがちなダンジョン奥地に住むモンスターなどは「運送屋」だの「タクシー」だのと言われて重宝されている。運賃として所持金の半額をしっかりと財布から抜き取られる。
普段そこまで目立つことのない雑魚モンスターが張り切って勇者を倒した結果、冒険の高速化を手助けしていたとは思いもよるまい。
 
特にDQ1では【ホイミ】を覚えるまで【宿屋】か24Gもする【やくそう】しかHPを回復させる手段がなく、宿泊最安値の【ラダトーム】でも6Gかかるのに対して、蘇生自体は無料で済む。
死亡前に所持金を使い切っておけば半額没収のペナルティーも実質無いようなものなので、復活のほうが「お得」と見なされたのである。
プレイヤーの分身がしんでしまうのが平気なら…であるが。
 
また物語の終盤になるとお金がほぼ必要なくなるので、【ラストダンジョン】などでは多用される傾向がある。
あえてボスの姿を拝むのも手であるが、【負けバトル】の可能性もあるので確実ではない。
DQ1ではまさにそこに罠が張られており、選択肢を誤ると思いがけずゲームオーバーになってしまう可能性がある。この場合はデスルーラどころか、前回再開時以降のすべてが失われてしまうので洒落にならない。さすがにリメイクでは見直されたが。
 
麻痺の登場したDQ3では戦闘時に全員麻痺でも全滅扱いになったため、【ゆめみるルビー】などを活用すれば全滅しても仲間の蘇生費用がかからない。
全滅時には基本的に主人公(勇者)が復活することから、ピンポイントで勇者を生き返らせたいが所持金が無いというときは意外に有用。
言うなれば「デスザオリク」とでもいうべきもので、言っていることとやっていることが正反対のようである。
 
SFC版DQ6の【デュラン】戦(3連戦のどこかで負けると伝説の装備を全て奪われる)のような例外を除けば、本編シリーズでは全滅のペナルティが所持金半減と仲間の蘇生費用ぐらいなので、預かり所や銀行に所持金の大部分を預けてしまえばデメリットはほとんどない。
特にDQ8では全滅後に仲間まで全快するのでペナルティはさらに軽減された。
外伝作品では、トルネコシリーズのように資金以外を全部失ったり、GB版DQM1のように全滅するとほとんど全ての所持アイテムが失われるパターンがあり、デスルーラが有用ではないことが多い。
 
また、DQ7の【謎の異世界】では【神さま】が控えるフロアの直前に教会が存在し、なおかつ神さまからの褒美目当てに嫌でも連戦を強いられる仕様がある。
そのため、神さまを倒して現代に戻ったらわざと全滅し、謎の異世界の教会にとんぼ返りするプレイヤーも少なくなかった。
 
戦歴が導入されたリメイクDQ4・DQ8以降では全滅回数がカウントされるので、気になる人には無縁の技でもある。
逆にDQ9では全滅回数に応じて獲れる称号が3つあり、称号コンプリートを兼ねて積極的にデスルーラしていくプレイヤーもいる。
全滅で得られる称号は【くじけぬ心(称号)】【不屈のたましい】【ネバーギブアップ】など、ちょっと格好良い物が多い。
 
DQ10では教会での復活時にHPとMPが全快となるため、エンドコンテンツで敗北した場合や【ルーラストーン】枠の節約に用いるプレイヤーもいる。【鉄の金庫】を入手すれば、ウッカリして大金を失ってしまうなんて事態も回避できる。
 
DQ11では【キメラのつばさ】の仕様が特殊であるため、【かぜのぼうし】を使用することで命を犠牲にせず所持金半減のペナルティも受けずに同じ事象を再現できるようになった(キメラのつばさ自体を使用した場合でも当然再現可能だが、1枚消費するので実質25Gかかることになる)。こちらは死亡できない町中からも移動することができるため、RTAなどでは利用されることも多い。
 
本来リレミトやルーラが使えない所でも戻れてしまうため、これを応用したバグ(一部仕様有り)による珍現象も多数ある。
有名どころだと、DQ2にて【シドー】出現フラグを神殿外に持ち越す【デルコンダルにシドー召喚】だろうか。
 
ドラクエに限らず、「ミスすると中間地点に戻る」システムのゲームなら応用が効くので、多くのゲームのタイムアタックで見かける手法である。
このテクニックに慣れたプレイヤーが、うっかり全滅ペナルティーの重いゲームでもやってしまい痛い目を見たという、笑うに笑えない話もあるようだ。
前述の通り、DQでもゲームオーバーのある作品では該当することがある。